JP2555721Y2 - 電気燻蒸器 - Google Patents

電気燻蒸器

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JP2555721Y2
JP2555721Y2 JP8831891U JP8831891U JP2555721Y2 JP 2555721 Y2 JP2555721 Y2 JP 2555721Y2 JP 8831891 U JP8831891 U JP 8831891U JP 8831891 U JP8831891 U JP 8831891U JP 2555721 Y2 JP2555721 Y2 JP 2555721Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば電気蚊取線香器
のような電気燻蒸器に関し、特に、発熱異常が起こった
場合に発熱部への給電を遮断する構造を備えた電気燻蒸
器に関する。
【0002】
【従来の技術】電気燻蒸器は、薬剤を発熱部により加熱
し薬剤を気化して燻蒸させる装置である。このような電
気燻蒸器としては、例えば電気蚊取線香器が広く用いら
れている。図5は、電気燻蒸器の一例としての電気蚊取
線香器を示す斜視図である。電気蚊取線香器1は、耐熱
性に優れた合成樹脂よりなる本体2内に薬剤を加熱する
ための発熱部(図示されず)を内蔵している。発熱部の
上面には、伝熱性に優れた金属板よりなる加熱板3が固
定されている。電気蚊取線香器1では、この加熱板3上
に薬剤を含浸したマットが載置され、発熱部を発熱させ
ることにより薬剤含浸マットが加熱され、薬剤が燻蒸さ
れる。
【0003】上記発熱部の一例を図6に断面図で示す。
発熱部4は、ケース5内に発熱素子としての正特性サー
ミスタ(以下、PTC)素子6を収納した構造を有す
る。PTC素子6の下面には、第1の端子7が接続され
ており、該第1の端子7は、ケース5外に引出されてい
る。同様に、PTC素子6の上面には、第2の端子8が
電気的に接続されており、第2の端子8もケース5から
引出されている。そして、第2の端子8の上面に、絶縁
性材料よりなる絶縁シート9が固着されており、さらに
絶縁シート9の上面に加熱板3が貼り合わされている。
【0004】電気燻蒸器1では、誤使用によりPTC素
子6が異常発熱することがある。そこで、従来、異常発
熱による火災等を防止するために、発熱部4の外側にヒ
ューズやバイメタル等の感温素子を取り付け、PTC素
子の過熱を検知するように構成された構造が提案されて
いる。また、PTC素子の異常発熱は、過電流による過
熱が原因であることが多いため、第1,第2の端子7,
8の少なくとも一方に幅の細い部分を設け、ジュール熱
により該幅の細い部分を溶断させる方法も提案されてい
る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】発熱部4の外側に温度
ヒューズやバイメタル等の感温素子を取り付けた構造で
は、発熱部4に別の部品を外付けするものであるため、
部品点数が増加するだけでなく、電気燻蒸器1の全体形
状が大きくなるという問題があった。また、発熱部4に
感温素子を外付けするものであるため、PTC素子6に
感温素子を確実に熱結合させることが困難であり、その
結果、PTC素子6の異常発熱を正確に検出することが
難しかった。また、第1,第2の端子7,8に幅の細い
部分を設け、異常発熱時に溶断させる構造では、装置の
大型化は招かない。しかしながら、端子7,8に幅の細
い部分を形成する場合、その幅の細い部分の幅としては
0.2mm程度が限度であった。従って、端子を構成す
る材料によっても若干異なるが、2.5〜3A程度以下
の過電流の場合には、端子を溶断させることができず、
異常発熱状態が継続し、火災を引き起こすおそれがあっ
た。
【0006】本考案の目的は、発熱素子の異常発熱を正
確に検出して発熱素子への給電を確実に遮断することが
でき、かつ装置の大型を招かない構造を備えた電気燻蒸
器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、薬剤を燻蒸さ
せるための発熱部を有する電気燻蒸器において、発熱部
が下記の構成を備えることを特徴とする。すなわち、本
考案の電気燻蒸器の発熱部は、仕切り壁により区画され
た発熱素子収納部及び可溶体滴下収納部を有するケース
と、前記発熱素子収納部に収納された発熱素子と、前記
