JP2554377Y2 - 液体封入式マウント用ダイヤフラム - Google Patents

液体封入式マウント用ダイヤフラム

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JP2554377Y2
JP2554377Y2 JP6595992U JP6595992U JP2554377Y2 JP 2554377 Y2 JP2554377 Y2 JP 2554377Y2 JP 6595992 U JP6595992 U JP 6595992U JP 6595992 U JP6595992 U JP 6595992U JP 2554377 Y2 JP2554377 Y2 JP 2554377Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、液体封入式マウント用
ダイヤフラムに関する。さらに詳しくは、相手部材に対
する位置決めが確実になされるように改良した液体封入
マウント用ダイヤフラムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンなどは、防振性能をも
つ液体封入式マウントなどを介して車体に取り付けられ
ている。従来の液体封入式エンジンマウントとして、図
6にその要部拡大断面図を示すようなエンジンマウント
が知られている。図6に示すように、この従来のエンジ
ンマウント600は、エンジンブラケットに取り付けら
れる、図示しない上部取り付け金具と、下端側に半径方
向外方へ断面コの字形状に膨出したかしめ部622をも
つ筒状金具620と、上部取り付け金具の下端側と筒状
金具620の上端側との間に一体的に介在するゴム成形
体630と、筒状金具620のかしめ部622にかしめ
固定されるフランジ部644とオリフィス645とをも
ちゴム成形体630との間に主作用室650を形成する
オリフィス部材640と、ゴム弾性体からなり、オリフ
ィス部材640のフランジ部644と周縁部671が当
接し、筒状金具620のかしめ部622にかしめ固定さ
れ、オリフィス部材640との間に副作用室660を形
成するダイヤフラム670と、周縁部681がダイヤフ
ラム670の周縁部671に当接し、筒状金具620の
かしめ部622にかしめ固定され、車体に取り付けられ
る下部取り付け金具680と、主作用室650および副
作用室660内に封入された液体690と、からなる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前記した従来のエンジ
ンマウントにおいては、オリフィス部材640のフラン
ジ部644にダイヤフラム670の周縁部671の周縁
端部を当接させることによって、オリフィス部材640
に対してダイヤフラム670を位置決めし、オリフィス
部材640にダイヤフラム670を組み付けていた。そ
して、主作用室650と副作用室660に液体690を
封入した後、下部取り付け金具680の周縁部681を
ダイヤフラム670の周縁部671の下側に当接させ、
筒状金具620の下端側をかしめる。このようにして、
オリフィス部材640のフランジ部644と下部取り付
け金具680の周縁部681の回りに、半径方向外方へ
断面コの字形状に膨出する筒状金具620のかしめ部6
22を形成し、オリフィス部材640のフランジ部64
4、ダイヤフラム670の周縁部671および下部取り
付け金具680の周縁部681を、筒状金具620のか
しめ部622にかしめ固定していた。
【0004】ここで、従来のエンジンマウントにおいて
は、オリフィス部材640のフランジ部644とダイヤ
フラム670の周縁部671の周縁端部とが当接するこ
とによってのみ、オリフィス部材640とダイヤフラム
670とが係合している。したがって、オリフィス部材
640に対するダイヤフラム670の位置決めが十分に
強固でないので、下部取り付け金具680の周縁部68
1をダイヤフラム670の周縁部671の下側に当接さ
せる際、および、筒状金具620の下端側をかしめて、
半径方向外方へ断面コの字形状に膨出するかしめ部62
2に形成する際に、ダイヤフラム670がオリフィス部
材640や下部取り付け金具680に対して半径方向や
周方向に相対的に移動する恐れがあった。
【0005】本考案は、このような事情に鑑みてなされ
たものである。本考案は、相手部材に対する位置決めが
