JP3560390B2 - 液体封入型防振装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、液体封入型防振装置に関し、特に受圧液室の外周側にオリフィスが配置される液体封入型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、車両等のエンジンを支持するエンジンマウントとして、エンジンの発する振動を吸収して車両側への伝達を阻止する防振装置が用いられてきた。そして、このような用途の防振装置として、弾性体内部に液体が封入され、液体が狭い流路(オリフィス)を通過する時の抵抗によって振動を吸収する液体封入型防振装置が知られている(特開平7−35188号公報参照)。
【0003】
図5は、液体封入型の防振装置の一例を示す断面図である。同図に示す防振装置は、防振用のゴム100が加硫接着された本体金具110と、仕切板120と、ダイヤフラム130が加硫接着されたリング状の芯材132と、キャップ140とが、かしめられて固定されている。
【0004】
前記本体金具110は円筒側面である側壁部112と、中央に向かって傾斜してテーパ状に形成されたテーパー部114と、内壁部116とを有している。そして、この内壁部116とテーパー部114と側壁部112とによって仕切られる空間が、前記仕切板120により封止されて環状のオリフィス150が画成されている。
【0005】
また、本体金具110の環状のテーパー部114を封止するようにして接着された前記ゴム100と内壁部116と仕切板120とによって第1の液室160が画成され、仕切板120と前記ダイヤフラム130とによって第2の液室162が画成され、ダイヤフラム130とキャップ140とによって空気室164が画成されている。
【0006】
前記第1の液室160は、本体金具110に設けられた切り欠き部によって前記オリフィス150と相互に流通できるようになっている。図6は本体金具110に設けられた切り欠き部117を示す断面斜視図である。同図に示すように、本体金具100の内壁部116の一部には、切り欠き部117が設けられている。
【0007】
また、前記第2の液室162は、前記オリフィス150の底壁を形成している仕切板120の一部に形成された穴部122によって、オリフィス150と相互に流通できるようになっている。
【0008】
以上の構成の液体封入型防振装置は、前記ゴム100が弾性変形したときに、第1の液室160の流体と第2の液室162の流体とが前記オリフィス150を介して相互に流通し、流体がオリフィス150内を流通する際の抵抗により振動を吸収することが出来る。
【0009】
ところで、前記本体金具110の切り欠き部117は、この切り欠き部117の無い状態で板金の絞り加工等によって形成された本体金具110に、切削等の別工程を施すことによって形成されていた。このため、本体金具110の製造のコスト削減のため、この切り欠き部117を形成するための工程を削減することが望まれていた。
【0010】
さらに、上述した従来の液体封入型防振装置の本体金具110は、前記切り欠き部117を設けることが必須であり、本体金具110の形状の自由度が低いという問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストが低廉であり、オリフィスの形状の自由度が高い液体封入型防振装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、液室の外周側にオリフィスが形成される液体封入型防振装置において、
前記液室と前記オリフィスとの底面となる底部材と、
前記底部材と液密に接触して、前記液室と前記オリフィスとを区画する区画部材と、
を有し、
前記底部材は、前記液室の中央が低くなり外周部が高くなる皿状をなし、この外周部で前記区画部材との接触部に窪んだ形状の凹部が形成され、
前記液室と前記オリフィスとが、前記凹部のみを介して連通することを特徴とする。
【0014】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、前記区画部材によってオリフィスと液室とが液密に区画され、前記底部材によって前記オリフィスの底面と前記液室の底面が液密に区画される。そして、底部材における前記仕切部材との当接部の一部に前記凹部が形成される。
【0015】
こうすると、前記オリフィスは前記凹部を介して前記区画部材の他方の側に配される前記液室と相互に流通する。
【0016】
また、底部材は、前記液室の底部中央が低くなり、外周部が高くなる。このため、前記液室の容積が大きくなる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は本実施例の液体封入型防振装置を示す断面図である。同図に示す液体封入型防振装置は、弾性体10と、本体金具20と、底部材30と、ダイヤフラム40と、キャップ50と、を備える。
