JP2550203B2 - 繊維巻取用チューブの交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ガラス繊維、綿糸、合成繊維等の巻取装置
のコレットから繊維巻取済チューブを取外すと共に、そ
のコレットに空チューブを取付けるのに用いられる繊維
巻取用チューブの交換装置に関する。

（従来の技術） 例えば、紡糸されたガラス繊維を束ねてストランドと
されたものを巻取る場合、巻取装置の回転駆動されるコ
レットにチューブを嵌合させ、このチューブにガラス繊
維ストランドを巻取るようにしている。そして、一定量
のストランドを巻取ったならば、巻取済チューブはコレ
ットから取外されてコンベヤ等で搬出され、そのコレッ
トには新たに空チューブが嵌合される。

従来、繊維巻取済チューブのコレットからの取外し、
取外した巻取済チューブのコンベアヤの搬送手段への移
し替え、コレットへの新たな空チューブの供給といった
チューブ交換作業は人手により行なっていた。

（発明が解決しようとする課題） 従来のように繊維巻取用チューブの交換を人手により
行なうものでは、作業に長時間を要し、省力化を図るこ
ともできない。

そこで、本発明は繊維巻取用チューブの交換に要する
時間を短縮でき、さらに交換作業の自動化に寄与できる
装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明による繊維巻取用チューブの交換装置の特徴と
するところは、繊維巻取装置のコレット軸側に配置され
る枠体と、この枠体上にあって繊維巻取装置のコレット
に嵌合された繊維巻取済チューブを保持すると共にその
コレットに対しコレットの延長軸線方向に往復移動自在
なチューブ取外し手段と、コレット軸の軸線上のチュー
ブ受取位置に搬送され、その受取位置へ前記チューブ取
外し手段が移動した際にこのチューブ取外し手段に保持
された繊維巻取済チューブを保持する第１チューブ受取
手段と、第１チューブ受取手段を搬送する第１搬送手段
と、前記第１チューブ受取手段とは別に設けられた空チ
ューブを保持する第２受取手段と、前記第１搬送手段と
は別に設けられた第２受取手段を搬送する第２搬送手段
と、前記枠体に前記チューブ取外し手段とは別に設けら
れ、前記チューブ受取位置とは異なる位置で前記第２受
取手段に保持された空チューブを前記コレットへの嵌合
方向へ案内可能に保持するチューブ供給手段とを備えて
いる点にある。

（作用） 本発明の構成による繊維巻取用チューブの交換は、ま
ず、巻取装置のコレットに嵌合されている繊維巻取済チ
ューブが、チューブ取外し手段により保持されると共に
コレットから取外され、第１チューブ受取手段に保持さ
れて第１搬送手段により搬送されることで自動的な取外
しがおこなわれる。一方、繊維巻取済チューブが取外さ
れたコレットに対しては、第２受取手段により保持され
ながら第２搬送手段により搬送されてきた空チューブ
が、チューブ取外し手段とは別に設けられたチューブ供
給手段により直ちに嵌合方向に案内されて供給される。

（実施例） 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

第１図乃至第11図は、ガラス繊維の巻取装置１に本発
明を適用したものであって、この巻取装置１は、第６図
に示すように、ブッシング２から紡出されたガラス繊維
フィラメント３に集束剤をローラ４により付与し、これ
を集束ローラ５により集束してストランド６としたもの
を巻取るものである。

本実施例では、巻取装置１は左右方向（第１〜６図中
紙面直交方向）に複数備えられている。

巻取装置１は、前後方向（第１〜６図中左右方向とす
る）軸中心に回転駆動されるタレット盤７を有し、この
タレット盤７に一対のコレット８が前後軸中心に回転駆
動されるよう取付けられている。このタレット盤７の回
転により、コレット８は上方側の巻取位置と、下方側の
交換位置とに位置変更される。

