JP2549107B2 - 指紋照合における補正照合と二次再照合の方法 - Google Patents

指紋照合における補正照合と二次再照合の方法

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JP2549107B2
JP2549107B2 JP62042702A JP4270287A JP2549107B2 JP 2549107 B2 JP2549107 B2 JP 2549107B2 JP 62042702 A JP62042702 A JP 62042702A JP 4270287 A JP4270287 A JP 4270287A JP 2549107 B2 JP2549107 B2 JP 2549107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はフィンガー・キー(指紋照合による鍵)に
用いられる指紋照合方法に関するもので、扉開閉用やIC
カード、キャッシュカード等に代わって本人識別に適す
るものである。
(発明の概要) この発明は2つの指紋画像を照合してその同一性を識
別する方法において、まず指紋画像を撮像する時の指の
押し具合によって生じる画像歪を修正して照合する適正
照合と、次に別の位置で切り出した照合用画像による照
合率を対比して自他の指紋の分離判別する二次再照合方
法の2つの手法に関し、本人指紋の識別度向上を図るも
のである。指紋照合は、その指紋の代表的紋様部分を切
り出した照合用画像を用い、2値化画像の全面照合を行
なう。効率的に照合点を自動追尾する手法を用いて両画
像の照合一致点が探索されるが、一致点に到達しても画
像歪が大きいと同一指紋の場合でも、その照合率が合格
点(本人と判定できる実用基準値)に達しないことがあ
る。この場合両画像を4つの小サイズに分割して各小画
像毎に照合一致点を探査し、各小画像毎の最高照合率を
加算し4で割った平均値を補正照合率として両画像の同
一性を判定する。さらに、この補正照合率が実用基準値
に達しない場合は、撮像用画像の残りの部分から新たに
別の照合用画像を切り出して再照合を行ない、この照合
率が補正照合率に比べて大きく低下する他人指紋を排除
した新しい実用基準値によって両画像の同一性を新ため
て再判定する。
(従来の技術) 暗証番号や印鑑に代わる本人識別の手段として指紋を
用いることが考がえられている。
指紋照合の情報を一致点探索を含めて全面照合するの
は膨大な処理量となってしまうので小型CPUで実用的最
短時間で実現するのは従来困難と考えられていた。従っ
て、通常は指紋の特徴点のみを抽出し特徴点間のパター
ン比較で両画像の照合を行なっている。
この点、指紋の代表的部分を近似中心点法によって切
り出し、この照合用切出し画像の近似中心点を出発点と
して方向を予測しながら照合一致点を探索する手法を用
いることにより、信頼性の高い全面照合を用いて実用的
短時間でしかも小型CPUで実現できることを既に出願人
が先の出願で提案した。
しかし、指紋画像を撮像する場合どうしても指の押し
具合等によって画像歪が生じるので同一画像を再現する
のが難しい。従ってたとえ本人指紋であっても本心と判
定できるほど高い照合率が得られない場合がある。一
方、他人指紋でも部分的な類似指紋によって、比較的高
い照合率を示すことがあり、どうしても自他の指紋判別
ができない境界領域が多少残ってしまう欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は全面照合を用いた指紋照合方法において、
本人指紋の照合率改善に効果の大きい画像歪の修正と、
自他の指紋判別に有効な二次再照合による対比によっ
て、より正確な照合を目指すものである。すなわち、画
像歪を修正する補正照合方法を用いることにより、従
来、境界領域にあった指紋の内、特に本人指紋分を上方
修正し、判定を可能にすると同時に、別位置で切り出す
二次照合用画像による再照合の対比によって、特に他人
指紋を下方修正し、自他の指紋判別が不可能であった境
界領域の大部分を解消することでシステムの識別率を改
善し、信頼性と実用化の向上をめざすものである。
(実施例) この発明に用いられる指紋は約13mm×10mmの大きさで
撮像され、256×192ビット(0.05mm/ビット)で2値化
されメモリーに記憶される。
この中で、照合用に用いられる照合画像のサイズは96
×96ビット(約5mm2であり、上記指紋の代表的部分(例
えば、渦状紋の中心近傍)から抽出される。この大きさ
な指紋の代表的紋様部分を表わすのに十分なサイズであ
って、しかも類似の他人指紋を分類判別するにも十分な
サイズであることは、この発明に関して後述する実験の
結果から確認されている。
この発明は2つの指紋画像の同一性を識別する方法と
して、登録されたマスター画像と新たに入力したサンプ
ル画像を全面照合している。すなわち、2値化した両画
像の0と1の数列をそのまま除算して照合率を求めてい
る。
そのため撮像位置(アドレス)が任意にずれている両
画像の照合一致点をどうしても探索する必要がある。こ
の発明は、この照合一致点探索のための出発点として、
先に出願した照合用画像を切り出すための近似中心点を
用いている。
