JP2549500B2 - 花の搬送容器 - Google Patents

花の搬送容器

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JP2549500B2
JP2549500B2 JP6268777A JP26877794A JP2549500B2 JP 2549500 B2 JP2549500 B2 JP 2549500B2 JP 6268777 A JP6268777 A JP 6268777A JP 26877794 A JP26877794 A JP 26877794A JP 2549500 B2 JP2549500 B2 JP 2549500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菊やチューリップのよ
うな切花をまとめて搬送する容器に関し、詳しくは、中
間部に使用される段ボール紙製の筒状体とこれの下の容
器本体及び上の蓋体との連結を安定化させ、搬送におい
て問題が生じるのを回避し、特に、筒状体を容器本体に
挿着しながら花の収納を楽におこなえ、そのうえ、使用
後には廃棄される筒状体の製作を容易にして、コストが
高くなるのを回避しようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、花の搬送容器としては、図6に示
す特開平1−124588号公報のように、上中下に三
分割された構成になっている。即ち、底板1を備えて上
方が開口する容器本体2aと、容器本体2aと略等しい
水平断面形状で容器本体2aの上縁部に重ねられる筒状
箱体3aと、筒状箱体3aの上部の開口を閉塞する蓋体
4aとから構成されている。そして、上記容器本体2a
と蓋体4aとが合成樹脂製で、上記筒状箱体3aが例え
ば段ボール紙のような厚紙製とされ、これらを組み立て
られた後、内部に花を装填して、例えば飛行機便などで
搬送し、そして、梱包が解かれて市場に出荷された後、
厚紙製の筒状箱体3aを廃棄し、合成樹脂製の容器本体
2aと蓋体4aとを返送し、再使用するなどされている
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、図6に示すよ
うに、厚紙製の筒状箱体3aの下縁部は、容器本体2a
の上縁部に形成された段部bに載置され、そして、容器
本体2a側に形成された突部cを筒状箱体3aの切欠き
dに挿通させて抜止めを図り、また、筒状箱体3aの上
縁部は、合成樹脂製の蓋体4aの舌片eと垂下縁fとで
挟持されて組み立てられるのである。ところが、このよ
うな構成のものにおいては、厚紙で形成されている筒状
箱体3aと容器本体2a及び蓋体4aとの連結が不安定
となり、全周にわたるように梱包テープを掛ける以前に
おいてその連結が外れやすく、その取扱いが面倒にな
り、しかも、厚紙で製作された筒状箱体3aは、一枚物
の厚紙の両端を連結鋲で連結するなどの作業を要し、使
用後には廃棄する筒状箱体3aに無駄な手数と手段をか
けることになり、コスト高となるものである。そのう
え、筒状箱体3aを容器本体2aに載設した後、その内
に花を収納するのに、切花の長さに加えて切花を筒状箱
体3aよりも高く持ち上げなければならず、その作業性
が低くなるなどという問題があった。
【0004】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、段ボール紙が備
えている良さを活かしながら、中間部に使用される段ボ
ール紙製の筒状体と容器本体及び蓋体との連結を安定化
させ、搬送時に中間の筒状体と容器本体及び蓋体との連
結が外れるのを回避し、搬送中のトラブルを回避し、か
つ、花の収納に際して、高く持ち上げなくても楽におこ
なえ、しかも、使用後には廃棄される筒状体をことさら
筒状形状に形成するということを回避し、コストが高く
なるのを回避することができる花の搬送容器を提供しよ
うとするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1においては、底