強固になされる液体封入式マウント用ダイヤフラムを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案の液体封入式マウ
ント用ダイヤフラムは、一の相手部材に取り付けられる
第1取り付け金具と、一端側に外周方向に膨出したかし
め部をもつ筒状金具と、前記第1取り付け金具と前記筒
状金具の他端側との間に一体的に介在するゴム成形体
と、前記筒状金具の前記かしめ部にかしめ固定されるフ
ランジ部とオリフィスとをもち前記ゴム成形体との間に
主作用室を形成するオリフィス部材と、ゴム弾性体から
なり、前記オリフィス部材の前記フランジ部と周縁部が
当接し、前記筒状金具の前記かしめ部にかしめ固定さ
れ、前記オリフィス部材との間に副作用室を形成するダ
イヤフラムと、周縁部が前記ダイヤフラムに当接し、前
記筒状部の前記かしめ部にかしめ固定され、他の相手部
材に取り付けられる第2取り付け金具と、前記主作用室
および前記副作用室内に封入された液体と、からなる液
体封入式マウント用のダイヤフラムであって、前記ダイ
ヤフラムは、前記オリフィス部材の前記フランジ部の端
面と当該フランジ部と一体的な前記オリフィス部材のシ
リンダ状内面との間の湾曲した連結部の表面と型対称な
表面を形成し、周方向に複数の谷部で区画され、全体が
1個のリング状を形成するリング状突条を一面側の周縁
端より中心側に近い部分にもつことを特徴とする。
【0007】
【考案の作用】本考案の液体封入式マウント用ダイヤフ
ラムは、その一面に、オリフィス部材のフランジ部に当
接する周縁部と、その一面側の周縁端より中心側に近い
部分に配設されたリング状突条とをもつ。このリング状
突条は、オリフィス部材のフランジ部の端面とそのフラ
ンジ部と一体的なオリフィス部材のシリンダ状内面との
間の湾曲した連結部の表面と型対称な表面から形成され
ている。また、このリング状突条は、周方向に複数の谷
部で区画され、全体が1個のリング状を形成している。
なお、以下の説明において、オリフィス部材のフランジ
部の端面と、オリフィス部材のシリンダ状内面と、それ
らの間の湾曲した連結部の表面とを含めて、単にオリフ
ィス部材のフランジ部回りの内側端面という。
【0008】このように、本考案の液体封入式マウント
用ダイヤフラムは、その周縁部の周縁端部とリング状突
条とで、オリフィス部材のフランジ部およびフランジ部
回りの内側端面を挟持している。したがって、第2取り
付け金具の周縁部をダイヤフラムの周縁部に当接させる
際、および、筒状金具の一端側をかしめる際に、本考案
の液体封入式マウント用ダイヤフラムが、オリフィス部
材に対して半径方向や周方向に相対的に移動する恐れが
ない。
【0009】また、本考案の液体封入式マウント用ダイ
ヤフラムの周縁部とリング状突条は、オリフィス部材の
フランジ部回りの内側端面と型対称な表面から形成され
ている。したがって、当該ダイヤフラムの周縁部とリン
グ状突条の表面とオリフィス部材のフランジ部回りの内
側端面とは確実に嵌合し、前記したようなオリフィス部
材や第2取り付け金具に対する当該ダイヤフラムの位置
決めは、非常に強固になされる。
【0010】さらに、本考案の液体封入式マウント用ダ
イヤフラムのリング状突条は、周方向に複数の谷部で区
画され、全体が1個のリング状を形成している。したが
って、ゴム成形体とオリフィス部材との間に形成される
主作用室や、本考案の液体封入式マウント用ダイヤフラ
ムとオリフィス部材との間に形成される副作用室に、液
体を封入する際に、本考案の液体封入式マウント用ダイ
ヤフラムとオリフィス部材との間に空気が残留しようと
しても、このような空気は、リング状突条の複数の谷部
から外部に排出される。この結果、本考案に係るダイヤ
フラムを使用した液体封入式マウントの主作用室や副作
用室内に空気が残留する恐れはなくなり、当該液体封入
式マウントの主作用室および副作用室内に保持される液
体の作用が、残留空気によって悪影響を受ける恐れもな
い。
【0011】
【実施例】以下、本考案の液体封入式マウント用ダイヤ
フラム(以下、実施例のダイヤフラムという。)につ
き、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、実
施例のダイヤフラムを使用したエンジンマウントの断面
図である。図2は、実施例のダイヤフラムの断面図であ
る。図3は、実施例のダイヤフラムの平面図である。図
4は、図2に示した実施例のダイヤフラムのA部の拡大
断面図である。図5は、図1に示したエンジンマウント
