JP2550514B2 - 混入夾雑物の測定方法 - Google Patents

混入夾雑物の測定方法

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JP2550514B2 JP4117668A JP11766892A JP2550514B2 JP 2550514 B2 JP2550514 B2 JP 2550514B2 JP 4117668 A JP4117668 A JP 4117668A JP 11766892 A JP11766892 A JP 11766892A JP 2550514 B2 JP2550514 B2 JP 2550514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばパルプシート
類、原料工程での手抄きシート類、或いはパルプスラリ
ー等に混入している夾雑物の面積を測定する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製紙を例にとれば、パルプ類には、塵、
ピッチ、或いは再生原料由来の墨粕やトナー粕等の夾雑
物が混入し易い。これらの夾雑物は、製紙工程でのトラ
ブルの原因になり、製品に混入すると品質を下げてしま
う。このため出来上がった製品に含まれる夾雑物の測定
管理は勿論のこと、原料工程での夾雑物管理が必要とさ
れている。一般には定期的に原料をサンプリングして手
抄シートを作製し、目視により判定を行い、製造工程の
管理を行っている。これに対し、パルプスラリーをその
ままオンラインで測定する装置が開発されているが、分
解能が夾雑物管理に適当とされる細かさのものは無い。
また、オフラインでは手抄シートのような表面性が悪
く、カールし易いものを測定する方法が無かった。
【0003】パルプシート類の映像信号から夾雑物を判
別するには、映像信号をコンパレーター回路によって固
定レベルのスレッシホールドレベルと比較し、スレッシ
ホールドレベルを下回る映像信号の時間を積分すれば夾
雑物の面積を求めることができる。この場合、検出誤差
を低減するためにはスレッシホールドレベルを可能な限
り映像信号の平均レベルに近くする必要があるが、実際
得られる映像信号には基線に混入するバックグランドレ
ベルの変動や照明ムラ及び光学系の収差による映像信号
の変動が加わり検出スレッシホールドレベルとしては、
パルプ繊維の反射光レベルよりかなり離れたレベルを設
定しなければならず、実際の夾雑物面積よりも少ない面
積しか検出できない。このために、特開平3−1792
05では、測定結果に補正を加えて誤差を少なくする方
法を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パルプ
シート類は繊維の凝集物であるので、その表面には波打
ちや微細な凹凸がある。上記の方法では、この凹凸自体
が、検出器との焦点距離を狂わせ測定誤差を生じさせた
り、この凹凸の影によるバックグランドノイズが、測定
精度に影響を及ぼすことを回避することができない。
【0005】本発明は、パルプシート類、原料工程での
手抄きシート類、或いはパルプスラリー等に混在してい
る夾雑物を、被測定対象面の表面状態に拘らず、迅速正
確に測定できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願第1発明に係る夾雑
物の面積の測定方法は、測定対象の表面に白色光を照射
し、その反射光映像を光電素子型カメラで受光し、入力
する信号と、この入力する映像信号から夾雑物信号をロ
ーパスフィルタで低減した反射光の平均レベルに相当す
る信号電圧を更に分圧して作られたスレッシホールド信
号とから、両者の差を計算して差信号として出力し、こ
の差信号から、予め設定された夾雑物を示す値以上の値
を示す差信号をパルスカウンタで計測することを特徴と
する。
【0007】本発明は、夾雑物検出スレッシホールドレ
ベルを固定電圧ではなく入力信号の平均値に追従するフ
ローティング型としたことで、照明光及び光学系の収差
による映像信号の変動の影響を排除することができる。
また、フローティングスレッシホールド方式は光量変化
に対しても追従するため、装置の長期安定性を高め、光
源として特に安定化回路を必要とせず、安価で性能の高
い計測を行うことができる。
【0008】また、本願第2発明は、測定対象の被測定
面をカバー硝子面に押付け密着させたことを特徴とす
る。
【0009】更に、本願第3発明は、測定対象の被測定
面に対する照明を測定部の周囲全方向から45度以上の
入射角で行なうことを特徴とする。
【0010】図5に、走査方向長さ50μm以下の夾雑
物測定を例として、入射角45度の単一照明によるシー
ト表面(8mm)とその中に含まれた夾雑物(走査方向長
さ50μm)をCCDカメラで撮影して得られた映像信
