JP2556068B2 - ショ糖糖衣層およびその形成法 - Google Patents

ショ糖糖衣層およびその形成法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、食品あるいは医薬などの分野における固型
物、たとえば錠剤に代表される固型製剤の糖衣層および
その形成法に関する。
従来の技術 たとえば糖衣錠を製造する際の糖衣作業は、一般に練
込掛け,シロップ掛け(仕上げ),ワックス掛け(艶出
し)の工程からなるが、このうち練込掛け工程において
形成される層は、糖衣層の大半を占め、その層の性質は
糖衣錠の性質を大きく支配する。このため練込掛け工程
で使用する糖衣用ショ糖水溶液および散布用粉剤は、人
体に無害とものであって、均一な糖衣層を形成するもの
でなければならないことはもちろんのこと、これによっ
て形成された糖衣層は内部に万が一分解ガスが発生して
もヒビ割れを生ずることがなく、また外部からの衝撃に
対して優れた強度を有し、しかも体液中で崩壊性のよい
ことが要求される。そして、その目的に沿うよう従来か
ら糖衣用ショ糖水溶液に、たとえばゼラチン,アラビア
ゴムあるいはポリビニルピロリドン,カルボキシメチル
セルロースなどの結合剤を加えて糖衣層の強度増強が図
られている。なかでもゼラチン,アラビアゴムなどは安
全で比較的安価に入手することができたため糖衣層の結
合剤として繁用され今日に至っている。ところが、これ
らの結合剤は、糖衣錠の表面を経時的に変色させたり、
崩壊時間に変化を起こさせるなどの問題点のあることが
指摘され、また錠剤の耐衝撃性に関しても経時的変化を
受け易く長期間の保存により錠剤にひび割れが発生する
などの欠点を有している。
このため糖衣層に用いる結合剤に関しては、今なお種
々の検討が行なわれ、糖衣層の性能をより向上させる努
力が続けられている。
一方、実用化の点からは、アラビアゴムのように需給
バランスが不安定なものより、大量にしかも安定した品
質のものが確保できる結合剤の開発が要望され、たとえ
ばコーンスターチを原料として黒酵母を培養することに
より得られる多糖類(プルラン)を糖衣層における結合
剤として利用することが提案されている(たとえば特開
昭59−219,200号公報)。しかしながら、糖衣層におけ
る結合剤として、プルランを単独で使用した場合には、
比較的均一な糖衣層が形成されるにもかかわらず、その
衝撃強度は充分ではない。これを解決する方法として、
ポリビニルピロリドンをプルランに加えて、両成分を結
合剤として用いる方法が提案されている。しかしなが
ら、ポリビニルピロリドンの配合量が多くなると糖衣錠
がひび割れを起す傾向がみられると共に、有効成分(薬
剤)の種類によってはポリビニルピロリドンと接触する
ことより、その品質劣化を起す場合が多々ある。
一方、結晶セルロースを結合剤として使用する糖衣錠
の製造法が提案されている(特公昭40−26918号公
報)。この方法では、糖衣層の強度は確かに向上するも
のの、結晶セルロースを含むショ糖水溶液は、展延性に
乏しいため糖衣錠の側面が溝が発生することがあり、ま
た糖衣層への付着性も良いとはいえないため多量の粉末
が飛散するなどの欠点があった。
本発明の構成 本願発明者らは、糖衣層の結合剤としてプルランと結
晶セルロースとを組合わせたものを用いることにより、
それぞれの成分を単独で用いたときの欠点が一挙に解決
しうることを見い出し、本発明を解決した。
すなわち、本発明は(1)プルランおよび結晶セルロ
ースを含有するショ糖糖衣層および(2)プルラン結晶
セルロースとを含有するショ糖水溶液を用いて糖衣を施
こすことを特徴とする糖衣層の形成法である。
本発明で使用するプルラン(Pullulan)は、マルトト
リオース(3分子のグルコースがα−1.4結合したも
の)が線状に規則正しくα−1.6結合した水溶性の粘質
多糖類である。このものは通常澱粉、特にコーンスター
チを原料としてオーレオバシジウム プルランス(Aure
obasidiumpullulanes)を培養することによって菌体外
に生産される。このような培養液から得られるプルラン
は、非結晶の不定形白色粉末であって局方外成分規格
(1986年版)に収載されている。プルランは、分子量が
10,000から5,000,000までのものが知られているが、い
ずれの分子量のものであっても本発明で用いることがで
きる。また、本発明ではプルランエステル,プルランエ
ーテルなどの水溶性のプルラン誘導体を用いることもで
きる。
また、本発明で使用する結晶セルロースは、天然セル
ロースを、たとえば酸処理することによって網状の分子
構造をある程度細分化し、このものをさらにせん断力を
かけながら処理して、さらに分子構造を細分化した白色
粉末状の水不溶性セルロースである。通常、平均粒径が
150μ以下のものが用いられ、特に50μ以下のものを用
いるのが好ましい。このような結晶セルロースは、アビ
セル PH101,PH102,PH301,PH302,RC−591NF(いずれも
旭化成(株)製造・販売)、ユニマック MG−100,MG−
200(ユニチカレーヨン(株)製造,販売)などとして
容易に入手することができる。
本発明のプルランの結晶セルロースとを含有するショ
糖糖衣層は、プルランと結晶セルロースとを含有するシ
