JPH081239B2 - ベルト式無段変速装置および変速プーリ - Google Patents

ベルト式無段変速装置および変速プーリ

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JPH081239B2
JPH081239B2 JP8069889A JP8069889A JPH081239B2 JP H081239 B2 JPH081239 B2 JP H081239B2 JP 8069889 A JP8069889 A JP 8069889A JP 8069889 A JP8069889 A JP 8069889A JP H081239 B2 JPH081239 B2 JP H081239B2
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pitot tube
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fluid reservoir
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はベルト式無段変速装置および変速プーリに係
り、特に自動車等を初めとする車輌の無段変速装置に使
用されるもので、変速プーリに係合されたベルトが可動
プーリ片によって押圧させる力、即ち推力を入力軸(駆
動軸)の回転数の変化によって敏感に変動させることに
より出力軸(従動軸)の回転数を制御してなるベルト式
無段変速装置および変速プーリに関する。
(従来技術) 自動車用のベルト式無段変速装置として固定プーリ片
と可動プーリ片が夫々平行に配置された入力軸と出力軸
に装着され、夫々のプーリ片によって形成させるV溝に
Vベルトが掛架された構成になり、各可動プーリ片がベ
ルトを押圧する推力として油圧あるいは遠心力による変
速プーリが提案されている。油圧による推力装置は一般
に各可動プーリ片の背部に油圧シリンダーを設け、この
シリンダー内へ供給する作動油量を電子制御装置によっ
て制御するものである。(例えば、米国特許第4,601,68
0号明細書に開示) また、遠心力による変速プーリは、例えば、特公昭51
−6815号公報で代表されるように固定Vプーリ片と、可
動プーリ片からなる変速Vプーリにおいて、可動プーリ
片背面に囲い板を有してその内部に回転時、遠心力によ
り運動して可動プーリ片を固定プーリ片に対して相対的
に軸線方向に動かしプーリの有効径を変化させるおもり
を収設せしめた構成からなっており、そのおもりとして
一般に鋼球(ボール)が用いられ、通常、放射状のガイ
ドが付設されていて、このガイドにボールが一個宛挿入
され、プーリの回転に伴なってボールがガイド溝に沿っ
てラジアル方向に移動するようになっている。
尚、上記遠心推力式変速プーリを入力軸に使用する場
合には、出力軸には可動プーリ片の背部にコイルスプリ
ングを介装した変速プーリが装着されていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、油圧方式を用いた変速装置では電子制御装置
によってオイル量を制御していたため、電子制御装置が
取り込むデータ量が多く、またそのため数多くのセンサ
ーを取付けなければならないため、高価な装置になる問
題があった。
一方、前記遠心推力式変速プーリを入力軸に取り付け
た装置では、特に低回転領域において変速に必要な可動
プーリ片の推力が得られず、逆に高回転領域になるとプ
ーリの回転数の二乗に比例して鋼球群の遠心力が急激に
大きくなり過剰な推力が発生する問題があった。そのた
め、ベルトが入力側から出力側に動力を伝達する際に
は、入力軸回転数を大きくすると共にプーリ径を大きく
してプーリの回転数の上昇に伴う推力の上昇を徐々に大
きくする必要があった。そのため、従来の変速装置は低
回転領域において実用化が困難であり、また変速プーリ
自身を大きくする必要があった。
また、この装置においては固定プーリ片と可動プーリ
片間のV溝巾を可変する抵抗等が要因になり、入力回転
の変化に対して遠心力の変化が遅れ、即ち応答遅れが生
じ、加速時と減速時とで入力回転の変化に対する出力回
