JP2555564B2 - 並列合成方式の中波送信機 - Google Patents

並列合成方式の中波送信機

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JP2555564B2 JP6141763A JP14176394A JP2555564B2 JP 2555564 B2 JP2555564 B2 JP 2555564B2 JP 6141763 A JP6141763 A JP 6141763A JP 14176394 A JP14176394 A JP 14176394A JP 2555564 B2 JP2555564 B2 JP 2555564B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の送信機の出力を
合成して1つの出力を得る並列合成方式の中波送信機に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、並列合成方式の中波送信機は、複
数の送信機の出力を合成する合成装置の出力におけるV
SWR(電圧定在波比)の値を検出し、そのVSWRの
値が所定のしきい値を越えた場合、送信機の保護のため
に各送信機の出力を停止させるようにしている。
【0003】さらに、各送信機から合成装置までの間の
ミスマッチングや部品不良等の異常からの保護のため
に、各送信機の出力においてもVSWRの値を検出し、
そのVSWRの値が所定のしきい値を越えた場合、その
送信機の出力を停止するようにしている。
【0004】図4は従来の並列合成方式の中波送信機の
ブロック図である。
【0005】4は中波送信機であり、中波を出力する送
信部4aと、送信部4aの出力のVSWRの値を検出す
るVSWR検出回路4bと、VSWR検出回路4bの検
出結果および後述する合成装置3のVSWR検出回路3
bの検出結果に基づいて送信部4aを停止させる停止信
号sを出力するVSWR制御回路4cとから成る。
【0006】また、5も中波送信機4と同様に、中波を
出力する送信部5aと、送信部5aの出力のVSWRの
値を検出するVSWR検出回路5bと、VSWR検出回
路5bの検出結果および合成装置3のVSWR検出回路
3bの検出結果に基づいて送信部5aを停止させる停止
信号sを出力するVSWR制御回路5cとから成る中波
送信機である。
【0007】中波送信機4の出力と中波送信機5の出力
は合成装置3によって合成され、並列合成方式の中波送
信機の出力として送信される。
【0008】合成装置3は、コイル31と抵抗器32と
コンデンサ33とコイル34とコンデンサ35とから成
る合成回路3aと、合成回路3aの出力のVSWRの値
を検出するVSWR検出回路3bとから成る。
【0009】VSWR検出回路3b、4b、5bは、そ
れぞれ検出したVSWRの値に対応した電圧を出力す
る。
【0010】図5は図4に示した中波送信機4のVSW
R制御回路4cの内部ブロック図である。
【0011】VSWR制御回路4cは、VSWR検出回
路4bからの電圧と所定の固定制御電圧とを比較する比
較器41と、VSWR検出回路3bからの電圧と所定の
固定制御電圧とを比較する比較器42と、比較器41の
出力と比較器42の出力との論理和を停止信号sとして
出力するOR回路43とから成る。
【0012】比較器41は、VSWR検出回路4bから
の電圧と固定制御電圧とを比較してVSWR検出回路4
bからの電圧の方が大きい場合にHIGH信号を出力
し、比較器42は、VSWR検出回路3bからの電圧と
固定制御電圧とを比較してVSWR検出回路3bからの
電圧の方が大きい場合にHIGH信号を出力する。
【0013】すなわち、VSWR制御回路4cからは、
VSWR検出回路4bからの電圧が比較器41における
固定制御電圧よりも大きい場合、および、VSWR検出
回路3bからの電圧が比較器42における固定制御電圧
よりも大きい場合に停止信号sを出力する。ここでは、
これらの固定制御電圧の値をVSWR制御レベルとい
う。
【0014】図4に示したVSWR制御回路5cもVS
WR制御回路4cと同様の構成で、比較器41に対応す
る比較器と、比較器42に対応する比較器と、OR回路
43に対応するOR回路とを有している。従って、VS
WR検出回路5bからの電圧が比較器41に対応する比
較器における固定制御電圧よりも大きい場合、および、
VSWR検出回路3bからの電圧が比較器42に対応す
る比較器における固定制御電圧よりも大きい場合に停止
信号sを出力する。
【0015】ところで、合成装置3の出力におけるVS
WRが悪化した場合、合成回路3aのアイソレーション
も悪化するため、各送信機の出力におけるVSWRは各
送信機間のまわり込みにより合成装置3の出力における
VSWR以上に悪化する。このため、各送信機、すなわ
ち中波送信機4および5の出力におけるVSWRの値
が、合成装置3の出力におけるVSWR以上の所定の値
に達するまで、各送信機の停止は行わないようにしてあ
る。
【0016】一例として、仮に合成装置3の出力におけ
るVSWRの値が2.0のときには各送信機の出力にお
けるVSWRの値が3.4になるとする。ここで、合成
装置3の出力におけるVSWRの値が2.0を越えた場
合に、各送信機を停止することにすると、各送信機の出
力におけるVSWRの値が3.4になったとしても各送
信機を停止させなくてもよい。
【0017】このことから、従来は、比較器42におけ
る固定制御電圧を合成装置3の出力におけるVSWRの
値が2.0に相当する電圧値とし、比較器41における
固定制御電圧を中波送信機4や中波送信機5の出力にお
けるVSWRの値が3.5に相当する電圧値としてい
た。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の並列合
成方式の中波送信機では、送信機を停止するために検出
する各送信機出力におけるVSWRの値を比較する制御
電圧を固定値としていたため、合成装置の出力における
VSWRの値が正常値(通常は1.0)であろうと2.
