JP2551457B2 - 自己排液の特徴を有するプラスチツク容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はプラスチック容器に関し、より詳細には流れ
戻りの特徴を備えた一体的プラスチック容器に関するも
のである。

［従来の技術］ 容器の内容物の１部のみを何時でも使用するような容
器から液体を分出する際、たとえば液体洗剤および漂白
剤のような多くの製品の場合、消費者は注ぎ出しの終り
に容器の首部および側面に沿って流下する液体内容物の
液滴によって生ずる汚れに関心を持つ。たとえば、上方
首部を有する壜をその正常な直立貯蔵位置から転倒分出
位置まで転倒させ、次いでこれをその直立位置に戻す
際、数滴のこの種の液滴が容器の首部の外側に沿って常
に流下する。従来の容器における多くの設計は、このよ
うな過剰の液体を捕獲しかつこれを首部および側面に沿
って滴らせずに容器に流れ戻す各種の特徴を開示してい
る。これら従来技術の容器としては米国特許第4,640,85
5号、第4,671,421号および第4,550,862号各公報に開示
されたものがある。さらに、これら特許公報に従来技術
として挙げられた他の種類のディスペンサも挙げらる。

前記各特許公報に開示された容器のそれぞれは、後の
成形操作で順次に組立てることにより流れ戻りの特徴を
与える複数の部材を必要とし、或いは米国特許第4,640,
855号の場合には吐出部を再設置するために再成形操作
を必要とする。たとえば上記各特許公報に開示された容
器のそれぞれは、容器を封止するための蓋体の他に別途
に成形された部材を備え、これを容器に固定してその部
材との連携により流れ戻りの特徴を構成する ［発明の要点］ これに対し本発明の容器は、容器の成形操作に際し形
成される容器の一体的部分として流れ戻りの特徴を備え
る。完全包装に必要とされる唯一の他の部材は、容器を
封止するための蓋体である。本発明による容器の他の利
点は、複数部材を必要とする容器よりもずっと製造が経
済的な点である。すなわち、自己排液の特徴を有する複
数部材の容器においては、個々の部材を成形するために
別途の成形操作が必要となり、次いでこれら部材を組立
てて自己排液容器を形成するための別途の組立で操作が
必要となる。

したがって、本発明の目的は新規な一体的自己排液容
器を提供することにある。

さらに本発明の目的は、単一の装置で成形することが
できかつ組立操作を必要としない自己排液容器を提供す
ることにある。

本発明の他の目的は、一体的自己排液容器を形成する
ための方法および装置を提供することにある。

さらに本発明の他の目的は、少なくとも、押出・圧縮
ブロー成形型、射出ブロー成形型及び射出・押出ブロー
成形型を含む数種の異なる吹込成形装置のいずれかで製
造しうる一体的自己排液容器を提供することにある。

より具体的には従来のこの種の容器は特定の成形装置
を使用してのみ製造可能な構成を有したが、本発明の容
器は、それぞれ異なるタイプの吹込成形機械即ち（１）
押出・圧縮ブロー成形、（２）射出ブロー成形及び
（３）射出・押出ブロー成形等の異なる成形器の何れを
使用しても好適に実施できる構成を特徴とする。

最後に本発明の他の目的は、一体的自己排液容器との
この容器を封止するための蓋体とを備えた包装器を提供
することにある。

即ち、本発明は、プラスチック一体成形型の自己排液
容器であって、 本体部分、 該本体部から上方に延在し、予め定めた直径を有する
円筒状開口を区画する首部、 該首部から上方向に部分的に延在する分出吐出部であ
って、該吐出部は上記予め定めた直径に少なくとも等し
い直径を有する内部表面を有する円筒の一部である前記
吐出部、 上記吐出部を離隔的に包囲する環状壁部、及び 上記本体部から離隔して配置され、該環状壁部を該首
部に連結するウエブであって、上記容器が転倒した位置
から直立の位置に移動される時、該吐出部と共働して該
吐出部から排出される液を受ける流路を区画する前記ウ
エブを有し、 上記吐出部が円筒の一部であることによって、上記容
器が直立している時に液体を上記流路から上記首部およ
び本体部分へと流す手段が形成され、 更に上記吐出部の開口の円周は少なくとも180゜そし
て360゜未満に亘って延在することを特徴とする上記容
器、に係わるものである。

