JP2554820B2 - フェノール樹脂混合物の周囲温度硬化の遅延方法 - Google Patents

フェノール樹脂混合物の周囲温度硬化の遅延方法

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JP2554820B2 JP12073992A JP12073992A JP2554820B2 JP 2554820 B2 JP2554820 B2 JP 2554820B2 JP 12073992 A JP12073992 A JP 12073992A JP 12073992 A JP12073992 A JP 12073992A JP 2554820 B2 JP2554820 B2 JP 2554820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は1990年8月2日出願の我々の
同時係属出願第07/562206号の一部継続出願で
ある。
【0002】我々の上記出願は硬化量のライトバーンド
(lightburned)酸化マグネシウムもしくは
水酸化マグネシウムと単独でもしくはエステル機能硬化
剤と共に混合されたフェノールレゾール樹脂の硬化を遅
延させる化合物を開示する。上記特許出願の表3は、フ
ェノールレゾール及びエステル機能硬化剤と混合された
ペリクレースの硬化の遅延剤の使用による遅延にも関す
る。
【0003】本発明はセラミック及び耐火性組成物の製
造及び使用に有用な方法と組成物とに関する。さらに詳
しくは、本発明はハードバーンドもしくはデッドバーン
ドマグネシア(両者をここでは、簡単に「マグネシア凝
集体」と呼ぶ)と硬化性フェノール樹脂とをエステル機
能硬化剤と共に又はエステル機能硬化剤なしに含む組成
物の硬化を遅延させるための方法と組成物とに関する。
このような遅延は組成物に、例えば2’−もしくは4’
−ヒドロキシアセトフェノンとも呼ばれる、2−もしく
は4−アセチルフェノール、テトラアルコキシシラン、
又はフルオリド、ビフルオリド、マレート、タルトレー
ト、シトレートもしくはホスホネート陰イオンを組成物
に供給する化合物のような、ある種の化合物を配合する
ことによって達成される。
【0004】フェノール樹脂は耐火性結合剤として広く
用いられている。しかし、これらはマグネシア凝集体の
結合剤として用いられる場合にはある種の欠点を有す
る。マグネシア凝集体と硬化性(hardenable
or curable)フェノール樹脂との混合物
は、ライトバーンド酸化マグネシウムとフェノールレゾ
ール樹脂との混合物に比べると、比較的不活性である。
しかし、マグネシア凝集体を液体フェノール樹脂と混合
する場合には、湿潤混合物は周囲温度において比較的短
時間で硬化する傾向がある。このことは、ミックスが例
えば種々な製品への造形のように用いられるまで保持さ
れうる時間を減ずる。本発明の遅延剤の添加はこのよう
なミックスの加工時間を、ミックスの周囲温度硬化速度
を遅延させることによって、延長する。
【0005】フェノールレゾール樹脂を結合剤として用
いた場合のマグネシア凝集体の早期硬化の問題は先行技
術において認められている。アール.イエール(R.I
yer)等の米国特許第4,657,950号(198
7年4月14日)は、このような早期硬化の問題を改質
レゾール樹脂の使用によって解決する。
【0006】ティ.ニシムラ(T.Nisimura)
の米国特許第4,539,343号(1985年3月9
日)は耐火性物質の赤らんだ色を除去し、曲げ強さを改
良するために、固体フェノール樹脂とマグネシア含有組
成物と共に、例えばサリチル酸、蓚酸、マロン酸及びリ
ン酸のような、25℃において9.5未満のpKaを有
する化合物の使用を述べている。
【0007】ジー.エス.ボロースキー(G.S.Bo
rowski)等の米国特許第4,964,917号
(1990年10月23日)は、コンクリートにカルシ
ウムのキレート化剤を添加することによるコンクリート
水和の遅延方法に関する。
【0008】エイ.エッチ.ゲルバー(A.H.Ger
ber)の米国特許第4,939,188号(1990
年3月7日)は、例えばマグネシアのような耐火性凝集
体を結合するためのエステル機能硬化剤によるフェノー
ルレゾール樹脂の硬化へのリチウムアルカリ化剤の使用
に関する。
【0009】エム.ギレールン(M.Gillern)
等の米国特許第4,264,671号(1981年4月
28日)は、ガラスラミネートの製造へ使用するための
高いホルマール基比と低いメチロール基比を有するフェ
ノールレゾール樹脂に関する。この樹脂はアルカリ性条
件下で製造され、酸によって中和される。クエン酸のよ
うな弱酸が好ましい。
【0010】カッセンス,ジュニア(Cassens,
Jr.)の米国特許第5,002,908号(1991
年3月26日)は、ペリクレース(デッドバーンドマグ
ネシア)結合へのフェノール樹脂の使用、及び組成物の
加工性の改良への硼酸カリウムの使用に関する。この特
許は硼酸塩中の不純物を避けるべきであると述べ、特に
フッ素を1%未満に維持すべきであると述べている。
【0011】ヨシノ(Yoshino)等の米国特許第
4,282,288号(1981年8月4日)は、結合
剤としての粉状フェノール樹脂と、アルミナ、マグネシ
ア、炭化ケイ素、コークス及びジルコニアの中の少なく
とも1種及び/又はケイ素、リン酸塩及び硼酸塩の中の
少なくとも1種とを含む黒鉛耐火性製品に関する。これ
らの添加剤の総量は黒鉛100重量部に対して10重量
部までであるべきである。
【0012】レモン(Lemon)等の米国特許第4,
831,067号(1989年5月16日)は、エステ
ル機能硬化剤によるアルカリフェノールレゾール樹脂の
硬化を述べている。適当として挙げられているアルカリ
は水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム又はこれら
とアルカリ土金属酸化物もしくは水酸化物、例えば酸化
マグネシウム等との混合物である。
【0013】九州耐火材株式会社の日本公開特許公報第
60/90251号(1985年5月21日)は酸化マ
グネシウムとエチレンカーボネートとによるレゾール樹
脂の室温硬化を開示する。
【0014】シモノフ(Simonov)等のソ連特許
出願第1316994号の要約は組成物に塩化物又は臭
化物塩を添加することによるフェノール樹脂が結合した
マグネシア凝集体含有耐火材の性質改良に関する。
【0015】日本特許出願第49026312号(74
年3月8日付け)と第78037884号(78年10
月12日付け)並びに日本特許出願第37884/19
78号(1978年10月12日、日本特殊濾材社に発
行)の要約は、凝集体、ある種のフェノール樹脂及びリ
ン酸塩を含む耐火性成形組成物に関する。
【0016】日本公開特許公報第57051176号
(82年3月18日付け、川崎製鉄KKに譲渡)は、フ
ェノール樹脂、耐火材凝集体及びリン酸塩添加剤に関す
る。
【0017】エム.ケイ.グプタ(M.K.Gupt
a)の米国特許第4,794,051号(88年12月
27日)は、(a)フェノールレゾール樹脂;(b)ア
ルカリ金属酸化物もしくは水酸化物,例えば酸化マグネ
シウムもしくは水酸化マグネシウム、又はシランの硬化
剤;(c)充填材;(d)ラクトン;及び(e)繊維強
化材を含む成形組成物を述べている。
【0018】レモン等の国際出願第PCT/GB89/
01526号(有効出願日、89年12月21日)は、
塩基性触媒としてのアルカリ金属もしくはアルカリ土金
属化合物によるフェノールレゾール樹脂の製造と、マグ
ネシウムとカルシウムとの酸化物と水酸化物とを含めた
種々の塩基と組み合わせたエステル機能硬化剤としての
エステル化フェノールレゾールとによる、このような樹
脂のその後の室温硬化を開示する。
【0019】アール.エッチ.クーパー(R.H.Co
oper)の米国特許第2,869,191号(59年
1月20日)は、フェノールレゾール樹脂の硬化に活性
酸化マグネシウムの使用に関する。
【0020】アール.エッチ.クーパーの米国特許第
2,869,196号(59年1月20日)は、活性酸
化マグネシウムと凝集体としての高炉スラグの使用とに
よるフェノールレゾール樹脂の硬化に関する。
【0021】ステンダース(Stenders)の米国
特許第4,473,654号(84年9月25日)は、
少なくとも5%の遊離酸化カルシウムと組み合わせた、
例えばペリクレースのような耐火性凝集体の、例えばフ
ッ化リチウムのようなリチウム化合物による、一時的結
合剤を用いた又は用いない結合に関する。結合剤は非水
性である。
【0022】マグネシア凝集体と、単独のもしくはエス
テル機能硬化剤を組み合わせた硬化性液体フェノール樹
脂とを含む組成物の周囲温度硬化がある種の添加剤の使
用によって遅延されうることが判明した。このような遅
延剤添加剤は、各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテ
トラアルコキシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3
である部分加水分解テトラアルコキシシラン、2’−ヒ
ドロキシアセトフェノン及び4’−ヒドロキシアセトフ
ェノン(2−クロロフェノール及び4−クロロフェノー
ルとも呼ばれる)、2−クロロフェノール及び4−クロ
ロフェノール、並びに上記組成物及び混合物にアスパル
テート、フルオリド、フルオリド、マレート、オキサレ
ート、タルトレート、シトレート、ホスホネート及びホ
スフェート陰イオンを与える化合物を含む。本発明の組
成物はセラミックス、例えば耐火性レンガ、鋳造可能な
造形体、ラミング(ramming)ミックス、及び含
浸耐火性製品のような、種々な耐火材の製造に有用であ
る。
【0023】本発明の1態様では、結合剤−凝集体組成
物を提供する。結合剤−凝集体は(a)マグネシア凝集
体;(b)樹脂が周囲温度での放置時に混合物流を硬化
もしくは減少するために充分な量で存在する硬化性フェ
ノール樹脂溶液;及び(c)任意に、エステル機能硬化
剤及び耐火材とセラミック組成物とに用いられる通常の
添加剤の混合物を含む。樹脂は好ましくは、樹脂の熱硬
化時に凝集体を結合させるために充分な量で存在する。
【0024】もう一つの態様では、本発明は上記結合剤
−凝集体組成物に用いられる成分を混合することを含む
結合剤−凝集体組成物の製造方法を提供する。好ましく
は、この混合は湿った、成形可能な組成物を生ずる。
【0025】さらにもう一つの態様では、マグネシア凝
集体と共にフェノールレゾール樹脂を含む、本発明の結
合剤−凝集体組成物を所望の成形体に成形し、この成形
体を周囲温度に放置して、必要な周囲温度強度[グリー
ン(green)強度とも呼ばれる)]を発達させるこ
とができる。
【0026】本発明のさらに他の態様は、成形体の熱硬
化とさらに高温での任意の加熱とによって樹脂結合剤を
炭化して耐火体を形成することを含む。
【0027】本発明の遅延剤によるミックス寿命と加工
時間との延長は、耐火性及びセラミックミックスの低頻
度の製造及び/又はより大きなバッチのミックスの製造
を容易にして、生産性を高めることができる。遅延剤は
硬化性組成物の周囲温度加工寿命を延長して、組成物の
所望形状への成形を可能にすることができる。さらに、
これらのミックスから製造される成形体はしばしば、強
度の改良を示す。耐火性レンガの製造における利益は、
特に暑い夏の日に、特に有利である。樹脂が非圧縮ミッ
クス中で硬化方向に進行すると、ミックスの完全乾燥が
生じ、これは室温グリーン強度の低いレンガを生ずる。
遅延剤を含む本発明の結合剤−凝集体物質の使用はこの
問題を抑制又は防止する。
【0028】フェノール樹脂 フェノール樹脂はノボラック溶液、レゾール溶液、レゾ
ール溶液中のノボラック、又はこれらの混合物でありう
る。マグネシア凝集体と接触する固体フェノール樹脂
は、本発明によって解決される問題、すなわち結合剤−
凝集体混合物の早期硬化を生じない。それ故、フェノー
ル固体のための溶媒が本発明の結合剤−凝集体混合物中
に存在する。
【0029】本発明に使用可能なフェノールレゾール樹
脂溶液は、フェノールホルムアルデヒド樹脂溶液又は、
フェノールが例えばクレゾール、レゾルシノール、3,
5−キシレノール,ビスフェノールーAのようなフェノ
ール化合物又は他の置換フェノールの1種以上によって
部分的もしくは完全に取り替えられ、アルデヒド部分が
例えばアセトアルデヒド、フルアルデヒドもしくはベン
ズアルデヒドのようなフェノール反応性アルデヒドによ
って完全に取り替えられるような、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂溶液である。
【0030】レゾール樹脂は熱硬化性である、すなわち
レゾール樹脂は加熱時に不融性の三次元ポリマーを形成
し、典型的には、縮合触媒としてのアルカリ又はアルカ
リ土金属化合物の存在下でのフェノールと1モル過剰な
フェノール反応性アルデヒドとの反応によって製造され
る。典型的には、レゾール樹脂は約1:1から1:3ま
での範囲内のモル比(フェノール:ホルムアルデヒド)
でのフェノールとホルムアルデヒドとの反応によって製
造されるフェノールーホルムアルデヒド樹脂である。本
発明に用いる好ましいモル比は、アルデヒド1モルに対
してフェノール約1モルからアルデヒド2.2モルに対
してフェノール約1モルまで、特にフェノール対アルデ
ヒド 1対1.2から1対2までの範囲である。フェノ
ールレゾール樹脂は通常、水溶液状態である。本発明に
用いる好ましいフェノールレゾール樹脂は約1%未満、
好ましくは0.5重量%以下の溶解性ナトリウム又はカ
リウムを含む。
【0031】レゾールは多様な縮合触媒によって製造さ
れる。これらの触媒には、アルカリ金属及びアルカリ土
金属の酸化物と水酸化物、水酸化第四アンモニウム、並
びにアンモニア及び有機アミンがある。フェノール樹脂