における実施例のダイヤフラムの近傍の要部拡大断面図
である。
【0012】図1に示すように、実施例のダイヤフラム
を使用したエンジンマウント1は、エンジンブラケット
に取り付けられる円盤状の上部取り付け金具10と、筒
状金具20と、ゴム成形体30と、オリフィス部材40
と、ダイヤフラム70と、車体に取り付けられる鍋状の
下部取り付け金具80と、液体90と、からなる。円盤
状の上部取り付け金具10の中心には、第1貫通孔11
が形成されている。第1貫通孔11には、このエンジン
マウントをエンジンブラケットにボルト締めによって組
み付けるための螺子部12aと下方に延びるにつれてそ
の径を縮小する逆円錐台状の頭部12bとをもつボルト
12が嵌合している。また、上部取り付け金具10の中
心から所定距離だけ隔てた位置に、第2貫通孔13が形
成されている。第2貫通孔13には、このエンジンマウ
ントをエンジンブラケットに組み付ける際に位置決めす
るための位置決めピン14が嵌合している。
【0013】筒状金具20は、図示上端側にフランジ部
21と、図示下端側にかしめ部22と、フランジ部21
とかしめ部22とを一体的に連結する筒部23とをも
つ。フランジ部21は、下方に延びるにつれてその径を
縮小する逆円錐台形状をなしている。かしめ部22は、
半径方向外方へ断面コの字形状に膨出した形状をなして
いる。筒部23は、一定の径で下方に延びる筒形状をな
し、その内周面には、以下に述べるゴム成形体30の下
端側の薄肉の筒部32の外周面が加硫接着されている。
【0014】ゴム成形体30は、上部取り付け金具10
と筒状金具20との間に一体的に介在し、下方に延びる
につれてその径を拡大し、その中央部に上部取り付け金
具10のボルト12の頭部12bの外周面が加硫接着さ
れた円錐台部31と、円錐台部31の下端部から一定の
径でさらに下方に延び、その内部に主作用室50と副作
用室60とを形成する薄肉の筒部32とをもつ。なお、
ゴム成形体30の円錐台部31の上部は、上部取り付け
金具10の下部に加硫接着され、その薄肉部32の外周
面は、筒状金具20の筒部23の内周面に加硫接着され
ている。
【0015】オリフィス部材40は、円盤状の仕切り部
41と、仕切り部41の下端部から下方に延びるにつれ
てその径を拡大する円錐台部42と、円錐台部42の下
端部から一定の径でさらに下方に延びる筒部43と、筒
部43の下端部から半径方向に凹状に延び、筒状金具2
0のかしめ部22にかしめ固定されるフランジ部44
と、円錐台部42の周壁部を半径方向に貫通するように
形成されたオリフィス45とをもつ。なお、主作用室5
0は、仕切り部41とゴム成形体30の下端側の薄肉の
筒部32との間に形成される。また、オリフィス部材4
0の仕切り部41の周縁部は、ゴム成形体30の薄肉の
筒部32の内周面の上部に押し当てられ、そのフランジ
部44の上面がゴム成形体30の薄肉の筒部32の下部
に当接される状態に、オリフィス部材40の筒部43を
ゴム成形体30の薄肉の筒部32の内周面に嵌合して、
オリフィス部材40が組み付けられている。さらに、仕
切り部41の周縁部には切り欠き41aが形成され、ゴ
ム成形体30の筒部32の中央部とオリフィス部材40
の仕切り部41および円錐台部42とが形成するリング
状のオリフィス通路46と、オリフィス部材40のオリ
フィス45とを介して、主作用室50と以下に述べる副
作用室60とが連通されている。
【0016】実施例のダイヤフラム70は、ゴム弾性体
からなり、オリフィス部材40のフランジ部44と当接
し、筒状金具20のかしめ部21によってかしめ固定さ
れる周縁部71をもつ。なお、副作用室60は、実施例
のダイヤフラム70とオリフィス部材40の円錐台部4
2とその筒部43との間に形成される。以下、図2から
図5を参照しながら、実施例のダイヤフラム70につき
詳細に説明する。図2に示すように、実施例のダイヤフ
ラム70は、その上面でオリフィス部材40のフランジ
部44の下面と当接し、その下面で以下に述べる下部取
り付け金具80の上部フランジ部81と当接し、筒状金
具20のかしめ部22によってかしめ固定される円盤状
の周縁部71と、軸方向に沿う断面において周縁部71
の内側端部から図示上部に向かって円弧状に膨出するド
ーム部72とをもつ。また、周縁部71は、周縁端突条
73と、周縁端突条73よりも中心に近い位置に配設さ
れたリング状突条74とをもつ。
【0017】なお、図3にに示すように、実施例のダイ
