JP2547071B2 - 穀粒の改質方法 - Google Patents

穀粒の改質方法

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JP2547071B2 JP63129542A JP12954288A JP2547071B2 JP 2547071 B2 JP2547071 B2 JP 2547071B2 JP 63129542 A JP63129542 A JP 63129542A JP 12954288 A JP12954288 A JP 12954288A JP 2547071 B2 JP2547071 B2 JP 2547071B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、米,麦等の穀粒の改質方法に関し、詳しく
は、米,麦等の穀粒の煮炊に要する調理時間を短縮ため
に、米,麦等の穀粒を改質して吸水性を向上させる方法
に関する。
〔従来の技術〕
例えば、米飯は通常精白米を炊飯して得ているが調理
に約1時間要する。即ち、常法によれば、精白米を水洗
し、かつ吸水処理に20〜30分、炊飯処理に20〜30分、さ
らに若干の蒸らし処理時間が必要である。
このため、食する人が短時間で米飯を得ることができ
るように、例えば、予め炊飯した米、即ち、米飯を、レ
トルト,熱風乾燥あるいは凍結乾燥等により処理したイ
ンスタントライスが開発され、市販されている。また、
精白米を蒸煮した後に乾燥処理したα化米や、精白米を
高温,高圧の水蒸気で処理し、常温,常圧下に放出する
ことにより膨化させたパフドライスと呼ばれる製品が知
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕 上述のように、従来は、米飯あるいは米飯に近い状態
に加工処理して、食する時における調理時間の短縮を図
ったものであって、精白米自体を改質して炊飯時間の短
縮を図ったものではない。
しかも、α化米の場合は、米粒組織がガラス化してい
るため、吸水性が悪く、実質上炊飯時間が長くかかるこ
とは知られており、また、パフドライスの場合は、米粒
組織が極度に破壊されているため水中で崩壊し易く、通
常の米飯としての食感が得られない。
さらに、精白米を高熱,急冷の繰返し処理をすること
により、米粒にヒビ割れを生ぜしめ、吸水性をよくして
調理時間の短縮化を図る方法も提案されているが、これ
も水中で崩壊し易く、不満足なものである。
このように、澱粉含有穀粒、例えば、米を常法によっ
て米飯とする場合における煮炊に要する調理時間の短縮
化と、それにもかかわらず、米飯特有の食感と香りを保
持するためには、米飯組織を破壊させずに、多孔質であ
り、加えて澱粉が適度にα化されていることが望まし
い。
本発明は、このようなことから、米,麦等の穀粒の組
織を破壊することなく、吸水性をよくすると共に含有澱
粉が適度にα化するよう改質処理することによって、煮
炊に要する調理時間を著しく短縮化できる穀粒の改質方
法の提供を目的としたものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の望ましい条件を満たす技術手段
を種々考究した結果、米,麦等の澱粉含有穀類を加水し
た後、これを高圧ガスの存在下適度にα化される温度ま
で加温することにより穀粒内部が多孔質状になり極めて
吸水性に富む製品に改質されることを見出した。この知
見は、上述の従来の処理手段とは異なる技術的思想に基
づくものである。
本発明は、20〜30%の水分を含有した米,麦等の澱粉
含有穀粒を、二酸化炭素,窒素,アルゴン,ヘリウムあ
るいは空気の高圧ガス中で加熱処理した後、常温,常圧
下に放出し、ついで乾燥処理することを特徴とする穀粒
の改質方法である。また、加熱処理温度が40〜150℃で
あること、及び加熱処理圧力が100〜500barであること
が好適である。
そして、このような方法により、米,麦等の澱粉含有
穀粒の内部が、多孔質状に形成され、かつ適度にα化さ
れた穀粒に改質される。
〔実施例〕
以下に、本発明の穀粒の改質方法について、精白米
(以下、白米という。)を使用した実施例によって説明
する。
白米は、通常約10〜15%の水分を有するが、この水分
を約20〜35%になるよう調整する。水分の調整手段は白
米を水洗,浸漬あるいは白米に水を均一に噴霧する等任
意であり、水に界面活性剤,エタノール等を混合し、浸
透性を速めてもよい。
このように所望の水分含有量に調整された白米を、第
1図に示す耐圧容器1に充填した後、該容器1内にガ
ス、例えば二酸化炭素を導入する。
ボンベ2内の二酸化炭素は、ポンプ4で昇圧された
後、熱交換器3で40〜150℃の範囲に加熱されて耐圧容
器1内に圧入される。なお図中5は圧力調整弁、6は圧
力計、7はガス放出弁であり、又耐圧容器1の外周には
ヒータ8が取付けられてある。
耐圧容器1内の充填白米は、以上の操作により数十分
〜数時間の所望時間加熱処理されるが、本発明者等の知
見によると、二酸化炭素を使用した場合、処理温度は50