に完全に溶解性であり、かつ安定である遅延剤を用いる
ことが好ましい。このような場合に、特にフェノール樹
脂がレゾール溶液である場合には、フェノール樹脂と遅
延剤とをストレージ(strage)に保管することが
有利である。あまり好ましくない系では、遅延剤の一部
が微細粉末としてフェノール溶液中に均一に分散する。
最も好ましくないのは、遅延剤の一部が貯蔵中に沈降す
る沈殿を形成する場合である。或いは、結合剤−凝集体
混合物に又は結合剤の添加前の凝集体に遅延剤を加える
こともできる。
【0032】本発明のレゾール形成のための好ましい触
媒は、水溶性フルオリドもしくはビフルオリド塩又は有
機酸遅延剤の添加時に不溶性生成物を殆ど又は全く生じ
ないことから、水酸化カリウムとアミンである。アミン
触媒の具体例としては、トリエチルアミン;アンモニ
ア;及びヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。アル
カリ土金属イオン(Ca++,Mg++)は不溶性フルオリ
ドもしくはビフルオリド塩又は有機酸遅延剤の不溶性塩
を生ずる。アルカリ土金属イオンによると同様な結果が
他の二価金属縮合触媒によっても得られる。レゾール中
の溶解性ナトリウムも、フッ化ナトリウム、及びリンゴ
酸、酒石酸及びクエン酸のポリナトリウム塩が本発明の
好ましいレゾールにしばしば不溶であるので、好ましく
ない。レゾール中の溶解性リチウムは有機酸遅延剤との
使用には充分であるが、フッ化リチウムがレゾール又は
この物質のための水中に低溶解性であるので、フルオリ
ドもしくはビフルオリドとの使用には好ましくない。テ
トラアルキルシランは、樹脂中の水の存在のために不適
当な加水分解が生ずるので、レゾール樹脂に加えないこ
とが好ましい。しかし、樹脂と遅延剤の溶液を沈降後数
時間内に用いるならば、樹脂と遅延剤との混合物のある
程度の不安定性は受容される。物理的相容性に基づい
て、好ましい系は組成物にフルオリドもしくはビフルオ
リド陰イオンを与える遅延剤、又は遅延剤としてのクエ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸又はこれらの混合物を用いた、
カリウム触媒レゾールである。
【0033】本発明に用いられるフェノールレゾール樹
脂のpHは一般に約4.5〜9もしくは9.5の範囲内
であり、5〜8.5のpHが好ましい。樹脂の分子量は
約200〜3,000の重量平均分子量の範囲内であ
り、300〜1,000が好ましい。これと同等以上の
分子量を有し、これより低い遊離フェノール含量を有す
る、他の全てのものは短い周囲温度ゲル時間又は硬化時
間を生じ、レゾール樹脂による強度発達を高める。重量
平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー、フェノー
ル化合物及びポリスチレン標準を用いて測定する。分子
量測定すべきサンプルは下記のように製造する:樹脂サ
ンプルをテトラヒドロフランに溶解し、1N塩酸もしく
は硫酸によって弱酸性にし、無水硫酸ナトリウム上で乾
燥する。生ずる塩を濾別し、上澄み液をゲル透過クロマ
トグラフに通して処理する。
【0034】レゾール樹脂溶液中の樹脂固形分は例えば
フェノールレゾール樹脂の約50〜60重量%の範囲の
ような広い範囲にわたって変化する。好ましくは、樹脂
固形分はフェノールレゾール樹脂の約50〜80重量%
の範囲である。樹脂の粘度は25℃における約100〜
10,000cpsの範囲のような広範囲にわたって変
化しうる。好ましくは、粘度は約250〜5,000c
psの範囲内である。ここでの粘度測定値は25℃にお
いてブルックフィールドRVT粘度計により測定したセ
ンチポアズ(cps)で、又は25℃におけるガードナ
ーーホルト粘度によって記載する。センチストークスで
記載されるガードナーーホルト粘度に比重(一般に1.
2)を乗じて、25℃におけるcpsを得る。
【0035】レゾール樹脂中の遊離フェノール量は、例
えば樹脂重量を基準にして(BOR)約5〜15%のよ
うな広範囲にわたって変化しうる。遊離フェノール量が
増加すると、硬化性結合剤−凝集体組成物の室温ミック
ス寿命も増加する。
【0036】レゾール樹脂の液体部分は水又は、遊離フ
ェノールと任意に非反応性溶媒とが組合わされた水であ
る。水以外の溶媒は炭素数1〜5のアルコール、ジアセ
トンアルコール、炭素数2〜6のグリコール、グリコー
ルのモノメチル、ジメチルもしくはブチルエーテル、低
分子量(200〜600)ポリエチレングリコールとこ
れらのメチルエーテル、炭素数6〜15のフェノール
類、フェノキシエタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メツ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、例えばテト
ラヒドロフラン及びm−ジオキソランのような環状エー
テル、等から選択される。
【0037】本発明に用いられるレゾール樹脂の典型的
な水分は、樹脂の約3〜20重量%の範囲内である(B
OR)。好ましくは、レゾール樹脂の水分は約3〜15
%BOR(レゾール樹脂量基準)である。製造されたま
まの樹脂中の水を別にして、樹脂自体に又は結合剤−凝
集体組成物中に追加の水を混合することができる。結合
剤−凝集体組成物中の総水分は、好ましくは、約0.5
〜5重量%の範囲内である。樹脂の水分又は結合剤−凝
集体組成物中の総水分が増加すると、結合剤−凝集体組
成物の周囲温度ミックス寿命が減少する。
【0038】ノボラック樹脂 ノボラック樹脂はフェノール樹脂として単独で用いられ
る場合には液体溶液として用いられ、レゾール樹脂と併
用される場合には液体もしくは固体として用いられる。
【0039】本発明に用いるために、ノボラックは約3
00〜3,500の分子量を有する。ノボラックの溶解
に用いられる溶媒には、エチレングリコール、フルフリ
ルアルコール、ジアセトンアルコール、グリコールエー
テルアセテート、グリコールエーテル及びこれらの混合
物、並びに例えばメタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のような
低級アルコールを含む。好ましいノボラック固形分はノ
ボラック溶液の約50〜70重量%である。ノボラック
溶液の好ましい粘度は25℃において約2,000〜
6,000cpsである。しかし、結合剤−凝集体組成
物の形成のためにレゾール溶液に粉砕又は微粉状ノボラ
ックを加えることもできる。
【0040】ノボラック樹脂はアルデヒドが不足して製
造される樹脂であるので、単独で用いる場合には、熱硬
化のために熱と共に例えばヘキサメチレンテトラアミン
のような硬化剤を加えないかぎり、通常硬化不能であ
る。ノボラック樹脂はフェノール物質とアルデヒドとの
一般に酸性の樹脂状反応生成物として定義され、実際の
目的のためには加熱時に不溶性、不融性状態に硬化又は
転化せず、溶解性、溶融性に留まる。
【0041】ここでの「ノボラック」とは、ホルムアル
デヒド又は、ノボラック製造のために商業的に用いられ
る他の反応物質、例えばベンズアルデヒド、フルアルデ
ヒド、アセトアルデヒド及びアセトンと反応した、フェ
ノール物質、例えばフェノール、クレゾール、キシレノ
ールもしくはこれらの混合物を含む、ノボラック樹脂、
ポリマー、コポリマー、ターポリマー又はこれらの混合
物を意味する。本発明に有用なノボラック樹脂のホルム
アルデヒド:フェノールモル比は約0.5:1〜約0.
9:1の範囲内、好ましくは約0.6:1〜0.8:1
の範囲内であり、フェノール物質はフェノール、o−、
m−及びp−クレゾール、キシレノール、及びこれらの
混合物から選択される。好ましくは、ノボラック樹脂は
約4未満、より好ましくは約2未満のpHにおけるホル
ムアルデヒドとフェノールとの縮合によって製造され
る。
【0042】ヘキサ及び/又は他のメチレン発生剤、例
えばホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを本発
明のノボラック含有結合剤に加えることができる。使用
時に、ヘキサは総ノボラックフェノール樹脂の重量を基
準にして約4〜約15%レベルで、好ましくは約5〜約
10%のレベルで加えられる。しかし、レゾールは高い
モル比のホルムアルデヒドを用い、過剰なメチロール基
を生じ、この一部がノボラックと反応することができる
ので、レゾール存在下でノボラックを硬化することもで
きる。結合剤−マグネシア凝集体がレゾールを含まない
場合には、マグネシア凝集体中の酸化カルシウム量は、
結合剤−凝集体の硬化速度が酸化カルシウム含量の増加
と共に増加するので、マグネシア凝集体の1.5〜4重
量%であることが好ましい。
【0043】本発明の組成物はノボラック成分とレゾー
ル成分とのブレンドを用いることができる。ここでの
「成分(component)」とは、関連するノボラ
ック又はレゾールを含む、ブレンド、混合物、反応生成
物、又は他の樹脂組合せの個々の樹脂を意味する。この
ような樹脂結合剤は低い熱伝導率、高い寸法安定性及び
耐摩耗性の好ましい性質をも有する。硬化性組成物がレ
ゾール結合剤とノボラック結合剤の両方を有する場合に
は、ノボラック1部に対してレゾール約1〜4重量部が
存在することが好ましい。このような場合には、レゾー
ル樹脂又は結合剤−凝集体混合物に粉状ノボラックを加
えることも好ましい。
【0044】結合剤−凝集体混合物に用いる樹脂量は、
レゾールの場合に周囲温度硬化時に凝集体を結合させる
ために、又は周囲温度においてノボラックを単独で用い
る場合には混合物の流動性を減ずるために、又はフェノ
ール樹脂がレゾール、ノボラックもしくはこれらの混合
物である場合には熱硬化時に混合物を結合させるために
充分であるような量である。従って、結合剤−凝集体混
合物中の凝集体を基準にした樹脂量は、マグネシア凝集
体の重量を基準にして樹脂約3〜15重量%、特にマグ
ネシア凝集体の重量を基準にして樹脂約3〜8重量%で
ある。本発明で用いる「レゾール」は今後「溶液」と呼
ばれるとしてもフェノール樹脂の溶液であり、「ノボラ
ック」は固体である。
【0045】マグネシア凝集体 マグネシア凝集体はデッドバーンドマグネシア又はハー
ドバーンドマグネシアのいずれかでありうる。ハードバ
ーンドマグネシア又はデッドバーンドマグネシア凝集体
は、ここでは簡単にマグネシア凝集体と呼ぶことにす
る。デッドバーンドマグネシアはデッドバーンドマグネ
サイト、耐火性マグネシア又はペリクレースと呼ばれる
こともある。耐火材分野では、「デッドバーンドマグネ
サイト」又は「デッドバーンドマグネシア」なる用語
は、耐火性レンガ等の製造に用いられる、良好な安定性
の稠密な、高結晶質ペリクレース製品を表すために相互
交換的に用いられる。このようなマグネシア製品はマル
チン マリエッタ マグネシアスペシヤルティーズ カ
ンパニー(Martin Marietta Magn
esia Specialties Company)
からマグケム マグネシウム オキシド プロダクツ
(MagChem Magnesium Oxide
Products)の名称で入手可能である。
【0046】酸化マグネシウム(マグネシア)の反応性
と表面積とはマグネシアの製造に用いられる方法に依存
して非常に異なる。これらのマグネシア製品はマグネサ
イト(MgCO3)又は水和物もしくは塩化物のような
マグネシウム化合物の種々な温度における焼成によって
製造される。ライトバーンド等級の酸化マグネシウムは
約1000F〜約18000F(871℃〜982℃)の
範囲内の温度における焼成によって製造される。ハード
バーンドマグネシア又はデッドバーンドマグネシア凝集
体は実質的な高温における焼成によって製造される。従
って、ハードバーンドマグネシア又はデッドバーンドマ
グネシア凝集体は28000F(1540℃)以上の温
度における焼成によって製造される。1参考文献では、
すなわち、キルクーオスマー(Kirk−Othme
r)の「エンサイクロペディア オブ ケミカル テク
ノロジー(Encyclopedia of Chem
ical Technology)」[ジョーン ウイ
リー アンド サンズ(John Wiley & S
ons)、NY、1982]20巻、8頁、耐火材の項
には、この参考文献はデッドバーンドマグネサイトが1
540〜2000℃における天然生成炭酸マグネシウム
の焼成によって得られると述べているので、ハードバー
ンドマグネシア及びデッドバーンドマグネシア凝集体は
同じに処理されるように思われる。しかし、本出願の目
的のためには、マグケム マグネシウムオキシド グレ
ード アンド ユーゼス(MagChem Magne
siumOxide Grades and Use
s)なる名称のマルチン マリエッタ マグネシアスペ
シヤルティーズ カンパニーの冊子に述べられている焼
成温度が用いられる、この冊子によると、ハードバーン
ド等級は約28000F〜30000F(1540〜16
49℃)の範囲内の温度での焼成によって製造され、酸
化マグネシウムのデッドバーンド等級は40000
(2204℃)を越える温度において焼成される。種々
のマグネシアの表面積にも差異が存在する。従って、ラ
イトバーンドマグネシアは約10〜200m2/g以上
の表面積を有する。ハードバーンドマグネシア及びデッ
ドバーンドマグネシアは約1m2/g又は1m2/g未満
の表面積を有する。
【0047】商業的に入手可能なマグネシア凝集体は一
般に、約91%から99%を越えるMgO、好ましくは
約96%から99%を越えるMgOと、主要不純物とし
ての4重量%以下のCaOを有すると分析され、好まし
くは、マグネシア凝集体は3.50%以下のCaOを含
む。生石灰(CaO)量が増加すると、結合剤−マグネ
シア凝集体中のミックス寿命は低下する。適当なハード
バーンドマグネシア凝集体の具体例としては、可燃物基
準で98.2%MgO含量、0.25%燃焼損失、0.
