JP2551459B2 - 伸線加工用潤滑油 - Google Patents

伸線加工用潤滑油

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JP2551459B2 JP63111575A JP11157588A JP2551459B2 JP 2551459 B2 JP2551459 B2 JP 2551459B2 JP 63111575 A JP63111575 A JP 63111575A JP 11157588 A JP11157588 A JP 11157588A JP 2551459 B2 JP2551459 B2 JP 2551459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属の伸線加工用潤滑剤に係り、特に、ア
ルミニウムあるいはアルミニウムを被覆した素材を伸線
する際に用いる液体潤滑剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、アルミニウムあるいは銅材等の非鉄金属又は軟
質の非鉄金属で被覆した素材の伸線加工では、素材とダ
イス間の摩擦を減じ焼付きを防止する目的で潤滑剤が使
用される。潤滑剤には液体潤滑剤と粉末系潤滑剤があ
る。液体潤滑剤は、鉱油又は合成油あるいはこれらの混
合油をベース油としこれに各種の添加剤、例えば「石油
製品添加剤」(桜井俊男編著、第183〜200頁、幸書房、
昭和48年5月発行)に記載されている高級脂肪酸、高級
アルコールのような油性向上剤やリン、塩素、硫黄系極
圧剤を配合したものがある。伸線加工の高速化に伴い従
来の伸線加工用液体潤滑剤は、その効果をより一層高め
なければ焼付きが生じ高速伸線加工の妨げとなつている
のが実情である。一般に潤滑油の粘度を高くすると金属
同志の接触が起りにくくなり焼付き防止に有効である
が、粘性抵抗の増加により金型温度上昇が大きくなり、
これにより粘度が低下するので高速化に限界がある。ま
た、高粘度潤滑油は、作業性が悪くかつ、安全上の危険
性があることから低粘度の伸線加工用液体潤滑剤が強く
要望されている。鋼材用の伸線加工用として、100μm
以下の金属石けん粉末をポリブテンに配合した伸線用潤
滑剤(特開昭55−135198号)、パラフインろうと塩素化
パラフインと亜リン酸エステル又はリン酸エステルを配
合した金属引抜加工用潤滑剤(特開昭62−153396号)、
油脂又はワツクスと高分子分散剤と界面活性剤を水に分
散した潤滑組成物(特開昭55−147593号)がある。これ
ら潤滑剤は鋼材の伸線加工に対しては焼付き防止に有効
であるが、非鉄金属、特に軟質材であるアルミニウムの
伸線加工においては焼付きや表面の割れ等が発生する。
これは、アルミニウム自身のせん断抵抗よりも素材とダ
イス間の摩擦力が大きいためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
アルミニウムの伸線加工油に、40℃の粘度が170,000c
St以上の高粘度油(例えば、ポリブテン)が使用され
る。高粘度油の使用は引抜時において、金型と素材の潤
滑が流体潤滑になることを期待したものである。粘度が
約35000cSt以下になると金属接触が起りやすく、すなわ
ち、境界潤滑となり焼付きや断線が起る。また、上記の
ような高粘度油は、流動性がなく取扱いが困難であるば
かりでなく、伸線機周辺や床等に高粘度油の付着が避け
られず、手、靴等が触れた場合引離すのが困難であり機
械に巻込まれや転倒の危険があり安全作業に問題があ
る。低粘度の潤滑油を用いると取扱い性、安全性の点で
問題ないが、前記したように引抜性に問題がある。した
がつて、アルミニウムに対しては、より潤滑性に優れた
潤滑油でなければならない。一方、粉末系潤滑剤には、
カルシウム石けんやナトリウム石けんのような金属石け
ん粉末を素材とダイス間に圧挿し伸線する方法がある。
この潤滑方法は焼付き防止に有効であるが、摩擦熱によ
り金属石けんが劣化し、伸線表面が変色する。また、粉
塵による作業環境の悪化といつた問題がある。
本発明は、上述した要望、問題解決に応えるべく検討
した結果達成されたものであつて、高速伸線においても
耐焼付き性、潤滑性、表面性状が良好であると共に作業