〜100℃、処理圧力は100〜500barであることが望まし
い。
これは、処理白米中の澱粉の糊化温度以上とすること
と、高圧→減圧による膨化の関係および熱伝導率による
実用性の要因からである。従って、加熱処理を効率的に
行なうことから、所定の圧力、温度を保持し乍ら二酸化
炭素を耐圧容器1中を通過させてもよいし、耐圧容器1
内に攪拌手段を設けてもよい。
以上の加熱処理を所定時間行なった後、ガス放出弁7
より、耐圧容器1内のガスを放出し、該容器1内を大気
圧まで減圧して、充填白米を取出し、ついで水分が15%
以下になるよう乾燥処理を行なう。
乾燥処理は、熱風乾燥等任意であり、これにより、米
粒が団塊状になることなく、外観がもち米のような乳白
色を呈した多孔質の白米が得られる。
このように本発明方法によって多孔質が形成されるの
は、比較的低水分下で澱粉が加熱されるため、澱粉粒ど
うしの粘着,結合が抑制されること、高圧から減圧され
る際の膨化との相乗によるものと考えられる。
本発明方法で製造される白米は吸水が極めて速やかで
あり、吸水率30%に達するためには、1分以下の時間を
要するにすぎない。一方、無処理白米の吸水率を20%に
するためには20分間を要し、吸水率30%にするために
は、さらに数10時間が必要である。
以上のように本処理米は実質上、水洗,浸漬が不要で
あり、加水後、直ちに炊飯,ボイル等の加熱処理が可能
である。しかも、固い芯が残ることがなく、また糠臭も
除去された、食感に優れた白飯とすることができる。
本処理米は、家庭においては通常のご飯,おかゆ,ぞ
うすい、産業においてはインスタント食品,ベビーフー
ド等の加工品原料としても種々の用途に供給することが
できる。さらに本処理白米はα化処理されているため、
アミラーゼで加水分解が可能であり、加熱処理すること
なくそのまま、醗酵用原料として使用することもでき
る。
なお、この改質処理に利用できる高圧のガスは二酸化
炭素が適しているが、改質装置の設計上の変更により、
アルゴン,ヘリウム,窒素,空気等も使用することが可
能であるし、処理対象物は、白米に限定されるものでは
なく、玄米,大麦,小麦等の麦類、そば,とうもろこし
などの穀粒あるいは粉末,澱粉粒,生麺等の多孔質化に
も応用可能である。
実験例 昭和62年新潟県産精米歩合91%コシヒカリ300gに水60
gを均一に噴霧し、圧力200bar,温度70℃で1時間加熱処
理を行なったのち、水分が15%になるまで、ドライヤで
乾燥した。これにより299gの純白の改質処理米を得た。
この処理米について、かさ比重、α化度、脂肪、吸水性
を調べた結果を次表及び第2図に示す。
次いで、上記処理米60gを茶碗にいれ、これに水90gを
加え、ラップフィルムをかけ、直ちに電子レンジで3分
間加熱したところ、芯がないふっくらした、ごはんを得
ることができた。
また、上記処理米30gを、100gの沸騰水中で5分間加
熱したところ、芯のないおかゆとなった。
〔発明の効果〕
本発明は、以上に詳述した通り、20〜30%の水分を含
有した米,麦等の澱粉含有穀粒を、高圧ガスの存在下で
加熱処理した後、減圧,乾燥することにより、穀粒の内
部が多孔質状に改質された穀粒となるから、吸水速度が
顕著に増大し、煮炊に要する調理時間を大幅に短縮でき
る。しかも糠臭が除去されるので水洗処理が省略でき
る。
又、従来の如くひび割れ等、組織の破壊をもたらすも
のではないので、水中での崩壊等の不都合はなく、常法
によって調理されたものと同様の食感が得られる。
次にアミラーゼにより加水分解が可能であるので、加
熱処理することなく醗酵用原料として使用できる。更に
は、操作条件により脂肪の除去がコントロールできるの
で、所望の脂肪含有量に調整したものが得られ、これは
貯蔵および低カロリー製品としての効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の改質方法を実施するための装置の系統
図、第2図は本発明の改質方法によって処理された処理
米と未処理米の吸水率を示すグラフ図である。 1……耐圧容器、2……ボンベ、3……熱交換器 4……ポンプ、5……圧力調整弁、6……圧力計 7……ガス放出弁、8……ヒータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】20〜30%の水分を含有した米,麦等の澱粉
    含有穀粒を、二酸化炭素,窒素,アルゴン,ヘリウムあ
    るいは空気の高圧ガス中で加熱処理した後、常温,常圧
    下に放出し、ついで乾燥処理することを特徴とする穀粒
    の改質方法。
  2. 【請求項2】加熱処理温度が40〜150℃であることを特
    徴とする請求項1記載の穀粒の改質方法。
  3. 【請求項3】加熱処理圧力が100〜500barであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の穀粒の改質方法。
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