JP2548142B2 - 混合装置 - Google Patents

混合装置

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JP2548142B2
JP2548142B2 JP61272518A JP27251886A JP2548142B2 JP 2548142 B2 JP2548142 B2 JP 2548142B2 JP 61272518 A JP61272518 A JP 61272518A JP 27251886 A JP27251886 A JP 27251886A JP 2548142 B2 JP2548142 B2 JP 2548142B2
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孝夫 井上
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は混合装置に関し、特に流体軸受を用いた混合
装置に関する。
従来の技術 従来、情報機器や光ディスク、半導体等の製造工程に
おいて、各種材料を混合するのに用いられている混合装
置は、第5図に示すようなものが一般的である。この混
合装置は、混合容器31内にA材料とB材料を供給し、混
合容器31内に配設された撹拌翼32で撹拌混合するように
構成されており、前記撹拌翼32を取り付けた回転軸33
は、混合容器31の上壁34の貫通部に配置された球体や軸
受メタルを用いた軸受部35で回転自在に支持されてい
る。
発明が解決しようとする問題点 ところで、上記のような半導体等の製造工程では混合
物中への不純物の混入は絶対に防止しなければならな
い。そのため、軸受部35に潤滑油やグリース等を用いる
ことができず、その結果軸受部35での固体接触によりゴ
ミ等が発生し易くなり、発生したゴミ等が混合容器31内
に落下して混合物中に混入するという問題があった。ま
た、軸受部35から液漏れを生じ、材料の特性劣化を来す
虞れがあり、さらに混合物が硬化性を有する場合、軸受
部35で硬化する虞れもある等の問題があった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので
あって、軸受部でゴミ等が発生して混合物中に不純物が
混入するというような虞れがなく、また軸受部からの液
漏れもなく、さらに混合物が硬化性である場合にも軸受
部で混合物が硬化するというような不都合が生じない混
合装置を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため、混合用の回転軸の
軸受部に流体軸受を配設し、混合される材料の中の一方
の液の少なくとも主成分を軸受流体として前記流体軸受
に供給する手段を設け、前記流体軸受は、回転軸に嵌合
する軸受孔と、この軸受孔の内周面に対向する回転軸の
外周面に互いに反対方向に傾斜しかつ軸方向に間隔を設
けて形成された第1と第2の傾斜溝と、これら第1と第
2の傾斜溝の間に軸受流体を供給する流体通路とを備
え、前記第1の傾斜溝は、前記回転軸が回転したとき溝
内の軸受流体を前記流体通路形成側に押し下げる方向に
傾斜して形成され、前記第2の傾斜溝は軸受流体を前記
流体通路形成側に押し上げる方向に傾斜して形成されて
いること特徴とするものである。第2の本発明は混合筒
内に回転軸を嵌合状態で挿通し、この回転軸の外周面
に、始端が混合筒の中間部に位置し、終端が回転軸の先
端で開放された1条以上のねじ状溝を形成し、前記回転
軸外周面のねじ状溝の始端部近傍位置に、混合される材
料をそれぞれ供給する手段を設け、前記回転軸の前記ね
じ状溝の始端部に隣り合う部分に、軸受流体の一部を前
記ねじ状溝の始端部側に流出させる流体軸受を配設する
とともに、混合される材料の中の一方の液の少なくとも
主成分を軸受流体として前記流体軸受に供給する手段を
設けたことを特徴とするものである。
作用 本発明の上記構成によれば、回転軸の軸受部に流体軸
受を用いているため、軸受部における固体接触によるゴ
ミ等の発生がなく、しかもその軸受流体として、混合さ
れる材料の中の一方の液の少なくとも主成分を用いてい
るので、軸受部からその軸受流体が漏れても不純物が混
入するということはなく、また流体軸受を用いているこ
とにより軸受部からの液漏れは生じず、さらに混合物が
硬化性であっても流体軸受には一方の液だけが充満して
いるので、軸受部で硬化するというようなこともない。
また、第2の本発明によれば、回転軸の外周面に形成
されたねじ状溝とその始端部に混合される材料を供給す
る手段とから成り、ねじ状溝内に交互に材料をかき取っ
て混合するようにした混合装置において、回転軸の軸受
部に流体軸受を用いたことにより上記と同様にゴミ等の
混入の虞れがなく、また軸受部からの液漏れの虞れもな
く、さらに軸受流体の一部がねじ状溝の始端部側に向か
って流れるため、軸受部だけでなく、ねじ状溝の始端部