【0019】
弾性体10は略カップ状に形成されて底部12と縁部14と凹部16とを有し、底部12(図中上側)にて上金具60が固定されている。さらに、この上金具60には上方に突出するボルト62が設けられていて、図示しないエンジンと連結されるようになっている。
【0020】
なお、上金具60上に、弾性体10の一部を覆う図示しないスタビライザ金具を取り付ければ、弾性体10の一定限度以上の変形を防止することができる。
【0021】
本体金具20は円筒状の側壁部22と、その上端から中央内側に傾斜するテーパ部24と、側壁部22の他端に設けられた固定部26とを有している。
【0022】
図2は本実施例の本体金具20の形状を説明する断面斜視図である。同図に示す本体金具20は、従来の液体封入型防振装置の本体金具110のように切り欠き部117が存在せず、プレス加工により容易に形成することができる形状をなしている。そして、この本体金具20のテーパ部24に前記弾性体10の縁部14が接着固定されている。また、テーパ部24と側壁部22とにより区画された折り曲げ部28の内面には弾性材料により形成された区画部材18が接着される(図1参照)。
【0023】
次に、底部材30は、本体金具20の内側に配置される部材である。図3は本実施例の底部材30を示す斜視図である。
【0024】
同図に示す底部材30は、天板を有する略筒状の形状をなしていて、その端部には被固定部32が設けられ、その天板の縁部には盛り上げられて形成されたオリフィス底壁部34が設けられている。こうして、天板部分は略皿状に形成されている。また、前記オリフィス底壁部34が前記区画部材18を封止してできた環状の空間が本液体封入型防振装置のオリフィス70となる。
【0025】
さらに、そのオリフィス底壁部34には、中央に向かってスロープ状に窪めた形状をなす凹部36と、穴部38とが設けられている。なお、以上の形状の底部材30も前記本体金具20と同様に容易に形成できる形状をなしている。
【0026】
ダイヤフラム40は弾性材料により形成されていて、その周縁には金属製の被固定部42が固定されている。
【0027】
キャップ50は有底筒状に形成され、その周縁には被固定部52が設けられている。また、その底部の中央には図中下側に向かってボルト54が立設されていて、車体側に取り付けられるようになっている。
【0028】
以上の各部材はそれぞれの被固定部32、42、52が本体金具20の固定部26によりかしめられて固定されている。
【0029】
こうして形成された本実施例の液体封入型防振装置では、前記弾性体10の凹部16と底部材30と区画部材18により区画された空間を第1の液室80とし、底部材30とダイヤフラム40とにより区画された空間を第2の液室82としている。そして、第1の液室80は底部材30に設けられた前記凹部36によって前記オリフィス70と相互に流通している。また、第2の液室82は底部材30に設けられた前記穴部38によって前記オリフィス70と相互に流通している。こうして得られた各液室80、82に所定の液体を封入することにより液体封入型防振装置をなしている。
【0030】
図4は本実施例の液体封入型防振装置のオリフィス70における異なる面での断面図である。(a)は底部材30のオリフィス底壁部34を含む面を示し、(b)は底部材30の凹部36を含む面を示し、(c)は底部材30の穴部38を含む面を示す。
【0031】
図4(a)に示すように、本液体封入型防振装置のオリフィス70は、前記本体金具20における折り曲げ部28が、区画部材18と前記底部材30のオリフィス底壁部34とにより封止されてなる。
【0032】
そして、図4(b)に示すように、底部材30の前記凹部36においては区画部材18の一部と底部材30とが離れていてオリフィス70と第1の液室80とが相互に流通可能となっている。そして、第2の液室82とオリフィス70とは相互に流通することができないようになっている。
【0033】
また、図5(c)に示すように、底部材30の穴部38においては、穴部38を通ってオリフィス70と第2の液室82とが相互に流通することができ、第1の液室80とオリフィス70とは相互に流通することができないようになっている。
【0034】
以上の構成の本実施例の液体封入型防振装置では、まずエンジン側の振動が上金具60より伝達されると、第1の液室80に滞留している液体は、前記凹部36よりオリフィス70に流入し、環状のオリフィス70を通って前記穴部38に達する。そして、第2の液室82に流入する。
【0035】
このとき、オリフィス70は比較的狭い流路であるので、液体が流通するときには抵抗が生ずる。そして、本液体封入型防振装置では、この抵抗によって振動を減衰させている。
【0036】
