JP2547700Y2 - 葉書内蔵封書 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、返信用の葉書を内蔵した封書に関し、特
に、前記葉書をそこに記載した隠蔽すべき情報（以下、
隠蔽情報という）を隠蔽した状態で返信できる封書に関
する。

従来の技術 従来、相手方に葉書を購入する等の経済的負担をかけ
ず、相手からの返信を希望する場合には、往復葉書を利
用したり、封書内に通常の葉書を同封するのが一般的で
ある。

考案が解決しようとする課題 ところが、従来において、相手方が返信内容を他人に
知られたくないと欲した場合には、返信用の葉書は使用
できず、封書で返信しなければならないという不都合が
ある。

本考案はこのような不都合を解消した葉書内蔵封書を
提供することを目的とする。課題を解決するための手段 この目的を達成するために本考案は、周縁が互いに綴
じ合わされた封筒上紙と封筒下紙とからなる封書内に場
合によっては適宜な情報を表示した紙片とともに、少な
くとも１枚の葉書片が、例えば、切り用ミシン目の外側
を接着剤で綴じ合わせることによって、分離可能に綴じ
合わされ、前記葉書片には隠蔽すべき情報を記載する隠
蔽情報記載部と、この隠蔽情報記載部に重ね合わせて隠
蔽情報を隠蔽する隠蔽部が設けられてなり、前記隠蔽部
の隠蔽情報記載部との重ね合わせ対向面には、剥離可能
に接着するための接着構造、例えば、剥離可能な程度に
接着力の弱い粘着剤が塗布された構造、を剥離紙で被覆
してなるものである。

作用 葉書内蔵封書は、例えば、綴じ合わせ部分の内側に設
けた切り用ミシン目から切り取ることによって、封筒上
紙と封筒下紙とに綴じ合わされていた葉書片を分離し、
封書内から取り出すことができる。前記葉書片の隠蔽情
報記載部に所定の隠蔽情報を記載した後、前記隠蔽情報
記載部に対して剥離紙を剥がした隠蔽部を剥離可能に接
着し、前記隠蔽情報を被覆隠蔽した状態で、通常の葉書
と同様に投函する。この葉書を受け取ったものは、隠蔽
部を剥離すれば、隠蔽されていた隠蔽情報記載部の隠蔽
情報を視認することができる。

実施例 以下、本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。

ここにおいて、第１図は葉書内蔵封書の概略的な端面
図、第２図（ａ）〜（ｄ）は綴じ合わせ前状態における
葉書内蔵封書の各構成紙片の上面側を示す平面図、第３
図は葉書片の下面側を示す平面図、第４図は最上位に重
ね合わせた控片に宛名表示を印字した状態を示す平面
図、第５図は葉書片の隠蔽情報記載部に隠蔽情報を記載
して隠蔽部で被覆隠蔽した状態を示す端面図、第６図は
隠蔽部を剥離した状態を示す平面図である。

第１図に示すように、横長の長方形状に形成された葉
書内蔵封書１は、下から封筒下紙片２、葉書片３、封筒
上紙片４、控片５が順次重ね合わされたうえ、横方向両
端に沿つて設けた切り用ミシン目6,7,8,9の外側で接着
剤10により綴じ合わされている。また、前期封筒下紙片
２と封筒上紙片４とは、図示していないが、天地方向端
に沿った部分でも接着剤により綴じ合わされている。こ
の綴じ合わせ前状態にあっては、第２図に示すように、
前記封筒下紙片２、前記葉書片３、前記封筒上紙片４、
前記控片５の各切り用ミシン目6,7,8,9の外側に、切り
用ミシン目11,12,13,14を境にしてマージナル孔15が等
間隔に穿設されたマージナル部16が設けられており、こ
れらマージナル部16は、連続状態にある前記各片2,3,4,
5を移送しながら重ね合わせ、綴じ合わせた後に、前記
各切り用ミシン目11,12,13,14から破断除去される。

この連続状態での移送時に、例えばコンピュータに連
繋された適宜なプリンタによって可変情報等の必要事項
が最上位に重ねられた控片５に印字され、後述する複写
構造を備えることによって、所定部分に複写印字され
る。そして、各片2,3,4,5の綴じ合わせ後に、単位片毎
に切断されて葉書内蔵封書１となるものである。第２図
（ｃ）及び第１図で明らかなように、葉書片３における
切り用ミシン目７よりも内側部分の天地方向の長さは、
他の封筒下紙片２、封筒上紙片４、控片５よりも短く構
成されており、また、マージナル部16は、同図上左側端
にのみ設けられている。このため、前記葉書片３は、前
記封筒下紙片２と前記封筒上紙片４との天地方向端の綴
じ合わせを阻害せず、封書内に綴じ合わされ、また、上
述した移送時において、葉書片３のみが片側移送される
ものである。