発熱素子に電気的に接続されておりかつケース外に引出
された一対の端子と、前記可溶体滴下収納部に収納され
ておりかつ前記発熱素子に熱結合された感温可溶体とを
備え、前記一対の端子のうち一方の端子が、発熱素子及
び感温可溶体に電気的に接続されておりかつ両者に熱結
合された第1の端子部と、感温可溶体に電気的に接続さ
れており、仕切り壁に沿ってかつケース外に至るように
延ばされており、さらに該仕切り壁を介して発熱素子に
熱結合された第2の端子部とを備える。
【0008】なお、上記感温可溶体なる表現は、所定温
度に達した場合に、溶解し得る物質を意味するものであ
り、例えば鉛、錫またははんだ等の低融点金属材料や、
4,4´−ジブロモビフェニル−4,4´−オキシジア
ニリン等の有機材料により構成することができる。もっ
とも、感温可溶体により端子の上記第1の端子部と第2
の端子部とを電気的に接続する必要があるため、有機材
料よりなる感温可溶体では、表面に導電性材料を付与す
ることにより、第1の端子部と第2の端子部とを電気的
に接続し得るように構成されたものを用いることが必要
である。
【0009】
【作用】本考案の電気燻蒸器では、発熱素子が異常発熱
した場合、感温可溶体が発熱素子に熱結合されているた
め、該感温可溶体が溶解し、第1の端子部と第2の端子
部との電気的接続が解かれる。感温可溶体は、発熱部を
構成するケース内において発熱素子と熱結合されている
ものであるため、発熱素子の異常発熱を正確に検出する
ことができ、さらに上記のように自身の溶解により給電
を直ちに遮断させる。しかも、感温可溶体の形状及び材
料を変更することにより、検知温度及び動作時間を所望
の値に容易に設定することができる。感温可溶体は、発
熱部を構成するケース内において上記可溶体滴下収納部
に収納されており、異常発熱時に溶解した感温可溶体が
外部に露出することがないため、火傷等の二次災害を防
止することができる。また、感温可溶体は、発熱部を構
成するケース内に収納されているため、電気燻蒸器を大
型化するおそれもない。
【0010】
【実施例の説明】以下、本考案の一実施例にかかる電気
燻蒸器を説明する。図1は、本実施例の電気燻蒸器の要
部である発熱部を示す断面図である。なお、本考案は、
前述したように発熱部の構造に特徴を有するものであ
り、発熱部以外の構成については、従来より公知の電気
燻蒸器の構成に従って適宜構成することができる。発熱
部11は、上方に開口12aを有する有底円筒状または
有底角筒状のケース12を用いて構成されている。ケー
ス12は、例えばアルミナ等の絶縁性に優れた材料によ
り構成される。
【0011】ケース12内には仕切り壁13が設けられ
ており、それによって、仕切り壁13の一方側に発熱素
子収納部14が、他方側に可溶体滴下収納部15が設け
られている。本実施例では、仕切り壁13は、ケース1
2を構成する材料により一体的に形成されているが、仕
切り壁13は、ケース12を構成する材料とは異なる材
料で別体に形成されていてもよい。その場合、仕切り壁
13は、後述のように発熱素子と感温可溶体や端子とを
熱結合させるように機能するものであるため、熱伝導性
に優れた絶縁性材料からなることが好ましい。発熱素子
収納部14内には、発熱素子としての円板状のPTC素
子16が収納されている。PTC素子16は、両主面に
電極16a,16bを有する。PTC素子16の下面に
は、端子17が電気的に接続されており、該端子17
は、ケース12の下面12bからケース外に引出されて
いる。
【0012】他方、PTC素子16の上面には、端子1
8が電気的に接続されている。端子18は、PTC素子
16の上面に電気的に接続された第1の端子部18a
と、可溶体滴下収納部15内に配置された第2の端子部
18bとを有する。そして、可溶体滴下収納部15内に
おいて、第1の端子部18aと第2の端子部18bとが
感温可溶体19により電気的に接続されている。本実施
例では、第2の端子部18bの上端が略水平方向に折り
曲げられており、第2の端子部18bの略水平に折り曲
げられた部分と第1の端子部18aとの間に上記感温可
溶体19が挟まれた状態で載置されている。
【0013】なお、第2の端子部18bは、可溶体滴下
収納部15内からケース12の下面12bを経てケース
外に引き出されている。また、ケース外に引出されてい
る第2の端子部18bには、第2の端子18の上方への
