JP2555690Y2 - 回転電機巻線の絶縁部の構造 - Google Patents

回転電機巻線の絶縁部の構造

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JP2555690Y2 JP1991010106U JP1010691U JP2555690Y2 JP 2555690 Y2 JP2555690 Y2 JP 2555690Y2 JP 1991010106 U JP1991010106 U JP 1991010106U JP 1010691 U JP1010691 U JP 1010691U JP 2555690 Y2 JP2555690 Y2 JP 2555690Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転電機巻線の絶縁被
覆に関するもので、全含浸方式で絶縁処理されるコイル
の絶縁部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】回転電機のコイルの絶縁処理
方式の一つに全含浸方式と呼ばれるものがある。この方
式は、鉄心スロットに絶縁されたコイル直線部を装着し
て結線後、鉄心ごとに樹脂を真空加圧含浸・硬化するも
ので、鉄心とコイルが一体となった緻密な絶縁層が形成
され、機械的、電気的、及び耐環境性に優れた特性が得
られる特長がある。しかし、他方では、樹脂の処理コス
トの問題があり、この処理コストは、樹脂のポットライ
フに左右されている。即ち、ポットライフが長く、くり
返し使用回数が多い程、1台当りの処理コストは安くな
るので、最近では加温しなくても、含浸可能な(加温す
ると、ポットライフが短かくなる)低粘度でしかも、ポ
ットライフの長い樹脂の研究がなされ一部実用化されて
いる。
【0003】しかし、このように樹脂のポットライフを
長くして処理コストを安くできたとしても、上記樹脂を
使用した場合、更に樹脂硬化過程において更に粘度が低
下すること、及びポットライフを長くするとゲル化時間
も長くなることによる含浸樹脂の流出という問題があ
る。しかも、含浸した樹脂が流出すると、絶縁中にボイ
ドや空隙が形成され、部分放電劣化や、機械的強度の低
下につながることは良く知られている。
【0004】したがって、樹脂流出防止のためには、現
在のところ硬化時に被処理物を回転させる、樹脂が
流出しないようにシールするという方法がとられてい
る。しかし、の方法では、安全性及び乾燥炉の使用効
率に問題があり、の方法では、シールを強化すればす
る程、含浸性が悪くなるという問題がある。従って、硬
化時被処理物を回転する必要がなく、含浸性も損なわな
い、絶縁方法が求められている。
【0005】樹脂流出が生じることなく含浸性を良くす
るという目的達成のためには、樹脂の流出メカニズムを
明確にすることが重要であるので、ここで高電圧固定子
コイルについて検討する。すなわち、図2に示す亀甲形
コイル1にあって、樹脂の流出は、鉄心スロット内のコ
イル直線部1aでの絶縁層の貫通方向にあってはほとん
どなく、大部分は素線2間のすき間及び素線2と対地絶
縁層3とのすき間を通ってコイルエンド部1bに導びか
れ、口出線4の分岐部でのすき間や、コイルエンド部1
bの頭部の絶縁が疎になっている部分から主に外部へ流
出することが判明した。しかも、固定子鉄心に装着され
ているコイルは、上コイル直線部(サイド)と下コイル
直線部(サイド)の装置されている位置が、水平状態か
ら垂直状態になる程、樹脂の流出量が多くなることも判
明した。
【0006】以上の流出メカニズムをふまえたうえで、
再度樹脂流出防止法を検討し、(イ)硬化時間を早めて流
出量を抑制する方法、(ロ) 含浸性を損なわないシール方
法について検討した。このうち、(イ) では含浸樹脂の中
に硬化促進剤を混入する方法とか、絶縁テープ中に硬化
促進剤を塗布する方法がある。しかし、前者は含浸樹脂
のポットライフを短縮してしまいコスト高になる。した
がって、後者の条件である絶縁テープに硬化促進剤を塗
布する方策がまずあげられる。
【0007】次に、前記(ロ) の含浸性を損なわないシー
ル方法についても検討した。
【0008】
【課題を解決するための手段】硬化促進剤を塗布した絶
縁テープの検討、及び含浸性を損なわないシールの検討