続いて、葉書内蔵封書１を構成する各片2,3,4,5につ
いてより詳細に説明する。

第１図及び第２図（ａ）に示すように、控片５の上面
には、左右の切り用ミシン目９間をほぼ三等分した中央
部に預金残高確認控欄17が設けられ、また、その左側部
分は宛名表示控欄18が設けられている。前記預金残高確
認控欄17は金額記入部17aと氏名記入部17bとを有してい
る。そして、前記控片５の下面には、同じく切り用ミシ
ン目９間をほぼ三等分した左側部分、すなわち前記宛名
表示控欄18の対応部分にカーボン複写構造19が設けられ
ている。

第１図及び第２図（ｂ）に示すように、封筒上紙４の
上面には、左右の切り用ミシン目８間をほぼ三等分した
左側部分にあたる、控片５のカーボン複写構造19に対向
する部分に宛名表示部20が設けられ、また、その前述の
如く三等分した右側部分の下部には差出人表示21があら
かじめ印刷されている。したがって、前記控片５の宛名
表示控欄18に宛名を印字すると、同一内容が前記宛名表
示部20に複写印字されるものである。さらに、前記封筒
上紙４の下面には、同じく切り用ミシン目８間をほぼ三
等分した中央部分にカーボン複写構造22が設けられてい
る。

第１図及び第２図（ｃ）に示すように、葉書片３の上
面には、左右の切り用ミシン目７間をほぼ三等分した左
側部分に、「預金残高確認のお願い」なる標題の下に説
明文23があらかじめ印刷されている。また、前記上面の
同じく切り用ミシン目７間をほぼ三等分した中央部分に
あたる、封筒上紙４のカーボン複写構造22に対向する部
分に、金額記入部24aと氏名記入部24bとを有する隠蔽情
報記載部たる預金残高確認欄24が設けられている。した
がって、控片５の預金残高確認控欄17の金額記入部17a
と氏名記入部17bとに、それぞれ隠蔽すべき情報である
預金残高と氏名とを印字すると、同一内容が前記金額記
入部24aと氏名記入部24bとに複写印字されるものであ
る。さらに、葉書片３の上面の切り用ミシン目７間をほ
ぼ三等分した折り用ミシン目25を境とした右側部分に
は、前記預金残高確認欄24に対して剥離可能に接着する
ための接着構造を剥離紙26で被覆してなる隠蔽部27が設
けられている。

前記接着構造は、第１図で明らかなように、不完全な
溶着等の手段により互いに剥離可能に擬似的に接着され
た２枚の合成樹脂製の透明フィルム28,29の一方の透明
フィルム29が、粘着剤30によって葉書片３に剥離不能に
接着され、他方の透明フィルム28の上面には粘着剤31が
塗布されてなり、この粘着剤31が剥離紙26で被覆されて
いるものである。前記剥離紙26には、その剥離を容易に
するためにスリット30が設けられている。

第３図に示すように、葉書片３の下面には、折り用ミ
シン目25からマージナル部16側、すなわち隠蔽部27を除
いた部分に、返信時の宛名表示33があらかじめ印刷され
ている。

第１図及び第２図（ｄ）に示すように、封筒下紙片２
には、上下両面ともに、上述した以外の特別な表示や他
の構成は付加されてはいない。

次に、本実施例の使用法について説明する。

まず、互いに重ねられて綴じ合わされ、未だ連続状態
にある葉書内蔵封書１を移送しながら、コンピュータに
連繋された適宜なプリンタで、控片５の宛名表示控欄18
に宛名表示34を印字し、預金残高記載控欄17の金額記入
部17aと氏名記入部17bとにそれぞれ預金残高表示35と氏
名表示36とを印字する（第４図参照）と、各複写構造1
9,20によって、同一内容の宛名が封筒上紙４の宛名表示
部20に複写印字され（図示せず）、また、同じく同一内
容の預金残高表示37及び氏名表示38が葉書片３の金額記
入部24a及び氏名記入部24bに複写印字される（第６図参
照）。この状態で控片５を切り用ミシン目９から切り離
すと、葉書内蔵封書１は投函可能となる。