移動を規制するための移動係止爪18cが形成されてい
る。移動係止爪18cは、図示のように、第2の端子部
18bから斜め上方に延ばされており、先端がケース1
2の下面12bに当接することにより、第2の端子部1
8bの上方への移動を規制し得るように構成されてい
る。感温可溶体19は、上記のように第1,第2の端子
部18a,18bを電気的に接続する必要があるため、
導電性を有する材料で構成されることが好ましい。もっ
とも、絶縁性の感温可溶性材料の表面に導電性材料を付
与することにより構成されてもよく、同様に、第1,第
2の端子部18a,18b間を電気的に接続することが
できる。感温可溶体19は、後述のようにPTC素子1
6に熱結合されており、PTC素子16の異常発熱時に
溶解し得る材料で構成されることが必要である。そこ
で、本実施例では、感温可溶体19は、少なくとも一部
がはんだにより構成されている。
【0014】本実施例の発熱部11では、感温可溶体1
9は、PTC素子16に熱結合されている。この熱結合
は、PTC素子16の上面に接続された第1の端子部1
8aを介することにより行われている。また、PTC素
子16は、仕切り壁13を介しても第1の端子部18a
の感温可溶体19側に位置する部分と熱結合されてい
る。同様に、PTC素子16は、仕切り壁13を介して
第2の端子部18bにも熱結合されている。すなわち、
第2の端子部18bが、図示のように仕切り壁13に沿
って下方に延ばされているため、第2の端子部18b
は、PTC素子16の輻射熱を受けた仕切り壁13によ
り加熱されるように構成されている。なお、上記第1の
端子部18aには、合成樹脂等の絶縁性材料よりなる絶
縁シート20が貼り合わされており、それによってケー
ス12の開口12aが閉成されている。また、絶縁シー
ト20の上面には、伝熱性に優れた材料、例えば金属よ
りなる加熱板21が貼り合わされている。この加熱板2
1は、例えば、図5に示した電気燻蒸器1における加熱
板3に相当するものである。
【0015】図1に示した実施例の発熱部11の動作を
説明する。通常は、端子17,18から給電することに
より、PTC素子16が発熱し、加熱板21が加熱され
る。他方、PTC素子16が過電流により異常発熱した
場合には、異常発熱に伴う熱が、第1の端子部18aを
介して、及び仕切り壁13を介して感温可溶体19に伝
えられる。さらに、上記異常発熱に伴う熱は、仕切り壁
13を介して第2の端子部18bにも伝えられる。この
異常発熱時に伝えられた熱によって、感温可溶体19が
溶解し、図2に示すように、第1,第2の端子部18
a,18b間の電気的接続を遮断する。
【0016】なお、第2の端子部18bは仕切り壁13
に沿うように配置されているため、本実施例では、異常
発熱時には第2の端子部18bの温度が感温可溶体19
の温度よりも高くなるように構成されている。従って、
感温可溶体19は、第1の端子部18aに接触している
部分だけでなく、第2の端子部18bに接触している部
分からも溶解を開始し、さらに感温可溶体19が可溶体
滴下収納部15の上方に配置されているため、溶解した
感温可溶体が該可溶体滴下収納部15の下方に落下され
る。よって、第1,第2の端子部18a,18b間の電
気的接続は確実に解除される。
【0017】また、溶解し、下方に滴下した感温可溶体
19は、図2から明らかなように、可溶体滴下収納部1
5内に留まるため、すなわち周囲の他の部品に付着する
おそれがないため、周囲の部品を汚染するおそれがな
く、かつ手、指等による火傷を引き起こすおそれもな
い。本実施例の発熱部11では、上記のように感温可溶
体の溶解及び可溶体滴下収納部15内における下方への
滴下により、第1,第2の端子部18a,18b間の電
気的接続を解くものであるため、該感温可溶体19の材
料及び形状を工夫することにより、感温可溶体19によ
る上記動作及び動作温度を所望の値に容易に設定するこ
とができる。
【0018】上記実施例では、感温可溶体19として直
方体状のはんだからなるものを図示したが、例えば、図
3に示すように、球状の感温可溶体19を用いてもよ
い。その場合、球状の感温可溶体19は、ステンレス球
の表面をはんだめっきや錫めっきしたもので構成されて
もよく、あるいは球状のはんだや錫等により構成されて
もよい。球状の感温可溶体19を用いる場合には、感温
可溶体19を安定に載置するために、第2の端子部18
bの先端に、球状の凹面を有する感温可溶体受け部18
