JP2556557Y2 - 静電塗装機用スピンドル - Google Patents

静電塗装機用スピンドル

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JP2556557Y2
JP2556557Y2 JP1990070112U JP7011290U JP2556557Y2 JP 2556557 Y2 JP2556557 Y2 JP 2556557Y2 JP 1990070112 U JP1990070112 U JP 1990070112U JP 7011290 U JP7011290 U JP 7011290U JP 2556557 Y2 JP2556557 Y2 JP 2556557Y2
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bearing
rotating shaft
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graphite
spindle
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JP1990070112U
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晴久 原田
静 山▲崎▼
幸治 中村
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、静電塗装機に組み込むスピンドルに関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、自動車部品や電気部品等の塗装に、塗料を霧状
にした状態で負の電荷を帯電させ、電気的な吸引力を利
用して被塗装面に付着させる静電塗装機が数多く用いら
れている。
このような静電塗装機においては、霧化する塗料の粒
径を出来るだけ小さくして均一な塗装面を得るために、
塗料の噴霧頭を高速で回転することが求められており、
これに対処するため、その噴霧頭を取付けるスピンドル
の回転軸を静圧気体軸受で非接触で支持する構造が一般
的にとられている。
第4図は、この種の静電塗装機の構造を示したもので
ある。この塗装機は、高電圧発生器41と接続するハウジ
ング40の内部に、通電可能な微小すき間42を介して回転
軸43を挿入し、ハウジング40に形成した複数の給気ノズ
ル44から微小すき間42に圧縮空気を吹き出すことによ
り、回転軸43を非接触で支持するようになっている。
上記回転軸43は、前端部に、回転軸43の回転によって
塗料を霧状化して周囲に吹き出させる塗料噴霧頭45が固
定され、後端部に、ステータモータとロータから成る回
転力発生手段46が連結されており、微小すき間を介して
浮上支持された状態で、高電圧発生器41のグランドに対
して電気的に絶縁状態で保持される。
上記の構造では、高電圧発生器41のグランドとワーク
の被塗装面とを同一電位に設定した状態で、高電圧発生
器41によりハウジング40に負の高電圧を印加すると、電
流が微小すき間42を介してハウジング40から回転軸43に
流れ、その回転軸43に接続する塗料噴霧頭45とワークの
被塗装面との間に、大きな電位差を発生させる。
このため、回転軸43を高速回転させると、噴霧頭45か
ら負の電荷に帯電された霧状の塗料が吹き出し、電気的
な吸引作用によってその塗料が被塗装面に付着して均一
な塗装面を形成する。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記の構造においては、ハウジング40から回転軸43に
向かう電流は、その大部分が最も間隔の小さい軸受すき
間を介して流れるため、軸受すき間において激しい放電
現象が生じ、この放電現象によりスパッタリングが発生
する。
このようにスパッタリングが起きると、軸受を構成す
るハウジング40に含まれている金属が溶け出し、回転軸
43の表面に付着するため、軸受すき間が減少して回転軸
43の支持状態が不安定になり、最悪の場合には、回転軸
43とハウジング40の接触によって焼き付き事故が引き起
こされる問題があった。
そこで、この考案は、静圧気体軸受の軸受すき間にお
けるスパッタリングの発生を抑え、安定した回転支持を
維持することができるスピンドルを提供することを目的
としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するため、この考案は、高電圧発生
器と接続するハウジングの内部に軸受スリーブを設け、
その軸受スリーブに通電可能な微小な軸受すき間を介し
