JP2552998B2 - 浄水処理汚泥分離水の処理方法及び装置 - Google Patents

浄水処理汚泥分離水の処理方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料水の製造を目的と
した浄水の高度処理施設における、汚泥分離水中のF
e、Mn処理に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水処理における汚泥処理により発生す
る汚泥濃縮工程の上澄水や脱水工程の濾水などの分離水
は、従来、単に放流されることもあるが、その一部又は
全量を有効利用のため原水側に返送され、続いて浄水処
理工程に送られていた。しかしながら、原水及び返送さ
れる汚泥分離水中のFe、Mnが処理工程上の問題とな
ることはなかった。これは以前の浄水設備においては着
水井への前塩素注入、沈殿池処理水への中塩素注入など
の処理工程途中での塩素注入が行われていたため、塩素
による原水及び返送される汚泥分離水中のFe、Mnが
十分酸化され、凝集沈殿や砂濾過などにより殆ど除去さ
れていたためである。しかしながら、近年、水源の有機
汚染などによる健康上の問題や、おいしい水の要求に伴
う高度処理の発展など浄水処理プロセスの変化により、
汚泥分離水中のFe、Mnの問題が生じて来た。
【0003】浄水の高度処理においては、色度、臭気、
界面活性剤などの除去に加え、発ガン性物質である塩素
化炭化水素の除去をも目的としている。発ガン性物質と
されるトリハロメタンに代表される塩素化炭化水素は、
原水中の微量性有機物が多い状態で塩素注入を行うこと
により、生じた遊離塩素と微量性有機物との反応により
生じる。このため健康上の問題から活性炭などによる吸
着によってトリハロメタンなどの除去が行われるが、ト
リハロメタンなどは活性炭吸着では破過が非常に早いと
いう問題が生じる。従って最近の高度処理施設では、前
段で極力微量性有機物を除去した後、最終の濾過工程後
に塩素注入を行う、後塩素注入が一般的となり、前塩
素、中塩素注入は避けられている。
【0004】このため、原水中に含まれる懸濁性及び溶
存性のFe、Mnは処理されず汚泥処理工程において還
元状態となり、溶出した溶解性Fe、Mnは原水側に送
られると、そのまま浄化工程へと送られることとなり種
々の問題を生じる。図3に凝集沈殿槽1、濾過設備2、
活性炭吸着濾過設備3を配した高度処理工程のフローを
示した。すなわち、凝集沈殿槽1における沈殿物は排泥
池4に、濾過設備2および活性炭吸着濾過設備3の濾過
汚泥は排水池5に、それぞれ貯蔵してそれらの上澄水は
返送管bを介して原水処理工程に返送し、分離された汚
泥はさらに濃縮槽6および脱水処理設備7の工程を経て
脱水ケーキとして回収し、またその上澄水や濾液は返送
管bを介して原水処理工程に返送する工程である。この
ような工程では、汚泥分離水(上記上澄水や濾液)に含
まれたFe、Mnが除去出来ずに原水処理工程に返送さ
れ、原水に含まれたFe、Mnと共に濾過設備2、活性
炭吸着濾過設備3を通って処理水流出管aを経て処理水
中に流出する。流出したFe、Mnは処理水に色度障害
を与え、また処理工程に管路閉塞の問題を生じ、さらに
また塩素を消費するため後塩素注入量が増大することと
なる。
【0005】図4には、前記図3に示した高度処理工程
の濾過設備2と活性炭吸着濾過設備3との間にオゾン処
理設備8を配置した凝集沈殿槽1、濾過設備2、オゾン
処理設備8および活性炭吸着濾過設備3の各工程からな
る高度処理のフローを示した。この図4の高度処理工程
の他の部分は図3の工程と同じである。このような図4
に示した工程では、返送により供給された溶解性のF
e、Mnは原水と同様にオゾンによる酸化処理を受け
る。返送により供給された溶解性のFe、Mnの量的変
動も、返送により供給されている時、されていない時に
よってオゾンの消費量も大きくかわる。
【0006】このように、不安定状態の酸化処理では、
オゾンの注入率が消費量以下の場合、活性炭濾過により
溶解性のFe、Mnが処理水側に流出する。本邦では、
水道法施行規則および厚生省環境部長通知「水道法の施
行について(環水第81号昭和49年7月26日)」に
示された給水栓水で保持すべき遊離残留塩素量または結
合残留塩素量の規定から後塩素注入が義務づけられてい
る。流出したFe、Mnは、後塩素注入による酸化によ
って色度障害を与えたり、配水、送水管の管路閉塞の原
因となったり、また塩素を消費するため後塩素注入が増