［実施例］ 以下、添付図面を参照して本発明を実施例につきさら
に説明する。

第１〜５図を参照して、本発明の自己排液容器は一般
的参照符号10で示された容器からなり、この容器は本体
部分11とこの本体部分の上端部における首部12とを備え
る。首部12の上部から外方向にウェブ部材が延在し、こ
のウェブ部材は第１、２および４図における参照符号13
で示したように上方向かつ外方向に傾斜することがで
き、或いは第３図および第５図に参照符号13aで示した
ように首部の軸線Ａに対し直角に半径方向外方に延在す
ることもできる。首部の軸線Ａに対し上方向かつほぼ平
行に環状壁部14が延在し、この環状壁部はその内表面に
容器を封止するようにした蓋体20を保持するのに適する
ネジ15が成形されている。

蓋体20は頂部21とそこから垂下した環状スカート22と
を備える。スカート22の下部は、環状壁部14のネジ15に
係合しうるネジ23を有する。所望ならば、環状ビードま
たはその他周知の蓋体保持手段をネジの代りに設けるこ
ともできる。ネジを利用する場合、環状壁部14とスカー
ト22の下部とは円筒形状である。しかしながら、、ビー
ドもしくはその他の種類の蓋体保持手段を利用する場合
は、環状壁部14とスカート22とは矩形・楕円形もしくは
その他の形状とすることもできる。ネジ23の上方にはス
カート22から半径方向外方に、環状壁部14の頂部に対し
着座して各ネジ23および15が充分係合した際に容器を封
止するための横棧24が突出する。

環状壁部14の内部には環状壁部14の頂部を越えて上方
向に突出し、上縁部17で終端する吐出部16が位置する。
第１、２および４図に示した実施例において、吐出部16
はウェブ部分13から上方向に延在しかつ首部12の開口部
よりも大きい開口部を備える。第３図および第５図に示
した実施例において、吐出部16は首部12と同寸法の開口
部を有し、首部12から上方向へ首部12と整列して延在す
る。かくして、吐出部16は首部12の上方に位置してこの
首部を少なくとも部分的に包囲し、容器を分出位置まで
傾斜させた際に吐出部が水平位置または転倒位置に達し
て液体内容物を分出する時、液体は吐出部16まで首部12
を流過しかつこの吐出部の上縁部17を越えて流出する。
第１、２および４図に示した実施例において、液体は吐
出部16に達する前にウェブ13の下部を横断して流れる。

吐出部16および首部12は好ましくは円形断面形状を有
するが、他の断面形状も用いることができる。本発明の
自己排液容器において、吐出部の開口部は少なくとも首
部の開口部と同程度の大きさとすべきであり、それより
大きくすることもできる。すなわち、首部と吐出部とが
円形断面形状の開口部を有する場合、この吐出部16の直
径は首部12の直径と等しくするか或いはそれより大きく
すべきである。この設計は、容器を吹込成形における当
業者に周知された多くの異なる種類の吹込成形装置で成
形することを可能にする。これは、この種の自己排液容
器の製造装置および方法に関する以下の説明から容易に
明らかなるであろう。

好ましくは、吐出部16は少なくとも180゜かつ360゜未
満の範囲にわたり周方向に延在して、空隙部18を対向縁
部19aおよび19bによって形成する。

吐出部16の外表面は環状壁部14の内表面およびウェブ
13と連携して流路30を形成する。容器の本体部分11に対
する流路30の連通は空隙部18を介して行なうことができ
る。すなわち、容器から液体を分出させた後かつ容器を
その正常な直立位置まで転倒復帰させた後、吐出部16の
上縁部17を越えて流出した少量の液体は吐出部の内外側
壁部に沿って流下する。勿論、吐出部の内壁部に沿って
流下する液体の部分は容器１の本体部分11中へ直接に流
入する。吐出部の外表面に沿って流下する液体の部分は
流路30に捕獲され、かつ空隙部18に達するまで流路30の
周囲を流動しかつ空隙部18を流過して容器の本体部分に
戻る。吐出部が360゜全体にわたって延在することもで
きるが、これは好適でない。何故なら、そうすると吐出
部16の側壁部にはその下端部に流路30から容器の本体部
分11まで液体が流動しうるような開口部を形成させるべ
く後の成形操作を行なうことが必要になるからである。