すなわち、撮像された指紋画像についてXY軸別に隆線
本数/単位を読取り、その変化分を解析して両軸別に密
度分布が一定値を越える範囲の平均アドレスを求め、こ
れを近似中心点と定義したものである。また実際に2つ
の指紋画像を照合する際、この近似中心点を出発点とし
て照合作業を開始し、その周辺に少しずつ照合基準点を
移動して探索範囲を拡げながら最終的に照合一致点に到
達するという、先に出願した照合点自動追尾方法によっ
てその間の照合試行回数(時間)を大幅に短縮してい
る。この探索中に80%以上の照合率を示す点が存在すれ
ば本人であると判定されて照合処理は終了する。
なお、照合一致点探索の方法は他の方法(例えば、端
から探索する方法)を用いてもよい。
2つの画像を多数例配合した実用化テストによって、
照合率の分布は第1図に実線で示す分布の如くなること
が確かめられている。すなわち、本人指紋の場合、照合
率70〜96%の発生回数が全回数の95%を占める。一方、
他人指紋の場合では照合率が70%を越える発生回数は全
回数のわずか0.1%未満である。この結果から、照合率8
0%を実用基準値(照合率80%以上を本人と判定する基
準)と定めているが、この実用基準値では他人指紋を誤
認することなく、十分本人であるとの判定がなされる。
しかしながら、その識別率は全回数の75%にとどまって
いる。
すなわち、今までの照合結果(一次照合)では4回に
1回の割合で80%以上の照合率を示す照合一致点が存在
しない場合がある。この場合は、本人である確率が第1
図からみて高いが、指紋を撮像する時の指の押し具合等
によって生じる画像歪等が原因となって画像が整合しな
い場合である。さらに問題なのは、第1図において自他
の照合率分布が重なる範囲、すなわち、本人指紋の場合
の照合率70数%以下と、他人指紋の場合の照合率60%以
上は、今までの一次照合では自他の判別が全くできない
境界領域(判別不可域と定義する)となることである。
この発明では、一次照合の最高照合率が60%以上で80
%の実用基準値以下の場合、まず補正照合を行ない、さ
らに、この補正照合率が80%の実用基準値に達しない場
合、引き続いて二次の再照合を行なっている。
第2図に、この補正照合の実施例を示す。一次照合に
おける最高照合率での照合用画像(96×96ビット)を4
つの小画像(48×48ビット)に分割し、各面の副照合率
PA、PB、PC、PDを求める。次いで各小画像を周囲数ビッ
ト内の範囲で照合基準点を移動し、その内で最高の副照
合率PA′、PB′、PC′、PD′を示す点を見つけ出し、こ
れらの値から平均値(補正照合率と定義する)P′=
(PA′+PB′+PC′+PD′)/4を算出する。
まず、一次照合率Pと補正照合率P′を比較すると、
本人の場合、大多数の指紋は約10%強P′が高くなり一
方、他人指紋では、たかだか2〜3%程度しか高くなら
ない。第1図に点線で画いた照合率分布は全例題を用い
た補正照合の結果を示している。すなわち、本人の場合
P′=80%以上の補正照合率となる発生回数が全回数の
84%を越えることが確認された。これは本人指紋である
にもかかわらず一次照合のPが判別不可域にあったもの
を含めて補正照合によって上方修正され、本人識別率を
10%近く改善したことに相当する。
なお、他人指紋による補正照合結果からは最高のP′
=72%が1例あるにとどまった。
次に、各面の副照合率PA…PDと最高副照合率PA′…P
D′を対比すると、本人指紋の場合PA…PDの低かった面
ほど改善が大きく、結果的にPA′≒PB′≒PC′≒PD′と
ほぼ同一レベルに近付く。一方、他人指紋では各面の最
高副照合率にバラツキが大きく一部の面がよくなるだけ
で他の面は殆ど改善されないことが確かめられた。これ
は他人指紋の場合、照合用画像全面での画像歪(指紋面
の伸び)に対する補正効果が少なく、むしろ、一部の面
(副照合サイズ程度の大きさ)のみが特にマスター画像
に類似していたことを裏付けている。この副照合率の解
析から補正照合による改善後も、なお判別不可域にあっ
たものの内、自他の指紋をより明確に分離判別する方法
は容易に見出せた。すなわち、この方法を二次再照合と
定義し、前述の如く補正照合によって求めたP′が、な
お80%未満の場合、第3図の如く一時照合域に隣接する
部分から二次照合域を選び新たに画像を抽出し再照合を
行なっている。なお例題は二次再照合のための画像(96
×96ビッド)を一時照合域の中心(最高照合率点)より
X軸は96ビット、Y軸は48ビット離れた点を中心に切り
出した場合の位置関係を示している。
二次再照合のプロセスは前述の補正照合と同じ手法に
よって4つの小画像毎の最高副照合率を平均して二次照
合率P″を算出する。
当然ながら本人指紋の場合照合サイズや照合用画像の
切出し位置に関係なく照合一致点では一定の照合率が得
られる。しかしながら、他人指紋の場合ある部分で類似
していても例えばその部分から離れるに従って全く異な
る紋様となり、二次再照合によって大部分の他人指紋
は、その二次照合率P″が補正照合率P′に比べて大き
く低下するはずである。第1図と同一例題について、補
正照合率P′が60%以上のものを二次再照合した結果は
他人指紋の場合全例題ともP″が5〜10%低下し、例題
のうち最高の二次照合率は63%にとどまった。一方、本