性、安全性においても問題のない潤滑油を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は伸線加工用潤滑油に関
する発明であつて、40℃の粘度が600〜45,000cStの高分
子ポリマーからなるベース油と、その2〜25重量%量の
油脂又は脂肪族ジカルボン酸とを含有しているが、極圧
性向上剤を含有しないことを特徴とする。
特定粘度を有するベース油と油脂又は脂肪酸ジカルボ
ン酸との混合物の一般的なものとして鉱油と油脂又は脂
肪族ジカルボン酸が考えられる。しかしながら、鉱油と
油脂又は脂肪族ジカルボン酸の混合物では、鉱油自身の
粘度指数が90〜100程度であつて、温度上昇に対する粘
度低下が大きいため、線材表面への付着力の低下によつ
て焼付きが生じやすい。更に、金型温度が120℃以上に
なると伸線表面が変色し始めるため高速伸線加工用には
適さない。
本発明者らは、油脂、脂肪族ジカルボン酸の優れた潤
滑性を生かし、温度に対する粘度低下が小さくかつ、付
着性、化学的に安定な潤滑ベーズ油には、40℃の粘度が
600cSt以上、好ましくは32000cSt以下の高分子ポリマ
ー、例えばポリブテン、ポリメタクリレート、ポリイソ
ブチレン、エチレン−α−オレフイン共重合物が有効で
あることを見出した。
ポリブテン、ポリメタクリレート、ポリイソブチレ
ン、エチレン−α−オレフイン共重合物は、公知の合成
法で得られる液状ポリマーであり、その分子量を変える
ことにより粘度は自由に調節できる。
本発明に使用される高分子ポリマーの潤滑ベース油粘
度は、伸線加工の条件、作業性、取扱い上の点から、40
℃において600〜32000cStが好適である。
潤滑ベース油に配合される油脂は、例えばヒマシ油、
ラード、牛脂、牛脂硬化油、ラノリン等の動植物油が例
示される。また、脂肪族ジカルボン酸として好ましいの
は、炭素数5〜36のものがよい。具体例として例えば、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸、トリデカン二酸、ダイマー酸等である。
次に、本発明において高分子ポリマーのベース油に添
加する油脂又は脂肪族ジカルボン酸の配合量は2〜25重
量%、好ましくは5〜20重量%である。油脂又は脂肪族
ジカルボン酸の配合量が2重量%より少ないと潤滑性が
十分でなく焼付きが生じ易くなる。また、25重量%より
多くしても焼付き防止の向上が見られない。
本発明の伸線加工用潤滑油には、必要に応じてこの種
の伸線加工油に通常添加される高級脂肪酸、高級アルコ
ール等の油性向上剤を添加することができる。
本発明の高分子ポリマー潤滑ベース油は、温度に対す
る粘度変化が小さく、化学的にも安定でかつ線材表面に
対しても付着性に優れていることから摩擦面に良好な潤
滑被膜(油膜)を形成する。しかし、局部的には金型と
線材表面は接触が存在する。添加材として配合した油
脂、脂肪族ジカルボン酸は線材表面に吸着すると、その
金属の石けんとなる。いわゆる金属石けん被膜が局部的
な接触を防止するので焼付きが生じにくくなる。
〔実施例〕
以下に実施例を示して本発明の効果を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1〜11 潤滑ベース油として40℃の粘度が650cStのポリイソブ
チレンを用い、これに第1表に示した油脂、脂肪族ジカ
ルボン酸を10重量%加え加熱溶解して、伸線加工用潤滑
油を得た。これらの潤滑油を下記条件で伸線加工を行
い、引抜力、金型温度上昇、表面性状を調べた。結果を
第1表に示した。
(1) 加工条件 線材:鋼材にアルミニウムを被覆したもの 加工率:20.4%(直径3.24mmを直径2.89mmに伸線) 加工速度::110m/min 金型温度:室温(12℃) (2) 比較例 比較例に用いた潤滑油組成を下記に示す。
なお、括弧内の数値は40℃における粘度を示す。
比較例1〜6 (1) 鉱油(830cSt) (2) ポリブテン(1000) (3) ポリメタクリレート(730) (4) エチレン−α−オレフイン共重合物(1000) なお、第2図は、伸線加工用潤滑油の性能評価に用い
た伸線装置の概略断面図である。第2図中符号1はアル
ミニウム被覆伸線素材、2は素材導入管、3は潤滑油、