90%CaO、少量の他の酸化物を有するマグケム10
−40が挙げられる、この製品の96%がー40米国シ
ーブを、30ミクロンのメジアン粒度及び1m2/g未
満の表面積と共に有する。
【0048】耐火性組成物に用いるためには、マグネシ
ア粒子を粉砕し、種々な画分に分類する。塩基性酸素プ
ロセス炉に有用な耐火性製品の製造に用いるためのよう
な、高い嵩密度と低い孔度とを得るために適した粗粒
子、中粒子、微粒子画分の典型的な混合物は次のような
タイラー(Tyler)標準スクリーンサイズを有す
る:30〜35%は4メッシュ通過、10メッシュ上に
保留;30〜40%は6メッシュ通過、28メッシュ上
に保留;及び30〜35%はボールミル微粒子(100
メッシュ未満)。本発明に用いられるマグネシア凝集体
は粉末に粉砕される、こような凝集体約10〜25%を
含む。
【0049】「室温硬化」なる用語は約60〜90
0F、特に約65〜800Fの温度における本発明の結合
剤−凝集体組成物の硬化を意味する。しかし、本発明の
方法と組成物への遅延剤の使用は例えば60〜1100
Fのような、低温及び高温における硬化を遅延させる、
このような温度をここでは周囲温度と呼ぶ。マグネシア
凝集体の不存在下でも周囲温度におけるレゾール樹脂の
ゲル化又は硬化は、硬化への第1工程である。それにも
拘わらず、ノボラックが周囲温度においてマグネシア凝
集体と接触する場合には、本発明の結合剤−凝集体組成
物の粘度上昇、流動低下又は容易な硬化が生ずる。周囲
温度における硬化の他に、本発明の結合剤−凝集体組成
物は周囲温度硬化の後にも熱硬化される、又はこのよう
な硬化前に熱硬化される。ここで用いる「熱硬化」なる
用語は、例えば2480F(120℃)までのような少
なくとも1700F(77℃)の温度、一般には少なく
とも2120F(100℃)の温度における組成物硬化
を意味する。
【0050】エステル硬化剤 エステル機能硬化剤は本発明の結合剤−マグネシア凝集
体組成物中のフェノール樹脂の硬化を促進する。エステ
ル機能(functionality)はラクトン、環
状有機カーボネート、カルボン酸エステル、又はこれら
の混合物によって与えられる。一般に、例えば、ベータ
もしくはガンマーブチロラクトン、ガンマーバレロラク
トン、カプロラクトン、ベータープロピオラクトン、ベ
ーターイソブチロラクトン、ベーターイソペンチルラク
トン、ガンマーイソペンチルラクトン、及びデルターペ
ンチルラクトンのような、低分子量ラクトンはエステル
機能硬化剤に適している。適当な環状有機カーボネート
の例は、非限定的に、プロピレンカーボネート、エチレ
ンカーボネート、1,2−ペンタンジオールカーボネー
ト及び1,3−ペンタンジオールカーボネートを含む。
【0051】本発明に使用可能なカルボン酸エステルは
フェノールエステルと脂肪族エステルとを含む。脂肪族
エステルは好ましくは鎖長の短いもしくは中くらいの例
えば炭素数1〜4の一価もしくは多価の飽和もしくは不
飽和アルコールと、鎖長の短いもしくは中くらいの例え
ば炭素数約1〜10の、モノカルボン酸もしくはポリカ
ルボン酸である、飽和もしくは不飽和カルボン酸とのエ
ステルである。好ましい脂肪族エステルはアルキル、一
価、二価もしくは三価アルコールと、モノー、ジーもし
くはトリカルボン酸でありうるアルキル、モノーもしく
はジ不飽和酸とのエステルである。
【0052】芳香族エステルに関しては、このようなエ
ステルは芳香族化合物、例えば一価もしくは多価芳香族
フェノールのフェノール基をエステル化して、このよう
な芳香族化合物のギ酸エステルもしくは酢酸エステルを
製造することによって得られる。さらに、芳香族エステ
ルは1個以上のフェノールヒドロキシル基及び/又は1
個以上のエステル化フェノールヒドロキシル基を含み、
さらにフェノールヒドロキシル基又はエステル化フェノ
ールヒドロキシル基に対してオルト又はパラに配置され
た1個以上のエステル化メチロール基を含むエステル化
フェノール化合物でありうる。このようなフェノールエ
ステルはレモン等の89年12月21日出願の国際特許
出願第PCT/GB889/01526号に開示されて
いる。
【0053】用いられるエステル化フェノール化合物
が、フェノールヒドロキシル基又はエステル化フェノー
ルヒドロキシル基に対してオルト又はパラの芳香環炭素
に少なくとも1個のエステル化メチロール基が付着した
1核、2核又は多核フェノールでありうることは理解さ
れるであろう。フェノールエステルの酸部分は脂肪族エ
ステルの酸部分と同じでありうる。
【0054】特定のカルボン酸エステルは、非限定的
に、n−ブチルホルメート;エチレングリコールジホル
メート;メチル及びエチルラクテート;ヒドロキシエチ
ルアクリレート;エチレングリコールジアセテート;ト
リアセチン(グリセロール トリアセテート);ジエチ
ルフマレート;ジメチルマレエート;ジメチルグルタレ
ート;ジメチルアジペート;2−アセチルオキシメチル
フェノール;2−サリチルオキシメチルフェノール;2
−アセチルオキシメチルフェノールアセテート;2,6
−ジアセチルオキシメチルp−クレゾールアセテート;
2,4,6−トリアセチルオキシメチルフェノール;
2,4,6−トリアセチルオキシメチルフェノールアセ
テート;2,6−ジアセチルオキシメチルフェノールア
セテート;2,2’,6,6’−テトラアセッチルオキ
シメチルビスフェノールA;及び2,2’,6,6’−
テトラアセッチルオキシメチルビスフェノールAジアセ
テートを含む。炭素数1〜5の脂肪族アルコールに由来
するシアノアセテート;ベンジルアルコールのホルメー
トとアセテート;アルファ,アルファ’−ジヒドロキシ
キシレノール;フェノール;アルキル置換フェノール;
ジヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA;ビスフェノ
ールF;及び低分子量レゾールも適切である。時には、
エステル機能硬化剤の混合物を用いることも有利であ
る。
【0055】エステル機能硬化剤は、周囲温度硬化組成
物の引張強さと圧縮強さを高めるために充分な量で存在
する。このような量のエステルはこのような組成物の硬
化速度も高める。本発明の結合剤−凝集体組成物に用い
られるエステル量はフェノール樹脂の約5〜25重量
%、好ましくは樹脂の約5〜15重量%のような広範囲
にわたって変化する。正確な量は用いる特定のエステル
硬化剤、組成物の使用温度と貯蔵温度、及び望ましい結
果に依存する。
【0056】遅延剤 本発明に用いられる遅延剤はフッ化水素、二フッ化水素
(hydrogenbifluoride)、リン酸、
2−及び4−アセチルフェノール、2−及び4−クロロ
フェノール、各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテト
ラアルコキシシランとこのようなシランの加水分解物、
リン酸、リンゴ酸、蓚酸、酒石酸、アスパラギン酸(2
−アミノコハク酸)、ホスホン酸及びクエン酸並びにこ
れらの塩、例えば25℃において少なくとも0.1%、
好ましくは少なくとも2重量%の水溶解度を有し、遅延
剤化合物が、例えばシトレートのような陰イオンを組成
物に与えることができるような塩を含む。遅延剤の一部
は強酸であり、結合剤−凝集体を約4以上のpHに維持
するように注意する必要がある。さもなくば、フェノー
ル樹脂の酸分解が生じて、結合剤−凝集体組成物を早期
に硬化することになる。
【0057】我々の同時係属米国特許出願第562,2
06号(1990年8月2日出願)と第698,945
号(1991年5月13日出願)(これらはここに参考
文献として関係)にイオン化可能化合物に関して述べた
ように、これらの物質が遅延剤であるか否かを決定する
のは、陰イオン(例えばF-)である。従って、陽イオ
ン(例えば、Na+,H+,K+)は陰イオンが遅延剤で
あることを変えないが、通常水溶解度が低い化合物は遅
延度が低いという点で、遅延度に若干の影響を与える。
イオン化可能な遅延剤化合物の場合には、このような化
合物は組成物に遅延剤陰イオンを与える。このために、
組成物中への、例えば結合剤−凝集体又は水へのある程
度の溶解度が必要である。このようにして、フッ化カル
シウム中のフルオリドは、この化合物の水への溶解度が
低いために、遅延剤として有効ではない。しかし、イオ
ン化しないように思われる化合物も遅延剤である。この
ような遅延剤にはテトラアルコキシシランがある。
【0058】酸のアンモニウム塩又はアミン塩を用いる
ことの利点は、ナトリウム塩又はカリウム塩よりも高溶
解性であることである。酸触媒重合を招来しうるpHの
過度の低下を避けるために、アミンによる部分中和が高
レベルの酸の使用を可能にする。例えばクエン酸二ナト
リウム又は酒石酸二ナトリウムのような塩の早期沈降は
不均一な混合物を生じ、遅延に不均一に影響する。従っ
て、このような不均一混合物の容器の底部は高濃度の遅
延剤を有することになる。遅延剤の塩はアミン塩である
ことが有利である。このようなアミン塩の具体例を挙げ
ると:各アルキル基が炭素数1〜3、好ましくは炭素数
1〜2であるN,N−ジアルキルエタノールアミン;各
アルキル基が炭素数1〜2であるo−及びp−ジアルキ
ルアミンメチルフェノール;N,N−ジメチルベンジル
アミン;各アルキル基が炭素数1〜2であるN−アルキ
ルピペリジン;N−メチル及びN−エチルモルホリン;
N,N−ジメチルエタノールアミン;N,N−ジエチル
エタノールアミン等である。上記アミンは第三アミンで
ある。第三アミンの使用に比べて樹脂の不当な不安定化
が生じない場合には、第一及び第二アミンも酸遅延剤と
共に用いることができる。いずれにせよ、有機エステル
が結合剤−凝集体組成物中に遅延剤として存在する場合
には、第一及び第二アミンは避けるべきである。酸遅延
剤の塩を形成するための第一及び第二アミンの具体例を
挙げると、エタノールアミンとそのN−モノメチル及び
N−モノエチル誘導体;1−及び2−アミノプロパノー
ル;N−メチルベンジルアミン;モルホリン;ピペリジ
ン及びジエタノールアミンである。
【0059】本発明に用いられる遅延剤陰イオンはアス
パルテート、ビフルオリド、シトレート、フルオリド、
マレート、オキサレート、タルトレート、ホスフェート
及びホスホネートである。遅延剤陰イオンを陽イオンと
しての水素と組み合わせて、酸形の化合物として、例え
ばクエン酸として用いることが好ましい。アルカリ金属
の陽イオン、アンモニウム、及び各アルキル基が炭素数
1〜4である低級アルキル置換アンモニウムも好まし
い。
【0060】本発明に遅延剤として用いられるテトラア
ルコキシシランは各アルコキシ基が炭素数1〜3であ
る。各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分的予加水
分解テトラアルコキシシランも使用可能であり、このよ
うな化合物の加水分解度は約60%までのような広範囲
にわたって変化しうる。これらのシランのアルコキシ基
は同じか又は異なるものである。
【0061】特定の遅延剤化合物の具体例として、下記
化合物が挙げられる:二フッ化アンモニウム;フッ化ア
ンモニウム;リン酸アンモニウム(一塩基性);リン
酸;フッ化カリウム;フッ化ナトリウム;リン酸ナトリ
ウム(一塩基性);リン酸ナトリウム(三塩基性);ク
エン酸;クエン酸ナトリウム;各アルキル基が炭素数1
〜3であるN,N−ジアルキルエタノールアミンのクエ
ン酸による一塩及び二塩;酒石酸カリウム;酒石酸;リ
ンゴ酸;アスパラギン酸;及びリン酸。有機ホスホン酸
の具体例を挙げると、ジホスホン酸、ポリホスホン酸、
これらのアミン誘導体及びこれらの塩、例えばデクエス
ト(Dequest)2000、ホスホン酸、[ニトリ
ロトリス(メチレン)]トリスのようなモンサント(M
onsanto Co.)kala販売されているデク
エスト シリーズである。
【0062】例えばリンゴ酸、クエン酸及びそれらの塩
のような、マレート、タルトレート及びシトレートは、
初期チキソトロピーを示すという点で、遅延剤として異
常な性質を有する。これはミックス寿命の延長と共に高
い初期グリーン強度(周囲温度硬化)を与えるという点
で、有利である。
【0063】本発明における遅延剤の使用量は結合剤−
凝集体物質の周囲温度粘度増加、ゲル化及び硬化の速度
を減ずるために充分な量であり、このような量は特定の
遅延剤の活性、望ましい遅延度、室温又は周囲温度、組
成物中の酸化カルシウム量(一般にマグネシア凝集体中
の不純物として)、及びエステル硬化剤も使用するのか
否かに依存して、広範囲にわたって変化しうる。従っ
て、遅延剤量は一般にフェノール樹脂の重量を基準にし
て約0.1〜6%の範囲内である。種々な遅延剤の好ま
しい使用レベルは、フルオリドとビフルオリドでは0.