転数の変化を示す曲線が大きくずれてヒステリシスロス
を発生させる変速特性になっていた。そのため、このよ
うなヒステリシスロスを発生する変速装置は車体に使用
すれば入力軸の回転数が同じでも出力軸の回転数が相違
するために、安全性、操作性に欠けていた。
本発明はこのような問題点を改善するためのものであ
り、軸の回転数に応じて変速プーリの推力を敏感に変化
させることにより、入力軸と出力軸との回転数において
ヒステリシスロスの小さい変速特性を有し、且つ外部よ
り変速プーリの推力を調節可能にしたベルト式無段変速
装置を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) このため、本発明は入力軸と出力軸に固定プーリ片
と、このプーリ片に対向して軸上の長手方向に摺動可能
に配設した可動プーリ片とを設け、これらの両プーリ片
によって形成されたV状溝に動力伝動用ベルトを掛架し
たベルト式無段変速装置であり、前記入力軸に配設した
可動プーリ片の背部には油圧シリンダーを、固定プーリ
片の背部外周部には流体溜め部を設け、該流体溜め部内
に前記油圧シリンダーと連通するピトー管が、その開孔
の位置が移動可能に挿入されている構成とする。
ここで、ピトー管の移動は負荷変動に応じて行なうこ
とが望ましく、また回転数の上昇に応じてピトー圧の低
下する方向、即ちピトー管の開孔を流体の流れに対して
平行になる方向あるいは流速自体が低下する回転中心方
向へ移動することが望ましい。
上記の構成においてはピトー管の流体溜め部とはまっ
たく別個に油圧発生源を設け、この油圧発生源を圧力制
御弁を会して油圧シリンダーと接続する一方、ピトー管
を圧力制御弁に接続しピトー管の変化に応じて圧力制御
弁を動作させ油圧シリンダーを作動させる構成も可能で
ある。
また、本発明では前記出力軸に配設した可動プーリ片
とこの背部に設けられたストッパーとの間にコイルスプ
リングを介在して可動プーリ片を常時固定プーリ片側へ
押圧し、前記可動プーリ片とストッパーの延長筒状部の
一方に傾斜面を有する突出部を他方にそれと噛み合う窪
み部を設け、該突出部と窪み部の傾斜面を接触係合させ
たカム機構を有するトルク伝達部を備えてなるベルト式
無段変速装置も含む。
(作用) 本発明装置によると、まず入力軸が回転すると、その
回転数に応じてピトー管が流体溜め部内の流体の流速変
化と圧力変化を敏感に感知して、流体を油圧シリンダー
内外へ供給もしくは排出して可動プーリ片の推力をタイ
ムリーに調節し、またこれに伴い出力軸の可動プーリ片
をスプリング及びカム機構を有するトルク伝達部を作動
によって敏感に推力が変化して出力軸の回転数を即座に
変化させる。
また、入力回転の増速あるいは減速時においても、前
記入力軸の回転数の変化に対してピトー管が油圧シリン
ダーの内圧の変化を助長して、油圧シリンダーの内圧の
変化感度を高めることで、ヒステリシスロスの小さい変
速特性にすることができる。
そして更に本発明のベルト式無段変速装置は、ピトー
管を流体溜め部内においてその傾きを変化させ、あるい
は半径方向に平行移動して開孔の位置を移動することに
よりピトー管の開孔と流体の流れの角度を変化させ、あ
るいは開孔を流速が異なる位置に移動させることがで
き、上記開孔と流体の流れの角度や位置の変化によって
も油圧シリンダーの内圧を変化させることができる。ピ
トー管は流体の流れのなかに挿入して流速を検知する開
孔した管のことであり、流速の遅い部分に挿入した場合
ピトー管で得られる圧力が小さくなる。また、ピトー管
が角度を変えることのできる構造を有するときピトー管
の開孔が流体の流れに対向する角度が直角になったとき
に流体を受ける面積が最大となり、ピトー管で得られる
流体の圧力は大きなものなる。そして開孔の、流体の流
れに対向する角度が直角から変化していき平行に近づい
ていくとピトー管の位置において流れに対して直角の面
に投影したピトー管の開孔の面積は小さくなって得られ
る圧力も比較的小さなものになるので、ピトー管の開孔
と流体の流れの方向を平行に近づけるか又は直角に近づ
けることによって開孔が流体の流れに対向する角度を変
え、ピトー管と連通した油圧シリンダーの内圧を変化さ