号を示す。夾雑物以外の信号の変動は、サンプル表面の
繊維のノイズであり、サンプル表面にできた繊維等の影
によるバックグランドノイズが測定精度に影響を及ぼす
ことが分かる。図6に、図5と同じサンプルについて、
本願第2発明及び第3発明を採用して得られた映像信号
を示す。図5に比較してバックグランドノイズは減少し
ていることが分かる。
【0011】パルプシート類の被測定面を360度全方
向から入射角45度以上でリング状に照明することで、
被測定面上のカバー硝子による反射光が検出部に入らず
に、繊維からの反射光のみを検出することができ、バッ
クグランドノイズを抑えて、映像信号のS/N比を改善
することができる。なお、照明部に被測定面に合わせた
開口部を設けた照明方式を採用することが望ましい。
【0012】このようにして、バックグランドノイズの
少ない映像信号が安定して得られる事により、スレッシ
ホールドレベルをパルプシートからの反射光の平均レベ
ルに一層接近して設定することことが可能となり、夾雑
物面積の測定精度を飛躍的に改善することができる。
【0013】この検出回路とカウンター回路を組み合わ
せることによって夾雑物の面積の測定部分にコンピュー
ターを使用してプログラムによる修正や補正を加えると
いった補正のための計算時間を一切必要としないため、
映像信号の1フレーム走査時間という極めて短時間で測
定を実行できる。
【0014】出力結果はカウンターの計数値でデジタル
化されているため結果をそのままデジタル数字で表示す
る事もできるし、CPUのパラレルポートで読み取るだ
けでデータを読み出す事ができる。
【0015】補正処理に時間を要するコンピュータを使
った画像処理に比べると測定時間が格段に短いため同一
画面を100回測定して平均値を算出するなどの事が僅
か3秒程度でできるため、平均化によって測定精度を高
めることも容易である。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係わる夾雑物測定方法を、図
1に示す装置構成ブロック図及び図2に示す測定ブロッ
ク図に基づいて詳しく説明する。
【0017】図1において、測定対象となるパルプシー
ト等の測定サンプル1は、被測定面をカバーガラス2に
密着させるようにセットされ、これを固定部3でしっか
り支持固定される。これを下面よりハロゲンランプ等の
白色光源4で照明することにより、手抄シートのような
カールのあるシートや、表面状態の悪いシートでもバッ
クグランドノイズの無い画像を得ることが可能である。
【0018】この反射画像を下面よりCCDカメラ5で
取り込み、得られた映像信号を信号処理回路6に送る。
【0019】図2に示されるように、信号処理回路(フ
ローティングスレッシホールド回路)は、映像信号から
変化の早い夾雑物信号をローパスフィルタ10で低減
し、パルプ繊維からの反射光の平均レベルに相当する信
号電圧を作り、この電圧を分圧回路11で分圧して、ス
レッシホールド信号(信号B)としてコンパレータ12
に加える。
【0020】この際の分圧比がフローティングスレッシ
ホールドの設定基準となる。基準が分圧回路(抵抗器)
による分圧比であるため無調整で、入力の変動に強く長
期安定性のある夾雑物判定回路を構成することができ
る。分圧比を100:90程度までに設定しても、充分
パルプ繊維と夾雑物の分別することができる。
【0021】図3は、信号Aと信号Bとの関係を示す波
形図、図4は、信号Aと出力Cとの関係を示す波形図で
ある。
【0022】これらの図において、映像信号(信号A)
とスレッシホールド信号(信号B)との差として現れた
出力Cは、映像信号中にある夾雑物の有無を意味し、パ
ルス幅tは夾雑物の面積を示している。
【0023】CCDカメラの1画素に対応するクロック
パルスを出力パルスでゲートし、パルス数をカウンタ1
5で計数すれば簡単に夾雑物の面積を求める事ができ
る。
【0024】カウンタ15のリセットは映像信号から分
離した垂直同期信号を使い、水平同期信号から単安定マ
ルチバイブレータ14で作製した信号でウィンド信号を
作りパルス検出のゲートに加える事によって夾雑物検出
回路が映像信号の必要部分にのみ作用させるようにす
る。このようにして得られた測定結果は、デジタル表示
器に16によって表示するか、マイクロコンピュータ1
7等のCPUに送って、プリンタ18により打ち出す
等、任意の方法で得ることができる。
【0025】本発明に係る方法では、カメラのレンズ系
の組み合わせにより簡単に高分解能を得ることができ
る。例えば、測定の一視野を8mm×8mmとし、使用する
CCDカメラの画素数を485×485とすれば、セン
サーの一画素の大きさは16μm×16μmと極めて高
くなる。この一視野中の夾雑物面積を測定結果として出
力する。一視野を上のように設定した場合に、スレッシ