0であろうと各送信機出力におけるVSWRの値を比較
する制御電圧をたとえばVSWRの値が3.5に相当す
る電圧値としていた。
【0019】しかし、このような従来の並列合成方式の
中波送信機では、合成装置の出力におけるVSWRが正
常である場合においては、送信機出力のVSWR制御レ
ベルが必要以上に大きい値となっていた。
【0020】通常、合成装置出力以降の回路の事故や天
候不良等がない限り合成装置の出力におけるVSWRが
悪化することはない。それにもかかわらず、各送信機の
出力におけるVSWR制御レベルが必要以上に大きいと
いうことは、送信機出力から合成装置出力の間のミスマ
ッチングや部品不良等の事故に起因するVSWR異常に
対する送信機の最適保護ができないという問題があっ
た。
【0021】また、送信機が中波送信機の場合、負荷の
VSWRが悪化し負荷インピーダンスが変化すると、送
信機の出力電力も変化する。必要以上に送信機の出力に
おけるVSWR制御レベルが大きいと、VSWRの値が
その制御レベル(上述の例では3.5)に達するまで、
送信機の停止制御を行わないため、送信機の出力電力の
変動もその分大きくなってしまう。
【0022】さらにまた、設備を冗長的に備え、現用/
予備方式で稼働しているような場合には、設備の予備側
への切替えが遅れ、予備設備を有効に利用できていない
という問題もあった。
【0023】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
ので、送信機出力から合成装置出力の間のミスマッチン
グや部品不良等の事故に起因するVSWR異常に対する
送信機の最適保護ができるようにした並列合成方式の中
波送信機を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、複数の送信機と、この複数の送信機の出
力を合成して出力する合成装置と、前記複数の送信機の
それぞれに対応して設けられ、それぞれの送信機の出力
の電圧定在波比を検出する複数の第1のVSWR検出手
段と、前記合成装置の出力電圧定在波比を検出する第2
のVSWR検出手段とを有する並列合成方式の中波送信
機において、前記複数の第1のVSWR検出手段に対応
して設けられ、それぞれの第1のVSWR検出手段の検
出結果を前記第2のVSWR検出手段の検出結果に基づ
いて変化するしきい値と比較する複数の比較手段と、前
記複数の比較手段に対応して設けられ、それぞれの比較
手段の比較の結果、対応する第1のVSWR検出手段の
検出結果が前記しきい値よりも悪化しているときには対
応する送信機を停止する複数の送信機停止手段とを備え
た。
【0025】
【作用】本発明は以上の構成によって、比較手段が第1
のVSWR検出手段の検出結果を前記第2のVSWR検
出手段の検出結果に基づいて変化するしきい値と比較
し、送信機停止手段が比較手段の比較の結果、第1のV
SWR検出手段の検出結果がしきい値よりも悪化してい
るときには対応する送信機を停止する。
【0026】
【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0027】図1は、本発明による並列合成方式の中波
送信機の一実施例のブロック図である。
【0028】1は中波送信機であり、中波を出力する送
信部1aと、送信部1aの出力のVSWRの値を検出す
るVSWR検出回路1bと、VSWR検出回路1bの検
出結果および後述する合成装置3のVSWR検出回路3
bの検出結果に基づいて送信部1aを停止させる停止信
号sを出力するVSWR制御回路1cとから成る。
【0029】また、2も中波送信機1と同様に、中波を
出力する送信部2aと、送信部2aの出力のVSWRの
値を検出するVSWR検出回路2bと、VSWR検出回
路2bの検出結果および合成装置3のVSWR検出回路
3bの検出結果に基づいて送信部2aを停止させる停止
信号sを出力するVSWR制御回路2cとから成る中波
送信機である。
【0030】中波送信機1の出力と中波送信機2の出力