ウェブ13が半径方向外方に延在する第３図および第５
図に示した実施例において、ウェブ13aは容器がその直
立貯蔵位置にある際ほぼ水平となる。所望ならば、ウェ
ブ13の上表面には空隙部13と整列して傾斜切り欠部31を
設け、流路30から本体部分への排液を促進することもで
きる。

次に第６〜８図を参照して、ここにはプラスチック壜
工業に用いる一般的種類の吹込成形装置が図示されてい
る。第６〜８図に示した全体的な成形運動を用いるこれ
ら種類の装置は、西ベルリン在のベクム・マシーネン−
ハブリーケン・GmbH社、西ドイツ国ボン在のクルップ・
カウテックス・マシーネンバウ社および西ドイツ国ロー
マール在のバッテンフェルド・フィッシャー社など多く
の会社により製作されかつ米国特許第3,583,031号を含
む各種の米国特許公報に開示されている。

この種の吹込成形装置は押出器（図示せず）に接続さ
れた押出ヘッド40を備え、典型的には高密度ポリエチレ
ンもしくはポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンのよう
なプラスチック材料を溶融すると共に、これを押出ヘッ
ド40から押出して連続的に押出された所定長さのチュー
ブもしくはパリソン41を形成する。このチューブ41をナ
イフ42もしくは加熱ワイヤによって押出ヘッド40から切
断する。パリソン41を、金型半部43aおよび43bが液圧シ
リンダ44の作動で閉鎖した際に２組の吹込金型43の一方
によって把持する。第６図に示したように、第２組の吹
込金型43′には金型半部43a′および43b′を設けること
もできる。

第６図において、予め押出されて内部に固定されてい
るパリソン41′を有する閉鎖金型43′は図示されていな
い手段により押出ヘッド40より下方の位置から押出しヘ
ッドとは離間した位置まで移動して、到来する長さのチ
ューブを連続的に押出すことを可能にする。第６図に示
したように、これを首部12の内径に一致する寸法の吹込
ピン46を備えた第１吹込ヘッド45の下方の位置まで移動
させる。この吹込ピンを包囲して切断用かつ圧縮成形用
の組合せスリーブ47が存在する。パリソン41を封入した
金型43′が吹込ヘッド45の下方に位置した後、吹込ピン
46を下方向に作動させかつパリソン41の開口端部に挿入
して、プラスチックを圧縮成形することにより首部12を
形成する。スリーブ47は吹込ピン46と共に下方向に移動
して、容器の吐出部16とウェブ13と環状壁部14とを圧縮
成形すると共に、過剰のプラスチックもしくは廃棄物50
を切除する。その直後に空気を吹込ピンにおける通路48
を介して導入し、チューブを金型43のキャビティに一致
するまで膨張させかつ容器10を形成する。これは第７図
に最もよく見られる。図示していない手段は、廃棄テー
ル52を底部から除去する。吹込工程の後、金型半部43
a′および43b′を開放しかつ容器10を取出す。

これら種類の装置に熟知した吹込成形の当業者に周知
されているように、第２吹込ヘッドは吹込ヘッド45とは
反対側で押出ヘッド40に位置せしめることができる。吹
込金型43がその開口端部の間に位置する所定長さのチュ
ーブの周囲で閉鎖しかつ他方の吹込金型43′が開放して
新たに形成された容器を排出した後、両群の吹込金型を
移動させ（第６図に示した配置にて、図示しない手段に
より左方向へ）、かくして開放保持された半部43a′お
よび43b′は押出ヘッド40の下方に位置して次の所定長
さのチューブ41を把持すると共に、従前に押出され所定
長さのチューブの周囲で閉鎖した他方の吹込金型43は第
２吹込ヘッドの下方に位置し、ここで成形工程が反復さ
れる。

両群の吹込金型43および43′は、本体部分11の所望形
状に一致した本体形成用壁部51を備える。この壁部51
は、金型半部が閉鎖した際に容器10の首部12の外側寸法
に等しい寸法を有する制限部52で終端する。この制限部
から外方向へ横棧53が延在して、第３図に示した実施例
におけるウェブ13の外表面を形成する。明らかなよう
に、横棧53はウェブを第３図における実施例の参照符号
13aで示した首部から半径方向外方に突出させるか或い
は第１、２および４図の実施例における参照符号13で示
したように上方角度で傾斜させるかどうかに応じて、水
平としたり或いは上方向に傾斜させることができる。最
後に、金型半部は上方向に延在する壁部54を備え、この
壁部は好ましくは、金型半部43aおよび43bが閉鎖した際
に円筒形状を有しかつ環状壁部14の外表面を形成する。
好ましくは、この円筒壁部54は外方向かつ上方向に傾斜
した導入部55で終端する。