せることができる。
また、ピトー管の移動を回転数に応じて開孔係数が減
少する方向に行なえば、シリンダーの内圧をより直線的
に変化させることができる。
すなわち、流体の圧力は回転数の二乗に比例するので
ピート管の位置が一定であれば回転数の上昇に応じ回転
数の二乗に比例してピトー圧力は上昇するが回転数の上
昇に応じて開孔が流体の流れに対してより平行な面を向
いて対向する方向へピトー管を移動すればこの圧力上昇
カーブを直線状に補正することができる。ピトー管を回
転数の上昇とともに中心側へ移動させても同様の結果が
得られる。
(実施例) 第1図は本発明に係るベルト式無段変速装置の断面図
である。
本発明に係るベルト式無段変速装置(1)は自動車等
に取り付けられる無段変速機構(CVT)に適用されるも
のであり、エンジン等のクランク軸に間接的に連結され
た入力軸(駆動軸)(2)と出力軸(従動軸)(3)と
が平行に配置され、これらの軸(2)(3)に取り付け
られた変速プーリ(4)(5)間には動力伝動用ベルト
(B)が掛架されている。
前記入力軸(2)に取り付けられた変速プーリ(4)
においては、固定プーリ片(6)がボルト(7)(又図
示しないがスプライン、キーその他の方式でも良い)に
よって該軸(2)に固定され、他方これに対向する位置
には可動プーリ片(8)が固定プーリ片のシーブ軸
(9)上に嵌入され、同時にスプライン又は滑りキー
(10)に嵌め込まれ、軸(2)と共に回転するとともに
軸方向には摺動可能になっている。この固定プーリ片
(6)の背部外周部にリング状の流体溜め部(11)が設
けられ、少なくとも1つ以上のピトー管(12)がその先
端開口部(13)をこの流体溜め部(11)内に挿入されて
いる。
上記ピトー管(12)は固定プーリ片(6)の回転数に
応じて変化する流体溜め部(11)内の流体の速度及び圧
力を感知するものであり、ベルト式変速装置(1)のハ
ウジング(14)に固定され固定プーリ片(6)の背面に
あって固定プーリ片(6)の平面に対して平行である面
に管を回転することができるロータリージョイント(1
5)に接続されている。
そして、該ロータリージョイント(15)は、一端に一
対のマイタ歯車(60)(60′)が設けられ、マイタ歯車
(60′)には、一端がハウジング(14)外に突出された
回転軸(61)が設けられている。
そして、ハウジング(14)外に突出された回転軸(6
1)の端にはレバー(62)が固定され、該レバー(62)
はワイヤー(図示せず)でエンジンのスロットルに連結
されており、アクセルの踏み角に関係してレバー(62)
が揺動し、回転軸(61)、マイタ歯車(60)を経てロー
タリージョイント(15)が回転しピトー管が回転して、
その開孔(66)の位置が移動する。
また一方、可動プーリ片(8)の背部には油圧シリン
ダー(16)が設けられている。この油圧シリンダー(1
6)は固定プーリ片のシーブ軸(9)に固着された固定
板(17)と可動プーリ片の筒状側壁(18)およびスプリ
ング(63)から構成され、圧力媒体となる作動油その他
の流体の供給と排出によって内圧が変化し可動プーリ片
(8)を矢印方向へ移動可能にしている。勿論、上記固
定板(17)の頂面にパッキングを装着してもよい。スプ
リング(63)は可動プーリ片(8)を固定プーリ片
(6)側へ押圧すべく圧縮状態で固定板(17)と筒状側
壁(18)によって形成される空間内に挿入されている。
そして、前記油圧シリンダー(16)は入力軸(2)内
に設けられた流体通路(19)を介して入力軸(2)の一
端に連通され、ハウジング(4)の軸受部に設けられた
空洞(64)に開孔している そして、ハウジング(14)の空洞部(64)は油圧ホー
ス(65)又はケース内通路によって、ロータリージョイ
ント(15)に接続されており、油圧シリンダー(16)と
ピトー管(12)は流体通路(19)、空洞(64)、油圧ホ
ース(65)、ロータリージョイント(15)より成る一連
の油圧回路によってピトー管(12)および流体溜め部
(11)に接続されている。
そのため、流体溜め部(11)内の流体はピトー管(1
2)の先端開孔部(13)から流入、排出され、常時入力
軸(2)の回転数に応じて油圧シリンダー(16)の内圧
