JP2554549B2 - ベルト式無段変速装置および変速プーリ - Google Patents

ベルト式無段変速装置および変速プーリ

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JP2554549B2 JP2065868A JP6586890A JP2554549B2 JP 2554549 B2 JP2554549 B2 JP 2554549B2 JP 2065868 A JP2065868 A JP 2065868A JP 6586890 A JP6586890 A JP 6586890A JP 2554549 B2 JP2554549 B2 JP 2554549B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はベルト式無段変速装置に係り、特に自動車等
を初めとする車輌の無段変速装置に使用されるもので、
変速プーリに係合されたベルトが可動Vプーリ片によっ
て押圧される力、即ち推力を入力軸(駆動軸)の回転数
の変化によって敏感に変動させることにより出力軸(従
動軸)の回転数を制御してなるベルト式無段変速装置に
関する。
(従来技術) 自動車用のベルト式無段変速装置として固定プーリ片
と可動プーリ片がそれぞれ平行に配置された入力軸と出
力軸に装着され、夫々のプーリ片によって形成されるV
状溝にVベルトが掛架された構成になり、各可動プーリ
片がベルトを押圧する推力として油圧あるいは遠心力に
よる変速プーリが提案されている。油圧による推力装置
は一般に各可動Vプーリ片の背部に油圧シリンダーを設
け、このシリンダー内へ供給する作動油量を電子制御す
るものである。(例えば、米国特許第4,601,680号明細
書に開示) また、遠心力による変速プーリは、例えば特公昭51−
6815号公報で代表されるように固定プーリ片と、可動プ
ーリ片からなる変速プーリにおいて、可動プーリ片背面
に囲い板を有してその内部に回転時、遠心力により連動
して可動プーリ片を固定プーリ片に対して相対的に軸線
方向に動かしプーリの有効径を変化させるおもりを収設
せしめた構成からなっており、そのおもりとして一般に
太径の鋼球(ボール)又はコロが用いられて、通常放射
状のガイドが敷設されていて、このガイドにポール又は
コロが通常3〜4個宛挿入され、プーリの回転に伴って
ボールがガイド溝に沿ってラジアル方向に移動するよう
になっている。
尚、上記遠心推力式変速プーリを入力軸に使用する場
合には、出力軸には可動プーリ片の背部にコイルスプリ
ングを介装した変速プーリが装備されている。また、ピ
トー管を用いて軸と共に回転する環状溝内を満たした流
体の圧力を検知し、軸の回転が上昇するとポンプによっ
て発生された流体圧力が可動プーリ片を移動させるよう
にした無段変速機が特開昭55年65755号公報に開示され
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、油圧方式を用いた変速装置では電子制御装置
又は油圧コントロールバルブにより油圧を制御していた
ため、電子制御装置やコントロールバルブの取り込むデ
ータ量が多く、またそのため数多くのセンサーやバルブ
を取り付けなければならないため、高価な装置になると
いう問題があった。
一方、前記遠心推力式変速プーリを入力軸に取り付け
た装置では、特に低回転領域において変速に必要な可動
プーリ片の推力が得られず、逆に高い回転数の二乗以上
に比例した鋼球群の遠心力が急激に大きくなり、過剰な
推力が発生するというが問題があった。そのため、ベル
トが入力側から出力側に動力を伝達する際には、入力軸
回転数を大きくすると共にプーリ径を大きくしてプーリ
の回転数の上昇に伴う推力の上昇を徐々に大きくする必
要があった。そのため、従来の変速装置に低回転領域に
おいて実用化が困難であり、またこの装置においては固