大するなどの問題を生じる。
【0007】また、オゾンの注入率が適正な消費量の場
合、溶解性Mnは5価のMnに酸化され、SS化される
が、これらSS化されたMnは活性炭層内で抑留され、
濾過閉塞などの問題が発生する。さらに、オゾンの注入
率が消費量以上の場合、5価のSS化されたMnと溶解
性の7価のMnが混在する状態になる。このような状態
下では、5価のMnにより、前述のような濾過閉塞の問
題が発生し、7価の溶解性Mnは活性炭の還元作用によ
って5価となり過閉塞の問題が発生すると同時に7価か
ら5価に還元された時活性炭表面がMnによりコーティ
ングされ、活性炭の吸着能力を低下させ、さらには活性
炭の賦活力の低下を引き起こす。なお、オゾン注入量が
過度に大きくなると、7価の溶解性Mnはそのまま処理
水に流出する現象も発生し、これら7価のMnは経時変
化と共に5価のMnとなり、上述と同様な問題が発生す
る。
【0008】以上の様な問題を解決するため、汚泥の固
液分離の際、二次的にFe、Mnを除去する方法が提案
されている。しかしながら、例えば浮上濃縮ではFe、
Mnを十分の酸化することはできず、また凝集沈殿法は
溶解性Fe、Mnに対して殆ど効果が得られない。凝集
沈殿法の一つとして汚泥に過剰なアルカリ剤を注入する
ことにより高pH(通常11〜12以上)とし、Feお
よびMnを水酸化物として固液分離をする方法がある
が、高pH化は汚泥の性状を変化させ、また汚泥処理分
離水を原水側に返送する際にpH調整が必要などの問題
があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、汚泥処理分
離水を返送するに際し、溶解性のFe、Mnが返送水か
ら原水に供給されることを回避し、好適な浄水の高度処
理が行える方法と装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の本発
明の浄水処理汚泥分離水の処理方法及び装置によって
決された。 (1)最終の活性炭吸着濾過工程の直前にオゾン処理を
行い、かつ該活性炭吸着濾過工程の直後に塩素注入を行
う浄水の高度処理プロセスで、該高度処理において生じ
る汚泥を分離汚泥と汚泥分離水とに分離し、該汚泥分離
水を原水側に返送する汚泥分離水の処理方法において、
該プロセスの浄水処理工程より発生する汚泥分離水に二
酸化塩素を注入した後、濾過及び/又はMn砂による接
触濾過を施して浄水処理工程の原水側に返送することを
特徴とする浄水処理汚泥分離水の処理方法。 (2)最終の活性炭吸着濾過装置の直前にオゾン処理装
置を配し、かつ該活性炭吸着濾過装置の直後に後塩素注
入手段を配した浄水の高度処理装置において、該装置よ
り発生する汚泥を分離汚泥と汚泥分離水に分離する装置
に送り、該分離装置からの汚泥分離水に二酸化塩素を注
入する手段と、二酸化塩素注入後の分離水を処理する濾
過装置及び/又はMn砂による接触濾過装置を備え、該
接触濾過装置の処理水を浄水の高度処理装置の原水側に
導くように構成したことを特徴とする浄水処理汚泥分離
水の処理装置。
【0011】(構成)本発明の浄水処理工程の構成の1
例を図1に示す。ただし、本発明はこの具体例によって
制限されるものではない。図1に示した本発明の浄水処
理工程の構成は汚泥分離水を原水側に返送する工程の構
成以外は図4に示した従来の浄水処理工程の構成と同じ
である。勿論この部分の構成は前記図3に示した浄水処
理工程の構成と同じであっても構わない。図1の本発明
の浄水処理工程の汚泥分離水を原水側に返送する工程の
構成は、濃縮槽6からの上澄水と脱水処理設備7からの
濾液を合流して(あるいは別個に)凝集沈殿槽9に流入
し、PAC(塩基性塩化アルミニウム)を加えて凝集沈
殿し、流出管bを経てアンスラサイトとMn砂を充填し
た濾過設備10で上記上澄水と濾液からなる汚泥分離水
を濾過して原水側に返送する工程によって構成される
が、該返送工程において、上記凝集沈殿槽9から濾過設
備10に汚泥分離水を移送する流出管bの部位で二酸化
塩素を注入することが本発明の浄水処理工程の構成の骨
子である。
【0012】(作用)本発明においては、汚泥処理分離
水中の溶解性のFe、Mnの酸化に二酸化塩素を用いた
点が重要である。通常の水処理においては、塩素、次亜
塩素酸ナトリウムにより酸化を行うが、汚泥分離水のよ
うに有機物が多い状況では、前述のようにトリハロメタ
ンなどの副生成物を生じ、原水及び処理水の質の低下を
来す。これに対し二酸化塩素はトリハロメタンなどを生