を調節している。
また、前記流体溜め部(11)には、流体を常に補給す
る流体供給部(20)があって、これは本装置(1)のハ
ウジング(14)内に溜められた流体、即ち油等をパイプ
(22)を介して、タンク(23)内へ回収し、ポンプ(2
4)によって流体供給口(25)から流体溜め部(11)へ
補給するもので、流体は常にリサイクルされる。尚、流
体溜め部(11)から溢れ出た流体は自然に落下する。
また、一方出力軸(3)に取り付けられた変速プーリ
(5)においては、固定プーリ片(36)が出力軸(3)
に一体的に固着され、他方これに対向するように可動プ
ーリ片(38)が固定シーブ片のシーブ軸(39)上に嵌入
されてベルト(B)を係合するV状溝を形成している。
前記可動プーリ片(38)は固定シーブ片のシーブ軸
(39)上を摺動自在で軸方向に対して移動可能なように
なっているが、この可動プーリ片(38)の右側方向のシ
ーブ軸(39)上にはフランジ状のストッパー(40)がボ
ルト(41)によって固定され、また該ストッパー(40)
と可動プーリ片(38)の間には反撥弾性を有するコイル
スプリング(42)が常に可動プーリ片(38)を固定プー
リ片(36)の方向へ押圧する状態に取り付けられてい
る。
更に、第3図に示すように可動プーリ片の延長筒状部
(43)には少なくとも1つ以上の突出部(44)があり、
この突出部の側面は長手方向に対して角度θ、θ
(夫々約20゜〜70゜)の傾斜面(45)になっている。
尚、θ、θは通常は差を有するが、等しくてもよ
い。一方、ストッパーの延長筒状部(46)には前記突出
部(44)の側面の傾斜面(45)に当接する傾斜面(47)
をもった窪み部(48)を有する。前記可動プーリ片とス
トッパーの延長筒状部(43)(46)は突出部(44)と窪
み部(48)が噛み合った状態になり、しかも夫々の傾斜
面(45)(47)が当接することにより、可動プーリ片
(38)に推力が生じ、また可動プーリ片(38)が出力軸
(3)にトルクを伝達するカム機構付のトルク伝達部
(50)を備えている。
即ち、可動プーリ片(38)が回転すると可動プーリ片
の突出部(43)とストッパーの窪み部(48)とが噛み合
って傾斜面(45)(47)同志で当接し、可動プーリ片
(38)のトルクがストッパー(40)から出力軸(3)へ
伝達される。また、前記トルク伝達部(50)の傾斜面同
志の噛み合い力から生じる軸方向の分力とスプリング力
は可動プーリ片(38)に効率的な推力を与えている。
次に本発明のベルト式無段変速装置(1)の作動につ
いて説明する。まず、入力軸(2)が回転しその回転数
が小さい領域ではピトー管(12)で感知する流体の速
度、圧力が小さいために油圧シリンダー(16)の内圧も
小さくなって可動プーリ片(8)はスプリング(63)の
みの小さい推力で押圧される。それに対して出力軸
(3)にかかるトルクは大きく、この軸に取り付けられ
た変速プーリ(5)における可動プーリ片(38)はカム
機構付のトルク伝達部(50)によって生じる軸方向の分
力とスプリング力によって大きな推力が発生し、ベルト
(B)を両プーリの所定位置におさめる。
更に入力軸側が大きく増速する過程では、それにつれ
てピトー管(12)は増加する回転数に応じた流速と圧力
を感知して流体を油圧シリンダー(16)内へ供給して油
圧シリンダー(16)の内圧を高め、これにより可動プー
リ片(8)の推力を大きくしてベルト(B)を所定のピ
ッチ径へ位置させる。
また一方、入力軸側の減速時には油圧シリンダー(1
6)内の内圧がピトー管(12)が感知される圧力よりも
大きくなって油圧シリンダー(16)内の流体は主として
ピトー管(12)の先端開口部(13)より排出され、油圧
シリンダー(16)は入力軸(2)の回転数に応じた内圧
に設定され、ベルト(B)は所定のビッチ径へタイムリ
ーに移動する。
この場合、排出された流体はハウジング(14)内に溜
められ再利用される。
尚、油圧シリンダ(16)内のスプリング(63)は、可
動プーリ片(8)の動作を補助し、加速曲線をより直線
的な理想的な状態に設定する作用を行なう。ただし、所
要変速巾が狭い場合は上記スプリング(63)は必ずしも
必要としない。