板1を備えて上方が拡開して開口する合成樹脂製の容器
本体2と、容器本体2の上縁部に重ねられる筒状体3
と、筒状体3の上部の開口を閉塞する蓋体4とから形成
され、上記筒状体3は段ボール紙から構成され、容器本
体2の上縁部には、筒状体3の下縁を挿合することがで
きる差込み溝5が全周に形成され、容器本体2及び筒状
体3は水平断面形状が四角形に形成され、容器本体2の
一側面の上縁部には、その両端部において差込み溝5の
溝外側壁6が各々切除されて切除部8が形成されて成る
ことを特徴とするものである。
【0006】請求項2においては、蓋体4の周部に、筒
状体3の上縁部を挿合する挿合溝7を形成して成ること
を特徴とするものである。
【0007】
【作用】請求項1においては、中間部に使用される筒状
体3は段ボール紙製であって、通気性と衝撃緩和性が高
くそしてコストが低廉であるとの良さを活かしながら、
筒状体3の下縁部はその全周において容器本体2の差込
み溝5に挿入保持されて、容器本体2と筒状体3との連
結を安定的におこなう。取扱い及び搬送において両者間
の連結が外れることがなく、搬送中にトラブルが生じる
のを回避する。筒状体3の全周を差込み溝5に挿入する
ことで、両端を接続鋲で接続しないでも筒形状を維持す
る。従来のように、一枚物の厚紙の両端を接続鋲で接続
するような製作作業を回避する。コストを下げる。花の
搬送容器Aは平面から見ると四角形となり、花の搬送容
器Aを当接させて縦横に並べるのに、花の搬送容器A,
A間に隙間が生じることがなく、デッドスペースを生じ
させることがない。四角形の一側面における差込み溝5
を形成する溝外側壁6がその両端部において各々切除さ
れて、この切除部8,8において長尺の段ボール紙Pの
両端部を花の搬送容器Aの外部に突出させて、四角形の
筒状の一側面を開放する。この開放された箇所から切花
を楽に容器本体内に収納させる。切花の収納に際して従
来のように切花を高く持ち上げることなく楽に切花の装
填をおこなう。使用前及び使用後の容器本体2の洗浄や
切花への散水に際して、差込み溝5に滞留した洗浄水は
切除部8から容易に流失させる。切花の収納後には、突
出した段ボール紙部分を折り曲げて、差込み溝5に挿入
することで、筒状体3の筒形状を維持して、筒状体3の
取扱いが容易になる。容器本体2は上方が拡開して合成
樹脂製であり、保管時や不要返却時において、上下に積
重ねて嵩低くでき、薬液洗浄などして繰り返して使用で
き、しかも、鉢物花木の搬送にも利用できる。
【0008】請求項2においては、筒状体3の上縁部が
その全周において蓋体4の挿合溝7に保持され、筒状体
3の形状の維持を強固におこなう。花の搬送容器Aの搬
送中において筒状体3から蓋体4が不測に外れるような
ことがない。搬送中にトラブルが生じるのを回避する。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述す
る。花の搬送容器Aは、上中下に三分割されている。即
ち、底板1を備えて上方が開口する容器本体2と、容器
本体2の上縁部に重ねられる筒状体3と、筒状体3の上
部の開口を閉塞する蓋体4とから構成されている。そし
て、筒状体3は段ボール紙Pから形成され、容器本体2
及び蓋体4は合成樹脂の成形品である。しかして、容器
本体2の上に筒状体3を載設し、切花をこれらの内部に
収納し、筒状体3の上縁に蓋体4を載設して閉塞して、
花の搬送容器Aが組立てられ、例えば、ポリプロピレン
(図示せず)のテープを巻回して梱包一体化され、例え
ば、飛行機便などにて搬送されるのである。
【0010】容器本体2、筒状体3及び蓋体4は平面か
ら見て四角形に形成され、花の搬送容器Aを当接させて
縦横に並べるのに、花の搬送容器A,A間に隙間が生じ
ることがなく、デッドスペースを生じさせることがない
ようにしてある。以下各構成部材を詳述する。容器本体
2は平面から見て四角形であり、その下方程細くなるよ
うにしてある。また、容器本体2の内底面には、切花を
装填した際、茎下端部が横ずれしないように、例えば縦
横にリブ(図示せず)を形成してもよい。そして、容器