ホールドを越えた画素が10個あった場合、出力される
夾雑物面積は、0.00256mm2 となる。
【0026】一視野を8mm×8mmに設定し、表面がベッ
ク平滑度10秒以下の手抄シートをサンプルとして測定
したところ、最少20μmの夾雑物を検出することがで
きた。
【0027】更に、図1に示すように、CCDカメラ5
と光源部4をXYステージ20に搭載して、XYステー
ジドライバー21の操作により上下左右方向に移動しな
がら測定することにより、例えば一視野を8mm×8mmで
移動量を8mmずつとして10×10回測定を行うと、8
0mm×80mmの範囲で20μmの夾雑物の検出ができ
る。
【0028】また、XYステージを使用して視野を移動
しながら測定することにより、夾雑物の分布についての
情報を得るこ事ができる。
【0029】本発明に係る方法は、図1に示した装置に
限定されるものではなく、製紙工程中のパルプスラリー
を測定対象として、これをCCDカメラで観測すれば、
オンラインでパルプスラリー中の夾雑物を測定すること
ができる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る方法によって、一般のパル
プシート類はもとより、これまで測定が難しいとされて
いた、手抄シート等のカールや表面形状の悪いシートに
ついても、或いはパルプスラリーのままであっても、夾
雑物面積を正確に且つ高速に測定することが可能にな
り、シート類の原料工程での夾雑物の混入状態を迅速
に、且つ高精度に把握することができ、原料中の夾雑物
による不良品の発生率を大幅に減少することができる。
【0031】また、本発明の方法は、製紙工程のみなら
ず、小麦粉等の乾燥した、または水分散状態にある流動
性粉体について、或いは溶融状態の樹脂やこれから得ら
れる樹脂シートについて、その夾雑物の測定に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置構成の1例を示す
ブロック図である。
【図2】本発明の方法における信号の流れを示すブロッ
ク図である。
【図3】図2における信号Aと信号Bの波形を示す図で
ある。
【図4】図2における信号Aと信号Cの波形を示す図で
ある。
【図5】従来の照明方法によって得られる映像信号の波
形を示す図である。
【図6】本発明によって得られる映像信号の波形を示す
図である。
【符号の説明】
1 測定サンプル 2 カバーガラス 4 光源部 5 CCDカメラ 6 信号処理回路 10 ローパスフィルタ 11 分圧回路 15 カウンタ 20 XYステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 一史 宮城県石巻市南光町2丁目2番1号 十 條製紙株式会社 石巻工場内 (72)発明者 森永 正蔵 東京都北区王子5丁目21番1号 十條製 紙株式会社 技術開発センター内 (72)発明者 木下 重博 千葉県流山市西深井628番地2号 (56)参考文献 特開 平3−179205(JP,A) 特開 昭55−11225(JP,A) 特開 昭61−294302(JP,A) 特開 昭63−295946(JP,A) 特開 昭61−108903(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の表面に白色光を照射し、その
    反射光映像を光電素子型カメラで受光し、入力する信号
    と、この入力する映像信号から夾雑物信号をローパスフ
    ィルタで低減した反射光の平均レベルに相当する信号電
    圧を更に分圧して作られたスレッシホールド信号とか
    ら、連続的に両者の差を計算して差信号として出力し、
    この差信号から、予め設定された夾雑物を示す値以上の
    値を示す差信号をパルスカウンタで計測することを特徴
    とする混入夾雑物の測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象の被測定面をカバー硝子面に押
    付け密着させたことを特徴とする請求項1に記載の測定
    方法。
  3. 【請求項3】 測定対象の被測定面に対する照明を測定
    部の周囲全方向から45度以上の入射角で行なうことを
    特徴とする請求項1に記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 測定対象の被測定面が走行していること
    を特徴とする請求項1、2又は3に記載の測定方法。
  5. 【請求項5】 測定対象がシート状物であって、このシ
    ート状物を固定し、光電素子型カメラを上下左右方向に
    移動可能とした請求項1、2又は3に記載の測定方法。
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