ところで、以上説明した本実施例の液体封入型防振装置において、前記本体金具20は前述した従来の本体金具110のように切り欠き部117を持っていない。したがって、この切り欠き部117を形成するための切削工程等を廃止することができ、比較的少ない工程によって形成することができる。また、前記底部材30の形状についても、例えば板金の絞り加工等によって比較的形成が容易な形状をなしている。
【0037】
このため、本実施例の液体封入型防振装置は従来のものに比して製造コストを削減することができる。
【0038】
さらに、本実施例の本体金具20を形成する場合、従来の本体金具110のように切り欠き部117が設けられていないので、前記折り曲げ部28の内面に接着された区画部材18を傷つけるという事態は生じない。したがって、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0039】
また、本体金具20に切り欠き部を有しないことで、本体金具20及び弾性体10、18の形状の自由度が増す。すなわち、底部材30の形状のみによって第1及び第2の液室80、82との流通を図るので、前記オリフィス底壁部34より上側に配された本体金具20の折り曲げ部28及び弾性体10、18は、任意の形状とすることができる。
【0040】
以上のように本実施例の液体封入型防振装置では、本体金具の切り欠き部を廃して、製造コストを低廉とし、装置の耐久性を高め、オリフィスの形状の自由度を高くすることができる。
【0041】
なお、上述した実施例は本発明の趣旨の範囲内で変更が可能である。例えば、底部材に設けられた穴部38は、底部材の周縁から切り欠いた形状をなす切り欠き部に替えてもオリフィス70と第2の液室82との間の流通を図ることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、前記オリフィスと前記液室とを、底部材に形成された凹部を介して相互に流通させることができる。そして、この凹部は従来の本体金具に設けられていた切り欠き部のように別工程で設けることなく、底部材の形成の際に一体的に設けることができるため、製造コストを削減することができる。
【0043】
さらに、本発明の区画部材は、従来の本体金具のように切り欠き部を設ける必要がないために、形状の自由度が高い。
また、底部材は、前記液室の底部中央が低くなり、外周部が高くなる。このため、前記液室の容積が大きくなる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の液体封入型防振装置を示す断面図である。
【図2】本実施例の本体金具を示す断面斜視図である。
【図3】本実施例の底部材を示す斜視図である。
【図4】本実施例の液体封入型防振装置のオリフィスにおける異なる面での断面図であり、(a)は底部材のオリフィス底壁部を含む面を示し、(b)は底部材の凹部を含む面を示し、(c)は底部材の穴部を含む面を示す。
【図5】従来の液体封入型防振装置を示す断面図である。
【図6】従来の液体封入型防振装置の本体金具を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
18 区画部材
30 底部材
36 凹部
70 オリフィス
80 第1の液室(液室)
Claims (1)
- 液室の外周側にオリフィスが形成される液体封入型防振装置において、
前記液室と前記オリフィスとの底面となる底部材と、
前記底部材と液密に接触して、前記液室と前記オリフィスとを区画する区画部材と、
を有し、
前記底部材は、前記液室の中央が低くなり外周部が高くなる皿状をなし、この外周部で前記区画部材との接触部に窪んだ形状の凹部が形成され、
前記液室と前記オリフィスとが、前記凹部のみを介して連通することを特徴とする液体封入型防振装置。
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---|---|---|---|
JP15399195A JP3560390B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 液体封入型防振装置 |
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JPH08326831A JPH08326831A (ja) | 1996-12-10 |
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JP15399195A Expired - Fee Related JP3560390B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 液体封入型防振装置 |
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1995
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