1〜1.0%;リン酸、シラン及びポリカルボン酸では
0.5〜2.5%;及び置換フェノールでは2〜5%で
ある。これらの使用レベルは全てフェノール樹脂の重量
を基準にし、「BOR」として表す。
【0064】充填剤、凝集体及び改質剤 本発明の組成物は充填剤、改質剤及び、マグネシア凝集
体以外の、フェノール樹脂に通常用いられるような凝集
体を含むことができる。この補充凝集体物質は顆粒状、
粉状又はフレーク状のような粒状物質である。適当な補
充凝集体物質は非限定的にマグネサイト、アルミナ、ジ
ルコニア、シリカ、ジルコン砂、カンラン石砂、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、窒化硼素、ボーキサイト、石英、ク
ロマイト、コランダム、及びこれらの混合物を含む。
【0065】硬化性樹脂結合剤、マグネシア凝集体及び
遅延剤を配合することによって得られる結合剤−凝集体
組成物は、さらに幾つかの任意の改質剤及び添加剤を含
むことができる、このような改質剤及び添加剤は非反応
性溶剤、シラン、ヘキサメチレンテトラミン、粘土、黒
鉛、酸化鉄、カーボンピッチ、二酸化ケイ素、例えばア
ルミニウム、マグネシウム及びケイ素のような金属粉
末、エアデトレイニング剤(air detraini
ng agent)、及びこれらの混合物を含む。
【0066】用途 本発明の方法及び組成物を用いて、耐火性製品又はセラ
ミック製品を製造することができる。これらは特に、レ
ンガ及び鋳造可能なモノリシック成形体の製造用の接着
性デッドバーンドマグネシアのような成形体の製造に特
に有用である。鋳造可能な製品の場合には、結合剤−凝
集体混合物は一般に低粘度であり、例えばレンガのよう
な耐火材に比べて多くの樹脂を含む。所望の用途に依存
して、組成物に他の成分を加えることができる。耐火材
用途の結合剤−凝集体組成物中の黒鉛量は一般にマグネ
シア凝集体の約5〜35重量%の範囲内である。例えば
アルミニウム、マグネシウム及びケイ素のような金属粉
末は一般にマグネシア凝集体の約1〜5重量%の範囲内
である。
【0067】本発明の結合剤−凝集体組成物の成分の混
合は技術上公知の手段によって、すなわち例えばエイリ
ッヒ(Eilich)ミキサー、シンプソン(Simp
son)ミキサー、ミューラー(Muller)ミキサ
ー等のような工業用ミキサーを用いて行われる。混合工
程から生ずる結合剤−凝集体混合物は技術上公知の方法
によって成形され、加圧されて、所望の形状を形成す
る。結合剤−マグネシア凝集体組成物中の結合剤は凝集
体を濡らして、組成物を成形可能にする、又は例えば振
動によって組成物を完全に型に充填できるようにする。
例えば、結合剤−凝集体を任意の温度及び圧力において
圧縮成形、アイソスタチックプレス成形、トランスファ
ー成形、押出成形、又は射出成形することができる。成
形後に、成形体を周囲温度において硬化させることがで
きる、又は周囲温度硬化の前又は後に成形体を熱硬化に
よってさらに硬化することができる。典型的な熱処理
は、約120℃(2480F)〜205℃(4000F)
までに温度を連続的に上昇させて、樹脂結合剤を熱硬化
させ、水と有機溶剤とを蒸発させることを含む。800
℃〜1000℃までにさらに熱処理すると、樹脂結合剤
の炭化がさらに促進される。
【0068】例えばレンガのような耐火材の場合には、
結合剤−マグネシア凝集体組成物を所望の形状に圧縮成
形して、熱硬化させる。時には、組成物の製造から、所
望の形状への圧縮成形とその後の例えば約2300
(110℃)の温度におけるような熱硬化までには遅延
が生ずる。このような遅延は数分間でありうるが、1日
もしくは2日間にわたって持続することもある。このよ
うな遅延中に、結合剤組成物の粘度が増加し、組成物が
乾燥する。この後のこのような結合剤の例えばレンガの
ような成形体へのプレス成形と熱硬化は強度が低下し及
び/又は所望の密度にまで圧縮するためにさらに加圧サ
イクルを必要とする製品を生ずる。遅延剤の添加は粘度
上昇を緩慢化し、最終引張り強さの大きい、圧縮成形さ
れ、熱硬化された製品を形成する。
【0069】ある種の耐火材用途では、レンガ様成形体
以外では、組み立て型枠が必要である。これらの「モノ
リシック耐火材」は、粘稠であるが流動性の結合剤−凝
集体系を型に入れ、振動を利用して型に充填することに
よって鋳造される。いったん結合剤−凝集体系が室温硬
化されたならば、型を除去して、モノリシック耐火材を
その使用現場に輸送する前又は輸送した後に、成形体を
熱硬化して、使用に備えることができる。本発明の遅延
剤は型充填と組成物圧縮成形とのための加工時間延長を
可能にする。室温硬化後に、モノリシックを好ましくは
例えば炉ライニングの一部のような使用現場で熱硬化又
は炭化することができる。
【0070】ここに述べる本発明を当業者がさらに完全
に理解するように、下記方法と実施例を記載する。実施
例中並びにこの出願の他の箇所での全ての部とパーセン
トは、特に他に指定しない限り、重量によるものであ
る。
【0071】樹脂特性化 樹脂A.このレゾール樹脂はアルカリ触媒の存在下でホ
ルムアルデヒド対フェノールのモル比0.93を装入す
ることによって製造した。樹脂Aは25℃での5100
cpsの粘度、3重量%の水分、22.7重量%のフェ
ノール含量、80重量%の固形分及び8.0のpHを有
した。反応器に装入するホルムアルデヒド対フェノール
比は1より小さいが、フェノールと反応するホルムアル
デヒド量は、樹脂中の多量の非反応フェノールのため
に、実質的に1より大きいことに注目すべきである。
【0072】樹脂B.このレゾール樹脂はアルカリ触媒
の存在下でホルムアルデヒド対フェノールのモル比1.
20を装入することによって製造した。樹脂Bは25℃
での4100cpsの粘度、7.9%の水分、14.6
%の遊離フェノール含量、79%の固形分、566のお
よその重量平均分子量(遊離フェノールを除く)、及び
7.9のpHを有した。
【0073】樹脂C.このレゾール樹脂はアルカリ触媒
の存在下でホルムアルデヒド対フェノールのモル比1.
25を装入することによって製造した。樹脂Cは次の性
質:25℃での3,000cpsの粘度、7.6%の水
分、13%のフェノール含量、78%の固形分、406
のおよその重量平均分子量(遊離フェノールを除く)、
及び7.8のpHを有した。
【0074】樹脂D.このレゾール樹脂はアルカリ触媒
の存在下でホルムアルデヒド対フェノールのモル比1.
25を装入することによって製造した。樹脂Dは次の性
質:25℃での3,000cpsの粘度、9.7%の水
分、11%の遊離フェノール含量、77%の固形分、5
36のおよその重量平均分子量(遊離フェノールを除
く)、及び7.9のpHを有した。
【0075】樹脂Dの製造.フェノール3.621kg
(38.55モル)の溶液を50%ホルマリン2.88
5kg(48.08モル)及び50%水酸化ナトリウム
38gと60−75℃において50分間にわたって反応
させた。 次に反応を90−92℃に40分間加熱した
後、60℃に冷却し、この時に真空蒸留を水銀柱26イ
ンチにおいて開始した。約31%の留出物を除去した。
残渣を75℃において数時間、25℃において3,00
0cpsの粘度に達するまで加熱した。この残渣を上記
樹脂特性化の見出しの項に述べたように特性化した。
【0076】樹脂Bの製造.樹脂Bは1.20のホルム
アルデヒド/フェノールモル比を用いて、樹脂Dと全く
同様に製造するが、本質的に同じ固形分においてやや大
きい分子量、やや高い粘度にまで製造を進めた。
【0077】樹脂Eの製造.このレゾール樹脂は水酸化
ナトリウム触媒の代わりに80モル%の水酸化カリウム
触媒を用いて、樹脂Bと同様に製造した。樹脂Eは25
℃での3,900cpsの粘度、6.4%の水分、14
%の遊離フェノール、79%の固形分、370のおよそ
の重量平均分子量(遊離フェノールを含む)、及び7.