4は金型、5は熱電対(金型温度測定)、6はロードセ
ル(引抜力測定)、7は伸線機を意味する。
実施例12 40℃における粘度が190〜45000cStの潤滑ベース油の
ポリブテンにラノリンを10重量%配合し実施例1と同じ
条件で伸線加工を行い、引抜力、金型温度上昇の測定を
行い、その結果を第1図に示した。
第1図において、横軸は40℃における粘度(cSt)、
縦軸は引抜力(kg)及び金型温度上昇(℃)を示す。
粘度が約600cSt以下になると引抜力が急増し、ついに
は断線した。また、金型温度上昇も引抜力と同様な傾向
を示した。粘度45000cStを越えると引抜力、金型温度上
昇共に大きくなる傾向が見られる。
また、粘度が45000cStを越えると、伸線機、金型、床
等に付着した潤滑油のばねつきが大きくなり、十分な安
全作業が確保されなくなる。また、潤滑油の補給等の取
扱いも困難となる。したがつて、伸線作業の十分な安全
性と潤滑油の取扱い性を考えると35000cSt以下がよい
が、冬期を考えると32,000cSt以下が望ましい。
上記の粘度は、いずれも油脂又は脂肪族ジカルボン酸
を配合したものの値であり、油脂又は脂肪族ジカルボン
酸の配合量によつては、上記粘度を越える場合があるの
で安全性、取扱性を考慮し配合量を決めることが望まし
い。
実施例13〜38 第2表に示した潤滑ベース油及び油脂、脂肪族ジカル
ボン酸を加熱溶解し、それぞれ調整した潤滑油を室温
(15〜17℃)で実施例1と同じ伸線加工条件で引抜力、
金型温度上昇及び伸線表面の性状を目視で調べた。結果
は第2表に示した通りである。
第2表の結果から油脂又は脂肪族ジカルボン酸の配合
量が2重量%より少なくなると引抜力、金型温度上昇が
急増する。また伸線表面が焼付き寸前となる。配合量が
20重量%を越えても大きな性能向上は見られないので、
本発明の配合量は2〜25重量%とする。
油脂又は脂肪族ジカルボン酸の中では配合量が25重量
%を越えると粘度が増大し、潤滑油の取扱いや安全作業
に問題が生ずるものがあるので配合量は最大25重量%と
する。
〔発明の効果〕
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明の伸線
加工用潤滑油は従来公知の潤滑油に比べ、高速伸線にお
いて優れた耐焼付き性、潤滑性能を発揮し、円滑な高速
伸線の達成に大きく寄与するのでその効果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は40℃における粘度190〜45000cSt範囲に調整し
たポリブテン潤滑ベース油にラノリンを10重量%配合
し、粘度と引抜力及び金型温度上昇の関係を示す図、第
2図は伸線加工用潤滑油の性能評価に用いた伸線装置の
概略断面図である。 1:アルミニウム被覆伸線素材、2:素材導入管、3:潤滑
油、4:金型、5:熱電対(金型温度測定)、6:ロードセル
(引抜力測定)、7:伸線機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:34 159:08 129:42) C10N 20:02 40:24 (56)参考文献 特開 昭51−47902(JP,A) 特表 昭62−503038(JP,A) 特公 昭47−42927(JP,B1)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】40℃の粘度が600〜45,000cStの高分子ポリ
    マーからなるベース油と、その2〜25重量%量の油脂又
    は脂肪族ジカルボン酸とを含有しているが、極圧性向上
    剤を含有しないことを特徴とする伸線加工用潤滑油。
  2. 【請求項2】該高分子ポリマーが、ポリブテン、ポリメ
    タクリレート、ポリイソブチレン、又はエチレン−α−
    オレフイン共重合物である請求項1記載の伸線加工用潤
    滑油。
  3. 【請求項3】該伸線が、非鉄金属製である請求項1又は
    2記載の伸線加工用潤滑油。
  4. 【請求項4】該非鉄金属材が、アルミニウム又はアルミ
    ニウム被覆材である請求項3記載の伸線加工用潤滑油。
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