JP2550643Y2 - アコースティックホール - Google Patents

アコースティックホール

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JP2550643Y2
JP2550643Y2 JP1991055504U JP5550491U JP2550643Y2 JP 2550643 Y2 JP2550643 Y2 JP 2550643Y2 JP 1991055504 U JP1991055504 U JP 1991055504U JP 5550491 U JP5550491 U JP 5550491U JP 2550643 Y2 JP2550643 Y2 JP 2550643Y2
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四一 安藤
照久 宮田
宮本  剛
茂昭 岩下
泰孝 上田
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四一 安藤
株式会社昭和設計
株式会社間組
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、特にコンサート、オペ
ラ、映画等の空間音響を客席の聴衆に効果あらしめるよ
うにしたアコースティックホールに関する。
【0002】
【従来の技術】コンサートホール、オペラ座等では、上
演時に音響豊かな場所が求められ、このために現在では
天井と側壁の形状と内装材及びこれらに室内容積を加味
して音響を調整していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のホールは、ステージからの直接音、側方壁や天井か
らの反射音、すなわち聴衆の頭より上および横方向から
到来する音のみによる音響効果を期待して作られてお
り、聴衆の客席床面は設計段階でおこなわれる室内音響
シミュレーションでは音が全く反射しない面(完全吸音
面)として取り扱われていた。
【0004】また、客席床面は硬い材料(反射性)で仕
上げられることも多く、その影響は無視できないとする
研究も報告されている。
【0005】一方、オペラやオーケストラのステージか
らの演奏音が客席と床面の反射によって生じた音の干渉
によって十分に聴衆に到達しにくいといった問題も指摘
されている。
【0006】そこで本考案の目的は、客席床面を音響透
過性とすること、客席床下に意図的に聴取者への効果的
な音響を供給するためのアコースティックチャンバー
(音響空間)を設けることで従来の上方向と横方向から
到来する音の他に下方向からも音を聴取して立体的に音
に包まれた音場を作り出そうとすることにある。
【0007】さらに、本考案の別の目的は聴衆の座席列
による超過減衰といった悪影響の低減化を図らんとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的に鑑
みてなされたものであり、その要旨は、コンサート、オ
ペラ、映画等において優れた立体感のある音響を聴衆に
聴取してもらうため、天井と側壁及び客席床面とに囲ま
れた吸音及び反射性の音響空間を形成したホールであっ
て、前記音響空間には、前記客席床面を音響透過性とす
ること、客席床面下に床と側壁とで囲繞したアコーステ
ィックチャンバーを設けること、及びアコースティック
チャンバー内へと音が通過可能なオーケストラピットを
ステージと客席間に設けることにより、床からの音響を
も聴衆に聴取可能にしたことを特徴とするアコースティ
ックホールにある。
【0009】上記ホールとしては、音響発生源としての
ステージは必ずしも客席前方にある必要はなく、ホール
の中央等適宜設計することができる。
【0010】
【作用】本考案では、天井と側壁及び客席床面とに囲ま
れた音響容積に加えて、客席床面下に床と側壁とで囲む
アコースティックチャンバーを設けて、全音響容積を拡
大して残響時間を長くするとともに、天井や側壁の形状
や内装材を含めた音響空間としてのホール全体の設計に
より、従来以上に大きな音場により音響効果をより優れ
たものとする。また、アコースティックチャンバーに
は、天井や側壁から音響透過性とした客席床面を通して
音を反射し、さらにステージと客席間のスペースである
オーケストラピットを通して客席列の前面下方からもア
コースティックチャンバー内に音を入れ、これらの音を
さらに客席床面を通して聴衆に聴取させることができ
る。
【0011】
【実施例】以下に本考案の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本考案のアコースティックホール1
0における客席11に聴衆の1人が座り、上方及び横方
向からの音の伝搬と共に下方からも音が伝達され、あた
かも音響空間の中に聴衆が浮いた状態を示す模写図、図
2は本考案として客席床面4を音響透過性にすると同時
に、床面下をアコースティックチャンバー7にすること
によって床下からも客席の聴衆に音が伝搬されるように
した説明図、図3は図2のA−A断面図である。
【0012】コンサート、オペラ、ミュージカル、歌舞
伎、映画等、特に拡声器などの音響機器を用いず生の音
を直接聴取するホールとしては、従来ステージ1からの
音を音響空間としての室内容積5を建造物の天井2、側
壁3及び客席床面4を囲むものとして設定し、この室内
容積5の領域において天井2、側壁及び客席床面4の凹
凸形状、内装材を考慮し、音の吸音、反響を設定してい
たが、本考案では上記客席床面4を格子状スリット、穴
開き板、網状、およびそれらの組み合わせによって音響
