JP2547796B2 - ケーブル活線劣化診断装置 - Google Patents

ケーブル活線劣化診断装置

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JP2547796B2 JP62285863A JP28586387A JP2547796B2 JP 2547796 B2 JP2547796 B2 JP 2547796B2 JP 62285863 A JP62285863 A JP 62285863A JP 28586387 A JP28586387 A JP 28586387A JP 2547796 B2 JP2547796 B2 JP 2547796B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ケーブルの劣化を活線下で測定診断するた
めのケーブル活線劣化診断装置に関する。
従来技術及びその問題点 従来、ケーブルの劣化を診断する方法としては、直流
もれ電流、又はtanδを測定する方法が知られている。
特に、tanδ測定法は、活線下でケーブルの容量分C及
び抵抗分rに流れる電流の比率1/ωCrを測定するもので
ある。この方法では、ケーブルが全体に渡って一様に絶
縁劣化している場合は検出できるが、ケーブルが局所的
に絶縁劣化している場合にはその劣化の存在を検出する
ことが困難であった。
従って、本発明の目的は、ケーブルが局所的に劣化し
ている場合でもその劣化を検出し診断することができる
ケーブル活線劣化診断装置を提供することである。
問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本発明の劣化診断装置
は、ケーブルに流れる電流、即ちケーブルの抵抗成分を
流れるところの印加交流電圧と同相の同相電流と、ケー
ブルの容量成分を流れるところの交流電圧より90゜位相
が進んだ進相電流との内、その容量成分による進相電流
を消去して同相電流のみを検出するようにしてその抵抗
成分の大きさを測定し、これによってケーブルの劣化診
断を行う。
要約すると、本発明のケーブル活線劣化診断装置は、
第1端子及び第2端子を有していて電源電流を供給する
交流電源と、第1回路部と、第2回路部と、相殺手段
と、及び指示手段とを備えている。
第1回路部は、前記電源の前記第1端子と前記第2端
子との間に接続されていて、前記ケーブルの心線と遮蔽
との間の抵抗成分及び容量成分の並列接続を含んでお
り、かつ回路内に第1接続点を有しており、又前記第1
回路部は、前記電源電流と同相の第1同相電流による第
1電圧成分と及び前記電源電流に対し進相した第2進相
電流による第2電圧成分とを前記第1接続点に発生す
る。
前記第2回路部は、前記電源の前記第1端子と前記第
2端子との間に接続されていて、回路内に第2接続点を
有しており、前記第1進相電流と実質上同相の第2進相
電流を形成して該第2進相電流による可変の第3電圧を
前記第2接続点に発生する。
前記相殺手段は、前記第1接続点と前記第2接続点と
の間の電位差が最小となるように前記第3電圧の大きさ
を調節し、それによって前記第1進相電流による前記第
2電圧成分を前記第2進相電流による前記第3電圧で相
殺して前記第1電圧のみを検出できるようにする。前記
指示手段は、前記電位差が最小の時の前記電位差に応答
して前記ケーブルの前記抵抗成分の大きさに関係した信
号を発生する。
本発明の1実施例においては、前記第1回路部は、前
記心線が前記電源の前記第1端子に接続され前記遮蔽が
前記第1接続点に接続された前記ケーブルと、及び第1
抵抗性手段とから成り、この第1抵抗性手段は、前記第
1接続点と前記第2端子との間に接続されていて、前記
第1電圧成分及び前記第2電圧成分を前記第1接続点に
発生する。又、前記第2回路部は、前記電源の前記第1
端子と前記第2接続点との間に接続されていて前記第2
進相電流を発生する容量性手段と、及び前記第2接続点
と前記電源の前記第2端子との間に接続されていて前記
第2接続点に前記可変の第3電圧を発生する第2可変抵
抗性手段と、から成っている。前記相殺手段は、前記第
2可変抵抗性手段を調節する手段と、及び前記第1接続
点と前記第2接続点との間の前記電位差を示す手段と、
を備えている。
本発明の1実施例においては、前記電源の前記第1端
子が接地されている。一方、本発明の別の実施例におい
ては、前記電源の前記第2端子が接地されており、そし
て必要に応じてワグナー接地回路を有している。
作用 本発明のケーブル活線劣化診断装置は、ケーブルを流
れる電流の内比較的大きな割合を占める進相電流を相殺