人指紋の場合はP″≒P′と殆ど同一レベルの二次照合
率が得られ、特に補正照合率P′が70%以上の例題では
90%以上が同一レベルとなることが確認された。これは
補正照合を実施した後で、なお判別不可域であった自他
の指紋の大部分を分離判別できることとなる。この結
果、二次照合率P″=72%を二次実用基準値(二次照合
率72%以上を本人と判定する新しい基準)とすることが
可能となり、この二次実用基準値を適用すると最終の本
人識別率は約97%と大幅に向上した。この発明による2
つの照合方法の判定および識別率を要約すると、一次照
合の結果最終の最高照合率が60%以上で80%以下の場
合、まず補正照合を行ない補正照合率80%以上の場合本
人であるとの判定をする。次いで残りのものを二次再照
合にかけ、二次照合率72%以上の場合本人であると判定
する。逆に、補正照合率が70%前後あったにもかかわら
ず二次照合率が60%以下に低下した場合は他人であると
判定してほぼ間違いない。一方、本人指紋の識別率は一
次照合で全体の75%が本人と判定されていたが、補正照
合で84%に改善され、二次再照合で約97%までが識別可
能となった。結局、判別不明のものは残り3%未満とな
る。この判別不明のケースは画像歪などとは別の要因が
想定されるが、一応、被験者に二次照合率60%以下(他
人と判定した指紋)を除いて再度押捺し指紋撮像をやり
直す方法をとっている。
(発明の効果) この発明の指紋照合における補正照合方法と二次再照
合方法の結果は以下の通りである。
(1)指紋照合を本人識別に用いる場合、指紋撮像の再
現性にはどうしても限界がある。指の押し具合等によっ
て画像歪が生じるため、マスター画像とサンプル画像の
照合一致点といっても画像歪からくる画像の狂いはどう
しても残っている。そのため照合率が低下してしまうこ
とは全面照合における避け難い宿命であった。すなわ
ち、照合用画像の部分面での微小な位置ずれを補正する
方法が従来なかったので、全面照合方法の信頼性そのも
のをも低下させていた。
この発明はその画像歪を小部分に分解して照合一致点
を各小部分で合わせるという巧妙な補正方法で解決した
ものである。
この結果、全面照合による指紋照合において判別不可
域のうち本人指紋であったもののかなりの部分を解消す
ることに成功した。
(2)本来、部分面の類似した他人指紋で一次照合率が
比較的高いものは本人指紋との判別が不可能であった。
この発明は、撮像用画像のうち一次照合域に隣接する部
分から抽出した二次の照合用画像を用いて再照合をする
ことにより本人は全ての指紋面で同一紋様、他人では異
種紋様という基本的特性を利用した再チェック法を確立
したものである。この二次再照合を用いることにより判
別不可域のうち他人指紋であったものの大部分が排除さ
れたため、二次実用基準値の適用を可能とし、結果的に
本人識別率の大幅向上に成功した。さらに、この二次再
照合に関する解析は照合用画像が96×96バットの切出し
画像で実用化が十分可能であることを裏付けたといえ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は照合率分布、第2図は補正照合の実施例、第3
図は一次照合と二次再照合の照合域の位置関連を示す例
題。 PA〜PD……副照合率、PA′〜PD′……最高副照合率、P
……一次照合率、P′……補正照合率、P″……二次照
合率。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 入江 弘巳 東村山市諏訪町2丁目11番14号 (72)発明者 入江 弘巳 東村山市諏訪町2丁目11番14号 (72)発明者 中畑 市雄 伊勢原市高森5丁目7番504号 (72)発明者 浅羽 泰之 相模原市清新1丁目6番20号 (72)発明者 佐々木 道郎 町田市金森1736−3番地

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスターの指紋画像とサンプル指紋画像を
    照合一致点において照合してその同一性を識別する方法
    において、画像を少なくとも4つの小画像に分割し各画
    像について、別々に照合一致点探索を行ない、小画像毎
    の最高照合率の平均値(補正照合率)から両画像の一
    致、不一致の判定をすることを特長とする指紋照合方
    法。
  2. 【請求項2】補正照合率がなお合格点に達しない場合、
    この照合用画像に隣接する二次照合用画像を別に切り出
    し二次再照合を行なうことによって、両画像の一致、不
    一致を判定することを特長とする特許請求の範囲第1項
    記載の指紋照合方法。
JP62042702A 1987-02-27 1987-02-27 指紋照合における補正照合と二次再照合の方法 Expired - Lifetime JP2549107B2 (ja)

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KR100439891B1 (ko) * 2002-07-02 2004-07-12 구홍식 생체정보를 이용한 인증 방법
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