ョ糖水溶液を固型物、たとえば裸錠のような固型製剤に
糖衣(コーティング)を施すことにより形成させること
ができる。この場合、プルランはショ糖に対して0.5〜
5重量%、また結晶セルロースはショ糖に対して1〜6
重量%の割合で使用する。プルランの使用量が0.5重量
%未満または/および結晶セルロースの使用量が1重量
%未満であると優れた物性を示す糖衣層を形成させるこ
とができない。またプルランの使用量が5重量%を越え
たり、結晶セルロースの使用量が6%を越えるとショ糖
液の粘性が高くなるため作業性が悪くなり、均一な糖衣
層の形成が困難となる。
本発明の糖衣層および糖衣用ショ糖水溶液には、プル
ランと結晶セルロースのほかに、従来から汎用されてい
る配合成分、たとえばタルク,カオリン,沈降性炭酸カ
ルシウム,デンプン,リン酸水素カルシウム,硫酸カル
シウムなどの水不溶性基剤、プロピレンオキサイド−エ
チレンオキサイドコポリーマー(PEP),ポリエチレン
グリコール(PEG)などの滑剤、水溶性色素,酸化チタ
ン,ベンガラなどの着色剤が配合されていてもよい。
本発明の糖衣層を形成させるには、プルランと結晶セ
ルロース、さらに必要に応じて他の添加剤が配合された
ショ糖水溶液を用いて、固型物の練込掛けを行なえばよ
い。この工程において、たとえばタルクのような散布剤
を散布する方法を採ってもよい。裸錠に糖衣層を形成さ
せるには、常法により練込液の注加と乾燥とを繰返す。
糖衣錠の場合、通常は、さらにシロップ液による仕上
げ、ワックスによる艶出しが行なわれて糖衣錠となる。
発明の効果 本発明の糖衣層は、均一で平滑な上に耐衝撃性が極め
て高いため薄層化が可能である。また従来の糖衣層にみ
られるような経時的なひび割れ現象あるいは褐変現象は
認められない。しかも糖衣層の崩壊時間は良好であっ
て、その経日変化も認められない。
実施例1 乳糖とデンプンとを主成分(乳糖:デンプン=7:3)
とする裸錠1kg(5000錠:1錠当りの重量200mg,直径8.5m
m)を12インチのコーティングパンに仕込み、下記組成
のプルランと結晶セルロースとを含有するショ糖水溶液
(以下、練込液ともいう)(a)を用いて裸錠の糖衣を
行なった。このあとシロップ液を用いて仕上げを行な
い、さらにワックス掛けをして艶出しを行なった。各コ
ーティング条件は下表に示す通りである。
なお、比較のために、練込液(b),(c),(d)
を用いて、同様に裸錠の糖衣を行なった。
コーティング条件 なお、シロップ掛けにはショ糖1000gを水500gに溶解
させたシロップ液を用いた。
上記の方法により得られた4種の糖衣錠(a),
(b),(c),(d)について、外観,崩壊時間,衝
撃強度を測定し、次の結果を得た。
<外観および崩壊時間> <衝撃強度> 上記試験結果から明らかなように、本発明の糖衣層を
有する糖衣層(a)は、比較糖衣錠(b),(c),
(d)とはちがって加速試験において外観上および崩壊
時間の経時変化は認められない。また耐衝撃強度も一段
と優れており、その経時的低下も認められない。
実施例2 実施例1における練込液(a)の注加と散布剤(タル
ク)の散布を交互に行なう方法により糖衣層を形成させ
た。練込液の注加とタルクの散布は、重量が80mg増加す
るまで繰返し、このあとさらに練込液の注加を重量が10
0mg増加するまで繰返した。最後にシロップ掛けとワッ
クス掛けを行なって総重量355mgの糖衣錠を得た。この
糖衣錠の摩損度は3.1%、また崩壊時間は10.5分であっ
た。さらに50℃で60日間放置したが色の変化およびひび
割れは発生しなかった。またこのものの摩損度は3.4
%、崩壊時間は11.6分で実質的な経時変化は認められな
かった。
実施例3 実施例1の練込液(a)において、結晶セルロース成
分を微粉結晶セルロース(平均粒径15μ)に置換えた処
方で、実施例1と同様に裸錠の糖衣を行なった。
得られた糖衣錠の摩損度は1.8%、また崩壊時間は13.
2分であった。50℃,60日間放置したが色の変化およびひ
び割れは発生しなかった。またこのものの摩損度は2.0
%で崩壊時間は14.5分と実質的な経時変化は認められな
かった。
実施例4 実施例1の練込液(a)において、結晶セルロース成
分を結晶セルロース:カルボキシメチルセルロースナト
リウム(旭化成:アビセルRC−591NF)に置換えた処方
で実施例1と同様に裸錠の糖衣を行なった。得られた糖
衣錠の摩損度は1.4%、また崩壊時間は14.1分であっ
た。50℃,60日間放置したが色の変化およびひび割れは
発生しなかった。このものの摩損度は1.6%で崩壊時間
は15.5分と実質的な経時変化は認められなかった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プルランおよび結晶セルロースを含有する
    ショ糖糖衣層。
  2. 【請求項2】プルランと結晶セルロースとを含有するシ
    ョ糖水溶液を用いて糖衣を施すことを特徴とする糖衣層
    の形成法。
  3. 【請求項3】ショ糖に対して、プルラン0.5〜5重量
    %、結晶セルロース1〜6重量%の割合で使用する特許
    請求の範囲第(2)項に記載の方法。
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