定プーリ片と可動プーリ片間のV溝幅を可変する抵抗等
が要因になり、入力回転の変化に対して遠心力の変化が
遅れ、即ち応答遅れが生じ、加速時と減速時とで入力回
転の変化に対する出力回転数の変化を示す曲線が大きく
ずれてヒステリシスロスを発生させる変速特性になって
いた。そのため、このようなヒステリシスロスを発生す
る変速装置は車体に使用すれば入力軸の回転数が同じで
も出力軸の回転数が相違するために、安全性や操作性に
欠けていた。またピトー管を用いた無段変速機も回転数
の変化が生じて初めて変速が始まるものであり、変速の
タイミングは遅れがちであり、可動プーリ片を移動させ
るための直接の手段はポンプで発生した流体圧力である
ので装置自体の小型化が難しいという問題がある。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、軸
の回転数に応じて変速プーリの推力を敏感に変化させる
ことにより、入力軸と出力軸との回転数においてヒステ
リシスロスの小さい変速特性を有し、且つ外部より変速
プーリの推力を調節可能にしたベルト式無段変速装置を
提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 前記のような目的を達成するために本発明は、入力軸
と出力軸に固定プーリ片と、このプーリ片に対向して軸
の長手方向に摺動可能に配設した可動プーリ片とを設
け、これらの両プーリ片によって形成されたV状溝に動
力伝動用ベルトを掛架したベルト式無段変速装置であ
り、前記入力軸又は出力軸の内一方の軸に配設した可動
プーリ片の背部に流体圧シリンダー部をまた軸に対し放
射状に拡がり外周部に容器を有する流体溜め部を設け、
溜め部内に前記流体圧シリンダーと連通することによっ
て油圧シリンダーの油圧源となるピトー管の開孔の位置
が挿入されており、更に入力軸または出力軸の可動プー
リ片の背部に該背部後方の軸に固着した固定片と前記可
動プーリ片の背面から突出した内外延設部によって空間
部を形成し、この空間部内に自由に移動可能な遠心力付
与材を収設し、該入力軸の回転数に応じて可動プーリ片
に推力を付与する一方、軸には可動プーリ片のボス部と
該プーリ片の背部後方の軸に固定されたストッパーに夫
々筒状カム片を設け、それら両カム片を噛合せたカム機
構付きのトルク伝達部を設けたことを特徴とする。
(作用) 本発明によると、軸が回転するとその回転数に応じて
ピトー管が流体溜め部内の流体の流速変化と圧力変化を
敏感に感知して、流体を油圧シリンダー内外へ供給もし
くは排出して可動プーリ片の推力をタイムリーに調節
し、更に遠心推力付与材の遠心力によっても可動プーリ
片に推力が与えられることになり、より大きな力が可動
プーリ片に与えられるので変速はレスポンスのよいもの
となる。また、これに伴い出力軸の可動プーリ片もスプ
リング及びカム機構を有するトルク伝達部の作動によっ
て、そのトルクに応じて敏感に推力が変化して出力軸の
回転数を即座に変化させる。
(実施例) 第1図は本発明に係るベルト式無段変速装置の断面図
である。
本発明に係るベルト式無段変速装置1は自動車等に取
り付けられる無段変速機構(CVT)に適用されるもので
あり、エンジン等のクランク軸に間接的に連結された入
力軸2と出力軸3とが平行に配置され、これの軸2、3
に取り付けられた変速プーリ4、5間には動力伝動用ベ
ルトBが掛架されている。
前記入力軸2に取り付けられた変速プーリ4において
は、固定プーリ片6がボルト又はスプライン、キーその
他の方法によって該軸2に固定され、他方これに対向す
る位置には可動プーリ片8が固定プーリ片のシーブ軸9
上に嵌入され、同時にスプライン又は滑りキー10に嵌入
され、軸2と共に回転するとともに軸方向には摺動可能
になっている。この可動プーリ片8の背面側に入力軸か
ら放射状に拡がり、外周部に容器を有する流体溜め部11
が設けられ、少なくとも1つ以上のピトー管12がその先
