JPH057861U - アコーステイツクホール - Google Patents
アコーステイツクホールInfo
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- JPH057861U JPH057861U JP5550491U JP5550491U JPH057861U JP H057861 U JPH057861 U JP H057861U JP 5550491 U JP5550491 U JP 5550491U JP 5550491 U JP5550491 U JP 5550491U JP H057861 U JPH057861 U JP H057861U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンサート、オペラ、映画等の音響空間にお
いて、直接音、側方反射音、天井反射音に加えて、下方
からも音響を到来させることにより、聴衆には音に包ま
れた感じをいだかせる立体感のある理想的な音場を実現
する。 【構成】 音響空間5の客席床面4を音響透過性とする
とともに、客席床面4下に床6と側壁3とで囲繞したア
コースティックチャンバー7を設けることにより、超過
減衰を解消しかつ客席床面4からの音響を聴取可能にす
る。
いて、直接音、側方反射音、天井反射音に加えて、下方
からも音響を到来させることにより、聴衆には音に包ま
れた感じをいだかせる立体感のある理想的な音場を実現
する。 【構成】 音響空間5の客席床面4を音響透過性とする
とともに、客席床面4下に床6と側壁3とで囲繞したア
コースティックチャンバー7を設けることにより、超過
減衰を解消しかつ客席床面4からの音響を聴取可能にす
る。
Description
【0001】
本考案は、特にコンサート、オペラ、映画等の空間音響を客席の聴衆に効果あ らしめるようにしたアコースティックホールに関する。
【0002】
コンサートホール、オペラ座等では、上演時に音響豊かな場所が求められ、こ のために現在では天井と側壁の形状と内装材及びこれらに室内容積を加味して音 響を調整していた。
【0003】
しかしながら、上記従来のホールは、ステージからの直接音、側方壁や天井か らの反射音、すなわち聴衆の頭より上および横方向から到来する音のみによる音 響効果を期待して作られており、聴衆の客席床面は設計段階でおこなわれる室内 音響シミュレーションでは音が全く反射しない面(完全吸音面)として取り扱わ れていた。
【0004】 また、客席床面は硬い材料(反射性)で仕上げられることも多く、その影響は 無視できないとする研究も報告されている。
【0005】 一方、オペラやオーケストラのステージからの演奏音が客席と床面の反射によ って生じた音の干渉によって十分に聴衆に到達しにくいといった問題も指摘され ている。
【0006】 そこで本考案の目的は、客席床面を音響透過性とすること、客席床下に意図的 に聴取者への効果的な音響を供給するためのアコースティックチャンバー(音響 空間)を設けることで従来の上方向と横方向から到来する音の他に下方向からも 音を聴取して立体的に音に包まれた音場を作り出そうとすることにある。
【0007】 さらに、本考案の別の目的は聴衆の座席列による超過減衰といった悪影響の低 減化を図らんとするものである。
【0008】
本考案は、上記目的に鑑みてなされたものであり、その要旨は、コンサート、 オペラ、映画等において優れた立体感のある音響を聴衆に聴取してもらうため、 天井と側壁及び客席床面とに囲まれた吸音及び反射性の音響空間を形成したホー ルであって、前記音響空間には、前記客席床面を音響透過性とすること、及び客 席床面下に床と側壁とで囲繞したアコースティックチャンバーを設けることによ り、床からの音響をも聴衆に聴取可能にしたことを特徴とするアコースティック ホールにある。
【0009】 上記ホールとしては、音響発生源としてのステージは必ずしも客席前方にある 必要はなく、ホールの中央等適宜設計することができる。
【0010】
本考案では、天井と側壁及び客席床面とに囲まれた音響容積に加えて、客席床 面下に床と側壁とで囲むアコースティックチャンバーを設けて、全音響容積を拡 大して残響時間を長くするとともに、天井や側壁の形状や内装材を含めた音響空 間としてのホール全体の設計により、従来以上に大きな音場により音響効果をよ り優れたものとする。また、アコースティックチャンバーには、天井や側壁から 音響透過性とした客席床面を通して音を反射し、さらにステージと客席間のスペ ースであるオーケストラピットを通して客席列の前面下方からもアコースティッ クチャンバー内に音を入れ、これらの音をさらに客席床面を通して聴衆に聴取さ せることができる。
【0011】
以下に本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は本考案のアコ ースティックホール10における客席11に聴衆の1人が座り、上方及び横方向 からの音の伝搬と共に下方からも音が伝達され、あたかも音響空間の中に聴衆が 浮いた状態を示す模写図、図2は本考案として客席床面4を音響透過性にすると 同時に、床面下をアコースティックチャンバー7にすることによって床下からも 客席の聴衆に音が伝搬されるようにした説明図、図3は図2のA−A断面図であ る。
【0012】 コンサート、オペラ、ミュージカル、歌舞伎、映画等、特に拡声器などの音響 機器を用いず生の音を直接聴取するホールとしては、従来ステージ1からの音を 音響空間としての室内容積5を建造物の天井2、側壁3及び客席床面4を囲むも のとして設定し、この室内容積5の領域において天井2、側壁及び客席床面4の 凹凸形状、内装材を考慮し、音の吸音、反響を設定していたが、本考案では上記 客席床面4を格子状スリット、穴開き板、網状、およびそれらの組み合わせによ って音響透過性とし、これによって上記室内容積5をこれまで考慮されなかった 客席床面下の床6と側壁3と天井2で囲繞した部分(アコースティックチャンバ ー7)まで拡大してより優れた音響効果を有するアコースティックホール10と した。格子状のスリット、穴開板や網状の孔の大きさや形状は音響が透過するも のであれば特に限定するものではないが、物を床下に落したり、人の歩行を防げ ない程度にする必要がある。