て回転軸を回転自在に挿入すると共に、上記軸受すき間
に圧縮空気を供給して静圧気体軸受を形成し、上記回転
軸の前端部に塗料噴霧頭を取付けると共に、回転軸の後
端部に回転力発生手段を連結した静電塗装機用スピンド
ルにおいて、上記軸受スリーブを銅合金により形成する
と共に、その軸受スリーブに8重量%以上の黒鉛を均一
に分散させて含有せしめた構造を採用したのである。
〔作用〕
微小すき間を介して生じる放電現象においては、すき
間をはさんで相対する金属間の電気抵抗が大きいほど、
放電を発生させる電圧が高くなり、放電で流れる電気量
も大きくなって、スパッタリングなどの激しい放電現象
が生じやすくなる。このため、放電による影響を抑える
ためには、低電圧で放電させることにより放電電流を小
さくすればよい。
上述したこの考案の構造では、軸受スリーブに分散し
た黒鉛が金属間の電気抵抗を小さくするために、放電電
圧が小さくなり、放電させる電流を減少させることがで
きることを実験的に確認できた。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
この実施例の構造は、従来構造のものと基本的に同様
であり、第1図に示すように、高電圧発生器2が接続す
るハウジング1の内側に中空の軸受スリーブ3が取付け
られ、その軸受スリーブ3の内側に回転軸4が通電可能
な微小すき間5を介して挿入されている。
ハウジング1の内部には、圧縮空気供給源(図示略)
に接続した空気通路6が形成され、軸受スリーブ3に
は、その空気通路6に連通する複数の給気ノズル7、8
が形成されている。上記給気ノズルのうち、給気ノズル
7は、回転軸4の周面との間でラジアル空気軸受9を形
成し、給気ノズル8は、回転軸4の後端に設けたフラン
ジ11との間でスラスト空気軸受10を形成しており、給気
ノズル7、8から圧縮空気が微小すき間5に供給される
と、回転軸4が浮上し、ハウジング1に対して非接触状
態で支持される。
上記の軸受スリーブ3は、青銅系合金で形成され、そ
の内部に黒鉛が均一に分散して含有されている。この黒
鉛の含有量は、軸受スリーブに対する重量比で8%以上
に設定されている。
なお、軸受スリーブ3の材料には、黄銅系合金も使用
できる。
一方、回転軸4は、防錆のためステンレス鋼で形成さ
れ、その表面には、硬質クロムメッキなどにより軸受が
接触した場合のかじり付きや焼き付きを抑制する処理が
施されている。
上記回転軸4の前端部に取付けられる塗料噴霧頭12
は、回転軸4にねじ込みで取付けられるカップ状の金属
製案内板13と、その案内板13との間で環状の塗料導入空
間14を形成する支持板15と、導入空間14に開口が臨むよ
うに取付けられる塗料噴射ノズル16とから成り、案内板
13と支持板15の間に、多数の塗料流出孔17が形成されて
いる。
この噴霧頭12では、噴射ノズル16から噴射された塗料
は、噴霧頭12が高速回転することにより流出孔17を通っ
てカップ状の案内板13の内周面に導入され、遠心力によ
って霧状となりながら周囲に吹き飛ばされる。この場
合、案内板13が帯電状態にあると、その内周面を流れる
間に塗料が負の電荷に帯電される。
一方、回転軸4後端のフランジ11の周面には、複数の
タービンブレード18が配置され、ハウジング1にはその
タービンブレード18に圧縮空気を吹き出す圧縮空気噴出
孔19が形成されており、この噴出孔19にコンプレッサ20
が連結されている。この構造では、コンプレッサ20から
噴出孔19を通してタービンブレード18に圧縮空気が吹き
付けられると、タービンブレード18には回転力が与えら
れ、その結果、浮上支持された回転軸4が高速度で回転
される。
なお、このような回転軸4に回転力を発生させる手段
は、第4図に示すようなステータモータとロータを用い
た構造を採用することもできる。
上記の構造で成る実施例の静電塗装機においては、軸
受スリーブ3に添加された黒鉛が軸受スリーブ表面に存
在し、軸受スリーブと回転軸間の電気抵抗を著しく低下
させるため、ハウジング1と回転軸4間に生じる放電電
圧が小さくなり、放電される電流量が小さくなる。この
ため、軸受すき間で生じる放電現象が大きく緩和され、
スパッタリングの発生が防止される。
上記の黒鉛による効果をみるため、黒鉛の添加量を変
化させた場合の放電量の変化を試験した。
第2図は、試験装置の概要を示すものであり、耐圧試
験器21と同一電位のグランド22上に設置された支持台23
に、第1図の構造の静電塗装用スピンドルAを取付け、
その回転軸4に耐圧試験器21で電圧をかけて軸受すき間
を変化させたときの放電電流の変化を測定した。