端開孔部13をこの流体溜め部11内に挿入されている。
上記ピトー管12は固定プーリ片6の回転数に応じて変
化する流体溜り部11内の流体の速度及び圧力を感知する
ものである。ピトー管で取り込まれた流体は油圧ホース
65、流体通路23、空間部20を通って可動プーリ片8をそ
の延設部25と固定板21とに囲まれた油圧シリンダー内へ
流れ込み、入力軸2の回転数が高くなればより大きい流
体圧で可動プーリ片8を押すことになる。
また、本実施例においては前記空間部20内に可動プー
リ片8を固定プーリ片6側へ押圧するように圧縮状態で
スプリング67を配置しているが、これは必要に応じて配
置すればよく、配置しなくてもよい。そして、前記油圧
シリンダー27は入力軸2内に設けられた流体通路23を介
してハウジング14の軸受部に設けられた空洞に開孔して
おり、流体はピトー管12から流入し、また排出されるこ
とによって入力軸2回転数に応じて油圧シリンダー27の
内圧を調節している。
更にピトー管12と油圧シリンダー27間に油圧コントロ
ールバルブ6を介在することによってシリンダーの中の
油圧をコントロールして可動プーリ片8の押圧を調節す
ることもできる。油圧コントロールバルブ16は例えば第
2図に示すようなものであって、管状体70にはピトー管
につながる流入孔71と油圧シリンダーへつながる流出孔
72及びドレーン孔73が設けてあり、管状体内にはスプー
ル74が挿入され、通常はドレーン孔73がふさがれてい
る。スプール74はバー75によって管状体70内を移動し、
ドレーン孔73の開閉を行なう。戻しスプリング76を有す
るアーム77をカプリング78を介在して、スロットルと連
動または手動、電動等の手段と連結し、バー75を介して
スプール74を移動させる。ドレーン孔を閉めた状態でピ
トー圧が高くなると、その圧力は油圧シリンダーに連な
り入力軸側のプーリ巾を狭くし、高速側へ変速した状態
になる。
そこで、油圧コントロールバルブ16のスプール74を移
動させ、ドレーン孔73を開けると油圧シリンダー内の流
体は圧力が低くなり、入力軸側のプーリ幅は拡がり低速
側へ変速する。この変速は、自動車等の運転時、急加速
を要する場合や、エンジンブレーキを使用したい場合に
使用されるものである。
また、前記流体溜め部11には流体を常に補給する流体
供給部29があって、これは本装置1のハウジング14に溜
められた流体をパイプ26を介してタンク27内へ回収し、
ポンプ28によって流体を流体溜め部11へ補給するもので
あって、流体は常にリサイクルされる。尚、流体溜め部
から溢れ出た流体は自然に落下する。
更に、可動プーリ片8の背面側には突出した延設部25
が設けられ、それと共に該背部後方には軸に固定された
固定片26が設けられて前記延設部25と固定片26によって
空間部100が形成され、空間部100には自由に移動可能な
遠心力付与材28、例えば鋼球の如き鋼球が収設されてい
る。この遠心力付与材28は約φ2.5mm程度の球状のもの
であり、必要な遠心推力により鋼球、アルミナ球等比重
のあったものを選択する、前記空間部100の最小時の容
積の約60〜100%を閉めている。そして、入力軸の回転
数が上昇すると遠心付与材の遠心力が大きくなり、可動
プーリ片18にプーリ溝が狭くなる方向に推力を与える。
そして、本実施例の場合、遠心推力付与材28を収設す
る空間部27は同時に油圧シリンダーも兼ねており、空間
部100には遠心力付与材28の他に流体も入り込んでい
る。
また、一方出力軸3に取り付けられた変速プーリ5に
おいては固定プーリ片36が一体的に固着され、他方これ
に対向するように可動プーリ片38が固定プーリ片のボス
部39上に嵌入されて、ベルトBを係合するV状溝を形成
している。前記可動プーリ片38は固定プーリ片のボス部
39上を摺動自在で軸方向に対して移動可能なようになっ
ているが、この可動プーリ38の背面側の出力軸3上には