ヤフラム70の周縁部71を構成する周縁端突条73
は、実施例のダイヤフラム70の周縁端を一周するリン
グ状をなしている。また、その周縁部71を構成するリ
ング状突条74は、周方向において等分位置に配設され
た8個の谷部75によって区画されている。さらに、図
4に示すように、実施例のダイヤフラム70の周縁部7
1を構成する周縁端突条73は、軸方向に沿う垂直側面
73aと、垂直側面73aに連なる丸められた頂部73
bと、丸められた頂部73bに連なり、所定の曲率半径
をもつ曲がり側面73cとをもつ。また、実施例のダイ
ヤフラム70の周縁部71を構成するリング状突条74
は、軸方向に沿う断面においてほぼ台形状をなしてお
り、下端部が丸められた軸方向に沿う垂直側面74a
と、垂直側面74aに連なる水平頂部74bと、水平頂
部74bに連なり、径方向の内方に向かうにつれて減少
する径をもつテーパー側面74cとをもつ。なお、周縁
端突条73の曲がり側面73cとリング状突条74の垂
直側面74aとは、水平面76によって連結され、周縁
端突条73の垂直側面73aの高さは、リング状突条7
4の垂直側面74aの高さよりも、短い寸法に設定され
ている。
【0018】すなわち、図5に示すように、実施例のダ
イヤフラム70の周縁部71の上面は、オリフィス部材
40のフランジ部44の下端面とそのフランジ部44と
一体的なシリンダ状内周面(すなわち、オリフィス部材
40の筒部43の内周面。)との間の湾曲した連結部4
6の表面と、型対称な表面から形成されている。なお、
以下、オリフィス部材40のフランジ部44の下端面
と、オリフィス部材40の筒部43の内周面と、それら
の間の連結部46の表面とを含めて、単に、オリフィス
部材40のフランジ部44回りの内側下端面という。
【0019】このように、実施例のダイヤフラム70の
周縁部71は、その周縁端突条73とリング状突条74
とで、オリフィス部材40のフランジ部44を挟持し、
その内周面をオリフィス部材40のフランジ部44回り
の内側下端面に嵌合させている。したがって、実施例の
ダイヤフラム70のオリフィス部材40に対する位置決
めは強固になされ、以下に述べる下部取り付け金具80
を組み付ける時に、その断面L字形状の上部周縁部81
を実施例のダイヤフラム70の周縁部71に当接させる
際、および、筒状金具20の下端部を断面コの字形状の
フランジ部22にかしめる際に、実施例のダイヤフラム
70が、オリフィス部材40および下部取り付け金具8
0に対して半径方向や周方向に相対的に移動する恐れが
ない。
【0020】図1に示すように、下部取り付け金具80
は、実施例のダイヤフラム70の周縁部71に当接する
断面L字形状の上部周縁部81と、上部周縁部81の下
端部から一定の径で下方に延びる筒部82と、筒部82
の下端部に一体的に配設された円盤状の底部83とをも
ち、その上部周縁部81が筒状金具20のかしめ部22
にかしめ固定される鍋状の部材である。下部取り付け金
具80の底部83の中心には、第1貫通孔84が形成さ
れている。第1貫通孔84には、このエンジンマウント
を車体にボルト締めによって組み付けるための螺子部8
5aと軸方向に延びる複数の嵌合溝をもつ頭部85bと
をもつボルト85が嵌合している。また、下部取り付け
金具80の底部83の中心から所定距離だけ隔てた位置
に、第2貫通孔86が形成されている。第2貫通孔86
には、このエンジンマウントを車体に組み付ける際に位
置決めするための位置決めピン87が嵌合している。な
お、下部取り付け金具80とダイヤフラム70との間に
は、空気室88が形成されている。
【0021】主作用室50と副作用室60内に封入され
る液体90としては、水、アルキレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、シリコーンオイルなどを使用す
ることができる。なお、この液体90の動粘度は、10
0センチストークス以下であることが好ましい。実施例
のダイヤフラム70を使用し、以上のように構成された
エンジンマウント1の作用につき、以下説明する。エン
ジンのアイドリングなどに起因する中高周波数で小振幅
の振動が、このエンジンマウウント1に入力され、主作
用室50の容積が変化すると、主作用室50内の液体9
0は、切り欠き41aとオリフィス通路46とオリフィ
ス45とを介して、主作用室50と副作用室60との間
を流動する。主作用室50と副作用室60との間を液体
90が流動することによって、主作用室50内の内圧の