上記したように、吹込ピン46およびスリーブ47は吹込
金型と連携して、容器の首部と吐出部とウェブと環状壁
部とを圧縮成形する。スリーブ47は、金型半部43a′お
よび43b′が閉鎖した際に円筒壁部54内に嵌合するよう
な寸法の直径を有し、したがって下方向に移動して壁部
に接触すると、過剰のプラスチックもしくは廃棄物50を
切除するよう作用する。

スリーブ47の下端部は、参照符号63で示した減寸直径
を有しかつそれぞれ環状壁部14の内壁部とネジ15とを形
成するための溝部64を備える。

さらに、このスリーブ47はその内壁表面に切り欠部65
を有し、これは吹込ピン46の外壁部と連携して吐出部16
を形成する。第６、７および８図に示した実施例におい
て、吐出部14は首部12の内径に等しい直径を持って形成
されている。勿論、切り欠部65の形状は吐出部16の所望
形状に依存する。第８図から容易に見られるように、切
り欠部65は下方向に傾斜して下端部66で終端し、外周ス
リーブ47の周囲全体に延在せず、したがってスリーブの
下端部に指向する切り欠部の縁部は吐出部の縁部19aお
よび19bを形成するよう機能する。

本発明の容器を形成するのに用いうる他の種類の吹込
成形装置は、当業界で射出吹込型の吹込成形装置として
衆知された種類の吹込成形装置である。この種の吹込成
形装置は、ニュージャージー州ブリガンチン在のヨマー
ル・マニュファクチャリング社並びに日本国東京在のニ
ッセイ工業株式会社によって製作されるものを包含す
る。これら種類の装置において、容器を吹込成形するた
めの全パリソンは内側吹込ヘッド装置と外側射出金型と
により形成された金型キャビティにて射出成形される。
パリソンを射出成形するためのこの種の吹込成形装置の
１部を第９図に示し、これは加熱された熱可塑性材料を
圧入しうるオリフィス71を有する押出ダイ70を備える。
パリソンの所望外表面に一致したキャビディ73を有する
射出金型72は吹込ヘッド装置75を連携して、パリソンに
つき所望される形状を備えた金型キャビティを形成す
る。吹込ヘッド装置75は射出金型72のキャビティ73に対
し出入移動することができ、かつ射出金型72と吹込ヘッ
ド装置75とその全組合せ体はオリフィス71に隣接した位
置まで移動することができ、さらにこのような位置にお
いてラムもしくは押出器（図示せず）の作動に際しプラ
スチック材料を収容してこの材料を開孔部71中に圧入
し、当業界で周知されたようにパリソンＰを形成するこ
とができる。パリソンＰの射出成形後、射出成形された
パリソンを有する吹込ヘッド装置75は射出金型から外さ
れて、パリソンの周囲で閉鎖する吹込金型（図示せず）
まで移動する。次いで、パリソンを吹込金型キャビティ
内で膨張させて容器10を形成する。

吹込ヘッド装置は細長い吹込パイプ76を備え、この吹
込パイプは射出金型72の壁部73と連携して、壜の本体部
分を吹込成形するためのパリソンＰの本体部分を形成す
る傾斜下端部77を備える。この傾斜下端部77から上方向
かつ外方向に壁部78が延在して、第１、２および４図に
示した容器の実施例におけるウェブ部材13の上表面を形
成する。容易に判るように、吹込ヘッド装置75と射出金
型72との特殊形状は、たとえば第２図および第４図の実
施例に示したようなウェブおよび吐出部を形成するよう
な形状とすることができる。上方向かつ外方向に傾斜す
る壁部78は、吹込パイプ76の拡大部分79に合体する。

拡大部分79の周囲で入れ子式にスリーブ80が存在し、
このスリーブは傾斜下部81とそれぞれ円筒状の内壁部お
よび外壁部82および83とを備える。スリーブ80の傾斜下
部81はウェブ13の上部の内表面を形成する。外壁部83の
下部は金型72と連携してキャビティを形成し、ここで環
状壁部14を成形する。ネジ凹部85を外壁部83に形成し
て、容器10のネジ15を作成する。