以上のように、本発明のベルト式変速装置は、入力軸
の回転数および出力軸の受ける負荷に対応して、油圧シ
リンダー内の内圧が変化し、適切な変速比を得るもので
ある。
そして更に、上記実施例においてレバー(62)を回転
すれば、ピトー管(12)が、ロータリージョイント(1
5)を中心に揺動し、開孔(63)の可動プーリ片半径方
向の位置および流体の流れ方向に対する角度が変化す
る。そのため、レバー(62)を操作することによって入
力軸の回転に対する油圧シリンダー(16)内の油圧変化
の感度を調整することができる。現実には、先の実施例
のようにレバー(62)はアクセルに連動され、アクセル
が通常踏み込み状態の時、即ち巡航状態の時は第2図の
実線の位置に配され、アクセルの踏み込み量が大きい
時、即ち急加速時には二点鎖線の位置へ配される。流体
溜め部(11)内の流体の流れは矢印のように流体溜め部
(11)の周方向にに一致する。
また、その流速は外周方向ほど速い。そのため、アク
セルの踏み込み量が大きい時、ピトー管の開孔(63)は
作動油の流れ方向に対してある角度をもって作動油内に
置かれ、更に実線の状態に比べて流速の小さい位置に置
かれる。それ故にピトー管(12)内の圧力は巡航状態の
時より低下し、油圧リンダ(16)内の圧力もそれに応じ
て低下して可動プーリ片(8)は固定プーリ片(6)か
らより離れる方向に移動する。
以上、実施例においてピトー管の開孔を油溜め内で移
動させる手段としては、ロータリージョイントを用いて
ピトー管を回転させる手段を用いた。
これはピトー管の流れに対する角度および半径方向の
位置を同時に変更できるものであり、好ましい態様であ
る。しかし、この他の態様としてはピトー管を直線ガイ
ドに取付、そのガイドを可動プーリ片の半径方向に配
し、ピトー管をガイドに沿って平行移動させる手段も可
能である。
この手段はピトー管の流れに対する角度を変えること
なく半径方向の位置のみを変化させるものであるが、逆
にピトー管のアーム部分(第2図においては(70))を
短くすることによって流れに対する角度のみを変更する
ことも可能である。
第4図はピトー管を流体溜め部内で移動させる機構の
他の実施例を示すものである。この機構は特に回転数の
上昇に対するプーリ片の移動量を直線的に変化させたい
場合に推奨されるもので、ピトー管(100)はロータリ
ージョイント(101)によって流体溜め部(102)内で自
由に揺動可能に取り付けられている。
そして、上記ロータリージョイント(101)にはワイ
ヤー(103)(104)が懸掛されワイヤー(103)(104)
を引くことによってロータリージョイント(101)は揺
動する。そして、ワイヤー(103)はスプリング(105)
を介してシフトレバー(108)に接続され、ワイヤー(1
04)はスプリング(106)を介してアクセス(図示せ
ず)に接続されている。
今、第4図の機構においてプーリが比較的低回転で回
転しスプリング(105)(06)のパランスによってピト
ー管は実線の位置にあると仮定する。このままの状態で
プーリ回転数が上昇するとピトー管が感知するピトー圧
は上昇するが、この圧力は前記したように回転数の二乗
に比例した値となる。
しかし、第4図の機構においては流速の増加によって
ピトー管が流れ方向に押圧されピトー管が二点鎖線の位
置へ移動する。そのため、ピトー管の開孔(107)を有
する面は、流体の流れに対してより平行になって近づ
く。これにともなってピトー管のピトー圧は減少する
が、この圧力は回転数の上昇と相俟って回転数に比例し
た値に近い値に変動する。
(効果) 以上のように本発明の構成によれば、入力軸に装着し
た変速プーリのピトー管が流体溜め部内の流体の速度か
ら圧力を敏感に感知して油圧シリンダー内外へ流体の供
給、排出を自動的に行なう機能を有しており、これによ
って可動プーリ片の推力を入力軸の回転数に応じて即座
に変化させる特性があり、また入力軸の増速時と減速時
における出力軸の回転数の変化曲線も大きく変化せず、
ヒステリシスロスの小さい変速特性が得られる。
更に、本発明のベルト式変速装置は、ピトー管の開孔
の位置を移動することができるので、ピトー管の感度を