フランジ状のストッパー40が固定され、また該ストッパ
ー40と可動プーリ片38との間には反撥弾性を有するコイ
ルスプリング42が常に可動プーリ片38を固定プーリ片36
の方向へ押圧する状態に取り付けられている。
更に、第3図に示すように可動プーリ片の延長筒状部
43には少なくとも1つ以上の突出部44があり、この突出
部の側面は長手方向に対して角度θ、θ(夫々約20
゜〜70゜好ましくは25゜〜50゜)の傾斜面45になってい
る。尚、θ、θは通常は角度が異なるが等しくても
よい。一方ストッパー40の延長筒状部46には前記突出部
44の側面の傾斜面45に当接する傾斜面47をもった窪み部
48を有する。前記可動プーリ片とストッパーの延長筒状
部43、46は突出部44と窪み部48が噛み合った状態にな
り、しかも夫々の傾斜面45、47が当接することにより、
可動プーリ片38が出力軸3にトルクを伝達するカム機構
付きのトルク伝達部50を備えている。
即ち、可動プーリ片38が回転すると可動プーリ片の突
出部43とストッパーの窪み部48とが噛み合って傾斜面4
5、47同志で当接し、可動プーリ片38のトルクがストッ
パー40から出力軸3にかかるトルクは大きく、この軸に
取り付けられた変速プーリ5における可動プーリ片38は
カム機構付きのトルク伝達部50によって生じるトルクに
比例した分力とスプリング力によって必要な推力が発生
し、ベルトBを両プーリの所定位置に収める。入力軸側
が大きく増速する過程では、それにつれて第4図に示す
ように設置したピトー管12は増加する回転数に応じた流
速と圧力の流体を油圧シリンダー100内へ供給して油圧
シリンダー100の内圧を高め、これにより可動プーリ片
8の推力を大きくしてベルトBを所定のピッチ径へ位置
させる。
また一方、入力軸側の減速時には油圧シリンダー100
内の内圧がピトー管12が感知される圧力よりも大きくな
って油圧シリンダー100内の流体は主としてピトー管12
の先端開孔部13より排出され、油圧シリンダー100は入
力軸2の回転数に応じた内圧に設定され、ベルトBは所
定のピッチ径へタイムリーに移動する。
尚、排出された流体はハウジング14内に溜められ再利
用される。
尚、油圧シリンダー100内にスプリング67と設置する
場合は、可動プーリ片8の動作を補助し、加速曲線をよ
り直線的な理想的な状態に設定する作用を行なう。ただ
し、所要変速巾が狭い場合は上記スプリング67は必ずし
も必要としない。
以上のように、本発明のベルト式変速装置は、入力軸
の回転数および出力軸の受ける負荷に対応して、油圧シ
リンダー内の内圧が変化し、適切な変速比を得るもので
ある。
また、第5図に示す実施例ではピトー管を可動プーリ
片8の平面に対して平行な面に回転するロータリージョ
イント15に接続することによって、ピトー管の角度や開
孔位置を変えピトー圧を調節することもできる。ロータ
リージョイント15は側部に突出した止着部16にハウジン
グ14に一端を固定された戻しスプリング17と一端をエン
ジンのスロットルに連結したワイヤ18に接続した作動ス
プリング19を止着している。そして、スロットとし連動
してワイヤ18が引かれることによって、作動スプリング
19を経てロータリージョイント16とピトー管が回動し
て、ピトー管の開孔13の位置及び角度が変わる。
つまり、上記実施例においてはスロットルの動きに連
動してピトー管が首振りをする場合、即ちワイヤ18が引
っ張られると、ピトー管12がロータリージョイント15を
中心に揺動し、開孔13の可動Vプーリ片半径方向の位置
および流体の流れ方向に対する角度が変化する。そのた
め、スロットルを操作することによって入力軸の回転に
対する油圧シリンダー100内の油圧変化の感度を調節す
ることができる。現実には、先の実施例のようにアクセ
ル連動され、アクセルが通常踏み込み状態の時、即ち巡
航状態の時は第6図の実線の位置に配されアクセルの踏