増加が多少緩和されるので、エンジンマウント1のゴム
成形体30のゴム弾性への悪影響は少ない。
【0022】また、エンジンのシェイクやバウンスなど
に起因する低周波数、たとえば、10〜15Hz程度の
周波数で大振幅の振動が、このエンジンマウント1に入
力され、主作用室50の容積が大きく変化すると、大量
の液体90が主作用室50と副作用室60との間を流動
する。このように大量に流動する液体90に起因する流
動抵抗や、この液体90の共振作用によって、エンジン
マウント1は、低周波数領域における大振幅の振動に対
して振動減衰作用を発揮する。
【0023】さらに、大容量の液体90が副作用室60
に流入すると、副作用室60の容積が大きく増加する。
すると、ダイヤフラム70の上面に大きな圧力が印加さ
れ、ダイヤフラム70のドーム部72は、空気室88内
に向けて下方へと膨出する。このようなダイヤフラム7
0のドーム部72の作用によっても、エンジンマウント
1は、低周波数で大振幅の振動に対する有効な振動減衰
作用に寄与している。
【0024】実施例のダイヤフラム70を使用し、前記
したように構成されたエンジンマウント1は、次のよう
にして製造する。液体90が収容された液槽内に、上部
取り付け金具10と図1や図5に示す断面コの字状のか
しめ部22がまだ形成されていない筒状金具20にゴム
成形体30を加硫接着した加硫成形体を逆さまに浸漬
し、オリフィス部材40をゴム成形体30の筒部32の
内周面に嵌合して組み付け、この液漕内で、オリフィス
部材40に対して実施例のダイヤフラム70を位置決め
し、オリフィス部材40のフランジ部44に実施例のダ
イヤフラム70の周縁部71を組み付ける。そして、実
施例のダイヤフラム70が組み付けられ、主作用室50
と副作用室60内に液体90が保持されたサブアッセン
ブリーを液槽から取り出す。
【0025】さらに、このサブアッセンブリー内の実施
例のダイヤフラム70に対してボルト85、位置決めピ
ン87などが嵌合された下部取り付け金具80を位置決
めし、ダイヤフラム70の周縁部71に下部取り付け金
具80の断面L字形状の上部周縁部81を組み付ける。
最後に、筒状金具20の下端部を断面コの字状にかしめ
て、かしめ部22を形成する。このようにして、筒状金
具20の断面コの字状のかしめ部22によって、かしめ
固定されたオリフィス部材40、ダイヤフラム70、下
部取り付け金具80をもつエンジンマウント1を製造す
ることができる。
【0026】ここで、前記したエンジンマウント1の製
造において、下部取り付け金具80の上部周縁部81を
ダイヤフラム70の周縁部71に組み付ける際、およ
び、筒状金具20の下端側を断面コの字状のかしめ部2
2にかしめる際に、実施例のダイヤフラム70が、オリ
フィス部材40に対して半径方向や周方向に相対的に移
動する恐れはない。なぜならば、実施例のダイヤフラム
70は、その周縁部71の周縁端突条73とリング状突
条74とで、オリフィス部材40のフランジ部44およ
びフランジ部44回りの内側下端面を挟持しているから
である。
【0027】また、前記したエンジンマウント1の製造
時における、オリフィス部材40や下部取り付け金具8
0に対する実施例のダイヤフラム70の位置決めは、非
常に強固になされる。なぜならば、実施例のダイヤフラ
ム70の周縁端突条73とリング状突条74とからなる
周縁部71は、オリフィス部材40のフランジ部44回
りの内側下端面と型対称な表面から形成されているた
め、実施例のダイヤフラム70のリング状突条74およ
びその周縁端突条73の表面とオリフィス部材40のフ
ランジ部44回りの内側下端面とは確実に嵌合している
からである。
【0028】さらに、前記したエンジンマウント1の製
造時において、主作用室50と副作用室60内に保持さ
れる液体90を収容する液槽内に、ゴム成形体30が加
硫接着された上部取り付け金具10と筒状金具20とか
らなる加硫成形体を浸漬した後、オリフィス部材40の
フランジ部44に実施例のダイヤフラム70の周縁部7
1を組み付ける際に、実施例のダイヤフラム70とオリ
フィス部材40との間に空気が残留することはない。な
ぜならば、図3に示すように、実施例のダイヤフラム7
0のリング状突条74は、周方向において等分位置に配
設された8個の谷部75によって区画されているので、
残留しようとする空気は、リング状突条74の谷部75
から外部に排出されるからである。この結果、実施例の