各コレット８は、第３、４、７図に示すように、回転
軸方向に長尺の複数のフィンガー９を有し、このフィン
ガー９の外周面がコレット８の外周面とされる。各フィ
ンガー９は外周に沿って並列すると共に、径外方に突出
状とされ、図外カム機構によりその径方向突出量が変更
自在とされている。これにより、コレット８の外径は拡
縮自在とされている。

そして、各コレット８には円筒状のチューブ15が外嵌
状に取付けられている。この際、コレット８の径が収縮
状態でチューブ15が嵌合され、この嵌合後に径が拡大さ
れることでチューブ15が保持される。

本実施例では、チューブ15は各コレット８にそれぞれ
前後２個取付けられるタンデム取付形式のものを示して
いるが、１個のみ取付けるシングル取付形式のものでも
良い。

なお、コレット８の上方にはストランド６に綾振り運
動をさせるためのトラバース装置10が取付けられてい
る。このトラバース装置10には補助巻取装置11が前後動
自在に取付けられている。

この補助巻取装置11の巻取用かせ枠12は、巻取位置の
コレット８と対向し、トラバース装置10に内嵌される回
転軸から巻掛伝動機構を介して回転動力を受け、前後軸
中心に回転される。

また、トラバース装置10の上方には導糸杆13が前後動
自在に取付けられ、コレット８の下方にはストランド６
の引張装置14が備えられている。

そして、巻取装置１の後方（第１〜６図中左方とす
る）にはチューブ取外し体（チューブ取外し手段）16
と、このチューブ取外し体16の上方に位置するチューブ
供給体（チューブ供給手段）17とが配置されている。

そのチューブ取外し体16とチューブ供給体17とは、移
動枠18に取付けられることで左右方向に移動自在とさ
れ、左右に並列される複数の巻取装置１のそれぞれの後
方に位置決め可能とされている。

そのため、移動枠18の上部にはギヤードモータ19によ
り回転駆動される前後一対の車輪20が備えられ、この各
車輪20を左右に転動するよう案内する前後一対のレール
21が建屋22に取付けられている。なお、ギヤードモータ
19には給電ケーブル23から給電される。

そして、チューブ取外し体16は、移動枠18に固定され
た固定台24と、この固定台24に対し前後移動するよう取
付けられた可動台25と、この可動台25に対し前後移動す
るように取付けられた第２可動台26と、この第２可動台
26に取付けられたチューブ受31を備えている。

第１図に破線で示すように可動台25にはラック27が取
付けられ、このラック27と噛合するピニオン28とその図
外駆動源が固定台24に取付けられ、このピニオン28の正
逆回転で可動台25が前後動する。

第２図に仮想線で示すように、可動台25にはチェーン
巻掛装置29が設けられ、このチェーン巻掛装置29のチェ
ーンと第２可動台26とが連結杆30により連結され、チェ
ーン巻掛装置29のチェーンの正逆方向への周回で第２可
動台26が前後動する。

また、第２図に示すように第２可動台26には上下方向
に伸縮自在な空圧シリンダ32が取付けられ、この空圧シ
リンダ32の伸縮ロッドの上端に前記チューブ受31が取付
けられている。このチューブ受31の上面は、第７図に示
すように正面視円弧形とされることで、交換位置のコレ
ット８の軸心と同心の円弧面を形成し、繊維巻取済のチ
ューブ15を載置可能なものである。また、チューブ受31
の上面のストランド６との接触部にはスポンジ等の緩衝
材33が貼られている。

次に、チューブ供給体17は第８、９図にも示すよう
に、ベース34と、複数の保持プレート35とを有する。

各保持プレート35は断面円弧状に湾曲した長方形状
で、その各円弧断面が同一円周上に位置するよう配列さ
れ、長手方向一端はベース34に枢軸36を介して揺動自在
に取付けられている。この枢軸36中心の各保持プレート
35の揺動により、チューブ供給体17の外周径は拡縮自在
とされる。

そして、各保持プレート35の外周面は拡径状態では第
４、５、８図に示すように円筒面に沿うチューブ保持状
態となり、縮径状態では第１、２、３、６図に示すよう
に他端側が径内方向に移動して円錐外周面に沿うチュー
ブ受取状態となる。