拡大部分79は、主要部分の周囲の延在しかつ吐出部16
の所望形状を形成するのに適した形状を有する切り欠部
86を備える。吐出部は、切り欠部86とスリーブ80の内壁
部82とにより形成されたキャビティで形成される。

吹込パイプ76は中空センターを有し、ここに細長いロ
ッド90を位置せしめて拡大ノブ91に対し下端部で接続す
る。吹込パイプ76の傾斜下端部77は参照符号92の箇所で
開裂している。これは、吹込ヘッド装置75とパリソンＰ
とが吹込金型内に設置された際に軸線方向下方向にロッ
ドを移動させる。細長いロッド90は吹込パイプ76の中空
部分よりも細く、かつこれと連携して通路94を形成す
る。かくして吹込位置にある際、加圧空気をこの通路94
を介しかつ次いで細長いロッド90が下方向に移動した際
に開裂部92に形成された空隙部を介し導入して、パリソ
ンＰを膨張させることにより容器を吹込成形することが
できる。

次に第10図を参照して、ここには本発明の容器を形成
するのに用いうる他の種類の吹込成形装置の１部が示さ
れている。第10図に示したように、第３図および第５図
の実施例の容器が形成される。しかしながら、第１、２
および４図に示した実施例の容器も、この種類の吹込成
形装置および方法を用いて成形することができる。この
方法により容器を吹込成形するための全体的方法は、シ
ャーマンに係る米国特許第2,804,654号公報に開示さ
れ、これを参考のためここに引用する。この種の吹込成
形は射出−押出吹込成形として特性化することができ、
本出願人などによりBC−３型装置と命名された装置と共
に使用される。

BC−３型装置により用いられる方法において、容器の
上側首部もしくは終結部を先ず最初に射出金型で射出成
形する。射出成形工程が完了した後、射出金型を射出ダ
イヘッドのオリフィスから上昇させると共に、所定長さ
の加熱されかつ可塑化されたチューブをダイヘッドから
押出す。このチューブを射出成形された終結部に接続す
ると共にチューブが押出されている際に上方向へ延伸す
る。適切な長さのチューブが押出された後、吹込金型半
部がチューブの周囲で閉鎖しかつ空気が射出金型装置を
介し導入されて、閉鎖金型内でチューブを膨張させるこ
とにより容器の残部を形成する。これらの工程は、米国
特許第2,804,654号公報に図示されかつ説明されてい
る。

第10図において押出ダイは参照符号100によって示さ
れ、ブシュ101とマンドレル102とを備え、これらは連携
して加熱されかつ可塑化された材料を排出するためのオ
リフィス103を形成する。図示したように、ブシュは凹
部領域104を備えて、第３図および第５図に示した容器
の実施例におけるウェブ13aの下部を形成する。或い
は、ブシュ101は凹部104なしに形成することもでき、そ
の全表面をマンドレル102の上端部と同じ平面に位置せ
しめる。この場合、スリーブ114の下端部はより短くか
つブシュ101の上表面から離間させて、これと連携する
ことによりウェブ13aを形成する。さらに、移動自在な
首リング装置110も図示されており、これは下方向に移
動して射出成形工程の際にオリフィス103と係合するよ
う、かつ押出工程の際に上方向に移動して到来するチュ
ーブをオリフィス103から引出すように装着される（図
示しない手段により）。この首リング装置110は首リン
グ半部111aおよび111bを備え、これらは半径方向に開閉
することができかつ内壁部112を備えてこれに容器の環
状壁部14の外表面を成形させる。さらに、長手方向に貫
通延在する通路を備えたコアピン113をも設け、この通
路を介し加圧空気をこのチューブが吹込金型内に密封さ
れた後に押出チューブ中へ導入することにより、吹込金
型内でチューブを膨張させかつ容器の本体を形成するこ
とができる。コアピン113は容器の吐出部16の内表面を
形成する。

開裂スリーブ114はコアピン113を包囲しかつ吐出部16
の上縁部17と外表面とを形成するような形状の凹部115
を備える。スリーブ114の下側外部は環状壁部14の内表
面を形成すると共にネジ凹部116を備えて、ここでネジ1
5を成形する。スリーブの下端部はウェブ13aの上表面を
形成する。