負荷の状態に応じて変化させることができ、より実用的
効果が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るベルト式無段変速装置の縦断面
図、第2図は第1図のA−A断面図、第3図は出力軸に
取り付けた変速プーリの可動プーリ片とストッパー間の
カム機構付のトルク伝達部の斜視図であり、第4図はピ
トー管の移動機構の他の実施例を示す機構図である。 (1)……ベルト式無段変速装置 (2)……入力軸 (3)……出力軸 (4)(5)……変速プーリ (6)(36)……固定プーリ片 (8)(38)……可動プーリ片 (11)(102)……流体溜め部 (12)(100)……ピトー管 (15)……ロータリージョイント (16)……油圧シリンダー (20)……流体供給部 (40)……ストッパー (42)……コイルスプリング (43)(46)……延長筒状部 (44)……突出部 (45)(47)……傾斜面 (48)……窪み部 (50)……トルク伝達部 (63)……スプリング (66)……開孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と出力軸に固定プーリ片と、このプ
    ーリ片に対向して軸の長手方向に摺動可能に配設した可
    動プーリ片とを設け、これらの両プーリ片によって形成
    されたV状溝に動力伝動用ベルトを掛架したベルト式無
    段変速装置であり、前記入力軸又は出力軸に配設した可
    動プーリ片の背部には油圧シリンダーを、一方の固定プ
    ーリ片の背部外周部には流体溜め部を有し、該流体溜め
    部内に前記油圧シリンダーと連通するピトー管がその開
    孔の位置が移動可能に挿入されていることを特徴とする
    ベルト式無段変速装置。
  2. 【請求項2】ピトー管は、固定プーリ片の回転数の上昇
    に伴ってピトー管の開孔が流体溜め部内の流体の流れに
    対してより平行な面を向く方向に移動するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のベルト式無段
    変速装置。
  3. 【請求項3】ピトー管は固定プーリ片の回転数の上昇に
    伴って回転中心方向へ移動するよう構成されていること
    を特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のベル
    ト式無段変速装置。
  4. 【請求項4】固定プーリ片と該固定プーリ片に対向して
    軸方向に摺動可能である可動プーリ片を有する変速プー
    リにおいて、固定プーリ片には流体溜め部が固定され、
    一方可動プーリ片は油圧シリンダーによって駆動され前
    記流体溜め部内には前記油圧シリンダーと連通するピト
    ー管がその開孔の位置が移動可能に挿入されていること
    を特徴とする変速プーリ。
  5. 【請求項5】ピトー管は、固定プーリ片の回転数の上昇
    に伴ってピトー管の開孔が流体溜め部内の流体の流れに
    対してより平行な面を向く方向に移動するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の変速プーリ。
  6. 【請求項6】ピトー管は固定プーリ片の回転数の上昇に
    伴って中心方向へ移動するよう構成されていることを特
    徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の変速プー
    リ。
  7. 【請求項7】固定プーリ片と該固定プーリ片に対向して
    軸方向に摺動可能である可動プーリ片を有する変速プー
    リにおいて、固定プーリ片には流体溜め部が固定され、
    一方可動プーリ片は油圧シリンダーによって駆動され前
    記流体溜め部内にピトー管がその開孔の位置が移動可能
    に挿入され、更に該ピトー管は、油圧シリンダーの圧力
    制御弁に接続され、ピトー管の圧力変化に応じて圧力制
    御弁が動作されることを特徴とする変速プーリ。
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