そのチューブ保持状態では、チューブ供給体17に対し
チューブ15は軸方向摺動自在に外嵌されて円筒形に保持
され、チューブ受取状態では、チューブ供給体17に対し
チューブ15は遊嵌可能とされる。

また、各保持プレート35の長手方向他端には円錐形の
ガイド37が位置され、この円錐形ガイド37と各保持プレ
ート35とはそれぞれリンク38により相対揺動自在に連結
されている。そして、ベース34にはエアシリンダ39が取
付けられ、このエアシリンダ39の伸縮ロッドが円錐形ガ
イド37に連結されている。これにより、エアシリンダ39
の伸縮によって各保持プレート35は枢軸36中心に揺動さ
れる。

また、チューブ供給体17のベース34にはブラケット40
を介して扇形ギヤ41が取付けられ、この扇形ギヤ41は軸
受42を介して移動枠18に左右軸43中心に回転自在に取付
けられている。この扇形ギヤ41に噛合するピニオンギヤ
44が備えられ、このピニオンギヤ44の駆動モータ45が移
動枠18側に取付けられている。

これにより、ピニオンギヤ44の回転駆動により扇形ギ
ヤ41を介してチューブ供給体17は左右軸43中心に回転
し、第１、２、３、４、６図に示すチューブ受取位置
と、第５図に示すチューブ供給位置とに位置変更自在と
されている。

また、チューブ供給体17のベース34には第10図に示す
チューブ移送機構46が取付けられている。このチューブ
移送機構46は、案内レール47と、この案内レール47上を
チューブ15の軸方向に沿って往復移動する移動体48と、
この移動体48に取付けられた吸着パッド49とを有する。
その移動体48はモータ50により周回駆動されるチェーン
巻掛機構51により往復駆動される。その吸着パッド49は
図外真空ポンプに接続され、チューブ供給体17に外嵌さ
れるチューブ15の外周面に吸着される。これにより、移
動体48の移動によってチューブ15は仮想線で示すように
軸方向移動して保持プレート35から抜き出される。

次に、チューブ取外し体16とチューブ供給体17の後方
には、繊維巻取済チューブ用の第１搬送体52と、この第
１搬送体52の上方に位置する空チューブ用の第２搬送体
53とが配置されている。

第１搬送体52は、第11図にも示すように一対のスプロ
ケット54,55と、このスプロケット54,55に巻掛けられた
チェーン56と、このチェーン56のチェーンリンクに取付
けられて前方突出する複数の棒状のチューブ受取体（チ
ューブ受取手段）57とを有する。そして、受取体57にチ
ューブ15を吊り持たせ、スプロケット54、55を間欠的に
回転駆動することで、受取体57に吊持たれたチューブ15
は左右方向に間欠的に搬送される。

そして、前記チューブ受31の後方移動により、このチ
ューブ受31に保持された繊維巻取済チューブ15は受取体
57に挿入される。そのため、受取体57は、左右方向に関
しては軸心がそのチューブ15の軸心と一致し、上下方向
に関してはそのチューブ15の内周孔と対向する位置に、
第１搬送体52によって位置決め可能とされている。

第２搬送体53は第１搬送体52と同様の構造で、同様の
受取体70が取付けられ、この受取体70に吊持たれたチュ
ーブ15は前方に引き出されることで、受取状態のチュー
ブ供給体17に外嵌される。そのため、チューブ受取体70
は、左右方向に関してはその軸心がチューブ供給体17の
軸心と一致すると共に、上下方向に関しては円錐形ガイ
ド37の先端が引き出されたチューブ15の内周孔と対向で
きる位置に、第２搬送体53によって位置決め可能とされ
ている。

そして、第２搬送体53の受取体70に吊持たれた空チュ
ーブ15を前方に引出して、チューブ供給体17に外嵌する
ため、チューブ供給体17の上方にチューブ引出機構58が
設けられている。