以上の記載から明らかなように、本発明のプラスチッ
ク一体成形型の自己排液容器は、少なくともその首部、
吐出部、環状壁、ウエブおよび液を流す手段を第１の型
内で単一作動で成形する方法により製造され、その後容
器本体部が吹込成形により成形され、上記第１の型内で
成形された上記各部分には成形後操作を全く必要としな
い方法により製造することができる、という利点を有す
るものである。

具体的には、以下にまとめた、少なくとも３種類の異
なる型の吹込成形装置によって製造することができるも
のである。

（１）押出・圧縮ブロー成形型（第６〜８図参照） この型の装置を用いると、管状パリソンの一端を圧縮
成形することによって、本発明容器の各部分を第１の型
内で成形することができる。

（２）射出ブロー成形型（第９図参照） この型の装置を用いると、上記第１の型内で各部分は
射出成形され、吹込可能なパリソンが同時射出成形さ
れ、そしてその後型内で吹込成形されて容器本体部分が
成形される。

（３）射出・押出ブロー成形型（第10図参照） この型の装置を用いると、上記第１の型内で各部分は
射出成形され、その後吹込可能なパリソンがそれらと共
に、一定長の管に押し出されて一体的に成形され、そし
てその後該管を容器本体に吹込成形することにより、容
器本体部分が成形される。

当業者には了解されるように、本発明の容器並びにこ
れを成形するための方法および装置は、本発明の範囲を
逸脱することなく構成および形状において多くの改変が
可能である。

【図面の簡単な説明】 第１図は新規な設計の容器の１実施例を示しかつそこか
ら外された蓋体を示す斜視図であり、 第２図は容器と組合せた蓋体を示す新規な自己排液包装
器の頂部の断面図であり、 第３図は蓋体と容器とを備えた改変実施例の断面図であ
り、 第４図は第２図に示した容器−蓋体組合せの頂部の分解
斜視図であり、 第５図は第３図に示した容器−蓋体組合せの実施例の分
解斜視図であり、 第６図は本発明による容器を１工程の操作で成形するた
めに使用しうるプラスチック容器を形成するための一般
的種類の吹込成形装置を示す略図であり、 第７図および第８図は第６図に示した種類の吹込成形装
置で容器を成形する際の種々の他の工程を示す略図であ
り、 第９図は本発明の設計による容器を形成するのに使用し
うる各種の吹込成形装置における押出ダイおよび射出金
型の断面図であり、 第10図は本発明による容器を形成するのに使用しうる他
の種類の成形装置の押出ダイおよび射出金型の断面図で
ある。 10……容器、11……本体部分 12……首部、16……吐出部 20……蓋体

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチック一体成形型の自己排液容器で
   あって、 本体部分、 該本体部から上方に延在し、予め定めた直径を有する円
   筒状開口を区画する首部、 該首部から上方向に部分的に延在する分出吐出部であっ
   て、該吐出部は上記予め定めた直径に少なくとも等しい
   直径を有する内部表面を有する円筒の一部である前記吐
   出部、 上記吐出部を離隔的に包囲する環状壁部、及び 上記本体部から離隔して配置され、該環状壁部を該首部
   に連結するウエブであって、上記容器が転倒した位置か
   ら直立の位置に移動される時、該吐出部と共働して該吐
   出部から排出される液を受ける流路を区画する前記ウエ
   ブを有し、 上記吐出部が円筒の一部であることによって、上記容器
   が直立している時に液体を上記流路から上記首部および
   本体部分へと流す手段が形成され、 更に上記吐出部の開口の円周は少なくとも180゜そして3
   60゜未満に亘って延在することを特徴とする上記容器。
2. 【請求項２】前記吐出部の内部表面の直径が前記予め定
   めた直径より大である特許請求の範囲第１項記載の容
   器。
3. 【請求項３】前記ウエブが前記首部の上端から上方かつ
   外方に延長し、前記吐出部は該ウエブから、該首部の軸
   に平行な軸に沿って上方に延びる、特許請求の範囲第２
   項記載の容器。
4. 【請求項４】前記ウエブが水平外表面を有する特許請求
   の範囲第１項記載の容器。
5. 【請求項５】前記環状壁が、前記吐出部に面した面上に
   ねじを形成した特許請求の範囲第１項記載の容器。