9のpHを有した。
【0078】樹脂Fの製造.このレゾール樹脂は触媒と
してのヘキサメチレンテトラアミン存在下でホルムアル
デヒド対フェノールのモル比0.95を装入することに
よって製造した。樹脂Fは25℃での800cpsの粘
度、10.9%の水分、12.6%の遊離フェノール、
69%の固形分、278のおよその重量平均分子量(遊
離フェノールを含む)、及び8.0のpHを有した。
【0079】フェノール樹脂D/高純度マグネシアの粘
度に対する樹脂、溶媒及び遅延剤の影響の測定方法 この方法は、ここでは「方法A」とも呼ぶ。樹脂90g
を粉状(200メッシュ米国シーブ系列スクリーンを通
過)高純度マグネシア72gと完全に混合した。「高純
度」マグネシアなる用語は、99+%のMgO含量と
0.59%Ca(CaOとして0.82重量%になる)
を有し、上記センテンスに記載の粒度を有するデッドバ
ーンドマグネシアを意味する。樹脂とマグネシアとのこ
の混合物を次に4オンスーボトルに移した。新たに製造
されたブルックフィールド粘度を零時に測定し、次に閉
じたボトルと中身を25℃±1℃において約32回転/
分で回転させた。粘度は最初に測定し、次に3、6、2
4時間の間隔を置いて及び可能ならば48時間の間隔を
置いて測定した。サンプルは粘度測定の1時間前に恒温
浴に浸漬した。サンプルを粘度測定の直前に完全に撹拌
した。この方法はここでは「方法A」とも呼ぶ。
【0080】フェノール樹脂/マグネシア凝集体ミック
スの定性流(qualitativeflow)に対す
る添加剤の影響の測定方法 この方法は「定性流方法」とも呼ばれる。ガラス バイ
アル(28mmx57mm)に樹脂5.0g、添加剤及
び、存在する場合の溶剤を装入し、溶液が形成された後
に、高純度マグネシア、又は特に挙げるならば、「標準
等級」マグネシア4.0gを装入した、これはスパチュ
ラで1分間充分に混合し、次に9−10設定のアメリカ
ン サイエンティフィック プロダクツ(Americ
an Scientific Products)のS
/Pヴォルテックスミキサーを用いて、さらに1分間混
合した。「標準等級」マグネシアなる用語はMgO約9
2重量%とCaO2.48重量%(1.77%Ca)と
を含み、上記方法Aの高純度マグネシアに述べた粒度と
同じ粒度を有するデッドバーンドマグネシアを表すため
に、ここでは用いる。ミックスの相対粘度は、2〜5の
セットを同時に比較し、直角に置くことによって、すな
わちそれらの側面に置くことによって、室温(23〜2
5℃)での放置時に種々な間隔を置いて観察した。全て
のミックスは初期には完全に流体であったが、一般に1
〜7日間に不動になり、不粘着性になった。不動のミッ
クスをアプリケータースティックによって検査して、初
期の粘着性から、タフィー様粘着性、及び次の不粘着性
(すなわち、スティックはきれいに、樹脂が付着せずに
引き抜かれる)までの範囲である相対的粘着性を評価し
た。流体ミックスの粘度が増大すると、ミックスは不動
になる。粘度のこれ以上の増加は不動性ミックスのアプ
リケータースティックへの付着によって実証される。粘
度のこれ以上の増加はタフィー様粘着性によって示さ
れ、さらに大きい粘度上昇はアプリケータースティック
がきれいに、樹脂が付着せずに引き抜かれることによっ
て実証される。さらに、相対的な粘度上昇を記録した、
例えば、3>2>1はミックス3の粘度がミックス2の
粘度よりも大きく(>)、ミックス2の粘度はミックス
1の粘度よりも大きいことを意味する。2個以上の記号
(>)の使用は差異が大きいことを意味する、すなわち
記号(>)1個の使用に比べて粘度が増大する。添加剤
を含まない混合物は「対照」とも呼ばれる。
【0081】実施例1 フェノール樹脂/高純度マグネシアの粘度に対する水及
びフェノールの影響 この実施例は、上記方法Aに従って、種々なミックスに
指示どおりに水又は遊離フェノールを添加して又は添加
しないで、種々のレゾール樹脂を用いて実施した。
【0082】この実施例の結果は表1に示す。表中の添
加水と添加フェノールの記入は、樹脂中の水又は遊離フ
ェノールの総量を表中に記載の量に調節するために添加
を実施する場合を示す。従って、表中の水又はフェノー
ルの量は添加が行われたサンプルの水の総量である。表
示103から分かるように、粘度読み取り値は1000
を乗ずる必要がある。従って、ミックス1の零時に示さ
れる1.68の粘度報告値は25℃における1680c
psである。ミックス1、2、3には樹脂Aが用いられ
たが、ミックス4と5は樹脂Bを用いた。「MgOな
し」の欄はマグネシア凝集体を加えない場合のミックス
の粘度を示す。
【0083】表1から明らかであるように、水の量が増
加すると粘度上昇速度が増大するが、遊離フェノール量
が増加すると粘度上昇速度が低下する。
【0084】 表1 フェノール樹脂/高純度マグネシアの粘度に対する水及びフェノールの影響 粘度(25℃)cpsx103 ミックス 水添加 フェノール MgO 0 3 6 24 / 添加 / なし 時間 時間 時間 時間 総量 総量 1 8.1 --- 0.675 1.68 4.40 6.70 25.75 2 5.5 --- 1.55 3.76 6.10 7.60 19.75 3 --- --- 5.25 17.25 15.00 16.25 20.00 4 --- ーーー 2.25 7.50 18.00 27.25 110.00 5 --- ーーー 5.60 22.00 69.00 119.0 >4 実施例2 樹脂B/高純度マグネシアの粘度に対する添加剤の影響 この実施例は上記方法Aに従って実施した。「MgOな
し」なる見出しの欄はマグネシアを添加しないミックス
の粘度を示す。
【0085】この実施例では、ミックス1は添加剤を含
まなかった。ミックス2は1.37%リンゴ酸BOR
(樹脂基準)を含有した。 ミックス3は0.25%二
フッ化アンモニウムBORと0.38%水BORを含有
した。ミックス4は1.4%サリチル酸BORを含有し
た。 ミックス5は1.4%サリチル酸BORと1.4
%サリチル酸ナトリウムBORを含有した。
【0086】この実施例の結果は表2に示す。表2から
明らかであるように、ミックス2と3の粘度上昇は添加
剤を含まない対照(ミックス1)に比べて、また添加剤
が遅延効果を有さないミックス4と5に比べて遅延され
た。この実験の予想外の結果の1つは、我々の同時係属
米国特許出願第698,945号(1991年5月13
日出願)中のライトバーンドマグネシアによって示され
た効果とは対照的に、サリチル酸(ミックス4)が遅延
効果を示さなかったことである。デッドバーンドマグネ
シアの代わりにハードバーンドマグネシアを用いても同
じ効果が示される。
【0087】 表2 樹脂B/高純度マグネシアの粘度に対する添加剤の影響 ミックス 粘度(25℃)cps x103 MgO 0 3 6 24 48 72 なし 時間 時間 時間 時間 時間 時間 1 4.40 17.75 56 92 >400 -- -- 2 4.50 28.75 40 42 62 >400 -- 3 3.10 14.00 14.25 15.00 23 27.75 34.0 4 4.30 16.5 73.0 136 >400 -- -- 5 5.15 22.75 81.00 142 >400 -- -- 実施例3 樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対する酢酸又はギ
酸添加剤の影響 この実施例はミックス2における酢酸及びミックス3に
おけるギ酸の、添加剤を含まない対照(ミックス1)に
比べた相対的効果を試験するために実施した。試験は上
記定性流方法に従って実施した。各ミックスはエチレン
グリコール0.2gを含有し、各ミックス中の酢酸又は
ギ酸の量は0.06g(樹脂の重量基準で1.2%)で
あった。
【0088】表3から分かるように、酢酸とギ酸の両方
は硬化を促進し、ギ酸は酢酸に比べてより有効な硬化剤
であった。
【0089】 表3 樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対する酢酸又はギ酸添加剤の影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 0.5−1 3>2>1 3 3>2>>1 5 3>>2>>1 ミックス1はまだ完全な流体である 24 3>2>>>1 ミックス1はまだかなり流体である 34 3は非粘着性、ミックス2はまだ粘着性である 47 ミックス1はまだ流動性である 約59 ミックス2は非粘着性である 96 ミックス1は僅かに可動であり、粘着性である実施例4 樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対するグリコール
酸、乳酸及びリンゴ酸の影響 この実施例は、1.1%BORの濃度でグリコール酸
(ヒドロキシ酢酸)を含むミックス2と、1.2%BO
Rの濃度で乳酸(2−ヒドロキシプロピオン酸)を含む
ミックス3と 1.2%BORの濃度でリンゴ酸(ヒド
ロキシコハク酸)を含むミックス4との粘度に対する、
添加剤を含まないミックス1に比べた相対的効果を試験
するために、定性流方法に従って、実施した。
【0090】表4から分かるように、グリコール酸と乳
酸は粘度上昇を促進する、すなわちこれらは促進剤とし
て作用する。リンゴ酸は見かけの初期チキソトロープ効
果を有するが、実際には粘度上昇を遅延させる。
【0091】 表4樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対するグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸の 影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1〜6 4>>2>3>1 23 2,4>>3>1 24 2>3>>1>>>4 ミックス2は不動であるが、まだ 粘着性である。
【0092】 24時間後に全てのサンプルを再混合 72 ミックス4はまだ流動性を示す 実施例4の方法に従って、但し高純度マグネシアの代わ
りにハードバーンドマグネシア又は標準等級マグネシア
を用いて実施、リンゴ酸は組成物に対してその遅延効果
を示す。
【0093】実施例5 樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対するEDTA−
二ナトリウムー1水和物、リンゴ酸及び酒石酸の影響 この実施例は、1.6%BORでEDTA−二ナトリウ
ムーH2Oを含むミックス2;1.4%BORでリンゴ
酸を含むミックス3;1.4%BORで酒石酸を含むミ
ックス4の、添加剤を含まないミックス1に比べた相対
的効果を試験するために実施した。この実施例は上記定
性流方法に従って実施した。この実施例の結果は表5に
示す。
【0094】表5から分かるように、リンゴ酸と酒石酸
は有効な遅延剤であるが、EDTA−二ナトリウムー1
水和物は中程度の遅延剤である。
【0095】 表5樹脂C/高純度マグネシアの定性流に対するEDTA−二ナトリウムー1水和物 、リンゴ酸及び酒石酸の影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1〜3 1は2>3>4に等しいか又はこれよりやや大きい。
【0096】 サンプルは3時間後に再混合。 11〜24 1>2>>3は4に等しいか又はこれよりやや大きい。
【0097】 ミックス2は停止。
【0098】 28 1>>3,4 48 1>>>3>4、ミックス4はまだ非常に自由に流動 72 1>>>3>>>4、ミックス4はまだ非常に自由に流動 96(4日間) ミックス1は不粘着性に近づく。
【0099】 144(6日間) ミックス4はまだ流動するが、ミックス1は不粘着性であ る 8日間 ミックス3は不粘着性であるが、ミックス4は不粘着性で はない。
【0100】この実施例5の方法によると、酒石酸の代
わりにクエン酸を用いると、組成物の硬化は酒石酸と同
様に遅延される。高純度マグネシアの代わりにハードバ
ーンドマグネシア又は標準等級マグネシアを用いても同
じ効果が生ずる。
【0101】実施例6 樹脂B/高純度マグネシアの定性流に対するリンゴ酸及
びリンゴ酸と4’−ヒドロキシアセトフェノンとの混合
物の影響 この実施例はミックス1の1.2%BORのリンゴ酸
と、リンゴ酸1.2%BORと4’−ヒドロキシアセト
フェノン4%BORを含むミックス2との混合物の樹脂
Bに対する相対的効果を試験するために実施した。この
実施例は上記定性流方法に従って実施した。
【0102】表6から分かるように、4’−ヒドロキシ
アセトフェノンはミックス粘度を最初高めるが、最終的
には遅延させる。この実施例の4’−ヒドロキシアセト
フェノンの代わりに2’−ヒドロキシアセトフェノンを
用いても、同様な結果が生ずる。
【0103】 表6 樹脂B/高純度マグネシアの定性流に対するリンゴ酸及びリンゴ酸と4’−ヒド ロキシアセトフェノンとの混合物の影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1/6〜2.5 2>1 2.5時間後に再混合 4 2>>1 ミックス2は非常に緩慢に移動 6〜20 2>>1 20時間後に再混合 20 2は1と同じである 26 2は1に等しいか又は1よりもやや大きい 48〜96 1>>2 4日後に、ミックス2はまだかなり良好に流 動した。
【0104】 144(6日間) ミックス1は不粘着性であるがミックス2は不粘着性で はない。
【0105】実施例7 樹脂D/高純度マグネシアの流動に対するアジピン酸、
コハク酸及び4−ニトロフェノールの影響 この実施例は、1.6%BORの濃度でアジピン酸を含
むミックス2;1.6%BORの濃度でコハク酸を含む
ミックス3;及び4%BORの濃度で4−ニトロフェノ
ールを含むミックス4の、添加剤を含まないミックス1
に比べた相対的効果を試験するために実施した。
【0106】試験結果は表7に記載する。表7から分か
るように、アジピン酸、コハク酸及び4−ニトロフェノ
ールは粘度促進剤として作用する。この実施例のデッド
バーンドマグネシアの代わりにハードバーンドマグネシ
アを用いても同じ結果が得られる。
【0107】 表7 樹脂D/高純度マグネシアの流動に対するアジピン酸、コハク酸及び4−ニトロ フェノールの影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1 2>3>4 1に等しいか又は1よりもやや大きい 4 2>3>4>1 6 ミックス2は非常に緩慢に移動する 23 ミックス2と3は流動を示さず、不粘着性である、ミック ス1はやや流動を示し、ミックス4は流動を示さないが不 粘着性ではない 47 ミックス1と4の両方は不粘着性であるが、ミックス4が ややより堅い 実施例8 樹脂D/高純度マグネシアの流動に対するグルタミン
酸、リンゴ酸及びリンゴ酸と2−クロロフェノールとの
混合物の影響 この実施例は、上記定性流方法に従って、樹脂Dを用い
て実施した。1.6%BORの濃度のグルタミン酸が
0.5時間及び23時間後に対照と等しい結果を示すこ
とが判明した。
【0108】1.2%BOR濃度のリンゴ酸を含むミッ
クスと、4%BOR濃度の2−クロロフェノールと1.