このチューブ引出機構58は、略前後方向に沿って伸縮
自在な第１空圧シリンダ59と、略上下方向に沿って伸縮
自在な第２空圧シリンダ60とを備えている。その第１空
圧シリンダ59の前端は、移動枠18に左右軸61中心に揺動
自在に連結され、後端の伸縮ロッド端にはチューブ引掛
片62が取付けられている。また、第２空圧シリンダ60の
上端は移動枠18に対し、下端の伸縮ロッド端は第１空圧
シリンダ59に対し、それぞれ左右軸63,64中心に揺動自
在に連結されている。

これにより、第３図に仮想線で示すように第１空圧シ
リンダ59を伸長させ、しかる後に第２空圧シリンダ60を
伸長させることで、チューブ引掛片62を第２搬送体53の
受取体70に吊持たれた空チューブ15の後端面に係合させ
ることができる。しかる後に、第１空圧シリンダ59を収
縮させることで、そのチューブ15を前方に引出して受取
状態のチューブ供給体17に外嵌できる。

以下、上記構成の作用を説明する。

巻取装置１によるストランド６の巻取りは、巻取位置
のコレット８に嵌合されたチューブ15に対し行なわれ、
この際、コレット８の回転が一定速度に達した時点で巻
取りが開始される。そのためコレット８の回転が一定速
度となる前後においては、第６図のようにストランド６
を導糸杆13によりコレット８の後方に位置させ、しかる
後に補助巻取かせ枠12をそのストランド６の位置まで前
進させて回転駆動させることで、ストランド６を補助巻
取かせ枠12に巻取らせる。

そして、コレット８と補助巻取かせ枠12の回転速度が
略同期して一定速度となると、補助巻取かせ枠12をさら
に前進させてコレット８に近接させると共に、導糸杆13
を前方の本体内に急速に没入させる。これにより、スト
ランド６をチューブ15上に移動させると共にトラバース
装置10に係合させ、チューブ15に対しストランド６のい
わゆる綾ふり巻取りを行なう。

一方、補助巻取かせ枠12に巻取られたストランド６
は、補助巻取かせ枠12の減速によりチューブ15側のスト
ランド６と切断され、補助巻取かせ枠12の後退後にウエ
ストストランドとして排出処理される。

そして、チューブ15へのストランド６の巻取りが完了
時点に達すると、補助巻取かせ枠12を再びコレット８に
近接させて回転駆動させると共に、導糸杆13を後方に向
かって進出させることでストランド６を補助巻取かせ枠
12上に移動させる。これにより、補助巻取かせ枠12に巻
取られたストランド６はチューブ15側のストランド６か
ら切断されてウエストストランドとして排出処理され
る。

第６図は、上述のようにしてチューブ15へのストラン
ド６の巻取が完了した状態を示し、交換位置のコレット
８には空のチューブ15が嵌合されている。

この状態からタレット盤７を回転駆動させることで、
第１図に示すように、空のチューブ15は上方側の巻取位
置とされ、上述と同様にストランド６の巻取が可能な状
態とされる。

一方、ストランド６を巻取済のチューブ15は下方のチ
ューブ交換位置に位置される。この交換位置のチューブ
15に向かって、チューブ取外し体16の可動台25と第２可
動台26とを第１図の待機位置から前進させる。

そして、チューブ受31がチューブ15の下方に達する
と、台２図に示すように、空圧シリンダ32によってチュ
ーブ受31を上昇させ、チューブ受31の上面にチューブ15
を載置状に保持する。この際、コレット８のフィンガー
９を径内方に移動させることでコレット外径を収縮さ
せ、コレット８によるチューブ15の保持を解除する。

次に、第３図に示すように、可動台25を後退させて待
機位置に復帰させ、第２可動台26は待機位置からさらに
後退させ、チューブ受31をチューブ受取体57の下方に位
置させる。すると、チューブ15の内周孔はそのチューブ
受取体57に挿入される。