本体2の上縁部には、全周にわたって溝外側壁6と溝内
側壁14が起立されて筒状体3の下縁を挿合することが
できる差込み溝5が形成されている。溝外側壁6は溝内
側壁14よりも低くなっている。この差込み溝5は、段
ボール紙Pを二枚挿入できる程度の幅に形成されてい
る。容器本体2の側壁上部には通気孔10が形成され、
また、把手部11が形成されている。
【0011】中間部に使用される筒状体3は段ボール紙
P製であって、通気性と耐衝撃性とが高くてコストが低
廉であるとの良さを活かしている。この筒状体3は段ボ
ール紙Pの一枚物で、その両端は始めから接続されてい
るのではなく、端部が重ねられて筒形状になされ、必要
に応じて接着テープなどで止められるものである。そし
て、蓋体4の下面には全周にわたって挿合溝7が形成さ
れている。挿合溝7の外壁15は全周に存在するが、内
壁16は部分的に存在する。このような挿合溝7の形態
は種々設計変更可能である。蓋体4には多数の通気口1
2が形成され、蓋体4の四隅には、支持体13が平面か
ら見てL字型になるように起立されている。しかして、
花の搬送容器Aを上下に積み重ねるのに、容器本体2の
四隅部の下面を蓋体4の四隅の受面9に載設するのであ
る。この場合、四隅の支持体13の内周面に容器本体2
の下部の四隅部の周面が接触または僅かの隙間が形成さ
れて対向し、上下の花の搬送容器A,Aを水平方向にが
たつきなく積み重ねることができるようにしてある。図
中17は補強リブである。
【0012】また、容器本体2の一側面(実施例では正
面)の上縁部においては、その両端部において差込み溝
5を形成する溝外側壁6が各々切除されて切除部8が形
成されている。そして、切除部8における溝外側壁6は
円弧状に形成されていて、コーナ部における強度を高め
ている。切除部8は容器本体2の背面側に形成しておい
てもよい。
【0013】しかして、切花の収納に際して、まず、一
枚の帯状の段ボール紙Pが略コ字形に折り曲げられて、
容器本体2の三辺において段ボール紙Pの下縁部を容器
本体2の差込み溝5に挿入保持する。この場合、挿合溝
7の溝内側壁14は溝外側壁6よりも充分に低くて、段
ボール紙Pの装填が容易で、しかも装填後には、高い溝
内側壁14が保持ガイドとなって、段ボール紙Pの安定
保持がしやすく、また、切除部8の深さも浅くできてよ
い。そして、段ボール紙Pの両端部Pa,Pbは、溝外
側壁6の切除部8,8から容器本体2の外部に突出して
いて(図1(b)参照)、四角形となる筒状体3の筒状
の一側面を開放していて、この開放された箇所から切花
を楽に容器本体2内に収納させるのである。このよう
に、切花の収納に際して従来のように切花を高く持ち上
げることなく楽に切花の収納をおこなうのである。そし
て、切花の収納後には、突出した段ボール紙部分Paを
折り曲げて、差込み溝5に挿入し、筒状体3を筒形状に
維持するのである。このように、容器本体2と筒状体3
とは、その全周において差込み溝5への差し込みによ
り、両者の連結を安定的におこない、取扱い及び搬送に
おいて両者間の連結が外れることがなく、搬送中にトラ
ブルが生じるのを回避するのである。そして、蓋体4
は、その全周にわたる挿合溝7が筒状体3の上縁部に係
合して保持され、筒状体3の形状の維持を強固におこな
うのである。しかして、この点においても、花の搬送容
器Aの搬送中において筒状体3から蓋体4が不測に外れ
るようなことがなく、搬送中にトラブルが生じるのを回
避するのである。
【0014】
【発明の効果】請求項1においては、底板を備えて上方
が拡開して開口する合成樹脂製の容器本体と、容器本体
の上縁部に重ねられる筒状体と、筒状体の上部の開口を
閉塞する蓋体とから構成され、上記筒状体は段ボール紙
から形成され、容器本体の上縁部には、筒状体の下縁を
挿合することができる差込み溝が全周に形成されている
から、中間部に使用される筒状体は段ボール紙製であっ
て、通気性と衝撃緩和性が高くそしてコストが低廉であ
るとの良さを活かしながら、筒状体の下縁部はその全周
において容器本体の差込み溝に挿入保持され、容器本体