じない。また、有機物との反応で生じる亜塩素酸イオン
(ClCO2 - )、塩素酸イオン(ClCO3 - )は浄
水工程の活性炭により還元除去される。これらイオンに
よる活性炭の破過はトリハロメタンなどに比較して非常
に遅い。
【0013】二酸化塩素とFe、Mnの反応は次の通り
であり、反応生成物は続く砂濾過及び/又はマンガン砂
による接触濾過により除去される。すなわち、 Mn(II)+MnO(OH)2 →MnO2 ・MnO+2H+ ……(1) MnO2 ・MnO+2ClO2 +3H2 O→ 2MnO(OH)2 +2ClO2 - +2H+ ……(2) Fe(II)+ClO2 →Fe(III) +ClO2 - ……(3) (1)式は試水中のMn(II)のマンガン砂への吸着反
応、(2)式はマンガン砂のClO2 による賦活反応で
ある。(3)式はFe(II)のFe(III) への酸化反応で
ある。Fe(III) はFe(OH)3 となり、濾過により
除去される。
【0014】また、二酸化塩素注入前に凝集沈殿を行
い、有機物をある程度除去することによって、ClO2
- 、ClO3 - の大幅な減少が行える。また、ClO2
- 、ClO3 - は空気曝気によっても速やかに気散する
ため、ClO2 - 、ClO3 - 除去として曝気処理にて
行うこともできる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明の実施態様はこの実施例のみに限定
されるものではない。以下に示す各実施例では図2に示
す浄水処理フローにより、除Mn、除Fe処理を行っ
た。
【0016】図2の浄水処理フローによる原水側の浄水
処理は、図1に示した本発明の原水側の浄水処理フロー
と比較して、着水井Aの原水を先ず生物接触酸化槽で生
物学的に有機性物の分解を行う工程を含む以外図1の浄
水処理フローと同じである。しかし、汚泥および汚泥分
離水の処理工程は異なっている。すなわち、図2の浄水
処理フローでは、生物接触酸化槽と凝集沈殿槽1からの
汚泥は排泥池4に集め、濾過設備2および活性炭吸着濾
過設備4の各設備からの汚泥は排水池5に集積し、排泥
池4からの汚泥分離水と排水池5からの汚泥分離水とは
別に処理する方式である。
【0017】また図2の浄水処理フローでは、排泥池4
からの汚泥と排水池5からの汚泥も、それらの含水率の
違いによって別個の濃縮・脱水工程で処理している。す
なわち、排泥池4からの汚泥は濃縮槽11で濃縮し加圧
脱水機12で脱水して脱水汚泥とし、排水池5からの汚
泥は1次濃縮槽13および2次濃縮槽14で濃縮し、前
処理槽15を経て天日乾燥床で乾燥して脱水汚泥とす
る。上記各汚泥濃縮・脱水工程からのFe、Mnを含む
汚泥分離水は、図2の浄水処理フローで図中……………
…→印で表わされている。図からわかるようにこの浄水
処理工程では図1の場合と異なり排泥池4からの汚泥分
離水と排水池5から濃縮槽などからの汚泥分離水は別個
にMn、Fe除去槽16および17で二酸化塩素による
酸化処理を行って汚泥分離水からMn、Feを除去し原
水側に返送している。
【0018】(実施例1)図2の浄水処理フローにより
以下に示す試水について除Mn、除Fe処理を行った。
【0019】(試水)試水は、脱塩素水道水にFe、M
nを添加して用いた。Mn、Feの添加量は各々1mg
/リットルとした。試水水質を表1に示す。なお、F
e、Mnを添加するには、Fe(II)SO4 、Mn(II)S
4 を用いた。
【0020】
【表1】
【0021】(ClO2 調整方法及び分析方法) ClO2 調整方法 亜塩素酸ナトリウム5g、クエン酸2.5g、カオリン
8gを粉末状態で混合し、生成するClO2 ガスを純水
約200mlに吸収させた。本法では、ほぼ純粋のCl
2 水溶液(800〜1200mg/リットル程度)が
得られる。 分析方法 下記Aietaらの報告(*)によるチオ硫酸ナトリウ
ム滴定法を用いて分析を行った。 * Determination of Chlorine Dioxide,Chlorine Chl
orite and Chlorate in Water; E.M.Aieta et al. J.AW
WA 76巻 64頁 (1984)
【0022】(処理試験条件)カラム試験条件は次の通
りである。 カラム : φ20mm×H・1200mm 充填材 : デフェライトM(荏原インフィルコ
製マンガン砂0.6mmφ) 充填層厚 : 600mm 通水方法 : 下向流 通水速度 : 120〜240m/日(SV8.3 〜