葉書内蔵封書１を受け取った宛名人は、接着剤10によ
る綴じ部分の内側に設けた各切り用ミシン目6,7,8を破
断すると、封筒上紙４、葉書片３及び封筒下紙２は分離
された状態となり、前記葉書片３を取り出すことができ
る。宛名人は説明文23を読み、複写印字された預金残高
表示37及び氏名表示38を確認したうえ、捺印する。そし
て、隠蔽部27の剥離紙26をスリット32から剥がし、粘着
剤31を露出させて、折り用ミシン目25から預金残高記載
欄24に対して折り重ねると、第５図に示すように、隠蔽
部27は前記粘着剤31によって前記預金残高記載欄24に接
着され、前記預金残高記載欄24は前記隠蔽部27により被
覆隠蔽される。したがって、前記預金残高記載欄24に複
写印字された預金残高表示37、氏名表示38あるいは捺印
された印影は、外部から視認不能となる。この状態で葉
書片３は、通常の葉書と同様に投函可能となる。

この葉書を受領した葉書内蔵封書１の差出人が、隠蔽
部27を捲り上げると、各透明フィルム28,29の接着面が
剥離され、第６図図示状態となる。したがって、被覆隠
蔽されていた預金残高表示37及び氏名表示38は前記透明
フィルム28を透して視認可能となる。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるものでは
なく、例えば、隠蔽部27の剥離可能な接着構造は、剥離
可能な程度に接着力の弱い粘着剤を塗布する一方、これ
を剥離紙で被覆した構成であってもよい。また、控片５
は必ずしも設ける必要はない。さらに、隠蔽すべき情報
は預金残高表示35,37に限らず種々の選択可能である。
さらにまた、葉書片３は１枚に限らないとともに、他の
適宜な情報を記載した紙片とともに封書に内蔵してもよ
いものである。またさらに、切り用ミシン目6,7,8を設
ける位置は、葉書片３の綴じ合わせ部分に応じて設定さ
れるものであり、３辺縁に沿ったり、４周縁に沿う等適
宜設定される。

効果 以上説明したように、本考案によれば、隠蔽部を備え
た葉書を封書内に分離可能に綴じ合わせることによっ
て、封書を使用しなくても、隠蔽すべき情報を被覆隠蔽
した状態で返信することができ、封書に比べて返信事務
が簡便であり、また経済的負担も少なくて済むという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示し、第１図は葉書内蔵封
書の概略的な端面図、第２図（ａ）〜（ｄ）は綴じ合わ
せ前状態における葉書内蔵封書の各構成紙片の上面側を
示す平面図、第３図は葉書片の下面側を示す平面図、第
４図は最上位に重ね合わせた控片に宛名表示を印字した
状態を示す平面図、第５図は葉書片の隠蔽情報記載部に
隠蔽情報を記載して隠蔽部で被覆隠蔽した状態を示す端
面図、第６図は隠蔽部を剥離した状態を示す平面図であ
る。 １……葉書内蔵封書 ２……封筒下紙 ３……葉書片 ４……封筒上紙 ５……控片 6,7,8,9……切り用ミシン目 10……接着剤 19……複写構造 20……宛名表示部 22……複写構造 24……預金残高記載欄 25……折り用ミシン目 26……剥離紙 27……隠蔽部 28,29……透明フィルム 30,31……粘着剤 37……預金残高表示 38……氏名表示

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周縁が互いに綴じ合わされてなる封筒上紙
   と封筒下紙とからなる封筒内に少なくとも１枚の葉書片
   が切取り部を境に綴じ合わされ、前記葉書片には、隠蔽
   すべき情報を記載する隠蔽情報記載部と、この隠蔽情報
   記載部上に重ね合わせて隠蔽情報を隠蔽するための隠蔽
   部が設けられてなり、前記隠蔽部の隠蔽情報記載部に重
   ね合わされる重ね合わせ面には、透視可能なフィルムを
   剥離可能に接着するとともにこのフィルム上面に粘着剤
   を設けてなる接着構造、または接着力の弱い剥離可能な
   粘着剤を設けてなる接着構造、のいずれかの接着構造を
   設け、前記接着構造の粘着剤が剥離紙で被覆されてなる
   ことを特徴とする葉書内蔵封書。