JP2552801B2 - 小屋裏用収納家具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、勾配天井を有する小屋
裏の床面上に配置する移動式の小屋裏用収納家具に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】小屋裏のある建物において、その小屋裏
は勾配天井を有するため、小屋裏内に配置する収納家具
には制約があった。また、勾配天井が低くなった部分に
沿わせてカウンター状の収納家具を配置したり、引戸形
式等の造り付け収納を設けることも試みられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、勾配天井が低
くなった部分にある収納では、物の出し入れを屈んで行
わなければならず、特に、収納の奥にある物の出し入れ
は、人に無理な姿勢を強いることとなっていた。

【０００４】そこで、本発明の目的は、常時は小屋裏の
勾配天井が低くなった部分に沿わせて配置した状態の収
納家具としながら、必要に応じ手前に引き出すように移
動できて、中の物の出し入れが楽な姿勢で容易に行える
ようにした小屋裏用収納家具を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、勾配天井を有する小屋裏の床面上に配置する
小屋裏用収納家具であって、前記床面上を少なくとも前
記勾配天井の勾配方向に沿って移動自在とされると とも
に、被収納物の保管時に後端部を小屋裏の床面の勾配天
井が低くなる側の側縁に向けて配置される底板部と、こ
の底板部の前端部に略垂直に立設されるとともに、被収
納物の保管時に前記勾配天井の勾配方向に略直交する方
向に配置される前板部とを備えてなり、被収納物の保管
時に上記床面の勾配天井が低くなった側縁部に配置さ
れ、かつ、被収納物の出入に際して勾配天井の勾配方向
に沿って、小屋裏の勾配天井が高くなる側に引出し可能
となっていることを特徴とする。

【０００６】例えば、前記前板部は、前記勾配天井まで
届く上端を有する。さらに、前記底板部と前記前板部に
連続する左右の側板部を備え、この側板部の上端を傾斜
面としている。また、前記底板部には、前記床面上を転
動自在な小車輪が備えられている。

【０００７】

【作用】小屋裏用収納家具が、被収納物の保管時に小屋
裏のデッドスペースとなる床面の勾配天井が低くなった
側縁部に配置されるので、小屋裏の勾配天井が高くなっ
た有効スペースの部分が収納家具スペースにより狭くな
ることがないとともに、床面の勾配天井が低くなった側
縁部に配置された小屋裏用収納家具を、底板部を勾配天
井の勾配方向に沿って移動して、小屋裏の勾配天井が高
くなる前に引出し可能となっているので、被収納物の保
管時に収納家具を勾配天井の低い部分に配置する構成と
しても、収納家具からの被収納物の出し入れを勾配天井
が高い部分で、必要に応じ収納家具自体を手前に引き出
すことができて、楽な姿勢で中の被収納物の出し入れが
容易に行うことができる。また、被収納物は、上記底板
上に載置されることになるが、保管時においては、前記
底板の後端部が床面の天井が低くなる側の側縁に向けて
配置され、前記前板部が底板の前端部に勾配天井の勾配
方向に略直交した状態で略垂直に立設されているので、
保管時に天井の高い側から収納家具を見た場合には、前
板によって、底板部上の被収納部は隠された状熊とな
る。

【０００８】なお、勾配天井まで届く上端を有する前板
部とすることで、この前板部自体が、勾配天井から一様
に連続する壁面を兼ねるような外観も得られる。さら
に、上端を傾斜面とした左右の側板部を備えておくこと
で、小屋裏用収納家具を並べて配置した中からその一つ
を引き出しても、その横の中身は、側板部で見えない。
また、床面上を転動自在な小車輪を底板部に備えておく
ことで、移動が軽い力で楽に行え、床面の保護も図れ
る。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明に係る小屋裏用収納家具の実
施例を図１乃至図４に基づいて説明する。

【００１０】先ず、本発明に係る小屋裏用収納家具を適
用した一例としての小屋裏内を示す図１および図２にお
いて、１は小屋裏、２はその床面、３は勾配天井、４は
その側壁面、５は前記小屋裏１の勾配天井の低くなる側
の縁側に設けられた奥壁面、１０は本発明に係る小屋裏
用収納家具である。この小屋裏用収納家具１０は、例え
ば、木製のもので、平面視形状が方形をなす底板部１
１、その手前側の前記底板部１１の前端部に立設された
前板部１３、左右の側板部１５，１５、奥方の前記底板
部１１の後端部に取り付けられた奥板部１７からなる。