とは合成装置3によって合成され、並列合成方式の中波
送信機の出力として送信される。
【0031】合成装置3は、コイル31と抵抗器32と
コンデンサ33とコイル31とコンデンサ32とから成
る合成回路3aと、合成回路3aの出力のVSWRの値
を検出するVSWR検出回路3bとから成る。
【0032】VSWR検出回路1b、2b、3bは、そ
れぞれ検出したVSWRの値に対応した電圧を出力す
る。
【0033】図2は図1に示した中波送信機1のVSW
R制御回路1cの内部ブロック図である。
【0034】VSWR制御回路1cは、VSWR検出回
路3bからの電圧と所定の固定制御電圧とを比較する比
較器12と、VSWR検出回路3bからの電圧に基づい
て所定の可変制御電圧を出力するVSWR制御電圧設定
回路14と、VSWR検出回路1bからの電圧とVSW
R制御電圧設定回路14からの電圧とを比較する比較器
11と、比較器11の出力と比較器12の出力との論理
和を停止信号sとして出力するOR回路13とから成
る。
【0035】比較器12は、VSWR検出回路3bから
の電圧と固定制御電圧とを比較してVSWR検出回路3
bからの電圧の方が大きい場合にHIGH信号を出力
し、比較器11は、VSWR検出回路1bからの電圧と
VSWR制御電圧設定回路14からの電圧とを比較して
VSWR検出回路1bからの電圧の方が大きい場合にH
IGH信号を出力する。
【0036】すなわち、VSWR制御回路1cからは、
VSWR検出回路3bからの電圧が比較器12における
固定制御電圧よりも大きい場合、および、VSWR検出
回路1bからの電圧がVSWR制御電圧設定回路14か
らの電圧よりも大きい場合に停止信号sを出力する。
【0037】図1に示したVSWR制御回路2cもVS
WR制御回路1cと同様の構成で、比較器11に対応す
る比較器と、比較器12に対応する比較器と、OR回路
13に対応するOR回路と、VSWR制御電圧設定回路
14に対応するVSWR制御電圧設定回路とを有してい
る。従って、VSWR検出回路3bからの電圧が比較器
11に対応する比較器における固定制御電圧よりも大き
い場合、および、VSWR検出回路2bからの電圧がV
SWR制御電圧設定回路14に対応するVSWR制御電
圧設定回路からの電圧よりも大きい場合に停止信号sを
出力する。
【0038】図3は、図2に示したVSWR制御電圧設
定回路14からの電圧値を示す図である。
【0039】図3において、横軸はVSWR検出回路3
bからの電圧に相当するVSWRの値であり、縦軸はV
SWR制御電圧設定回路14からの電圧に相当するVS
WRの値である。
【0040】すなわち、VSWR制御電圧設定回路14
は、VSWR検出回路3bからの電圧に相当するVSW
Rの値が2.0のときにはVSWRの値が3.5に相当
する電圧を出力し、VSWR検出回路3bからの電圧に
相当するVSWRの値が1.0のときにはVSWRの値
が2.0に相当する電圧を出力する。また、VSWR制
御回路2c内のVSWR制御電圧設定回路14に対応す
るVSWR制御電圧設定回路も、VSWR制御電圧設定
回路14と同様の出力電圧特性を有する。
【0041】よって、本発明によれば、合成装置の出力
におけるVSWRの値が1.0と良好な場合には各送信
機出力のVSWR制御レベルに相当するVSWRの値を
2.0とし、合成装置の出力におけるVSWRの値が
2.0と悪化している場合には各送信機出力のVSWR
制御レベルに相当するVSWRの値を3.5とすること
ができるので、送信機出力から合成装置出力の間のミス
マッチングや部品不良等の事故に起因するVSWRの異
常に対する送信機の最適保護ができるようになる。
【0042】なお、VSWR制御電圧設定回路14とし
ては、入力されたVSWR検出回路3bからの電圧に応
じて変化する所定の電圧を出力できればよく、入力電圧
に応じた出力電圧を内部メモリに予め記憶しておきこの
記憶しておいた値の電圧を出力する構成でもよいし、入
力電圧から出力電圧を求める演算式を内部メモリに予め
記憶しておきこの演算式により求めた値の電圧を出力す