dを形成することが必要である。図3に示した実施例の
ように感温可溶体19が球状の場合には、第1の端子部
18aとの接触部分が点接触であるため、異常発熱時に
過電流が該接触部分に集中することになるため、感温可
溶体19における溶解現象は非常に速く進むという利点
がある。
【0019】図4は、感温可溶体のさらに他の例を説明
するための要部断面図である。本実施例では、感温可溶
体29は、4,4´−ジブロモビフェニル−4,4´オ
キシジアニリンのような円柱状または角柱状の有機感温
材29aと、感温材29aの周囲に導電性を付与するた
めに付着されたアルミ箔29bとからなる。本実施例で
は、有機感温材29aが異常発熱時に溶解するが、その
場合にアルミ箔29bによる第1の端子部18aと第2
の端子部18bとの間の電気的接続を解く必要がある。
従って、アルミ箔29bは、感温材29aの溶解につれ
て、図示の形状を留めないような非常に薄くかつ幅の細
い形状とすることが必要である。例えば、15μm程度
の厚みであり、かつ紙面−紙背方向において1〜3mm
幅程度のアルミ箔が用いられる。
【0020】本願考案者の実験によると、感温可溶体2
9では、異常発熱時にまず感温材29aの溶解に伴って
上方部分においてアルミ箔29bと第1の端子部18a
との間の接触部分が減少していき、その結果、電流集中
現象により感温材29aがより速く溶解するようにな
り、最後にアルミ箔29bが第1の端子部19aと接触
しなくなり、給電が停止された。なお、矢印Aで示すコ
ーナー部分では、感温材29aの溶解の進行に伴ってア
ルミ箔29bの形状が崩れていき、最終的には該コーナ
ー部分Aが消滅する程度に、アルミ箔29bの形状が崩
れた。
【0021】
【考案の効果】以上のように、本考案では、発熱部のケ
ース内において一方の端子の途中に感温可溶体を接続す
ることにより異常発熱時の給電を遮断するものであるた
め、発熱部、ひいては電気燻蒸器の大きさを大型化する
ことなく、異常発熱時に給電を遮断することができる。
また、上記感温可溶体を異常発熱時に溶解させることに
より、一方の端子の第1の端子部と第2の端子部との間
の電気的接続を解くものであるため、感温可溶体の材料
及び形状等を工夫することにより、給電遮断動作の開始
される時間及び過電流値を所望の値に容易に設定するこ
とができる。しかも、感温可溶体が発熱部を構成してい
るケースの可溶体滴下収納部内に配置されており、溶解
した感温可溶体が発熱部外に露出しないため、火傷等の
二次災害を防止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の電気燻蒸器の発熱部の断面
図。
【図2】感温可溶体を溶解し、給電が遮断された状態を
説明するための実施例の要部拡大断面図。
【図3】感温可溶体の他の例を説明するための要部拡大
断面図。
【図4】感温可溶体のさらに他の例を説明するための要
部拡大断面図。
【図5】従来の電気燻蒸器の一例を説明するための斜視
図。
【図6】従来の電気燻蒸器の発熱部を示す断面図。
【符号の説明】
11…発熱部 12…ケース 13…仕切り壁 14…発熱素子収納部 15…可溶体滴下収納部 16…PTC素子 17,18…端子 18a…第1の端子部 18b…第2の端子部 19…感温可溶体 29…感温可溶体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤を燻蒸させるための発熱部を有する
    電気燻蒸器において、 仕切り壁により区画された発熱素子収納部及び可溶体滴
    下収納部を有するケースと、 前記発熱素子収納部に収納された発熱素子と、 前記発熱素子に電気的に接続されておりかつケース外に
    引出された一対の端子と、 前記可溶体滴下収納部に収納されておりかつ前記発熱素
    子に熱結合された感温可溶体とを備え、 前記一対の端子のうち一方の端子が、発熱素子及び感温
    可溶体に電気的に接続されておりかつ両者に熱結合され
    た第1の端子部と、感温可溶体に電気的に接続されてお
    りかつ仕切り壁に沿ってケース外に至るように延ばされ
    ており、さらに該仕切り壁を介して発熱素子に熱結合さ
    れた第2の端子部とを備える発熱部を有することを特徴
    とする、電気燻蒸器。
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