で混合物が滞留して硬化する可能性も無くすことができ
る。
実施例 以下、本発明の実施例について、第1図〜第4図を参
照しながら説明する。
本発明の第1実施例を示す第1図及び第2図におい
て、1は混合容器であり、その上部両側に配設された供
給管2、3からそれぞれ混合物の材料であるA液とB液
が供給されるように構成されている。4は混合容器1内
に配置された撹拌翼であり、混合容器1の上壁5を貫通
する回転軸6の下端部に取付けられている。この回転軸
6の前記上壁5の貫通部に、回転軸6を回転自在に支持
する流体軸受7が配設されている。この流体軸受7は、
前記回転軸6に微少隙間をあけて嵌合するように前記上
壁5に形成された軸受孔8と、この軸受孔8の内周面に
対向する回転軸6の外周面に互いに反対方向に傾斜しか
つ軸方向に間隔を設けて形成された第1と第2の傾斜溝
9a、9b及び第2の傾斜溝9bに連続するとともに反対方向
に傾斜する第3の傾斜溝9cとからなる傾斜溝群9と、前
記第1と第2の傾斜溝9a、9bの間に軸受流体を供給する
流体通路10とから構成されている。そして、この流体通
路10に前記A液の供給管2が連通され、A液の一部が流
体軸受7に供給されるように構成されている。11は混合
容器1の下端に配設された混合液の排出口である。
前記第1の傾斜溝9aは、回転軸6が矢印方向に回転し
たとき、溝内のA液を下方に押し下げる方向に傾斜して
形成され、第2の傾斜溝9bは反対にA液を押し上げる方
向に傾斜して形成されており、かつ第1の傾斜溝9aの長
さaが第2の傾斜溝9bの長さbよりも長く設定されてい
ることによって、これらの間にA液が保持されるととも
に、A液が上方に漏れることなく下方に流出するように
構成されている。又、第3の傾斜溝9cは流出したA液を
下方に押し出す作用をする。尚、各傾斜溝9a、9b、9cは
好適には周方向に5本以上形成される。
以上の構成において、供給管2、3からそれぞれ混合
すべきA液とB液を供給しながら、図示しない駆動手段
にて回転軸6を回転させると、撹拌翼4にてA液とB液
が撹拌混合される。その際前記回転軸6はA液の一部を
軸受流体とする流体軸受7にて軸受孔8と固体接触する
ことなく回転自在に支持される。また、流体軸受7から
流出した軸受流体としてのA液はそのまま混合容器1内
に入って混合されるが、不純物が混入するというような
ことはない。尚、この実施例の構成においては、軸受流
体としてのA液が上方に液漏れせずしかも混合容器1内
への流出も極力少なくなるようにして、流体軸受7内に
封入保護されるようにするのが好ましい。
次に、第3図及び第4図を参照しながら本発明の第2
実施例を説明する。この実施例における混合装置12は、
混合筒13内に回転軸14が嵌合状態で挿通させて構成され
ている。この回転軸14の外周面には、始端15aが混合筒1
3の中間部に位置し、終端15bが回転軸14の先端で開放さ
れた1条以上のねじ状溝15が形成されている。一方、混
合筒13には、前記回転軸14の外周面の前記ねじ状溝15の
始端部15aに混合すべきA液とB液をそれぞれ供給する
ように供給通路16、17が形成されている。そして、前記
回転軸14の前記ねじ状溝15の始端部15aに隣り合う部分
には流体軸受18が配設されている。この流体軸受18に
は、混合される材料の一方であるA液の一部が軸受流体
供給通路19を介して供給されるように構成されている。
また、前記流体軸受18は、その軸受流体の一部を前記ね
じ状溝15の始端部15a側に積極的に流出させるように構
成されている。
前記流体軸受18においては、第4図に詳細に示すよう
に、回転軸14の外周面に2つの傾斜溝群20及び21が形成
されている。第1の傾斜溝群20は、上記第1実施例の場
合と同様である。第2の傾斜溝群21は、上部に回転軸14
の回転に伴って軸受流体を押し下げる第1の傾斜溝21a
が形成され、その下部に連続して軸受流体を押し上げる
第2の傾斜溝21bが形成され、その下方に間隔をあけて
軸受流体を下方に押し下げる第3の傾斜溝21cが形成さ
れている。そして、第1の傾斜溝群20における第1の傾
斜溝20aの長さaが第2の傾斜溝20bの長さbよりも長
く、また第2の傾斜溝群21における第1の傾斜溝21aの
長さcが第2の傾斜溝の長さdよりも長く設定され、軸
受流体が徐々にねじ状溝15の始端部15a側に流出するよ
うに構成されている。尚、前記軸受流体供給通路19は、
第1の傾斜溝群20の第1傾斜溝20aの下端と第2の傾斜
溝群21の上端との間の区間D内に開口すればよい。
以上の構成によれば、回転軸14の外周面に形成された
ねじ状溝15の始端部15aにて供給通路16、17から供給さ
れたA液とB液を交互にかき取ってねじ状溝15内に取り
込むことによってA液とB液を精密に混合することがで
きるのである。そして、このような混合装置12におい
て、回転軸14の軸受部に流体軸受18を用いたことにより