と筒状体との連結を安定的におこなえ、取扱い及び搬送
において両者間の連結が外れることがなく、搬送中にト
ラブルが生じるのを回避でき、しかも、筒状体の全周を
差込み溝に挿入するから、両端を接続鋲で接続しないで
も筒形状を維持でき、従来のように、一枚物の厚紙の両
端を接続鋲で接続するような製作作業を回避でき、コス
トを下げることができるという利点がある。そして、容
器本体及び筒状体は水平断面形状が四角形に形成され、
容器本体の一側面の上縁部には、その両端部において差
込み溝を形成する溝外側壁が各々切除されて切除部が形
成されているから、花の搬送容器は平面から見ると四角
形となり、花の搬送容器を当接させて縦横に並べるの
に、花の搬送容器間に隙間が生じることがなく、デッド
スペースを生じさせることがないものでありながら、四
角形の一側面における差込み溝を形成する溝外側壁がそ
の両端部において各々切除されて、この切除部において
長尺の段ボール紙の両端部を切花の搬送容器の外部に突
出させて、四角形の筒状の一側面を開放することがで
き、この開放された箇所から切花を楽に容器本体内に収
納させることができ、切花の収納に際して従来のように
切花を高く持ち上げることなく楽に切花の装填がおこな
えるという利点がある。更に、使用前及び使用後の容器
本体の洗浄や切花への散水に際して、差込み溝に滞留し
た洗浄水は切除部から容易に流失させることができると
いう利点がある。そして、切花の収納後には、突出した
段ボール紙部分を折り曲げて、差込み溝に挿入すること
で、筒状体の筒形状を維持でき、筒状体の取扱いが容易
になるという利点がある。また、容器本体は上方が拡開
して合成樹脂製であるから、保管時や不要返却時におい
て、上下に積重ねて嵩低くでき、薬液洗浄などして繰り
返して使用でき、しかも、鉢物花木の搬送にも利用でき
るという利点がある。
【0015】請求項2においては、蓋体の周部に、筒状
体の上縁部を挿合する挿合溝を形成してあるから、筒状
体の上縁部がその全周において蓋体の挿合溝に保持さ
れ、筒状体の形状の維持を強固におこなえ、花の搬送容
器の搬送中において筒状体から蓋体が不測に外れるよう
なことがなく、搬送中にトラブルが生じるのを回避する
ことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、(a)は分解斜視
図、(b)(c)は作用を説明する概略平面図である。
【図2】(a)(b)は同上の容器本体の正面図、平面
図である。
【図3】(a)は同上の容器本体の底面図、(b)は側
面図、(c)は部分断面図である。
【図4】(a)は同上の蓋体の平面図、(b)は側面図
である。
【図5】(a)は同上の蓋体の底面図、(b)(c)は
断面図である。
【図6】従来例を示し、(a)は分解斜視図、(b)は
組み立て状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 底板 2 容器本体 3 筒状体 4 蓋体 5 差込み溝 6 溝外側壁 7 挿合溝 8 切除部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板を備えて上方が拡開して開口する合
    成樹脂製の容器本体と、容器本体の上縁部に重ねられる
    筒状体と、筒状体の上部の開口を閉塞する蓋体とから構
    成され、上記筒状体は段ボール紙から形成され、容器本
    体の上縁部には、筒状体の下縁を挿合することができる
    差込み溝が全周に形成され、容器本体及び筒状体は水平
    断面形状が四角形に形成され、容器本体の一側面の上縁
    部には、その両端部において差込み溝の溝外側壁が各々
    切除されて切除部が形成されて成ることを特徴とする請
    求項1記載の花の搬送容器。
  2. 【請求項2】 蓋体の周部に、筒状体の上縁部を挿合す
    る挿合溝を形成して成ることを特徴とする請求項1記載
    の花の搬送容器。
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