16.3 h-1
【0023】(結果)カラムによる通水試験結果を表2
に示す。
【0024】
【表2】
【0025】1.Mn(II)約1mg/リットル、Fe(I
I)約1mg/リットルを含む試水水質(表1参照)に対
して、二酸化塩素(ClO2 )を4mg/リットルで注
入し、処理試験を行った結果除Mn、除Feは良好であ
った。 2.二酸化塩素(ClO2 )注入率を10および15m
g/リットル(表2、ケース6、7)と増加させた場合
でも除Mn、除Feは良好である。しかし、処理水の残
留ClO2 濃度が高くなり、色度及び塩素臭が高くな
る。残留ClO2 濃度が4及び10mg/リットルの
時、色度はそれぞれ26及び90度である。 3.残留ClO2 と色度について、処理水を静置した状
態での時間経過を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】時間経過につれ、ClO2 と色度は減少す
るものの、ClO2 イオンの増加は殆ど見られない。色
度はClO2 に由来するものであり、時間と共にClO
2 が気散するものといえる。暗所での静置(約25℃)
にて5時間後、約80%のClO2 が気散している。ま
た、前述の(1)、(2)の式よりMn(II)1mg/リ
ットルを除去するに必要なClO2 は1.21mg/リ
ットルと算出できる。本試験においては、Mn(II)、F
e(II)各1mg/リットルを含む試水を用いた。この試
水に対するClO2 の必要量は、化学当量的には3.6
mg/リットルとなり、実際の処理結果(表2)からも
4mg/リットルのClO2 の注入で良好な結果を得て
おり、理論と合致する。
【0028】(実施例2)図2の浄水処理フローによ
り、浄水施設の汚泥の脱水濾水を対象として、除Mn、
除Fe処理を実施した。
【0029】(処理対象水)浄水施設の無薬注長時間型
加圧脱水機(圧搾機構付)の濾水
【0030】(結果) 1.濾水の水質分析結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】表中主な項目は、濁度8度、色度100
度、NH3 −N14.8mg/リットル、Fe1.8m
g/リットル、Mn5.6mg/リットルである。濁
度、色度はFe(水酸化第二鉄)の影響が大きく関与し
ていると思われる。MnはほぼMn2+イオンである。 2.塩素要求量を検討したブレークポイントカーブを図
5に示す。原水中のNH3 −Nが14.8mg/リット
ルと高いため、本実施例では塩素要求量はおよそ150
mg/リットルとなっている。
【0033】3.ClO2 の注入率と残留ClO2 の関
係を図6に、ClO2 - イオンの関係を図7に示す。な
お、測定法は塩素要求量の測定条件(暗所・1時間反
応)に準じた。処理対象水のClO2 消費量は20mg
/リットルである。消費されたClO2 はすべてClO
2 - イオンに変化している。NH3 −NとClO2 との
反応については、NH4 Clを純水に溶解した水溶液を
用いて別途試験した。NH3 −N水溶液とClO2 との
反応は殆ど見られず、その結果を図6および図7に示
す。この結果より、NH3 −N水溶液とClO2 との反
応は殆ど見られないことがわかる。すなわち、ClO2
によりNH3 −Nの存在下においても効果的なFe、M
nの酸化が行えることがわかる。
【0034】(実施例3)脱水濾液の除Mn、除Fe処
理のため、塩素ならびに二酸化塩素を注入後、Mn砂濾
過処理を実施した。処理条件は次の通りである。 カラム : φ20mm×高さ1000mm 充填材 : デフェライトM(荏原インフィルコ
製マンガン砂0.6mmφ) 充填層厚 : 600mm 通水方法 : 下向流 通水速度 : LV200m/日
【0035】(結果) 1.処理結果を表5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】酸化剤としてClO2 20mg/リットル
添加あるいは塩素としてNaClO 150mg/リッ
トル添加、いずれでもFe、Mnは良好に除去できる。
ClO2 処理の場合、残留ClO2 による色度障害が起
こるが、ClO2 を曝気などにより除去することで色度
も除去できる。 2.Mn砂処理水のトリハロメタン(THM)は、Cl
2 処理で殆ど生成していない。NaClO処理では、
処理対象水生成能(108μg/リットル)に対し、採
取直後で42%、24時間後で89%のTHMが生成し
ている。TOXは、ClO2 処理でも幾分生成している