【0013】 上記構成からなるアコースティックホール10は、ステージ1におけるバイオ リン等の演奏者8の音を、図2と図3に示す各断面図に示すように、伝搬してい き、上方や横方へ伝搬する音は天井2や側壁3の反射、必要によっては吸音によ り、またこの反射音は客席床面4を透過してアコースティックチャンバー7の床 6に反射し、あるいはステージ1と客席間のオーケストラピット9からアコース ティックチャンバー9を通して床6に反射して客席11の聴衆12に伝わるよう になる。
【0014】 また、本考案では、従来非音響透過性であった客席床面や客席列等の影響によ る特定周波数(200Hz〜400Hz)の超過減衰を、アコースティックチャ ンバー7を設け客席床面4を音響透過性にすることにより、直接音と床反射音を 非干渉性として解消することができる。
【0015】 なお、上記本考案のアコースティックホールの床6に凹凸を設けて音の拡散作 用を行ったり、また天井2や客席床面4の一部又は全部の昇降装置を備える可動 天井や側壁にすることによって音の反響と集中・拡散をより一層効果的にするこ とができる。
【0016】 本考案では発生音がアコースティックチャンバー7の設置により床下からの反 射音も有効に聴衆に伝わり、このために図4に示すように、従来200Hz〜4 00Hzの周波数領域で約20dB減衰して伝わっていたものが解消される。
【0017】
本考案は、客席床面を音響透過性にし、床面下をアコースティックチャンバー として利用することにより、従来のホールには見られない音響空間を形成し、出 演者と聴衆である観客との一体感を増し、特にオーケストラやオペラなど出演者 の生の音を直接観客に聴取できるようにした。特に、本考案は従来の直接音、側 方反射音、天井反射音に加えて、アコースティックチャンバーを通して下方から 音が到来することにより、完全に3次元の音空間が作り出され、聴衆には音に包 まれた感じをいだかせる理想的な音場が実現できる。
【0018】 また、本考案では、アコースティックチャンバーを利用して冷温風を対流させ ることができるので、空調時に客席部分で均一な温度分布が得られる。
【0019】 さらに、アコースティックチャンバーは、単に音の反射領域としてでなく、映 画などでスピーカーなどを設置して、より効果的な音響効果を得るようホール装 備をすることができる。
【図1】本考案のアコースティックホール内における客
席での音響効果を示す説明図である。
席での音響効果を示す説明図である。
【図2】本考案のアコースティックホールを横から見た
縦断説明図である。
縦断説明図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】従来のステージでの発生音が客席に伝わる20
0Hz〜400Hzの周波数域の減衰を示すグラフであ
る。
0Hz〜400Hzの周波数域の減衰を示すグラフであ
る。
1 天井 3 側壁 4 客席床面 5 音響空間 6 床 7 アコースティックチャンバー 10 アコースティックホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 宮田 照久 大阪市西区新町1丁目5番7号 株式会社 昭和設計内 (72)考案者 宮本 剛 大阪市西区新町1丁目5番7号 株式会社 昭和設計内 (72)考案者 岩下 茂昭 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式会 社間組内 (72)考案者 上田 泰孝 東京都港区北青山2丁目5番8号 株式会 社間組内
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 コンサート、オペラ、映画等の音響を聴
衆に聴取してもらうため、天井と側壁及び客席床面とに
囲まれた吸音及び反射性の音響空間を形成したホールで
あって、 前記音響空間には、客席床面を音響透過性とすること、
及び客席床面下に床と側壁とで囲繞したアコースティッ
クチャンバーを設けることにより、床からの音響をも聴
衆に聴取可能にしたことを特徴とするアコースティック
ホール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991055504U JP2550643Y2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | アコースティックホール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991055504U JP2550643Y2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | アコースティックホール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057861U true JPH057861U (ja) | 1993-02-02 |
JP2550643Y2 JP2550643Y2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=13000501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991055504U Expired - Fee Related JP2550643Y2 (ja) | 1991-07-17 | 1991-07-17 | アコースティックホール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2550643Y2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03233049A (ja) * | 1990-02-09 | 1991-10-17 | Mitsui Constr Co Ltd | ホール用客席構造 |
-
1991
- 1991-07-17 JP JP1991055504U patent/JP2550643Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03233049A (ja) * | 1990-02-09 | 1991-10-17 | Mitsui Constr Co Ltd | ホール用客席構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2550643Y2 (ja) | 1997-10-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
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