2%BOR濃度のリンゴ酸とを含むミックスとを相互に
比較した。リンゴ酸への2−クロロフェノールの添加は
リンゴ酸単独に比べてミックス寿命を48時間を通して
5分間隔で延長した。48時間後に、リンゴ酸ミックス
は不粘着性であるが(スティックはきれい)、クロロフ
ェノールとリンゴ酸を含むミックスは不粘着性ではな
い。この実施例のリンゴ酸の代わりにリンゴ酸アンモニ
ウムを用いても同じ結果が得られる。
【0109】実施例8から、グルタミン酸は粘度に対し
て殆ど又は全く効果を示さないが、2−クロロフェノー
ルはミックスの粘度上昇を遅延させると、結論すること
ができる。
【0110】実施例9 リンゴ酸、リンゴ酸水素マグネシウム、リンゴ酸とリン
ゴ酸一アンモニウムとの混合物、リンゴ酸と4’−ヒド
ロキシアセトフェノンとの混合物、及びリンゴ酸と2’
−ヒドロキシアセトフェノンとの混合物の樹脂D/高純
度マグネシアの流動に対する影響 この実施例は2部にわけて上記定性流方法に従って実施
した。第1部では、1.9%BOR濃度でリンゴ酸水素
マグネシウムを含むミックス2に比べて1.4%BOR
濃度でリンゴ酸を含むミックス1による相対的粘度変化
を評価するために試験を実施した。この実施例の第2部
では、2.4%BOR濃度のリンゴ酸一アンモニウムと
の混合物として1.4%BOR濃度でリンゴ酸を含むミ
ックス3;4%BOR濃度の4’−ヒドロキシアセトフ
ェノンとの混合物として1.4%BOR濃度でリンゴ酸
を含むミックス4;及び4%BOR濃度の2’−ヒドロ
キシアセトフェノンとの混合物として1.4%BOR濃
度でリンゴ酸を含むミックス5の粘度変化を比較するた
めに、試験を実施した。これらの試験結果は表9に示
す。表9から分かるように、リンゴ酸に比べてリンゴ酸
水素マグネシウムは最初、粘度を上昇させるが、1〜2
日間後に粘度を低下させる。2’−ヒドロキシアセトフ
ェノンはその4’−異性体よりも低効果的な遅延剤であ
るが、両方ともリンゴ酸と併用する。
【0111】 表9 リンゴ酸、リンゴ酸水素マグネシウム、リンゴ酸とリンゴ酸一アンモニウムとの 混合物、リンゴ酸と4’−ヒドロキシアセトフェノンとの混合物、及びリンゴ酸 と2’−ヒドロキシアセトフェノンとの混合物の樹脂D/高純度マグネシアの流 動に対する影響 経過時間 ミックスの粘度上昇の順序(第1部) 1〜3 2>>1 3時間後に再混合 5 2>1 8 ミックス2はミックス1に等しいか又はミックス1よりもやや 大きい 10 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりもやや 大きい 11〜48 1>>2 72 両ミックスは不粘着性である 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序(第2部) 1/3〜4 3>4>5 10 3,4>5 22 3>5>4 22時間検査の前に再混合 46 3>5>4 58 ミックス3は不粘着性 70 ミックス5は不粘着性、ミックス4は不粘着性にあらず実施例10 サリチルアルデヒド、サリチルアミド及び2−ニトロフ
ェノールの樹脂D/高純度マグネシアの定性流に対する
影響 この実施例は、上記定性流方法に従って粘度変化を示す
ために、4.4BOR濃度でサリチルアルデヒドを含む
ミックス2;4.4BOR濃度でサリチルアミドを含む
ミックス3;4.4BOR濃度で2−ニトロフェノール
を含むミックス4;及び添加剤を含まない対照としての
ミックス1を用いて実施した。これらの試験結果は表1
0に示す。表10から分かるように、1日後にサリチル
アルデヒドと2−ニトロフェノールは、対照及びサリチ
ルアミドに比べて、ミックス粘度を高める。
【0112】 表10 サリチルアルデヒド、サリチルアミド及び2−ニトロフェノールの樹脂D/高純 度マグネシアの定性流に対する影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 2.5〜7 2>4>1、3 23 2、4>1、3 ミックス2と4は本質的に不動であるが、 不粘着性ではない。
【0113】 48 全てのミックスは不動であり、不粘着性である。
【0114】実施例11 リンゴ酸及びリンゴ酸とN,N−ジメチルエタノールア
ミンとの混合物の樹脂B/高純度マグネシアの定性流に
対する影響 この実施例では、樹脂は樹脂Bであり、2.8%BOR
濃度のリンゴ酸(ミックス1)と、2.8%BOR濃度
のリンゴ酸と1%BOR濃度のN,N−ジメチルエタノ
ールアミン(DMEA)との混合物(ミックス2)に関
する、定性流方法による粘度比較を実施した。
【0115】この実施例の結果は表11に示す、表10
から分かるように、DMEAの存在下でのリンゴ酸濃度
の上昇は、流動及びミックス寿命を延長させるために非
常に有効である。
【0116】 表11 リンゴ酸及びリンゴ酸とN,N−ジメチルエタノールアミンとの混合物の樹脂B /高純度マグネシアの定性流に対する影響 経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1 ミックス2はミックス1に等しいか又はミックス1よりも やや大きい 2 2>1 2時間後に再混合 4〜7 2>>1 6時間後に再混合 24 2>>1 7時間から明確な変化なし 72 2>>1 24時間よりもミックス粘度が僅かに上昇 72時間後に再混合、このときに1>2 95 ミックス1は不粘着性であるが、ミックス2はまだ流動を 示す 7日間 ミックス2はまだ不粘着性にあらず。
【0117】実施例12 フッ化アンモニウムによる硬化遅延 下記成分:後述するような3種の砂の混合物300gに
つき36gの濃度での樹脂M;ガンマーブチロラクトン
(25%BOR);約18%デッドバーンドマグネシア
凝集体BOR;水、8.3%BOR;及び1%BORの
3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランを完全
に混合することによって、未加工(raw)バッチ組成
物を製造した。樹脂Mは、触媒として水酸化ナトリウム
を用いて、1.25のモル比でのホルムアルデヒドとフ
ェノールとを反応させることによって製造されるフェノ
ールホルムアルデヒドレゾール樹脂である。この樹脂中
間体に次に、酢酸、エタノール、メタノール及びN,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)を配合して、樹脂M
を形成する。樹脂Mは25℃において2,560センチ
ストークスのガードナーーホルト粘度又は25℃での約
3,000cps;68%固形分;7%遊離フェノー
ル;10%低級アルキルアルコール;12%水分;4%
DMF;pH5.9及び重量平均分子量4,000を有
する。砂混合物は粗粒砂198g,中粒(medium
grain)砂72g;及び微粒砂30gから構成さ
れた。デッドバーンドマグネシア凝集体は可燃物基準で
98.1%MgOを含み、嵩比重3.28を有し、その
95%は50米国シーブ系列スクリーンを通過した。上
記未加工バッチ組成物は、遅延剤なしに、105psi
の24時間圧縮強さを示した。2%BORのフッ化アン
モニウムを添加すると、組成物は室温での5日間後に、
まだ軟質であった。この実施例の方法に従って、ブチロ
ラクトンの代わりにプロピレンカーボネート又はトリア
セチンを用いても同様な結果が得られる。この実施例に
おいてデッドバーンドマグネシアの代わりにハードバー
ンドマグネシアを用いても遅延が生ずる。
【0118】実施例13 高純度マグネシアとのレゾール/ノボラックブレンドに
対する遅延剤の効果 ノボラックA溶液(固形分65%、フルフリルアルコー
ル25%とエタノール10%による、分子量約600、
約2170cps,25℃の粘度を有する)に、1:1
の重量比で樹脂Dを混合して、約2520cps,25
℃の粘度を得た。この組成物をミックス1として、添加
剤なしに試験し、33%水溶液として0.33%BOR
の二フッ化アンモニウムを分散させたものをミックス2
として試験した。これらの2種のミックスは定性流方法
によって試験した。結果は以下に示す。
【0119】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1〜3 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりも やや大きい 6〜10 1>2 14〜23 1>>2 上記結果から分かるように、二フッ化アンモニウムはレ
ゾールとノボラックとのブレンドに対する非常に良好な
ミックス寿命延長剤である。
【0120】実施例14 高純度マグネシアと共にノボラックのみを用いた場合の
定性流に対する遅延剤の効果 この実施例は高純度マグネシアと共にノボラックAのみ
を用いた場合の定性流に対する遅延剤の効果を示す。約
2170cps,25℃の粘度を有する上記実施例13
のノボラックA溶液をビフルオリド遅延剤(0.33%
BOR)を加えて又は加えずに、定性流方法に従って試
験した。24時間後と50時間後に、遅延剤を含むサン
プルと遅延剤を含まないサンプルの両方は非常に流動性
であった。5日後と7日後にも、同じ結果が観察され
た。この実施例では、遅延剤は問題の期間中にサンプル
に対して効果を示さなかった。
【0121】実施例15 標準等級マグネシアと共にフェノール樹脂としてノボラ
ックのみを用いた場合の定性流に対する遅延剤の効果 この実施例は、標準等級デッドバーンドマグネシアを含
むがレゾール樹脂を含まないノボラックBの使用に対す
る遅延剤の効果を示す。フェノール ホルムアルデヒド
ノボラックB樹脂は60%固形分溶液としてエチレン
グリコール中に溶解し、約3.5%水分、約3,000
の分子量、約5,700cpsの粘度を有する。この実
施例に用いた方法は定性流方法である。標準等級マグネ
シアは、高純度マグネシア中の0.82%のみのCaO
の代わりにCaO2.5%を含有した。ミックス1は
0.6%BOR水分を有する対照であった。ミックス2
は33%水溶液として分散した、二フッ化アンモニウム
0.33%を含有した。
【0122】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1〜8 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりも やや大きく、両方とも非常に流動性である。
【0123】 27 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりも やや大きく、両ミックスはかなり流動性である。
【0124】 31 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりも やや大きい 36〜72 1>2 両方ともまだ可動である 72 1>2 両方ともまだ可動である 上記表から分かるように、僅か0.82%のCaOを含
む高純度マグネシアの代わりに2.5%CaOを含む標
準等級マグネシアの使用は問題の期間中の樹脂硬化の遅
延に非常に有効であった。標準等級マグネシアの代わり
に約2.5%のCaOを含むハードバーンドマグネシア
を用いても同様な結果が得られる。
【0125】実施例16 樹脂D/高純度マグネシアの定性流に対する二フッ化ア
ンモニウムの影響 この実施例は上記樹脂Dと標準等級マグネシアの使用に
対する遅延剤の影響を説明する。下記表中のミックス1
は対照+水0.6%BORであり、ミックス2は33%
水溶液として分散した、0.33%二フッ化アンモニウ
ムBORを含有した。
【0126】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1/3 ミックス1はミックス2に等しいか又はミックス2よりも やや大きい 1〜2 1>2 3〜6 1>>2 6時間後に、ミックス1は非常に緩慢に移動 20 1>>>2 ミックス1はタッフィ様である 47 1>>>2 ミックス1は不粘着性である。ミックス2はまだ かなり可動である。
【0127】実施例16の結果から分かるように、ビフ
ルオリド遅延剤は高カルシウム含有マグネシア凝集体に
対しても非常に有効である。
【0128】実施例17 樹脂D/高純度マグネシアに対するシランとポリホスホ
ン酸の効果 この実施例は定性流方法の項に述べたように実施した。
ミックス1は希釈剤として2%の水を含む対照であっ
た。ミックス2は希釈剤として2%BORの水の他に2
%BORのテトラエチルオルトシリケート(テトラエト
キシシラン)を含有した。ミックス3は2%BORの水
と2%BORのアミノトリ(メチレンホスホン酸)を含
有した。この実施例の試験は定性流方法に従って実施
し、結果は下記に示す。
【0129】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 1 1>3、3は2に等しいか又は2よりやや大きい 3 1>>3 2に等しいか又は2よりやや大きい 7 1>>3>2 27 1>3>>2 ミックス1は濃厚、タッフィ様であり、ミック ス2はまだ殆ど流動性である 36 1>3>>>2 ミックス2はまだ流動性である 39 ミックス1は不粘着性ではない 48 ミックス1は不粘着性であるが、ミックス2はまだ流動性であ る 72 ミックス3は不粘着性であるが、ミックス2はまだ流動する。
【0130】実施例17の結果から明らかであるよう
に、テトラエトキシシランは有効な遅延剤であるが、ポ
リホスホン酸はシランよりも低効果的な遅延剤である。
【0131】実施例18 樹脂D/高純度マグネシアの粘度に対するエステルと遅
延剤との効果 この実施例では、2セットの試験を実施した。第1シリ
ーズの試験は前記方法Aに従って実施し、これらの試験
の結果は下記パートAに示す。第2シリーズの試験は定
性流方法に従って実施し、これらの試験の結果は下記パ
ートBに示す。パートAとパートBの両方において、ミ
ックス1は添加剤を含まないが、その代わりに2−メト
キシエチルエーテル(不活性溶剤)10%BORと0.