第1実施例と同様にゴミ等の混入の虞れがなく、また軸
受部からの液漏れの虞れもなく、さらに軸受流体の一部
がねじ状溝15の始端部15a側に流出するため、ねじ状溝1
5の始端部15aで混合物が滞留して硬化するというような
ことも確実に防止することができるのである。
尚、傾斜溝による軸受流体の押し上げ又は押し下げ力
は、回転軸心に対する傾斜角が大きい程強く、長さが長
い程強く、断面積が小さい程強く、ピッチが小さい程強
く、溝深さが浅い程強くなる傾向があり、傾斜溝の形
状、数、配置等は必要な軸受特性、軸受流体の粘性等に
対応して適宜設計される。
又、混合される材料はすべて液体である必要はなく、
粉体と液体の混合等、少なくとも一種が液体であればよ
い。又、混合される材料の数は3以上でもよい。さら
に、混合される一方の材料の主成分を軸受流体として用
いることもできる。
発明の効果 本発明の混合装置によれば、以上のように回転軸の軸
受部に流体軸受を用いているため、軸受部における固体
接触によるゴミ等の発生がなく、しかもその軸受流体と
して、混合される材料の中の一方の液の少なくとも主成
分を用いているので、軸受部からその軸受流体が漏れて
も不純物が混入するということはなく、またこのような
流体軸受を用いていることにより軸受部から外部への液
漏れは生じず、さらに混合物が硬化性であっても流体軸
受には一方の液だけが充満しているので、軸受部で硬化
するというようなこともない。
また、第2の本発明によれば、回転軸の外周面に形成
されたねじ状溝と、ねじ状溝の始端部に混合される材料
を供給する手段とから成り、ねじ状溝内に交互に材料を
かき取って混合するようにした精密混合が可能な混合装
置において、回転軸の軸受部に流体軸受を用いたことに
よって上記と同様にゴミ等の混入や液漏れの虞れがない
ばかりでなく、軸受流体の一部がねじ状溝の始端部側に
向かって流れるため、ねじ状溝の始端部で混合物が滞留
して硬化するのを確実に防止できる等、大なる効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の概略構成図、第2図は同
流体軸受の詳細図、第3図は本発明の第2実施例の概略
構成を示す縦断面図、第4図は同流体軸受を構成する傾
斜溝群の配置説明図、第5図は従来例の概略構成図であ
る。 1……混合容器 2、3……供給管 6、14……回転軸 7、18……流体軸受 8……軸受孔 9a、9b、9c……傾斜溝 10……流体通路 13……混合筒 15……ねじ状溝 15a……始端部 16、17……供給通路 19……軸受流体供給通路 20a、20b、20c……傾斜溝 21a、21b、21c……傾斜溝。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合用の回転軸の軸受部に流体軸受を配設
    し、混合される材料の中の一方の液の少なくとも主成分
    を軸受流体として前記流体軸受に供給する手段を設け、
    前記流体軸受は、回転軸に嵌合する軸受孔と、この軸受
    孔の内周面に対向する回転軸の外周面に互いに反対方向
    に傾斜しかつ軸方向に間隔を設けて形成された第1と第
    2の傾斜溝と、これら第1と第2の傾斜溝の間に軸受流
    体を供給する流体通路とを備え、前記第1の傾斜溝は、
    前記回転軸が回転したとき、溝内の軸受流体を前記流体
    通路形成側に押し下げる方向に傾斜して形成され、前記
    第2の傾斜溝は軸受流体を前記液体通路形成側に押し上
    げる方向に傾斜して形成されていることを特徴とする混
    合装置。
  2. 【請求項2】混合筒内に回転軸を嵌合状態で挿通し、こ
    の回転軸の外周面に、始端が混合筒の中間部に位置し、
    終端が回転軸の先端で開放された1条以上のねじ状溝を
    形成し、前記回転軸外周面のねじ状溝の始端部近傍位置
    に、混合される材料をそれぞれ供給する手段を設け、前
    記回転軸の前記ねじ状溝の始端部に隣合う部分に、軸受
    流体の一部を前記ねじ状溝の始端部側に流出させる流体
    軸受を配設するとともに、混合される材料の中の一方の
    液の少なくとも主成分を軸受流体として前記流体軸受に
    供給する手段を設けたことを特徴とする混合装置。
  3. 【請求項3】流体軸受は、回転時の外周面に互いに反対
    方向に傾斜しかつ軸方向に、間隔を設けて形成された第
    1と第2の傾斜溝をそれぞれ有する第1と第2の傾斜溝
    群と、これら第1と第2の傾斜溝群の間に軸受流体を供
    給する流体通路とを備え、前記第1と第2の傾斜溝の
    内、軸受流体をねじ状溝側に押し出す傾斜溝が長く形成
    されている特許請求の範囲第2項記載の混合装置。
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