み込み量が大きい時、即ち急加速時には二点鎖線の位置
へ配される。流体溜め部11内の流体の流れは矢印のよう
に流体溜め部11の周方向に一致する。
また、その流速は外周方向ほど速い。そのため、アク
セルの踏み込み量が大きい時、ピトー管の開孔13は作動
油の流れ方向に対してある角度をもって作動油内に置か
れ、更に実線の状態に比べて流速の小さい位置に置かれ
る。それ故にピトー管12内の圧力は巡航状態の時より低
下し、油圧シリンダー100内の圧力もそれに応じて低下
して可動Vプーリ片8は固定プーリ片6からより離れる
方向に移動する。
以上、実施例においてピトー管の開孔を流体溜め部内
で移動させる手段としては、ロータリージョイントを用
いてピトー管を回転させる手段を用い、油圧コントロー
ルパルプを省くこともできる。
これはピトー管の流れに対する角度および半径方向の
位置を同時に変更できるものであり、好ましい態様であ
る。しかし、この他の態様としては、ピトー管を直線ガ
イドに取り付け、そのガイドを可動Vプーリ片の半径方
向に配し、ピトー管をガイドに沿って平行移動させる手
段も可能である。
この手段はピトー管の流れに対する角度を変えること
なく半径方向の位置のみを変化させるものであるが、逆
にピトー管のアーム部分(第6図においては12a)を短
かくすることによって流れに対する角度のみを変更する
ことも可能である。
また、本発明では入力軸側の可動プーリ片の推力手段
としてピトー圧を利用した油圧シリンダーと遠心推力付
与材による遠心推力とコイルスプリングの他にも、前記
実施例において出力軸側の可動プーリ片の推力手段とし
て使用したカム機構付きのトルクカム推力を用いること
もできる。第7図は、入力軸側の可動プーリ片の推力手
段としてピトー圧を利用した油圧シリンダーと遠心推力
とコイルスプリングとカム機構付きのトルクカム推力を
用いたベルト式無段変速装置である。入力軸102に取り
付けられた変速プーリ104において、固定プーリ片106が
キー等の方法によって該軸102に固定され、他方これに
対向する位置には可動プーリ片108が固定プーリ片のシ
ーブ軸109上に嵌入され、同時にスプライン又は滑りキ
ー110に嵌入され、軸102と共に回転するとともに軸方向
には摺動可能になっている。そして、可動プーリ片108
の推力手段としてピトー圧を利用した油圧シリンダー20
0とコイルスプリング163をプーリの溝巾が狭くなる方向
に付勢するように設け、逆にプーリの溝巾が広がる方向
に付勢するようにカム機構付きのトルク伝達部を設けて
いる。トルク伝達部130はプーリ溝底部に固定プーリ片
側に設けたカム片と可動プーリ片側に設けたカム片が噛
み合った状態にあり、前記実施例中で述べた出力軸のカ
ム機構付き伝達部と同様の作用によってプーリ溝巾を広
げる方向への付勢する推力となっている。前述のような
実施例と比べて変速時のレスポンスが速くなり、スムー
ズな加速、減速につながる。
また、第7図で示した実施例は急加速エンジンブレー
キを使用したい場合の油圧の調節のために油圧コントロ
ールバルブを用いているが、第8図に示すようにピトー
管を流体溜め部内で開孔の位置や角度を変えるような構
造をとってもかまわない。更に、ピトー圧の油圧シリン
ダーによる推力と遠心付与材による推力が出力軸にくる
ような構成も本発明の含むところである。
(効果) 以上のように本発明の構成によれば、入力軸に装着し
て変速プーリのピトー管が流体溜め部内の流体の速度か
ら圧力を敏感に感知して油圧シリンダー内外へ流体の供
給、排出を自動的に行なう機能を有しており、これによ
って可動Vプーリ片の推力を入力軸の回転数に応じて速
度に変化させる特性があり、これによって入力軸の増速
時と減速時における出力軸の回転数の変化曲線も大きく
変化せず、ヒステリシスロスの小さい変速特性が得られ
る。
また、本発明ではピトー管と油圧シリンダーを連通さ
せており、ピトー管で発生した油圧を直接油圧源として