5%水BORとを含む、対照であった;ミックス2は1
0%BOR濃度のガンマーブチロラクトンと、0.5%
BOD濃度の水とを含有した;ミックス3は10%BO
R濃度のガンマーブチロラクトンと、水0.75%BO
D中の33%溶液として加えられた二フッ化アンモニウ
ム0.25%BORとを含有した。パートAの表の第1
欄では、見出し「MgOなし」は高純度マグネシアの添
加前に粘度測定を行ったこと、すなわち組成物が「ニー
ト(neat)」であることを意味する。
【0132】 パートAミックス 粘度(250)、cps x 103 MgOなし 0時 6時 24時 1 1.900 4.70 22.50 158.00 2 1.250 4.60 >400 ーーー 3 1.000 4.70 11.75 >400 上記パートAから分かるように、ビフルオリドは少なく
とも6時間の強い遅延効果を有し(ミックス3対ミック
ス2)、不活性溶剤によるエステルの置換はミックス寿
命を非常に延長させる(ミックス1対ミックス2)。
【0133】パートB 1時間熟成したミックスを充分に混合し、各ミックスの
約11gをバイアルに移して、経時的な粘度変化を観察
する。
【0134】経過時間 ミックスの粘度上昇の順序 0 ミックス2は1>3に等しいか、又は1>3よりもやや大き い 1 2>3>1 2 2>>3>1 3 2>>3>1 ミックス3はまだ非常に流動性である 6 2>>>1>3 ミックス3はまだ非常に流動性である 22 2,3>>1 ミックス2は不粘着性に近い。ミックス3は 非常に粘着性である。ミックス1は中程度に可動である。
【0135】 30 ミックス2は不粘着性である。
【0136】 44 ミックス3は不粘着性である。ミックス1は非常に緩慢に移 動する。
【0137】 69 ミックス1は不動であり、粘着性である。
【0138】 95 ミックス1は不粘着性ではない。
【0139】この実施例のパートBから分かるように、
パートAの結論は実証される。ビフルオリドは強い遅延
効果を有し、不活性溶剤によるエステルの置換はミック
ス寿命を非常に延長させる。このことはまた、定性流方
法を方法Aにおけるようなブルックフィールド粘度を得
る方法と相関づけることの妥当性を実証する。
【0140】耐火性引張り試験片の製造方法 99+%MgO含量を有し、14/48シーブサイズを
有するデッドバーンドマグネシア1360g;99+%
MgO含量を有し、ー200メッシュシーブサイズを有
するデッドバーンドマグネシア240g;及び結晶性黒
鉛400gを含む凝集体ミックス2.0kgをプラスチ
ックバッグに入れて1300F(54℃)オーブンに、
一晩保存した。高温の凝集体を5クォート3段階速度ホ
バートミキサー(5quart 3−speed Ho
bart mixer)に装入し、樹脂83.3g[凝
集体を基準にして4.2%、900F(32℃)に予
熱]を加えた。低速度で1分間、中速度で5分間、高速
度で3分間混合することによって完全なミックスを得
た。最終ミックス温度は約1600F(41℃)であっ
た。ダイにミックス150gを装入し、15トン圧力下
で1分間圧縮することによって、長さ3インチ、厚さ1
インチ、頚部1インチのドッグボーン試験片を製造し
た。使用しなかったミックスは後に使用するために90
0Fオーブンに入れた。引張強さ(psi)をユニバー
サルサンド(Universal Sand)試験機で
測定した。
【0141】実施例19 樹脂Dのミックス寿命/引張り強さに対する遅延剤の効
上記耐火性引張り試験片の製造方法に従って耐火性引張
り試験片を製造した、用いた樹脂は樹脂Dであった。ミ
ックス1は対照であり、遅延剤を含まなかった。ミック
ス2は1.4%リンゴ酸BODを含有した。表に示すよ
うに、種々な時間に引張強さを測定した。
【0142】 引張強さ、PSI(2または3の平均) ミックス 0時 4時 24時 48時 72時 1 11 8 16 21 32 2 6 5 17 30 61 ミックス1は経時的に徐々に乾燥した。ミックス2はミ
ックス1よりも湿った状態を保持した。上記表から明ら
かであるように、遅延剤は初期強度を減ずるが(0〜4
時)、1日後に対照と等しくなり、2〜3日後には顕著
に高い強度を示す。
【0143】実施例20 樹脂B/高純度マグネシアの定性流研究 この実施例は定性流方法に従って実施した。結果は下記
のような種々な添加剤を含むサンプルと、添加剤を含ま
ない対照とを比較して記録した。試験期間は5日間にわ
たって続いた。1.0%BORのトリメリット酸(1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸)添加剤は中等度に有
効な促進剤として作用した。1.5%BOR濃度のスル
ファニル酸(4−アミノベンゼンスルホン酸)添加剤は
緩和な促進剤として作用し、1.5%BOR濃度のアス
パルギン酸添加剤は緩和な遅延剤として作用した。
【0144】実施例21 樹脂D/高純度マグネシアの定性流に対するクエン酸の
効果 この実施例は、フェノール樹脂としての樹脂Dと凝集体
としての高純度マグネシアとに対して、定性流に従って
実施した。ミックス1は添加剤を含まない対照であり、
55%水溶液として分配したクエン酸を含有したミック
ス2に比較した。結果は下記に示す。
【0145】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 0.5 2>>1 3.5〜6 2>1 6時間後に再混合 6* 1>2 それ故、クエン酸は早期チキソトロープを示す 11〜19 1>>2 22 1>>>2 ミックス1は不動であり、ミックス2はまだ殆ど 流動性である 45 ミックス1は不粘着性でないが、ミックス2はまだ可動である 70 ミックス1は辛うじて不粘着性であるが、ミックス2は緩慢に 移動する 94 ミックス2は殆ど不粘着性である *この実施例21から分かるように、クエン酸は早期に
チキソトロープを与え、有効な遅延剤である。
【0146】実施例22 レゾール/遅延剤ミックスの相容性研究 この実施例の目的は、種々なレゾール樹脂における種々
な遅延剤の相容性を調べることであった。この実施例で
用いた方法は表22の添加剤の名前の後の括弧内の濃度
(BOR)でガラスバイアル中の樹脂に遅延剤を単に加
えることであった。ミックスの1つでは、アミン塩形成
剤を表に記載した濃度BORで酸遅延剤に加えた。ガラ
スバイアル中の物質を激しく混合し、指定期間後に観察
した。結果は以下の表22に示す。
【0147】 表22 樹脂 遅延剤(%BOR) 観察 B 二フッ化アンモニウム(0.2%) 直ちに乳状になった。数日後に固体 が非常に緩慢に沈降。
【0148】 B リンゴ酸(2%)とサリチル( 1日後に沈
殿が明白。
【0149】 0.8%) B エチルオルトシリケート(2%) 1日以内に濁り。数日間にわたっ (テトラエトキシシラン) てますます不透明になり続ける B リンゴ酸(2%)とコリン塩基( 1日以内に沈殿形成 0.9%) B 蓚酸(0.8%) 1日経たない内に沈殿形成 B クエン酸(1.1%) 1〜22日後に濁るが沈殿形成さ れず D リンゴ酸(2.5%)とN,N− 12日後に結晶が明白。
【0150】 ジメチルエタノールアミン(1.3%) D リンゴ酸(1.4%) 6日後に顕著な結晶が観察。
【0151】 E 二フッ化アンモニウム(0.28%) 25日後に透明 E クエン酸(1.1%) 25日後に透明 E リンゴ酸(1.1%) 4日後に粒状の濁り出現 E 酒石酸(1.1%) 数時間後に濁り。約14時間後に 曇り、3日までに明確な変化なく 、2週間後に若干の沈殿存在。
【0152】 F 二フッ化アンモニウム(0.28%) 25日後に透明 F 酒石酸(1.1%) 25日後に透明 この実施例の結果は、水酸化カリウムが触媒作用を及ぼ
すレゾール樹脂(樹脂E)とアミンが触媒作用を及ぼす
レゾール樹脂(樹脂F)とが、水酸化ナトリウムが触媒
作用を及ぼすレゾール樹脂(樹脂B)に比べて、遅延剤
に対して改良された相容性を有することを示す。
【0153】実施例23 実施例に用いた酸とフェノールのイオン化定数(p
a この実施例はS欄において種々な添加剤の活性の種類を
示す、「A」は添加剤が促進剤であることを示し、
「R」は添加剤が遅延剤であることを示し、「N」は添
加剤が中性であることを示す。表には添加剤のpKa
も示し、pK1は一酸のpKaである。pKa値はジェ
イ.エイ.ディーン(J.A.Dean)、有機化学ハ
ンドブック(Handbook of Organic
Chemistry)、マグローヒル出版社(McG
raw−Hill PublishingCo.)
(N.Y.、1987)から引用した。
【0154】 添加剤(酸) pK1(pKa pK2 pK A 酢酸 4.76 A アジピン酸 4.42 5.41 R アスパルギン酸 3.87 10.00 R 2−クロロフェノール 8.55 A ギ酸 3.75 N グルタミン酸 4.31 9.76 A グリコール酸 3.83 R クエン酸 3.13 4.76 6.40 R フッ化水素 3.17 R 2’−ヒドロキシアセトフェノン 9.90 R 4’−ヒドロキシアセトフェノン 8.05 A 乳酸 3.86 R リンゴ酸 3.46 5.10 A 2−ニトロフェノール 7.22 A 4−ニトロフェノール 7.15 R 蓚酸 1.27 4.27 R リン酸 2.15 7.20 12.38 N サリチル酸 2.98 A サリチルアルデヒド 8.34 N サリチルアミド 8.36 R ケイ酸 9.77 11.80 A コハク酸 4.21 5.64 A スルファニル酸 3.23 R 酒石酸 3.04 4.37 A トリメリット酸 2.52 3.84 5.20 *テトラアルコキシシランの部分加水分解生成物 イオン化定数と樹脂/MgOミックスの遅延剤/促進剤
活性との明白な相関関係が存在しないことが、実施例2
3から明らかである。
【0155】実施例24 樹脂B/高純度マグネシアの流動に対する添加剤の効果 この実施例は定性流方法に従って実施した。この実施例
では、ミックス1は添加剤を含まない対照であり、ミッ
クス2は添加剤として1.4%BORのフェノールスル
ホン酸を含有し、ミックス3は1.1%BORの添加剤
としての硝酸リチウムを含有し、ミックス4は1.4%
BOR濃度の添加剤としてスルファミン酸アンモニウム
を含有した。全てのミックスは添加水1.4%BORを
含有した。この実施例の結果は下記に示す。
【0156】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 0.5 4>2>3>1、この場合4>>1 1 4>>2は3>1に等しいか、又は3>1よりもやや大きい 2 4>>2は3>>1に等しいか、又は3>>1よりもやや大きい ミックス1は不動であるが、ミックス1は殆ど流動性である 3 4>2,3>>1 ミックス4は不粘着性である 9 3>2>>>1 ミックス1はまだ中程度に流動性である 14 ミックス3は不粘着性に近いが、ミックス2は不粘着性でない 21 ミックス2と3は不粘着性である 31 ミックス1はまだ流動する 48〜72 ミックス1は粘着性である 96 ミックス1は不粘着性である 実施例24から明らかであるように、スルファミン酸ア
ンモニウムは強力な促進剤であり、フェノールスルホン
酸と硝酸リチウムは良好な促進剤である。上記と同様な
実験ランでは、2%BOR濃度のアセチルアセトン
(2,4−ペンタンジオン)は緩和な促進剤活性、すな
わち上記実施例24における活性よりも低い促進剤活性
を示した。
【0157】実施例25 樹脂E/高純度マグネシアの流動に対する添加剤の効果 この実施例は定性流方法に従って実施した。この実施例
では、ミックス1は対照であり、添加剤を含まなかっ
た。ミックス2は添加剤として2%BOR濃度のP−ト
ルエンスルホン酸を含有した。ミックス3は添加剤とし
て1.5%BOR濃度のクエン酸と1%BOR濃度の
N,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA)を含有
した。全てのミックスは追加の1.4%BOR水を含有
した。この実施例の結果は下記に示す。
【0158】経過時間 種々なミックスの粘度上昇の順序 0.66 3>2>1 1〜5 3>2>1、3〜5時間後にミックス3は殆ど移動しない 6 6時間後に再混合、この後に2>3>1 14 3は2>>1に等しいか、又は2>>1よりもやや大きい 24 2,3>>1 ミックス1はかなり容易に流動する。1と3を 再混合、1と3は容易に再混合可能であるが、ミックス2はタ ッフィ様であり、混合不能。再混合後に、2は1>>3に等し いか、又は1>>3よりもやや大きい、ミックス3は良好な流 動を示す。
【0159】 26〜33 2は1>>3に等しいか、又は1>>3よりもやや大きい。ミ ックス3は良好な流動性を示すが、ミックス2は不粘着性では ない。
【0160】 39 2>1>>3 ミックス2はごく僅かに不粘着性である。
【0161】 72 ミックス1はまだ粘着性であり、非常に緩慢に流動する。ミッ クス3はまだ緩和に流動性であるが、再混合後に良好な流動性 を示す。
【0162】 127 ミックス1は不粘着性ではなく、ミックス3は中程度に良好な 流動性を示す。
【0163】 144 ミックス1は不粘着性であり、ミックス3は中程度に良好な流 動性を示す。
【0164】 288 ミックス3は再混合の前後に流動する。
【0165】 336 ミックス3はまだ流動する。
【0166】ミックス3の製造に用いられた遅延剤を含
む樹脂溶液は少なくとも13日間透明であり、均質であ
った。
【0167】実施例25の結果から分かるように、p−
トルエンスルホン酸は促進剤であるが、クエン酸/DM
EAは早期チキソトロープを示すが、強力な遅延剤にな
る。本発明の実施態様は次の通りである: 1.フェノール樹脂とマグネシア凝集体との混合物の周
囲温度硬化を遅延させる方法において、次の要素: A.マグネシア凝集体; B.ノボラック、約4.5〜9.5のpHと25℃にお
いて約100〜10,000cpsの粘度とを有するレ
ゾール及びこれらの混合物から成る群から選択される、
樹脂の熱硬化時に前記凝集体を結合させるために充分な
量である硬化可能なフェノール樹脂溶液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
充分な量での遅延剤化合物を混合することを含む方法。 2.凝集体がデッドバーンド(deadburned)
マグネシアである上記1記載の方法。 3.凝集体がハードバーンド(hardburned)
マグネシアである上記1記載の方法。 4.樹脂が5〜8.5のpHと25℃において約250
〜5,000cpsの粘度とを有するレゾール樹脂であ
る上記1記載の方法。 5.陰イオンがビフルオリドである上記1記載の方法。 6.陰イオンがシトレートである上記1記載の方法。 7.陰イオンがフルオリドである上記1記載の方法。 8.陰イオンがマレートである上記1記載の方法。 9.陰イオンがタルトレートである上記1記載の方法。 10.陰イオンを与える化合物が酸であり、フェノール
樹脂がフェノールとホルムアルデヒドとの縮合生成物で
ある上記1記載の方法。 11.化合物が、各アルコキシ基が炭素数1〜3である
テトラアルコキシシランである上記1記載の方法。 12.化合物が各アルコキシ基が炭素数1〜3である部
分加水分解テトラアルコキシシランである上記1記載の
方法。 13.フェノール樹脂が有機溶剤中ノボラックの溶液で
あり、凝集体が約1.5%〜4%の酸化カルシウムを含
む上記1記載の方法。 14.フェノール樹脂がノボラック1重量部につきレゾ
ール約1〜4重量部を含む混合物である上記1記載の方
法。 15.混合物が凝集体の重量を基準にして約5〜35重
量%の黒鉛、凝集体の重量を基準にして1〜5重量%
の、アルミニウム、マグネシウム及びケイ素から成る群
から選択される金属粉末、及び前記添加剤の混合物から
成る群から選択される添加剤を含む上記1記載の方法。 16.混合物が、ラクトン、カルボン酸エステル、環状
有機カーボネート及びこれらの混合物から成る群から選
択されるエステル機能硬化剤(ester funct
ional hardening agent)を含
み、前記硬化剤の量が周囲温度における硬化後の混合物
の引張強さと圧縮強さとを高めるために充分である上記
3記載の方法。 17.フェノールレゾール樹脂とマグネシア凝集体との
混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法において、次の
要素: A.マグネシア凝集体; B.4.5〜9.5のpH、25℃において約100〜
10,000cpsの粘度及び約3〜15重量%の水分
を有する硬化性フェノールレゾール樹脂溶液であって、
前記レゾールが樹脂硬化時にマグネシアを結合させるた
めに充分な量である硬化性フェノールレゾール樹脂溶
液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
充分な量での遅延剤化合物を混合することを含む方法。 18.陰イオンがビフルオリドである上記17記載の方
法。 19.陰イオンがシトレートである上記17記載の方
法。 20.陰イオンがフルオリドである上記17記載の方
法。 21.陰イオンがマレートである上記17記載の方法。 22.陰イオンがタルトレートである上記17記載の方
法。 23.遅延剤が酸である上記17記載の方法。 24.化合物が、各アルコキシ基が炭素数1〜3である
テトラアルコキシシランである上記17記載の方法。 25.化合物が、各アルコキシ基が炭素数1〜3である
部分加水分解テトラアルコキシシランである上記17記
載の方法。 26.マグネシアがデッドバーンドマグネシアである上
記17記載の方法。 27.レゾール樹脂が1重量%未満のナトリウム又はカ
リウムを含む上記17記載の方法。 28.樹脂が25℃における約250〜5,000cp
sの粘度と約50〜90重量%の固形分を有し、混合物
が約3〜12重量%の水分を含み、マグネシアが3重量
%未満の酸化カルシウムを含み、フェノールレゾールが
フェノールとホルムアルデヒドとの縮合生成物である上
記17記載の方法。 29.樹脂が0.5重量%未満のナトリウム又はカリウ
ムを含む上記28記載の方法。 30.混合物が硬化後の周囲温度における組成物の引張
強さと圧縮強さとを高めるために充分な量でエステル機
能硬化剤を含み、前記エステルがラクトン、カルボン酸
エステル、環状有機カーボネート及びこれらの混合物か
ら成る群から選択される上記28記載の方法。 31.エステルがラクトンである上記30記載の方法。 32.次の要素: A.マグネシア凝集体; B.ノボラック、約4.5〜9.5のpH、25℃にお
いて約100〜10,000cpsの粘度を有するレゾ
ール、及びこれらの混合物から選択される硬化性フェノ
ール樹脂溶液であって、前記樹脂量がマグネシアの約3
〜15重量%である硬化性フェノール樹脂溶液; C.次の要素: a.組成物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
である、混合物の周囲温度硬化を遅延させるために充分
な量での遅延剤化合物の湿潤混合物を含む結合剤−凝集
体組成物。 33.フェノール樹脂が5〜8.5のpHと25℃にお
ける250〜5,000cpsの粘度とを有するレゾー
ルであり、前記レゾールが3〜15重量%の水分を含む
上記32記載の組成物。 34.フェノール樹脂が有機溶剤中のノボラックの溶液
である上記32記載の組成物。 35.陰イオンが樹脂の重量を基準にして0.1〜1.
