JP2554335B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、タイマ機能を有する燃焼装置に関する。

（従来の技術） 従来、灯油あるいはガスなどを燃料とするファンヒー
タ，ストーブ等の燃焼装置のなかには、予めセットされ
た時刻になると燃焼運転を開始させるタイマと、セット
された時刻から一定時間経過後に燃焼運転を停止させる
タイマとを備えたものがある。前者のタイマは起床時間
の数分前から暖房を行なう場合に都合が良いので“おは
ようタイマ”と呼ばれ、後者のタイマは就寝後に自動消
化させる場合に都合がよいので“おやすみタイマ”と呼
ばれている。そして、この種のタイマは安全性の面から
第５図および第６図に示す条件で制御されている。すな
わち、第５図中時点t1（燃焼運転中）にて“おやすみタ
イマ”をセットすると、所定時間例えば１時間経過後
（時点t4）に“おやすみタイマ”による消化が行なわれ
て燃焼運転が停止される。そして、その“おやすみタイ
マ”が動作中に時点t2にて“おはようタイマ”をセット
操作したとする。この場合、“おはようタイマ”による
燃焼運転開始時刻いわゆるおはよう点火時刻が時点t3の
ように“おやすみタイマ”による燃焼運転停止時刻いわ
ゆるおやすみ消火時刻よりも早いと“おはようタイマ”
のセットは無効となる。これに対し、時点t5のようにお
やすみ消化時刻よりも遅いと“おはようタイマ”のセッ
トは有効となり、時点t4にて燃焼運転の自動停止後、時
点t5にて燃焼運転が自動的に再開される。

また、第６図中時点t1にて“おはようタイマ”をセッ
トすると、このタイマセットにより設定された時刻（こ
の場合時点t6）に“おはようタイマ”による点火が行な
われて燃焼運転が開始される。そして、その“おはよう
タイマ”が動作中に“おやすみタイマ”をセット操作し
たとする。この場合、おやすみ点火時刻が時点t5のよう
におはよう消火時刻よりも早いと“おやすみタイマ”も
“おはようタイマ”も有効になって時点t5に燃焼運転の
自動停止後、時点t6にて燃焼運転が再開される。これに
対し、時点t7のようにおはよう点火時刻よりも遅いと動
作中の“おはようタイマ”はクリヤされ、時点t6にて
“おはようタイマ”による点火動作は行なわれない。以
上のようにタイマ機構を制御することにより、“おはよ
うタイマ”の誤セットによる自動点火を防ぐことができ
る。

（発明が解決しようとする問題点） しかるに、この従来装置においては、次のような問題
があった。すなわち、前述したように、一方のタイマが
運転中に他方のタイマをセットするとき、そのセット時
刻によっては“おはようタイマ”による点火時刻がクリ
アされる場合があったが、このようなタイマセット操作
に利用者が気付かず、“おやすみタイマ”が動作中であ
ると勘違いすることがあった。

そこで本発明は、一方のタイマ運転中に他方のタイマ
をセットするとき、“おはようタイマ”による点火時刻
がクリアされるようなセットの場合にはセットを無効と
するとともに利用者に報知することができ、タイマ機能
の使い易さを高め得る燃焼装置を提供することを目的と
する。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明は、予めセットされた時刻になると燃焼運転を
開始させるタイマいわゆる“おはようタイマ”と、セッ
トされた時刻から所定時間経過後に燃焼運転を停止させ
るタイマいわゆる“おやすみタイマ”とを備えた燃焼装
置において、“おはようタイマ”が動作中に“おはよう
タイマ”のセット操作が行なわれると、“おやすみタイ
マ”による燃焼運転停止時刻が“おやすみタイマ”によ
る燃焼運転開始時刻よりも遅い場合には警報を発して
“おやすみタイマ”のセットを無効とする第１のタイマ
セット制御手段と、“おやすみタイマ”が動作中に“お
はようタイマ”のセット操作が行なわれると、“おはよ
うタイマ”による燃焼運転開始時刻が“おやすみタイ
マ”による燃焼運転停止時刻よりも早い場合には警報を
発して“おはようタイマ”のセットを無効とする第２の
タイマセット制御手段とを講じたものである。

（作用） このような手段を講じたことにより、一方のタイマ運
転中に他方のタイマをセットするとき、このタイマセッ
トが無効となる場合には警報によって利用者に知らしめ
る。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例における燃焼装置の構成を
示す回路図である。マイクロコンピュータ１は予めセッ
トされた時刻になると燃焼運転を開始させる“おはよう
タイマ”およびセットされた時刻から一定時間経過後に
燃焼運転を停止させる“おやすみタイマ”の各タイマ機
能を有し、かつ燃焼装置全体の制御を司るものであっ
て、電源スイッチ２、時刻設定スイッチ３、“おはよう
タイマ”のセットを宣言するおはようスイッチ４、“お
やすみタイマ”のセットを宣言するおやすみスイッチ
５、が接続されている。また、マイクロコンピュータ内
で計時される現在時刻等を表示する時計表示器６、“お
はようタイマ”による点火時刻あるいは“おやすみタイ
マ”の残り時間等を表示するタイマ表示器７、“おはよ
うタイマ”の動作中に点灯するLED表示器８、“おやす
みタイマ”の動作中に点灯するLED表示器９、ブザー1
0、燃焼部の温度に応じてON/OFFする遅延サーモスイッ
チ11が前記マイクロコンピュータ１に接続されている。