が、NaClO処理の15〜30%程度である。
【0038】3.NaClO処理−Mn砂濾過におい
て、通水中充填層内に気泡が混入する現象が見られた。
これは、処理対象水のNH3 −N濃度が15mg/リッ
トルと高く、NaClO処理により脱窒素が起こり、気
泡化したものと推定される。本方法を適用するには、N
aClO混入後滞留時間を長めにとり、さらに曝気処理
など行うことが望ましい。 4.アメリカ環境保護局(USEPA)では、水道水中
の残留ClO2 、ClO2 - イオン、ClO3 - イオン
の合計が1mg/リットル以下とするよう勧告してい
る。本件、脱水濾液のClO2 消費量は約29mg/リ
ットルであり、殆どがClO2 - イオンに変化する。C
lO2 を用いた処理法を適用するには、後段の活性炭処
理などを行うことが好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の処理によりつぎの効果が得られ
る。 二酸化塩素を用いるため、トリハロメタンなどの有
害物質を生じることがない。 除Fe、除Mnが汚泥返送工程で行われるため、返
送による原水中へのFe、Mnの負荷がない。 従って、浄水過程における活性炭寿命が延び、使用
量が減る。 引いては、前塩素注入、中塩素注入なしに行う浄水
の高度処理が効率よく行え、安全な飲料水が効率的に行
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚泥分離水の処理工程を含む浄水の高
度処理工程の1例を示す概念的フロー図
【図2】本発明の汚泥分離水の処理工程を含む浄水の高
度処理工程の1具体例を示すフロー図
【図3】凝集沈澱、濾過設備に活性炭吸着設備を加えた
従来の浄水高度処理のフロー図
【図4】凝集沈澱、濾過設備にオゾン処理と活性炭によ
る生物吸着処理が加った従来の浄水高度処理のフロー図
【図5】ブレークポイントカーブ
【図6】二酸化塩素注入率と残留二酸化塩素の関係グラ
【図7】二酸化塩素注入率と残留二酸化塩素イオンの関
係グラフ
【符号の説明】
1 凝集沈澱槽 2 濾過設備 3 活性炭吸着濾過設備 4 排泥池 5 排水池 6 濃縮槽 7 脱水処理設備 8 オゾン処理設備 9 凝集沈殿槽 10 濾過設備 11 濃縮槽 12 加圧脱水機 13 1次濃縮槽 14 2次濃縮槽 15 脱水前処理設備 16 Mn、Fe除去槽 A 着水井 a 処理水流出管 b 流出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 仁 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イ ンフィルコ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−229615(JP,A) 特開 昭59−39384(JP,A) 特開 平1−275504(JP,A) 特開 昭60−61510(JP,A) 特開 昭61−245889(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終の活性炭吸着濾過工程の直前にオゾ
    ン処理を行い、かつ該活性炭吸着濾過工程の直後に塩素
    注入を行う浄水の高度処理プロセスで、該高度処理にお
    いて生じる汚泥を分離汚泥と汚泥分離水とに分離し、該
    汚泥分離水を原水側に返送する汚泥分離水の処理方法に
    おいて、該プロセスの浄水処理工程より発生する汚泥
    離水に二酸化塩素を注入した後、濾過及び/又はMn砂
    による接触濾過を施して浄水処理工程の原水側に返送す
    ることを特徴とする浄水処理汚泥分離水の処理方法。
  2. 【請求項2】 最終の活性炭吸着濾過装置の直前にオゾ
    ン処理装置を配し、かつ該活性炭吸着濾過装置の直後に
    後塩素注入手段を配した浄水の高度処理装置において、
    該装置より発生する汚泥を分離汚泥と汚泥分離水に分離
    する装置に送り、該分離装置からの汚泥分離水に二酸化
    塩素を注入する手段と、二酸化塩素注入後の分離水を処
    理する濾過装置及び/又はMn砂による接触濾過装置を
    備え、該接触濾過装置の処理水を浄水の高度処理装置の
    原水側に導くように構成したとを特徴とする浄水処理
    汚泥分離水の処理装置。
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