0%の量のビフルオリドである上記32記載の組成物。 36.陰イオンが樹脂の重量を基準にして0.5〜2.
5%の量のシトレートである上記32記載の組成物。 37.陰イオンが樹脂の重量を基準にして0.1〜1%
の量のフルオリドである上記32記載の組成物。 38.陰イオンが樹脂の重量を基準にして0.5〜2.
5%の量のマレートである上記32記載の組成物。 39.陰イオンが樹脂の重量を基準にして0.5〜2.
5%の量のタルトレートである上記32記載の組成物。 40.マグネシアがデッドバーンドマグネシアである上
記32記載の方法。 41.化合物が、各アルコキシ基が炭素数1〜3である
テトラアルコキシシランである上記32記載の方法。 42.化合物が各アルコキシ基が炭素数1〜3である部
分加水分解テトラアルコキシシランである上記32記載
の方法。 43.次の要素: A.マグネシア凝集体; B.4.5〜9.5のpHを有し、樹脂の3〜15重量
%の水分を含み、前記樹脂量がマグネシアの重量を基準
にして約3〜15重量%の量である硬化性フェノールレ
ゾール樹脂溶液; C.次の要素: a.組成物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
である、混合物の周囲温度硬化を遅延させるために充分
な量での遅延剤化合物の混合物を含む結合剤−凝集体組
成物。 44.凝集体がデッドバーンドマグネシアである上記4
3記載の組成物。 45.凝集体がハードバーンドマグネシアである上記4
3記載の組成物。 46.凝集体の重量を基準にして約5〜35重量%の黒
鉛、凝集体の重量を基準にして1〜5重量%の、アルミ
ニウム、マグネシウム及びケイ素から成る群から選択さ
れる金属粉末、及び前記添加剤の混合物から成る群から
選択される添加剤を含む上記43記載の組成物。 47.陰イオンを与える化合物が酸である上記43記載
の組成物。 48.フェノールレゾール樹脂とマグネシア凝集体との
混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法において、次の
要素: A.マグネシア凝集体; B.pH5〜8.5と粘度25℃において250〜5,
000cpsを有し、樹脂の重量を基準にして約3%〜
15%の水分を含み、前記樹脂量が樹脂の硬化時にマグ
ネシアを結合させるために充分な量である硬化可能なフ
ェノールレゾール樹脂溶液;及び C.混合物にホスフェートとオキサレートとから成る群
から選択される陰イオンを与える、前記混合物の周囲温
度硬化を遅延させるために充分な量での化合物を混合す
ることを含む方法。 49.フェノールレゾール樹脂とマグネシア凝集体との
混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法において、次の
要素: A.マグネシア凝集体; B.約4.5〜9.5のpHと25℃において約100
〜10,000cpsの粘度とを有し、樹脂の重量を基
準にして約3%〜15%の水分を含み、前記樹脂量が樹
脂硬化時に前記凝集体を結合させるために充分な量であ
る硬化性フェノールレゾール樹脂溶液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
充分な量での遅延剤化合物の混合することを含む方法。 50.樹脂がフェノールとホルムアルデヒドとの縮合生
成物であり、触媒が水酸化カリウムである上記49記載
の方法。 51.遅延剤がリンゴ酸である上記50記載の方法。 52.遅延剤がクエン酸である上記50記載の方法。 53.遅延剤が酒石酸である上記50記載の方法。 54.遅延剤がフルオリドである上記50記載の方法。 55.遅延剤がビフルオリドである上記50記載の方
法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/13 C08K 5/13 5/54 5/54

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂とマグネシア凝集体との
    混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法において、次の
    要素: A.マグネシア凝集体; B.ノボラック、約4.5〜9.5のpHと25℃にお
    いて約100〜10,000cpsの粘度とを有するレ
    ゾール及びこれらの混合物から成る群から選択される、
    樹脂の熱硬化時に前記凝集体を結合させるために充分な
    量である硬化可能なフェノール樹脂溶液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
    ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
    ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
    キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
    加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
    ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
    ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
    れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
    である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
    充分な量での遅延剤化合物を混合することを含む方法。
  2. 【請求項2】 混合物が凝集体の重量を基準にして約5
    〜35重量%の黒鉛、凝集体の重量を基準にして1〜5
    重量%の、アルミニウム、マグネシウム及びケイ素から
    成る群から選択される金属粉末、及び前記添加剤の混合
    物から成る群から選択される添加剤を含む請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 混合物が、ラクトン、カルボン酸エステ
    ル、環状有機カーボネート及びこれらの混合物から成る
    群から選択されるエステル機能硬化剤(ester f
    unctional hardening agen
    t)を含み、前記硬化剤の量が周囲温度における硬化後
    の混合物の引張強さと圧縮強さとを高めるために充分で
    ある請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 フェノールレゾール樹脂とマグネシア凝
    集体との混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法におい
    て、次の要素: A.マグネシア凝集体; B.4.5〜9.5のpH、25℃において約100〜
    10,000cpsの粘度及び約3〜15重量%の水分
    を有する硬化性フェノールレゾール樹脂溶液であって、
    前記レゾールが樹脂硬化時にマグネシアを結合させるた
    めに充分な量である硬化性フェノールレゾール樹脂溶
    液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
    ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
    ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
    キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
    加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
    ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
    ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
    れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
    である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
    充分な量での遅延剤化合物を混合することを含む方法。
  5. 【請求項5】 レゾール樹脂が1重量%未満のナトリウ
    ム又はカリウムを含む請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 樹脂が25℃における約250〜5,0
    00cpsの粘度と約50〜90重量%の固形分を有
    し、混合物が約3〜12重量%の水分を含み、マグネシ
    アが3重量%未満の酸化カルシウムを含み、フェノール
    レゾールがフェノールとホルムアルデヒドとの縮合生成
    物である請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 樹脂が0.5重量%未満のナトリウム又
    はカリウムを含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 混合物が硬化後の周囲温度における組成
    物の引張強さと圧縮強さとを高めるために充分な量でエ
    ステル機能硬化剤を含み、前記エステルがラクトン、カ
    ルボン酸エステル、環状有機カーボネート及びこれらの
    混合物から成る群から選択される請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 次の要素: A.マグネシア凝集体; B.ノボラック、約4.5〜9.5のpH、25℃にお
    いて約100〜10,000cpsの粘度を有するレゾ
    ール、及びこれらの混合物から選択される硬化性フェノ
    ール樹脂溶液であって、前記樹脂量がマグネシアの約3
    〜15重量%である硬化性フェノール樹脂溶液; C.次の要素: a.組成物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
    ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
    ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
    キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
    加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
    ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
    ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
    れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
    である、混合物の周囲温度硬化を遅延させるために充分
    な量での遅延剤化合物の湿潤混合物を含む結合剤−凝集
    体組成物。
  10. 【請求項10】 次の要素: A.マグネシア凝集体; B.4.5〜9.5のpHを有し、樹脂の3〜15重量
    %の水分を含み、前記樹脂量がマグネシアの重量を基準
    にして約3〜15重量%の量である硬化性フェノールレ
    ゾール樹脂溶液; C.次の要素: a.組成物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
    ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
    ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
    キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
    加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
    ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
    ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
    れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
    である、混合物の周囲温度硬化を遅延させるために充分
    な量での遅延剤化合物の混合物を含む結合剤−凝集体組
    成物。
  11. 【請求項11】 凝集体の重量を基準にして約5〜35
    重量%の黒鉛、凝集体の重量を基準にして1〜5重量%
    の、アルミニウム、マグネシウム及びケイ素から成る群
    から選択される金属粉末、及び前記添加剤の混合物から
    成る群から選択される添加剤を含む請求項10記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】 フェノールレゾール樹脂とマグネシア
    凝集体との混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法にお
    いて、次の要素: A.マグネシア凝集体; B.pH5〜8.5と粘度25℃において250〜5,
    000cpsを有し、樹脂の重量を基準にして約3%〜
    15%の水分を含み、前記樹脂量が樹脂の硬化時にマグ
    ネシアを結合させるために充分な量である硬化可能なフ
    ェノールレゾール樹脂溶液;及び C.混合物にホスフェートとオキサレートとから成る群
    から選択される陰イオンを与える、前記混合物の周囲温
    度硬化を遅延させるために充分な量での化合物を混合す
    ることを含む方法。
  13. 【請求項13】 フェノールレゾール樹脂とマグネシア
    凝集体との混合物の周囲温度硬化を遅延させる方法にお
    いて、次の要素: A.マグネシア凝集体; B.約4.5〜9.5のpHと25℃において約100
    〜10,000cpsの粘度とを有し、樹脂の重量を基
    準にして約3%〜15%の水分を含み、前記樹脂量が樹
    脂硬化時に前記凝集体を結合させるために充分な量であ
    る硬化性フェノールレゾール樹脂溶液; C.次の要素: a.混合物にアスパルテート、ビフルオリド、シトレー
    ト、フルオリド、マレート、タルトレート及びホスホネ
    ート陰イオンを与える化合物;及び b.各アルコキシ基が炭素数1〜3であるテトラアルコ
    キシシラン、各アルコキシ基が炭素数1〜3である部分
    加水分解テトラアルコキシシラン、2−クロロフェノー
    ル、4−クロロフェノール、2′−ヒドロキシアセトフ
    ェノン及び4′−ヒドロキシアセトフェノン;並びにこ
    れらの遅延剤の混合物から成る群から選択される化合物
    である、前記混合物の周囲温度硬化を遅延させるために
    充分な量での遅延剤化合物を混合することを含む方法。
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