さらに、マイクロコンピュータ１は所定のプログラム
にしたがってリレーRL1,RL2,RL3、RL4の通電およびその
解除を行ない、燃焼回路に設けられた各リレースイッチ
12,13,14,15をON/OFFすることにより、燃焼モータ16、
点火トランス17、電磁弁18および対流モータ19の駆動を
制御して燃焼運転を行なうものとなっている。すなわ
ち、電源プラグ20を介して交流電源が供給されるとマイ
クロコンピュータ１は動作を開始する。そして、第２図
中時点t1にて運転スイッチ２の投入を検知するとリレー
RL1,RL2,RL3を通電してリレースイッチ12,13,14をONと
する。そうすると、燃焼モータが起動して空気が送りこ
まれるとともに電磁弁18が開かれて燃料が供給される。
このとき点火トランス17が点火動作を行なっており、こ
れにより点火が行なわれて燃焼運転が開始される。そし
て、燃焼部の温度が次第に上昇し、第２図中時点t2にて
遅延サーモスイッチ11がOFFするとリレーRL3への通電を
解除してリレースイッチ14をOFFすると同時にリレーRL4
を通電してリレースイッチ15をONする。しかして、点火
動作は停止し、対流モータ19が起動して室内に温風が吹
出される。その後、第２図中時点t3にて運転スイッチ２
の開放を検知するとリレーRL2への通電を解除してリレ
ースイッチ13をOFFする。そうすると、電磁弁18が閉塞
して燃料の供給が止まり、消化が行なわれる。そして、
燃焼部の温度が次第に低下し、第２図中時点t4にて遅延
サーモスイッチ11がONすると、リレーRL1およびRL4への
通電を解除し、リレースイッチ12および15をOFFする。
しかして、燃焼モータ16および対流モータ19が停止し
て、燃焼運転が終わる。

また、前記マイクロコンピュータ１は、おはようスイ
ッチ４およびおやすみスイッチ５のON動作に応じて第３
図，第４図の流れ図に従って動作するようにプログラム
構成されている。すなわち、ステップ（以下STと略称す
る）１としておはようスイッチ４のON動作を確認する
と、ST2として“おやすみタイマ”がセット中であるか
否かを判断する。そして、セット中であると現在の時刻
を内部メモリＡに格納し、かつ、“おやすみタイマ”に
よる燃焼運転停止時刻いわゆるおやすみ消化時刻から現
在時刻を減算して算出される“おやすみタイマ”の残り
時間を内部メモリＢに格納する。次に、ST3として時刻
設定スイッチ３により設定された“おはようタイマ”に
よる燃焼運転開始時刻いわゆるおはよう点火時刻が内部
メモリＡの内容に一致するか否かを判断する。そして、
一致しなければ内部メモリＡの内容に１分を加算し、内
部メモリＢの内容に１分を減算する。次に、ST4として
内部メモリＢの内容がマイナスになったか否かを判断
し、零以上であればST3に戻る。これに対し、ST4にて内
部メモリＢの値がマイナスになると、“おやすみタイ
マ”セット中にセット操作された“おはようタイマ”の
おはよう点火時刻がおやすみ消化時刻よりも遅いことを
示しているので、ブザー10から有効を示す音として例え
ば短い連続音を鳴動させ、“おはようタイマ”をセット
する。

一方、時点t3にておはよう点火時刻が内部メモリＡの
値に一致すると、“おやすみタイマ”セット中にセット
操作された“おはようタイマ”のおはよう点火時刻がお
やすみ消化時刻よりも早いことを示しているので、ブザ
ー10から無効を示す音として例えば長い断続音を鳴動さ
せ、“おはようタイマ”のセット操作を無効とする。な
お、ST2にて“おやすみタイマ”がセット中でなけれ
ば、有効音を鳴動させて“おはようタイマ”をセットす
る。

また、ST5としておやすみスイッチ５がONしたことを
確認すると、ST6として“おはようタイマ”がセット中
であるか否かを判断する。そして、セット中であると現
在の時刻を内部メモリＡに格納し、かつ、“おはようタ
イマ”による燃焼運転開始時刻いわゆるおはよう点火時
刻から現在時刻を減算して算出される“おはようタイ
マ”の残り時間を内部メモリＢに格納する。次に、ST7
としておやすみスイッチ５の投入から所定時間後の“お
やすみタイマ”による燃焼運転停止時刻いわゆるおやす
み消火時刻が内部メモリＡの内容に一致するか否かを判
断する。そして、一致しなければ内部メモリＡの内容に
１分を加算し、内部メモリＢの内容に１分を減算する。
次に、ST8として内部メモリＢの内容がマイナスになっ
たか否かを判断し、零以上であればST3に戻る。ここ
で、ST7にておやすみ消火時刻と内部メモリＡの値が一
致すると、“おはようタイマ”セット中にセット操作さ
れた“おやすみタイマ”のおやすみ消火時刻がおはよう
消火時刻よりも早いことを示しているので、ブザー10か
ら有効音を鳴動させ、“おやすみタイマ”をセットす
る。