試験品は、青銅系合金の軸受スリーブに8重量%の黒
鉛を添加したもの(試料a)と、同材質の軸受スリーブ
に12重量%の黒鉛を添加したもの(試料b)を用意し、
この試料a、bと、軸受スリーブに黒鉛を添加せず青銅
系合金だけで形成したもの(試料c;従来品)を比較し
た。
試験結果を第3図に示す。
同図に示すように、黒鉛を添加しないもの(試料c)
に比べて、黒鉛を添加したもの(試料a、b)は放電電
流が著しく減少し、また、添加量が多くなるほど(試料
aより試料bの方が)放電電流が減少している。実際
に、軸受すき間を12μmに設定した条件では、黒鉛を8
重量%以上含有したものは、黒鉛を含有しないものに比
べて放電電圧が約1/2程になり、放電電流が約1/10に減
少した。
一方、黒鉛の含有量を8重量%より下げると、放電電
流の減少効果はわずかながら得られるが、顕著な効果は
得られない。このため、黒鉛の含有量は8重量%以上に
設定するのが望ましい。
なお、黒鉛の添加は、軸受スリーブ全体に含有させる
のではなく、回転軸に向き合うスリーブの表面に均一に
分散させるようにしてもよい。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案は、静圧気体軸受を形成する
軸受スリーブを銅合金で構成すると共に、その軸受スリ
ーブに8重量%以上の黒鉛を均一に分散させて含有せし
めたことにより、放電電圧及び放電電流を大幅に減少さ
せることができ、軸受部におけるスパッタリングの発生
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の実施例を示す縦断正面図、第2図は
試験装置の概要を示す図、第3図は黒鉛の添加量を変化
させたときの放電電流と軸受すき間の関係を示すグラ
フ、第4図は従来構造を示す縦断正面図である。 1……ハウジング、2…高電圧発生器、3……軸受スリ
ーブ、4……回転軸、5……微小すき間、7、8……給
気ノズル、9……ラジアル空気軸受、10……スラスト空
気軸受、12……塗料噴霧頭、13……案内板、16……塗料
噴射ノズル、18……タービンブレード、19……圧縮空気
噴出孔、20……コンプレッサ、A……スピンドル。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】高電圧発生器と接続するハウジングの内部
    に軸受スリーブを設け、その軸受スリーブに通電可能な
    微小な軸受すき間を介して回転軸を回転自在に挿入する
    と共に、上記軸受すき間に圧縮空気を供給して静圧気体
    軸受を形成し、上記回転軸の前端部に塗料噴霧頭を取付
    けると共に、回転軸の後端部に回転力発生手段を連結し
    た静電塗装機用スピンドルにおいて、上記軸受スリーブ
    を銅合金により形成すると共に、その軸受スリーブに8
    重量%以上の黒鉛を均一に分散させて含有せしめたこと
    を特徴とする静電塗装機用スピンドル。
JP1990070112U 1990-06-28 1990-06-28 静電塗装機用スピンドル Expired - Lifetime JP2556557Y2 (ja)

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JP1990070112U JP2556557Y2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 静電塗装機用スピンドル

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JP1990070112U JP2556557Y2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 静電塗装機用スピンドル

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JPH0430063U JPH0430063U (ja) 1992-03-11
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS61142111A (ja) * 1985-02-14 1986-06-30 株式会社 フジパツクシステム 包装機における包装用フイルム押え装置

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JPH0430063U (ja) 1992-03-11

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