して小さな割合(正常なケーブルの場合、0.1%以下)
の同相電流のみを検出するよう作用し、従ってケーブル
の絶縁抵抗の変化をより精密に測定することができる。
実施例 第1図は、本発明のケーブル活線劣化診断装置の1実
施例の回路図である。被測定ケーブルの心線と遮蔽との
間の絶縁抵抗及び絶縁容量の等価回路CBは、図示のよう
に抵抗成分rx及び容量成分Cxの並列接続として表せ
る。本診断装置は、非接地端子10と接地端子12を有する
交流電源Eを有しており、この電源Eは実線路の商用交
流電源である。上記の第1回路部として、本装置は、非
接地端子10と接地との間に直列接続されたケーブル等価
回路CBと既知の抵抗値の抵抗器Rを有している。この抵
抗器Rは、ケーブルの遮蔽と接地との間に接続され、そ
のケーブルとの接続点が第1接続点14となる。
本装置は、上記第2回路部として、同じく電源Eの非
接地端子10と接地との間に直列接続された標準コンデン
サC0と可変抵抗器R1とを有しており、それらの間の接続
点は、第2接続点16である。標準コンデンサC0は、ケー
ブルの容量成分Cxと同程度の容量、例えば500−1000pF
以上の容量を持っているのが好ましい。可変抵抗器R1
は、上記相殺手段の1部分も成しており、この相殺手段
は、これの外に第1接続点14と第2接続点16との間に接
続された電圧計Vを備えている。電圧計Vは、また上記
の指示手段をも構成している。この電圧計の入力インピ
ーダンスは、1012オーム程度が必要である。
次に、測定動作について説明する。最初に、ケーブル
に運転電圧を印加している状態で、標準コンデンサC0
可変抵抗器R1、電圧計V、及び抵抗器Rを第1図の残り
の回路部分に接続する。これによって、抵抗成分rxを
通る電源Eと同相の同相電流i1と、容量成分Cxを通る電
源電圧から90゜位相の進んだ進相電流i2とが抵抗器Rに
流れる。このとき、第1接続点14には、それら電流i1、
i2の大きさに応じた電圧が発生される。又、進相電流i2
と同相の進相電流i3が標準コンデンサC0によって発生さ
れそれが可変抵抗器R1を流れ、それによって第2接続点
に電流i3の大きさに応じた電圧が発生される。
次に、可変抵抗器R1を調節して、電圧計の指示が最小
となるようにする。即ち、第1接続点14と第2接続点16
との間の電位差が最小となる時、これはi2=i3を意味し
ている。これによって、電圧計Vは、同相電流i1による
電圧のみを検出することができ、その最小電位差は次式
のようになる。
Vmin≒E・R/rx この式において、EとRが既知であるため、抵抗成分
rxの抵抗値を知ることができる。このrxの抵抗値の大
きさ及びその変化の度合いによってケーブルの劣化の程
度を診断することができる。
第2図は、第2の実施例の回路図を示すものである。
第1図の回路と異なっている点は、交流電源Eの非接地
端子10と接地との間に、第1回路部と第2回路部が反転
して接続されている点だけである。この第2図の診断装
置によっても、第1図と同様な測定を行うことができ
る。
次に、第3図の示す本発明の第3の実施例について説
明する。この回路は、第1図の回路にワグナー接地回路
を付加したものであり、これは、ケーブルの容量成分Cx
の容量が小さい場合に抵抗器Rが大となって浮遊容量
c′の影響が出てくる場合に使用される。ワグナー接地
回路は、図示のように、ケーブルを囲むように設けられ
たガード電極18と、このガード電極と接地との間に接続
された可変抵抗器20とから成る。本回路による測定は、
スイッチSをa側に倒し、可変抵抗器20を調節して電圧
計Vの指示が最小となるようにし、次いでスイッチSを
b側に倒し、可変抵抗器R1を調節し、電圧計Vの指示が
最小になるようにすればよい。
効果 以上に説明した本発明のケーブル活線劣化診断装置に
よれば、ケーブルの抵抗成分のみを検出することができ
るため、従来のtanδ法(ケーブルの容量成分と抵抗成
分に流れる電流の比率を測定)と比べ、ケーブルの局所
的な劣化を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のケーブル活線劣化診断装置の第1の
実施例の回路図。 第2図は、本発明の第2の実施例の回路図。 第3図は、本発明の第3の実施例の回路図。 (符号説明) E:交流電源、CB:ケーブルの等価回路、rx:ケーブルの
抵抗成分、Cx:ケーブルの容量成分、R:抵抗器、C0:標準
コンデンサ、R1:可変抵抗器、V:電圧計、c′:浮遊容
量、10:非接地端子、12:接地端子、14:第1接続点、16:
第2接続点、18:ガード電極、20:可変抵抗器