【００１１】そして、底板部１１の四隅には、下方に突
出して床面２上を転動自在なキャスター等の小車輪１
２，１２，１２，１２…を垂設して備える。さらに、こ
の底板部１１に固定した前板部１３は、底板部１１から
下方に延びる下端を有すると共に、上端の中央には引き
出し操作の際の手掛け用の切欠部１４を形成している。
また、底板部１１および前板部１３の左右端に固定した
側板部１５，１５の上端は、前板部１３側が高い傾斜面
１６，１６となっている。この左右の側板部１５，１５
の後端間で底板部１１上に、高さが低くて横長の奥板部
１７が固定されている。なお、以上の小屋裏用収納家具
１０の製作は、接着、釘止め等、任意である。

【００１２】以上の構成による小屋裏用収納家具１０と
したので、図示の通り、小屋裏１の勾配天井３が低くな
った部分（側縁部）の奥壁部５に沿わせて配置でき、し
かも、側壁部４から横方向に並べて多数の小屋裏用収納
家具１０，１０，１０，１０，…を配置できる。その状
態では、前記前板部１３，１３，１３，１３…は勾配天
井３の勾配方向に略直交する方向に配置され、かつ前記
各々の前板部１３，１３，１３，１３，…の上端が勾配
天井３まで届いているので、このような前板部１３，１
３，１３，１３，…自体が、勾配天井３から一様に連続
する壁面を兼ねるような外観が得られる。また、このよ
うな小屋裏用収納家具１０を市販しても、色々な小屋裏
に合わせて使用できる。

【００１３】そして、必要に応じて、前板部１３上端の
切欠部１４に手を掛けて、手前側に引っ張ると、底板部
１１下の小車輪１２，１２ １２，１２が床面２上を転
動して、軽い力で小屋裏用収納家具１０を手前側、つま
り、勾配天井の勾配方向へ容易に引き出すことができ
る。従って、中の物の出し入れが、楽な姿勢でできるよ
うになる。

【００１４】なお、小屋裏用収納家具１０の移動は、底
板部１１下に備えた小車輪１２，１２，１２，１２の転
動によるので、床面２の保護にもなる。また、一つの小
屋裏用収納家具１０を手前に引き出して、奥壁部５側に
配置状態のまま残った横隣の小屋裏用収納家具１０に関
して、その側方部は上端を傾斜面とした側板部１５によ
り覆われているので、横の中身が見えないものとなって
いる。さらに、小屋裏用収納家具１０は、奥板部１７を
備えているので、移動の際に中の物がこぼれ落ちるのを
抑えられる。

【００１５】次に、図３および図４は変更例を示すもの
で、この小屋裏用収納家具２０は、底板部２１、前板部
２３、側板部２５，２５、奥板部２７に加え、天板部２
９を備えている。

【００１６】即ち、四隅に小車輪２２，２２，２２，２
２…を備える底板部２１に、その下方に延びる下端を有
して上端中央に手掛け用の切欠部２４を形成してなる前
板部２３を固定し、底板部２１および前板部２３の左右
端に側板部２５，２５を固定し、この側板部２５，２５
の上端後半部を傾斜面２６，２６としている。そして、
この左右の側板部２５，２５の後端間で底板部２１上に
奥板部２７を固定し、さらに、前板部２３および側板部
２５，２５の上端に天板部２９を固定している。

【００１７】このような変更例の小屋裏用収納家具２０
によっても、前記実施例と同様の利点が得られることに
加えて、図示のように、小屋裏１の勾配天井３が低くな
った部分の奥壁部５に沿わせて側壁部４から横方向に多
数の小屋裏用収納家具２０，２０，２０，２０，…を並
べて配置した状態で、その横方向に連なった状態の天板
部２９，２９，２９，２９，…によるカウンター状の収
納家具となる。