る構成でもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
送信機出力から合成装置出力の間のミスマッチングや部
品不良等の事故に起因するVSWR異常に対する送信機
の最適な保護ができるという効果を有する。
【0044】また、送信機の最適な保護ができるため、
送信機の出力電力の変動を小さく抑えることもできる。
【0045】さらにまた、設備を冗長的に備え、現用/
予備方式で稼働しているような場合には、設備の予備側
への切替えをスムーズに行い、予備設備を有効に利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による並列合成方式の中波送信機の一実
施例のブロック図である。
【図2】図1に示したVSWR制御回路の内部ブロック
図である。
【図3】図2に示したVSWR制御電圧設定回路からの
電圧値を示す図である。
【図4】従来の並列合成方式の中波送信機のブロック図
である。
【図5】図4に示したVSWR制御回路の内部ブロック
図である。
【符号の説明】
1 中波送信機 1a 送信部 1b VSWR検出回路 1c VSWR制御回路 2 中波送信機 2a 送信部 2b VSWR検出回路 2c VSWR制御回路 3 合成装置 3a 合成回路 3b VSWR検出回路 11、12 比較器 13 OR回路 14 VSWR制御電圧設定回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の送信機と、該複数の送信機の出力
    を合成して出力する合成装置と、前記複数の送信機のそ
    れぞれに対応して設けられ、それぞれの送信機の出力の
    電圧定在波比を検出する複数の第1のVSWR検出手段
    と、前記合成装置の出力電圧定在波比を検出する第2の
    VSWR検出手段とを有する並列合成方式の中波送信機
    において、 前記複数の第1のVSWR検出手段に対応して設けら
    れ、それぞれの第1のVSWR検出手段の検出結果を前
    記第2のVSWR検出手段の検出結果に基づいて変化す
    るしきい値と比較する複数の比較手段と、 前記複数の比較手段に対応して設けられ、それぞれの比
    較手段の比較の結果、対応する第1のVSWR検出手段
    の検出結果が前記しきい値よりも悪化しているときには
    対応する送信機を停止する複数の送信機停止手段とを備
    えたことを特徴とする並列合成方式の中波送信機。
  2. 【請求項2】 前記第1のVSWR検出手段および前記
    第2のVSWR検出手段が検出したVSWRに相当する
    電圧を出力するものであり、 前記比較手段が前記第1のVSWR検出手段の出力電圧
    と前記第2のVSWR検出手段の出力電圧に基づいて変
    化する電圧とを比較する請求項1に記載の並列合成方式
    の中波送信機。
  3. 【請求項3】 前記比較手段が、 入力電圧に応じた出力電圧を予め記憶した記憶装置を有
    し、前記第2のVSWR検出手段の出力電圧を入力され
    たとき、該入力電圧に応じて前記記憶装置に記憶した出
    力電圧を出力する電圧設定回路と、 前記第1のVSWR検出手段の出力電圧と前記電圧設定
    回路の出力電圧とを比較する比較器とから成る請求項2
    に記載の並列合成方式の中波送信機。
  4. 【請求項4】 前記比較手段が、 入力電圧から出力電圧を求める演算式を予め記憶した記
    憶装置を有し、前記第2のVSWR検出手段の出力電圧
    を入力されたとき、該入力電圧に応じて前記記憶装置に
    記憶した演算式により求めた出力電圧を出力する電圧設
    定回路と、 前記第1のVSWR検出手段の出力電圧と前記電圧設定
    回路の出力電圧とを比較する比較器とから成る請求項2
    に記載の並列合成方式の中波送信機。
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