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーブルの劣化を活線下で診断するケーブ
    ル活線劣化診断装置が、 イ) 第1端子及び第2端子を有していて電源電流を供
    給する交流電源、 ロ) 該電源の前記第1端子と前記第2端子との間に接
    続された第1回路部であって、該第1回路部は、前記ケ
    ーブルの心線と遮蔽との間の抵抗成分及び容量成分の並
    列接続を含んでおり、かつ回路内に第1接続点を有して
    おり、前記第1回路部は、前記電源電流と同相の第1同
    相電流による第1電圧成分と及び前記電源電流に対し進
    相した第2進相電流による第2電圧成分とを前記第1接
    続点に発生すること、 ハ) 前記電源の前記第1端子と前記第2端子との間に
    接続された第2回路部であって、該回路部は、回路内に
    第2接続点を有しており、前記第1進相電流と実質上同
    相の第2進相電流を形成して該第2進相電流による可変
    の第3電圧を前記第2接続点に発生すること、 ニ) 前記第1接続点と前記第2接続点との間の電位差
    が最小となるように前記第3電圧の大きさを調節するた
    めの相殺手段であって、それによって前記第1進相電流
    による前記第2電圧成分を前記第2進相電流による前記
    第3電圧で相殺して前記第1電圧のみを検出できるよう
    にすること、 ホ) 前記電位差が最小の時の前記電位差に応答して前
    記ケーブルの前記抵抗成分の大きさに関係した信号を発
    生する指示手段、 から成るケーブル活線劣化診断装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、前記第1回路部が、 イ) 前記心線が前記電源の前記第1端子に接続され前
    記遮蔽が前記第1接続点に接続された前記ケーブル、 ロ) 前記第1接続点と前記第2端子との間に接続され
    ており、前記第1電圧成分及び前記第2電圧成分を前記
    第1接続点に発生する第1抵抗性手段、 を含むこと、を特徴とするケーブル活線劣化診断装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、前記第2回路部が イ) 前記電源の前記第1端子と前記第2接続点との間
    に接続されており、前記第2進相電流を発生する容量性
    手段、 ロ) 前記第2接続点と前記電源の前記第2端子との間
    に接続されており、前記第2接続点に前記可変の第3電
    圧を発生する第2可変抵抗性手段、 を含むこと、を特徴とするケーブル活線劣化診断装置
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、前記相殺手段が イ) 前記第2可変抵抗性手段を調節する手段と、 ロ) 前記第1接続点と前記第2接続点との間の前記電
    位差を示す手段と、 を含むこと、を特徴とするケーブル活線劣化診断装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第4項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、前記電源の前記第1端子が接地
    されていること、を特徴とするケーブル活線劣化診断装
    置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第4項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、前記電源の前記第2端子が接地
    されていること、を特徴とするケーブル活線劣化診断装
    置。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項記載のケーブル活線
    劣化診断装置において、ワグナー接地回路を有するこ
    と、を特徴とするケーブル活線劣化診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003156551A (ja) * 2001-09-06 2003-05-30 Sumitomo Metal Ind Ltd 容量計の校正方法、校正用標準容量ボックス、静電容量の測定方法、容量測定用ボックス及び容量計

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JP2003156551A (ja) * 2001-09-06 2003-05-30 Sumitomo Metal Ind Ltd 容量計の校正方法、校正用標準容量ボックス、静電容量の測定方法、容量測定用ボックス及び容量計

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