【００１８】なお、以上の実施例においては、小車輪を
備える小屋裏用収納家具としたが、本発明はこれに限定
されるものではなく、小車輪を持たずに、底板部を床面
上に滑らせて移動させる小屋裏用収納家具であってもよ
い。また、小屋裏用収納家具の材質、諸寸法やデザイン
等も任意であり、例えば、樹脂一体成形品であってもよ
い。さらに、本発明に係る小屋裏用収納家具は、奥壁部
が無く、勾配天井が床面に連続する小屋裏の場合にも適
用可能であり、その場合には、奥板部が無いものとする
ことは勿論であり、その他、具体的な細部構造等につい
ても適宜に変更可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、小屋裏
用収納家具が、被収納物の保管時に小屋裏のデッドスペ
ースとなる床面の勾配天井が低くなった側縁部に記載さ
れるので、小屋裏の勾配天井が高くなった有効スペース
の部分が収納収納スペースにより狭くなることがないと
ともに、床面の勾配天井が低くなった側縁部に配置され
た小屋裏用収納家具を、底板部を勾配天井の勾配方向に
沿って移動して、小屋裏の勾配天井が高くなる側に引出
し可能となっているので、被収納物の保管時に収納家具
を勾配天井の低い部分に配置する構成としても、収納家
具からの被収納物の出し入れを勾配天井が高い部分で、
必要に応じ収納家具自体を手前に引き出すことができ
て、楽な姿勢で中の被収納物の出し入れが容易に行うこ
とができる。また、被収納物は、上記底板上に載置され
ることになるが、保管時においては、前記底板の後端部
が床面の天井が低くなる側の側縁に向けて配置され、前
記前板部が底板の前端部に勾配天井の勾配方向に略直交
した状熊で略垂直に立設されているので、保管時に天井
の高い側から収納家具を見た場合には、前板によって、
底板部上の被収納物は隠された状態となる。また、この
状熊においては、勾配天井の低い部分が底板上の被収納
物と余り間隔を開けずに、前記被収納物を覆った状態と
なり、被収納物に埃等がかかるのを防止することができ
る。すなわち、上記収納家具が、一種の箪笥の引出しの
ようなものとなっているとともに、上記勾配天井の低い
部分が引出しを収納する箪笥のようなものとなってお
り、被収納物を保管しておく場合には、収納家具を上述
のように勾配天井の低い側の床面の側縁側に押し付けた
状態に配置しておくことにより、前板部により被収納物
が隠され、かつ、勾配天井が被収納物の上を覆った状熊
となるので、被収納物を隠蔽して見栄えを向上すること
ができるとともに被収納物を埃塵等から保護することが
でき、さらに、収納家具を勾配天井の低い部分から引き
出すことにより、被収納物の出し入れを容易に行うこと
ができる。

【００２０】なお、請求項２のように、勾配天井まで届
く上端を有する前板部とすれば、この前板部自体が、勾
配天井から一様に連続する壁面を兼ねるような外観も得
ることができる。

【００２１】さらに、請求項３のように、上端を傾斜面
とした左右の側板部を備えておけば、小屋裏用収納家具
を並べて配置した中からその一つを引き出した状態にし
ても、その横の中身を、側板部により見えないものにで
きる。

【００２２】また、請求項４のように、床面上を転動自
在な小車輪を底板部に備えておけば、移動を軽い力で楽
に行うことができ、床面も保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る小屋裏用収納家具を適用した一例
としての小屋裏内を示す概略斜視図である。

【図２】同じく概略側面図である。

【図３】本発明に係る小屋裏用収納家具の変更例を示す
小屋裏内の概略斜視図である。

【図４】同じく概略側面図である。

【符号の説明】

１ 小屋裏 ２ 床面 ３ 勾配天井 ４ 側壁面 ５ 奥壁面 １０，２０ 本発明に係る小屋裏用収納家具 １１，２１ 底板部 １２，２２ 小車輪 １３，２３ 前板部 １４，２４ 切欠部 １５，２５ 側板部 １６，２６ 傾斜面 １７，２７ 奥板部 ２９ 天板部

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 勾配天井を有する小屋裏の床面上に配置
   する小屋裏用収納家具であって、 前記床面上を少なくとも前記勾配天井の勾配方向に沿っ
   て移動自在とされるとともに、被収納物の保管時に後端
   部を小屋裏の床面の勾配天井が低くなる側の側縁に向け
   て配置される底板部と、 この底板部の前端部に略垂直に立設されるとともに、被
   収納部の保管時に前記勾配天井の勾配方向に略直交する
   方向に配置される前板部とを備えてなり、 被収納物の保管時に上記床面の勾配天井が低くなった側
   縁部に配置され、かつ、被収納物の出入に際して勾配天
   井の勾配方向に沿って、小屋裏の勾配天井が高くなる側
   に引出し可能となっていることを特徴とする小屋裏用収
   納家具。
2. 【請求項２】 前記前板部は、前記勾配天井まで届く上
   端を有することを特徴とする請求項１記載の小屋裏用収
   納家具。
3. 【請求項３】 前記底板部と前記前板部に連続する左右
   の側板部を備え、この側板部の上端を傾斜面としたこと
   を特徴とする請求項１または２記載の小屋裏収納家具。
4. 【請求項４】 前記底板部には、前記床面上を転動自在
   な小車輪が備えられていることを特徴とする請求項１、
   ２または３記載の小屋裏用収納家具。