一方、時点t8にて内部メモリＡの値がマイナスになる
と、“おはようタイマ”セット中にセット操作された
“おやすみタイマ”のおやすみ消火時刻がおはよう点火
時刻よりも遅いことを示しているので、ブザー10から無
効音を鳴動させ、“おやすみタイマ”のセット操作を無
効とする。なお、ST6にて“おはようタイマ”がセット
中でなければ、有効音を鳴動させて“おやすみタイマ”
をセットする。

このように構成された本実施例の燃焼装置において
は、“おやすみタイマ”セット中に“おはようタイマ”
のセット操作が行なわれると、“おやすみタイマ”によ
る燃焼運転停止時刻いわゆるおやすみ消火時刻よりも時
刻設定スイッチ３により設定された“おはようタイマ”
による燃焼運転開始時刻いわゆるおはよう点火時刻の方
が早い場合には、ブザー10から無効音が発せられるとと
もに“おはようタイマ”のセット操作が無効となる。し
たがって、利用者は“おはようタイマ”のセット操作が
無効となったことに気付くので、例えばセット操作をや
り直しておはよう点火の設定時刻を変更する。

また、“おはようタイマ”セット中に“おやすみタイ
マ”のセット操作が行なわれると、“おはようタイマ”
による燃焼運転開始時刻いわゆるおはよう点火時刻より
もおやすみスイッチ５の投入時点から一定時間経過後の
“おやすみタイマ”による燃焼運転停止時刻いわゆるお
やすみ消火時刻の方が遅い場合には、ブザー10から無効
音が発せられるとともに“おやすみタイマ”のセット操
作が無効となる。したがって、利用者は“おやすみタイ
マ”のセット操作が無効となったことに気付くので、例
えば“おはようタイマ”を解除してから再度“おやすみ
タイマ”のセット操作を行なう。

このように、本実施例装置によれば、“おはようタイ
マ”あるいは“おやすみタイマ”をセット操作したとき
に、そのタイマセットが有効であれば有効音が発せられ
無効であれば無効音が発せられるので、利用者はブザー
音を聞き分けることによりタイマセットが有効であった
か無効であったかを認識できる。したがって、タイマセ
ットが無効になったにも係わらず利用者がそれに気付か
ないおそれはなくなり、タイマ機能の使い易さを高め
得、操作性の向上をはかり得る。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
い。例えば、前記実施例ではタイマセットが無効である
とき無効音を発し、有効であるとき有効音を発する場合
を示したが、無効であるときのみブザー10を駆動して無
効音を発するようにしても同様な効果を奏し得る。ま
た、前記実施例ではブザー10によりタイマセットの有効
／無効を報知する場合を示したが、LED表示器8,9の連続
点灯と点滅等によって有効／無効を報知するようにして
もよい。このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施可能であるのは勿論である。

［発明の効果］ 以上詳述したように、本発明によれば、一方のタイマ
運転中に他方のタイマをセットするとき、“おはようタ
イマ”による点火時刻がクリアされるようなセットの場
合にはセットを無効とするとともに利用者に報知するこ
とができ、タイマ機能の使い易さを高め得る燃焼装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を示す図であっ
て、第１図は燃焼装置全体の回路構成図、第２図は燃焼
運転のタイミング動作を示す図、第３図および第４図は
タイマセットに対するマイクロコンピュータの処理を示
す流れ図、第５図および第６図は“おやすみタイマ”お
よび“おはようタイマ”の一機能を説明するための図で
ある。 １……マイクロコンピュータ、２……運転スイッチ、４
……おはようスイッチ、５……おやすみスイッチ、10…
…ブザー、16……燃焼モータ、17……点火トランス、18
……電磁弁、19……対流モータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】予めセットされた時刻になると燃焼運転を
   開始させる第１タイマと、セットされた時刻から所定時
   間経過後に燃焼運転を停止させる第２タイマとを備えた
   燃焼装置において、前記第１タイマが動作中に前記第２
   タイマのセット操作が行なわれると第２タイマによる燃
   焼運転停止時刻が第１タイマによる燃焼運転開始時刻よ
   りも遅い場合には警報を発して第２タイマのセットを無
   効とする第１のタイマセット制御手段と、前記第２タイ
   マが動作中に前記第１タイマのセット操作が行なわれる
   と第１タイマによる燃焼運転開始時刻が第２タイマによ
   る燃焼運転停止時刻よりも早い場合には警報を発して第
   １タイマのセットを無効とする第２のタイマセット制御
   手段を具備したことを特徴とする燃焼装置。