の結果、本考案は、次の構成とした。すなわち、コイル
エンド部のコイル絶縁の第1層目にセミキュア絶縁テー
プを巻回し、、上記コイルエンド部の口出し線分岐部に
あっては、口出線とコイルとをまとめるようにかつ口出
線絶縁上まで及ぶように膨潤性マイカ充填コンパウンド
を巻き付け、 上記コイルエンド部に至る直線部絶縁に硬
化促進剤入り絶縁テープを巻回した、ことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】まず、絶縁テープ中に硬化促進剤を塗布するも
のにつき検討するに、この場合、次の条件を満たす必要
がある。 ア.低温で含浸樹脂と反応する。 イ.絶縁テープ中の接着剤と、保管中に反応して、作業
上必要な柔軟性を失わない。 ウ.含浸樹脂中に溶出して、含浸樹脂のポットライフに
影響を与えない。 エ.絶縁特性に悪影響を与えない。上記条件にもとづき
4種類の硬化促進剤につきマイカテープの貯蔵安定性、
含浸樹脂との反応性、含浸樹脂のポットライフへの影
響、及びtan δ0 につき評価を行なった所、表1の結果
が出た。この表1では○が良好、Δが普、×が不可の評
価を示す。
【0010】
【表1】
【0011】この結果、金属亜鉛系促進剤が最適である
ことが判明した。
【0012】また、含浸性を損なわないシール法につき
考案するに、含浸時はすき間が確保できて含浸樹脂の導
通路となるが、長時間(5h以上)樹脂中に浸漬される
ことにより膨潤して、すき間を埋めたり接着剤が溶解し
てテープ層間に粘稠性の高い樹脂膜を形成して、含浸樹
脂を通さない作用のあるセミキュアー材料に着目した。
検討の結果、口出線分岐部等のすき間の大きい個所には
膨潤性大きい(2倍以上)、マイカ充填コンパウンドシ
ート(マイカ充填量65%〜55%)を使用し、コイル
エンド頭部等の絶縁テープ間が疎になり易い個所に対し
ては、膨潤性は小さいが(1.2〜1.5倍)、接着剤
が溶解して粘稠性の高い樹脂膜を形成する、セミキュア
絶縁テープを巻回することで目的を達成することができ
ることが判明した。
【0013】以上の検討の結果 対地絶縁に金属亜鉛系硬化促進剤入りマイカテープ
を巻回する コイルエンド部絶縁が第1層目に、セミキュア状の
絶縁テープを巻回する コイルエンドの口出線分岐部に膨潤性マイカ充填コ
ンパウンドシートを巻付けるの組合せにより硬化時の含
浸樹脂の流出を防止する技術を確立した。
【0014】
【実施例】ここで、図1を参照して本考案の実施例を説
明する。図1は構造を示しているが、説明は製造工程順
に説明する。 電線サイズ2.0mmの丸線で、ポリエステルエナ
メルの上に、自己融着性の塗膜がコーティングされてい
る素線2を、2本持ちで4並び10段に巻いて、直線部
1aの長さ450mmの亀甲形のフルコイルに成形し
た。 口出線4の絶縁4aを施した後、図1に示すよう
に、コイルエンド部1b第1層目にセミキュアマイカテ
ープ5をハーフラップで1回巻回した。このセミキュア
マイカ(絶縁)テープ5は、具体的にはガラス繊維、ポ
リエステル繊維、耐熱フィルム等の基材単体又はこれ等
の基材にマイカを貼り合せた複合体に接着樹脂を含浸さ
せて、Bステージ状に硬化させたものがあげられる。 口出線分岐部4bの口出線絶縁4aが施してある部
分に、10〜20mmオーバラップするように、厚さ
0.8mm、巾50mmの膨潤性マイカ充填コンパウン
ドシート6を口出線4ではさみ込むようにして1回巻付
ける。この膨潤性マイカ充填コンパウンドシート6は、
マイカ粉と樹脂コンパウンドから成る、Bステージ状の
シートで、含浸された樹脂を吸収して膨潤する作用のあ
るものである。 コイルエンド部1bにその絶縁7として通常のドラ
イタイプのガラス裏打ち集成マイカテープを、ハーフラ
ップで2回巻回する。 直線部絶縁8として硬化促進剤(ナフテン酸亜鉛)
を接着剤に混入したガラス裏打ち集成マイカテープ
(0.15t×25巾)をコイルエンド部絶縁7と、オ
ーバラップするように、ハーフラップで4回巻回し、そ
の上に所定の外装絶縁を施した。 鉄心スロット挿入部にアルミ製のモデルスロットを
装着し、エポキシ系含浸樹脂を真空加圧含浸(VPI)
処理した。 硬化時に、樹脂が最も流出し易い条件である、上コ
イル直線部と下コイル直線部が垂直になるようにコイル
を乾燥炉の中にセットし、加熱硬化した。