油圧シリンダーに使用しているのでよりタイムリーな変
速を行うことができる。
また、このピトー圧を利用した油圧シリンダーの推力
と、遠心力付与材の遠心推力、カム機構付きのトルク伝
達部の推力を組み合わせることによつて、軸の回転数の
変化に対する可動プーリ片の移動のレスポンスを速くす
ることができ、スムーズな加速や減速を可能にすること
はもとより更にベルトや軸に生じる荷重を必要以上に上
昇しないように自動的にトルクコントロールすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1に係るベルト式無段変速装置の縦断面
図、第2図は油圧コントロールバルブの一例を示す断面
図、第3図はカム機構付トルク伝達部の斜視図、第4図
はピトー管が流体溜め部に挿入されているところを示す
側面図、第5図は請求項2に係るベルト式無段変速装置
の縦断面図であり、第6図はピトー管を揺動させる構造
を示す側面図であり、第7図は請求項4に係るベルト式
無段変則装置の縦断面図であり、第8図は第7図におけ
る実施例でピトー管を移動可能にした装置の縦断面図で
ある。 1、101、201……ベルト式無段変速装置 2、102、202……入力軸 3、103、203……出力軸 4、5、104、105、204、205……変速プーリ 6、36、106、206……固定プーリ片 8、38、108、208……可動プーリ片 11……流体溜め部 12、112、212……ピトー管 13……開孔部 14……ハウジング 28……遠心力付与材 42……スプリング 50……トルク伝達部 100……空間部、油圧シリンダー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と出力軸に固定プーリ片と、このプ
    ーリ片に対向して軸に対して摺動可能に配設した可動プ
    ーリ片とを設け、これらの両プーリ片によって形成され
    たV状溝に動力伝動用ベルトを掛架したベルト式無段変
    速装置であり、前記入力軸又は出力軸と共に回転する流
    体溜め部を有し、また入力軸又は出力軸の可動プーリ片
    の背部に可動プーリ片に推力を与える油圧シリンダーを
    設け、前記流体溜め部内に油圧シリンダーと連通するこ
    とによって油圧シリンダーの油圧源となるピトー管の開
    孔位置が挿入されており、更に入力軸又は出力軸の可動
    プーリ片の背部に該背部後方の軸に固着した固定片と前
    記可動プーリ片の背面から突出した内外延設部によって
    空間部を形成し、この空間部内に自由に移動可能な遠心
    力付与材を収設し、軸の回転数に応じて可動プーリ片に
    推力を付与するよう設けてなることを特徴とするベルト
    式無段変速装置。
  2. 【請求項2】固定プーリ片と該固定プーリ片に対向して
    軸方向に摺動可能である可動プーリ片を有する変速プー
    リにおいて、可動プーリ片の背部には可動プーリ片に推
    力を与える油圧シリンダーを有し、該油圧シリンダーと
    連通することによって油圧シリンダーの油圧源となるピ
    トー管がその開孔を、軸とともに回転する流体溜め部内
    に挿入されており、また可動プーリ片背部に該背部後方
    の軸に固着した固定片と前記可動プーリ片の背面に突出
    した内外延設部によって空間を形成し、この空間部内に
    自由に移動可能な遠心力付与材を収設し、軸の回転数に
    応じて可動プーリ片に推力を付与するように設けてなる
    ことを特徴とする変速プーリ。
JP2065868A 1990-03-15 1990-03-15 ベルト式無段変速装置および変速プーリ Expired - Lifetime JP2554549B2 (ja)

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