しかる後に、チューブ受31を空圧シリンダ32によって
下降させることで、第４図に示すようにチューブ15をチ
ューブ受取体57によって吊持状に保持させる。これによ
り、第１搬送体52によって繊維巻取済のチューブ15の搬
出が可能となる。また、第２可動台26は前進させて待機
位置に復帰させる。

そして、上記チューブ15のコレット８からの取外し
と、第１搬送体52による搬出が行なわれている間に、そ
のコレット８への新たな空のチューブ15の供給を行う。

まず、第２図に示すように、チューブ引出機構58の第
１空圧シリンダ59と第２空圧シリンダ60とを伸長させる
ことで、第１空圧シリンダ59の先端のチューブ引掛片62
を、第２搬送体53の受取体70に保持されている空のチュ
ーブ15の後端面に係合させる。

次いで、第１空圧シリンダ59を収縮させることで、第
３図に示すように、その空のチューブ15は前方に引き出
され、チューブ受取位置でチューブ受取状態となっいる
チューブ供給体17に外嵌される。

この際、チューブ供給体17の保持プレート35の外周面
は円錐外周面に沿うものであり、チューブ15はその径の
縮小された先端側から遊嵌されるため、円滑にその外嵌
が行なわれる。

次に、第４図に示すようにチューブ供給体のエアシリ
ンダ39を伸長させることで、各保持プレート35が径外方
に移動して径が拡大され、チューブ供給体17はチューブ
保持状態となり、チューブ15の内周面に保持プレート35
の外周面が当接し、チューブ15はチューブ供給体17に軸
方向摺動自在に保持される。

次に、ピニオンギヤ44の回転駆動によりチューブ供給
体17を左右軸43中心に回転させ、第５図に示すチューブ
供給位置とする。このチューブ供給位置で、チューブ供
給体17に保持されたチューブ15の軸心と、交換位置のコ
レット８の軸心とは一致される。

次に、チューブ移送機構46の吸着パッド49によって、
チューブ供給体17に保持されたチューブ15の外周を吸着
して保持し、第10図に示すようにチェーン巻掛機構51に
より吸着パッド49を前進させることで、第５図に示すよ
うに交換位置のコレット８に空のチューブ15が嵌合され
る。

しかる後に、コレット８のフィンガー９を径外方へ突
出させてコレット径を拡大することで、チューブ15をコ
レット８に保持させる。

そして、チューブ供給体17を再び左右軸43中心に回転
させてチューブ受取位置とすると共に、エアシリンダ39
を収縮させてチューブ受取状態とすることで、再び第１
図の待機状態となる。

以上のように、ストランド６を巻取済のチューブ15の
コレット８からの取外しは、チューブ取外し体16のチュ
ーブ受31によりコレット８を保持し、チューブ受31を後
退させるだけで行なうことができ、さらに、そのチュー
ブ受31に保持されたチューブ15は、チューブ受取体57に
保持されることで搬出可能とされ、チューブ15のコレッ
ト８からの取外しと搬出とを迅速に行なえる。

また、空のチューブ15のコレット８への嵌合はチュー
ブ供給体17に保持されたチューブ15を軸方向摺動させる
だけで良く、迅速かつ確実に行なうことができる。その
際、上記実施例ではチューブ移送機構46は吸着パッド49
によりチューブ15を保持するので、チューブ15が紙製の
ように変形し易いものでも変形が防止される。なお、チ
ューブ15が合成樹脂製のような場合には、チューブ15の
後端面を押すようにして移送することで、チューブ供給
体17からコレット８に嵌合しても良い。

また、チューブ供給体17がチューブ受取位置とチュー
ブ供給位置とに位置変更自在、かつ、チューブ受取状態
とチューブ保持状態とに状態変更自在であって、そのチ
ューブ受取状態においてチューブ15が遊嵌されることか
ら、空のチューブ15の受取が円滑に行なわれる。