透過性とし、これによって上記室内容積5をこれまで考
慮されなかった客席床面下の床6と側壁3と天井2で囲
繞した部分(アコースティックチャンバー7)まで拡大
してより優れた音響効果を有するアコースティックホー
ル10とした。格子状のスリット、穴開板や網状の孔の
大きさや形状は音響が透過するものであれば特に限定す
るものではないが、物を床下に落したり、人の歩行を防
げない程度にする必要がある。
【0013】上記構成からなるアコースティックホール
10は、ステージ1におけるバイオリン等の演奏者8の
音を、図2と図3に示す各断面図に示すように、伝搬し
ていき、上方や横方へ伝搬する音は天井2や側壁3の反
射、必要によっては吸音により、またこの反射音は客席
床面4を透過してアコースティックチャンバー7の床6
に反射し、あるいはステージ1と客席間のオーケストラ
ピット9からアコースティックチャンバーを通して床
6に反射して客席11の聴衆12に伝わるようになる。
【0014】また、本考案では、従来非音響透過性であ
った客席床面や客席列等の影響による特定周波数(20
0Hz〜400Hz)の超過減衰を、アコースティック
チャンバー7を設け客席床面4を音響透過性にすること
により、直接音と床反射音を非干渉性として解消するこ
とができる。
【0015】なお、上記本考案のアコースティックホー
ルの床6に凹凸を設けて音の拡散作用を行ったり、また
天井2や客席床面4の一部又は全部の昇降装置を備える
可動天井や側壁にすることによって音の反響と集中・拡
散をより一層効果的にすることができる。
【0016】本考案では発生音がアコースティックチャ
ンバー7の設置により床下からの反射音も有効に聴衆に
伝わり、このために図4に示すように、従来200Hz
〜400Hzの周波数領域で約20dB減衰して伝わっ
ていたものが解消される。
【0017】
【考案の効果】本考案は、客席床面を音響透過性にし、
床面下をアコースティックチャンバーとして利用するこ
とにより、従来のホールには見られない音響空間を形成
し、出演者と聴衆である観客との一体感を増し、特にオ
ーケストラやオペラなど出演者の生の音を直接観客に聴
取できるようにした。特に、本考案は従来の直接音、側
方反射音、天井反射音に加えて、アコースティックチャ
ンバーを通して下方から音が到来することにより、完全
に3次元の音空間が作り出され、聴衆には音に包まれた
感じをいだかせる理想的な音場が実現できる。
【0018】また、本考案では、アコースティックチャ
ンバーを利用して冷温風を対流させることができるの
で、空調時に客席部分で均一な温度分布が得られる。
【0019】さらに、アコースティックチャンバーは、
単に音の反射領域としてでなく、映画などでスピーカー
などを設置して、より効果的な音響効果を得るようホー
ル装備をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のアコースティックホール内における客
席での音響効果を示す説明図である。
【図2】本考案のアコースティックホールを横から見た
縦断説明図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】従来のステージでの発生音が客席に伝わる20
0Hz〜400Hzの周波数域の減衰を示すグラフであ
る。
【符号の説明】1 ステージ 2 天井 3 側壁 4 客席床面 5 音響空間 6 床 7 アコースティックチャンバー 10 アコースティックホール
フロントページの続き (72)考案者 宮田 照久 大阪市西区新町1丁目5番7号 株式会 社昭和設計内 (72)考案者 宮本 剛 大阪市西区新町1丁目5番7号 株式会 社昭和設計内 (72)考案者 岩下 茂昭 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式 会社間組内 (72)考案者 上田 泰孝 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式 会社間組内 (56)参考文献 特開 平3−233049(JP,A)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンサート、オペラ、映画等の音響を聴
    衆に聴取してもらうため、天井と側壁及び客席床面とに
    囲まれた吸音及び反射性の音響空間を形成したホールで
    あって、 前記音響空間には、客席床面を音響透過性とすること、
    客席床面下に床と側壁とで囲繞したアコースティックチ
    ャンバーを設けること、及びアコースティックチャンバ
    ー内へと音が通過可能なオーケストラピットをステージ
    と客席間に設けることにより、床からの音響をも聴衆に
    聴取可能にしたことを特徴とするアコースティックホー
    ル。
JP1991055504U 1991-07-17 1991-07-17 アコースティックホール Expired - Fee Related JP2550643Y2 (ja)

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JPH057861U JPH057861U (ja) 1993-02-02
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH089893B2 (ja) * 1990-02-09 1996-01-31 三井建設株式会社 ホール用客席構造

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