【0015】この結果、コイルエンド部1b第1層目に
てセミキュアマイカテープ5により、接着剤が溶解して
粘稠性の高い樹脂膜を形成し、コイルエンド口出線分岐
部に浸漬により膨潤するマイカ充填コンパウンドシート
を施してすき間をうめ、コイルエンド部1bに至る直線
部絶縁8の対地絶縁には金属亜鉛系硬化促進剤入り絶縁
テープにて樹脂の硬化促進を行なう。
【0016】(比較例I) 実施例にて、直線部絶縁8として、硬化促進剤なしのマ
イカテープを用いた。 (比較例II) 実施例にて、口出線分岐部4bの膨潤性マイカ充填コン
パウンドシート6を除いた。 (比較例III ) 実施例にて、コイルエンド部1bのセミキュアマイカテ
ープ5を除いた。以上の絶縁方法の樹脂流出防止の評価
として、硬化時上側になったコイルサイド部と下側にな
ったコイルサイド部に分けて、tan δ−電圧特性を測定
した。表2に定格電圧におけるΔtan δ特性を示す。
【0017】
【表2】
【0018】実施例では、上側、下側のΔtan δがほぼ
同じで、且つ小さいことから殆んど樹脂の流出がないこ
とが判る。比較例Iの場合は、上・下コイルとも、Δta
n δはほぼ同じであるが、Δtanδの値が両方とも大き
いことから、コイルエンド部1bからの流出は抑制され
たが、硬化速度が遅いため、貫層方向をとうしての流出
が生じたものである。実施例II及び実施例III の場合は
上側コイルのΔtan δが大きくなっており、コイルエン
ド部1bの口出線分岐部4b、及びエンド部絶縁のスキ
間を通して樹脂の流出があったのが判る。
【0019】以上の結果から判明するように、全含浸方
式における硬化時の樹脂流出を効果的に防止するために
は次の実施例構成が必要となる。 コイルエンド部1bの絶縁第1層にセミキュア絶縁
テープを施すこと。 口出線分岐部4bのすき間に対する処理として口出
線絶縁とコイル絶縁との間及び口出線絶縁とコイル絶縁
とを被って潤滑性マイカ充填コンパウンドシートを施す
こと。 促進剤入りマイカテープにてコイルエンド部まで至
る直線部絶縁を施すこと。
【0020】
【考案の効果】以上説明したように場所に応じて硬化剤
を配置したり膨潤させたりしたことにより、含浸樹脂を
充分に含浸させると共にその流出を防止することができ
る。この結果、硬化時の樹脂流出防止方法が確立したこ
とにより、低粘度で、ゲル化時間の遅い(ポットライフ
の長い)含浸樹脂の適用が可能になり、絶縁処理コスト
を大巾に下げることができ、硬化時に被処理物を回転さ
せる必要がなくなり、設備費用の低減、安全性の向上、
及び硬化処理能力の向上が図れ、設備上(回転装置)の
制約がなくなり、大形機への適用が可能になって、絶縁
特性が向上した結果、絶縁厚さの低減が可能になり、機
器の小形軽量化につながった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例構造を示すコイルの口出線付近の部分
的断面図である。
【図2】樹脂流出経路の概念図である。
【符号の説明】
1a 直線部 1b コイルエンド部 4 口出線 4a 口出線絶縁 4b 口出線分岐部 5 セミキュア絶縁テープ 6 膨潤性マイカ充填コンパウンドシート 7 コイルエンド絶縁 8 直線部絶縁

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルエンド部のコイル絶縁の第1層目
    にセミキュア絶縁テープを巻回し、 上記コイルエンド部の口出線分岐部にあっては、口出線
    とコイルとをまとめるようにかつ口出線絶縁上まで及ぶ
    ように膨潤性マイカ充填コンパウンドを巻き付け、 上記コイルエンド部に至る直線部絶縁に硬化促進剤入り
    絶縁テープを巻回した、 回転電機巻線の絶縁部の構造。
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JPH0723008Y2 (ja) * 1987-07-09 1995-05-24 株式会社明電舎 高圧回転機巻線
JPH02261030A (ja) * 1989-03-31 1990-10-23 Toshiba Corp 電動機のステータ構造

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