この発明の特徴は上述の通りであるが、上記ならびに
図示例に限定されるものではなく、種々の変形例を挙げ
ることができる。すなわち、上記実施例ではチューブ供
給体の外周面を円錐面に沿わせることで、チューブが遊
嵌されるようにしたが、チューブ15の内周孔よりも小径
の円筒面に沿わせるようにすることで、チューブ15が遊
嵌されるようにしても良い。

また、上記実施例では繊維としてガラス繊維を例示し
たがこれに限定されず、例えば綿糸や合成繊維であって
も良い。

また、チューブ受取体としてチェーンコンベヤに取付
られるものを例示したが、これに限定されず、例えばベ
ルトコンベヤや移動台車であっても良い。

さらに、図示例では巻取装置とチューブ取外し体、供
給体、受取体とが同一のベースに載架された形になって
いるが、別々の機台に設置される形でもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、チューブ取外し手段をコレットの軸
線延長方向に移動するだけで繊維巻取済チューブをチュ
ーブ受取体に受け渡して搬出可能状態とすることができ
るので、巻取済チューブのハンドリングが簡易に行え
る。また、前記チューブ取外し手段とは別に設けられた
チューブ供給手段により、繊維巻取済チューブがコレッ
トから抜き取られた直後に空チューブをコレットへ嵌合
することができるので、コレットに対するチューブ交換
作業を迅速に行うことができる。さらに、繊維巻取済チ
ューブの受取体および搬送機は、空チューブの受取体お
よび搬送機とは別に設けられているので、チューブの搬
入および搬出を迅速に行うことができる。したがって、
特に、巻取装置が多数備えられていて、ひとつのチュー
ブ交換装置でこれら多数の巻取装置の交換作業をすると
きに交換のための待ち時間を少なくできる。また、空チ
ューブの搬送と巻取済チューブの搬送とが別々の経路に
より行えるので、巻取済チューブに付着したバインダが
新しく取り付けられる空チューブに付着することがな
い。したがって、バインダが空チューブへ付着すること
による悪影響、たとえば巻むらを生じることや紙チュー
ブ使用時に起きやすい搬送不良や損傷などを防止するこ
とができる。

また、そのチューブ交換を本発明の構成によるチュー
ブ取外し手段、チューブ受取手段及びチューブ供給手段
を用いて行なうことで、交換作業の自動化に寄与でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例に係り、第１図乃至第６図は、繊
維巻取用チューブの交換装置のそれぞれ異なった作動状
態での概略構造を示す側面図、第７図は第２図のVII−V
II線断面図、第８図はチューブ供給体の要部の斜視図、
第９図はチューブ供給体の要部の断面図、第10図はチュ
ーブ移送機構の概略構成を示す図、第11図はチューブ搬
送体の構成説明図である。 １…巻取装置、８…コレット、15…チューブ、16…チュ
ーブ取外し体、17…チューブ供給体、57…チューブ受取
体。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】繊維巻取装置のコレット軸側に配置される
   枠体と、この枠体上にあって繊維巻取装置のコレットに
   嵌合された繊維巻取済チューブを保持すると共にそのコ
   レットに対しコレットの延長軸線方向に往復移動自在な
   チューブ取外し手段と、コレット軸の軸線上のチューブ
   受取位置に搬送され、その受取位置へ前記チューブ取外
   し手段が移動した際にこのチューブ取外し手段に保持さ
   れた繊維巻取済チューブを保持する第１チューブ受取手
   段と、第１チューブ受取手段を搬送する第１搬送手段
   と、前記第１チューブ受取手段とは別に設けられた空チ
   ューブを保持する第２受取手段と、前記第１搬送手段と
   は別に設けられた第２受取手段を搬送する第２搬送手段
   と、前記枠体に前記チューブ取外し手段とは別に設けら
   れ、前記チューブ受取位置とは異なる位置で前記第２受
   取手段に保持された空チューブを前記コレットへの嵌合
   方向へ案内可能に保持するチューブ供給手段とを備えて
   いることを特徴とする繊維巻取用チューブの交換装置。