ダイヤフラム70を使用したエンジンマウント1の主作
用室50および副作用室60内に封入される液体90の
作用が、残留空気によって悪影響を受ける恐れもない。
【0029】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の液体封入
式マウント用ダイヤフラムを使用した液体封入式マウン
トの製造において、当該ダイヤフラムをオリフィス部材
や第2取り付け金具に対して位置決めなどする際に、当
該ダイヤフラムは、オリフィス部材や第2取り付け金具
に対して半径方向や周方向に相対的に移動することな
く、それらに対して非常に強固に位置決めすることがで
きる。また、当該液体封入式マウントの主作用室や副作
用室内に空気が残留することはない。
【0030】したがって、本考案の液体封入式マウント
用ダイヤフラムを使用した液体封入式マウントの製造に
要する時間は短縮され、液体封入式マウントの製造原価
を低減することができる。また、当該ダイヤフラムを使
用して液体封入式マウントを製造すれば、不良率が低下
するだけなく、液体封入式マウントの完成品の品質も安
定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のダイヤフラムを使用したエンジンマウ
ントの断面図である。
【図2】実施例のダイヤフラムの断面図である。
【図3】実施例のダイヤフラムの平面図である。
【図4】図2に示した実施例のダイヤフラムのA部の拡
大断面図である。
【図5】図1に示したエンジンマウントにおける実施例
のダイヤフラムの近傍の要部拡大断面図である。
【図6】従来のエンジンマウントの要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1:エンジンマウント、10:上部取り付け金具、1
1:第1貫通孔、12:ボルト、12a:螺子部、12
b:頭部、13:第2貫通孔、14:位置決めピン、2
0:筒状金具、21:フランジ部、22:かしめ部、2
3:筒部、30:ゴム成形体、31:円錐台部、32:
筒部、40:オリフィス部材、41:仕切り部、41
a:切り欠き、42:円錐台部、43:筒部、44:フ
ランジ部、45:オリフィス、46:オリフィス通路、
50:主作用室、60:副作用室、70:実施例のダイ
ヤフラム、71:周縁部、72:ドーム部、73:周縁
端突条、73a:垂直側面、73b:頂部、73c:曲
がり側面、74:リング状突状、74a:垂直側面、7
4b:水平頂部、74c:テーパー側面、75:谷部、
76:水平面、80:下部取り付け金具、81:上部周
縁部、82:筒部、83:底部、84:第1貫通孔、8
5:ボルト、85a:螺子部、85b:頭部、86:第
2貫通孔、87:位置決めピン、88:空気室、90:
液体

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一の相手部材に取り付けられる第1取り付
    け金具と、 一端側に外周方向に膨出したかしめ部をもつ筒状金具
    と、 前記第1取り付け金具と前記筒状金具の他端側との間に
    一体的に介在するゴム成形体と、 前記筒状金具の前記かしめ部にかしめ固定されるフラン
    ジ部とオリフィスとをもち前記ゴム成形体との間に主作
    用室を形成するオリフィス部材と、 ゴム弾性体からなり、前記オリフィス部材の前記フラン
    ジ部と周縁部が当接し、前記筒状金具の前記かしめ部に
    かしめ固定され、前記オリフィス部材との間に副作用室
    を形成するダイヤフラムと、 周縁部が前記ダイヤフラムに当接し、前記筒状部の前記
    かしめ部にかしめ固定され、他の相手部材に取り付けら
    れる第2取り付け金具と、 前記主作用室および前記副作用室内に封入された液体
    と、 からなる液体封入式マウント用のダイヤフラムであっ
    て、 前記ダイヤフラムは、前記オリフィス部材の前記フラン
    ジ部の端面と当該フランジ部と一体的な前記オリフィス
    部材のシリンダ状内面との間の湾曲した連結部の表面と
    型対称な表面を形成し、周方向に複数の谷部で区画さ
    れ、全体が1個のリング状を形成するリング状突条を一
    面側の周縁端より中心側に近い部分にもつことを特徴と
    する液体封入式マウント用ダイヤフラム。
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