JP2546869Y2 - 大開口部の開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建物に設けられる大開
口部の開閉装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術及び考案が解決しようとする課題】一般に、
建物の開口部には、該開口部の開閉を行うための開閉装
置が設けられている。ところで、建物の側壁部に垂直の
開口部を開設した場合、この垂直開口部の高さは、その
建物の高さによつて制限を受けることになるが、クレー
ンを用いて運んだ荷物をそのまま開口部から建物内部に
運び入れるような場合、開口部の高さが低いと建物内に
クレーンのアームが入ることができず、このため一旦開
口部の手前で荷物を降ろしてから、別途手段によつて建
物内に運び入れなければならず、面倒であつて手間もか
かり、作業性に劣るものであつた。そこで、開口部を建
物天井部まで延長して、側壁部に開口した垂直開口部と
天井部に開口した水平開口部とが連続する大開口部を形
成することが考えられるが、この場合にはクレーンのア
ームは入ることができるものの、この様な大開口部に対
応する開閉装置は未だ知られておらず、すぐに採用する
ことはできないという問題がある。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる大開口部
の開閉装置を提供することを目的として創案されたもの
であつて、天井部が開口した水平開口部および側壁部が
開口した垂直開口部が連続するように形成されてなる大
開口部を開閉するための開閉装置であつて、該開閉装置
は、水平開口部に沿うよう形成される水平レール部およ
び垂直開口部に沿うよう形成される縦レール部が略逆Ｌ
字形になつて連続する第一のガイドレールと、水平開口
部に沿うよう形成される第二のガイドレールと、前記第
一ガイドレールに案内されて少なくとも垂直開口部の開
閉をする屈曲自在な第一のドアパネルと、第二ガイドレ
ールに案内されて水平開口部の開閉をする第二のドアパ
ネルとからなり、さらに各ドアパネル間には、先行して
移動するドアパネルに後続するドアパネルを係止せしめ
て追従移動を行わしめるための係止手段が設けられてい
ることを特徴とするものである。

【０００４】そして本考案は、この構成によつて、側壁
部および天井部が連続して開口した大開口部に対応する
開閉装置を提供して、運搬等の作業性の向上を計つたも
のであるる。

【０００５】

【実施例】次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図面において、１は建物に開設された大開口部
であつて、該大開口部１は、建物の天井部が開口した水
平開口部１ａと、側壁部が開口した垂直開口部１ｂとが
連続して形成されている。この大開口部１の左右両側に
は、開閉装置を構成する第一および第二ガイドレール
２、３が配設されているが、第一ガイドレール２は、水
平開口部１ａに沿う水平レール部２ａと垂直開口部１ｂ
に沿う縦レール部２ｂとが略逆Ｌ字形になつて連続して
形成されている。また第二ガイドレール３は、上記水平
レール部２ａの下側に水平レール２ａと平行状に形成さ
れているが、実施例においては、上下二本の上側および
下側第二ガイドレール３ａ、３ｂが形成されている。さ
らにこれら第一および第二ガイドレール２、３の後端部
は、水平開口部１ａの後方の躯体側天井部にまで延設さ
れており、該延設部は後述の第一、第二ドアパネルの収
納レール部２ｃ、３ｃ、３ｄに構成されている。

【０００６】４は前記第一ガイドレール２に案内される
第一のドアパネルであつて、該第一ドアパネル４は、複
数のパネル体４ａを蝶番５を介して屈曲自在に一連状に
連結したものであり、また、６、７はそれぞれ前記上側
第二ガイドレール３ａ、下側第二ガイドレール３ｂに案
内される上側、下側の第二ドアパネルであつて、該第二
ドアパネル６、７は複数のパネル体６ａ、７ａを一連状
に連結したものであるが、これら各パネル体４ａ、６
ａ、７ａの左右両縁部には、それぞれ支軸８を介してロ
ーラ８ａが回動自在に軸承されており、これらのローラ
８ａが各々第一ガイドレール２、第二ガイドレール３
ａ、３ｂ内を転動するようになつている。

【０００７】また、前記収納レール部２ｃの後方の躯体
側天井部には、開閉機９に連動連結されて正逆回動する
駆動軸１０が軸承されており、該駆動軸１０の左右両端
部には、駆動スプロケツト１１が駆動軸１０と一体回動
すべく取り付けられている。さらに駆動スプロケツト１
１と、躯体側の側面部と天井部とのコーナー部に配設さ
れた従動スプロケツト１２との間には、無端チエン１３
が懸回されている。この無端チエン１３には、前記第一
ドアパネル４の最先端のパネル体４ａ（最も第一ガイド
レール２後端側のパネル体４ａ）が連結されており、そ
して第一ドアパネル４は、開閉機１０の正逆駆動に基い
て無端チエン１３が前後方向に移動するのに連繋して、
最後端のパネル体４ａが接地して垂直開口部１ｂを閉鎖
する閉鎖位置から、収納レール部２ｃに収納される開放
位置までを、開閉移動するように構成されている。

【０００８】さらに、前記第一ドアパネル４の開閉移動
に追従して第二パネル６、７が移動するよう、各ドアパ
ネル４、６、７の最先端および最後端のパネル体４ａ、
６ａ、７ａには、隣接するドアパネル４、６、７間にお
いて、互いに係止する係止片４ｂ、６ｂ、７ｂがそれぞ
れ突出形成されている。つまり、ドアパネル４、５、６
が全閉している場合に、大開口部１を開放すべく開閉機
９を正駆動させると、これに基づく無端チエン１３の後
方側への移動に連繋して、第一ドアパネル４は第一ガイ
ドレールの後端側、即ち開放側へ移動していくが、第一
ドアパネル４が垂直開口部１ｂを略全開し、第一ドアパ
ネル４の最後端のパネル体４ａと上側第二ドアパネル６
の最後端のパネル体６ａが略並んだ時点で、第一ドアパ
ネル４の最後端のパネル体４ａに突設された係止片４ｂ
が、上側第二ドアパネル６の最後端のパネル体６ａに突
設された係止片６ｂに係止するようになつており、そし
てこの係止以降の第一ドアパネル４の開放側への移動に
は、上側第二パネル６が追従して開放側に移動して水平
開口部１ｂを開放するようになつている。そしてこのよ
うにして第一ドアパネル４および上側第二ドアパネル６
が開放側に移動していつて、上側第二ドアパネル６の最
後端のパネル体６ａが下側第二ドアパネル７の最後端の
パネル体７ａに略並んだ時点で、今度は第二上側パネル
体６の最後端のパネル体６ａに突設された係止片６ｂ
が、下側第二ドアパネル７ａに突設された係止片７ｂに
係止するようになつており、これによつて下側第二ドア
パネル７も上記第一、上側第二ドアパネル４、６の開放
側への移動に追従し、而してドアパネル４、６、７はそ
れぞれ収納レール２ｃ、３ｃ、３ｄに収納されるまで開
放側に移動して、大開口部１を全開するようになつてい
る。一方、開放状態の大開口部１を閉鎖すべく開閉機９
を逆駆動させた場合には、開放するとき同様にして、ま
ず第一ドアパネル４が閉鎖側に移動し、次いで上側第二
ドアパネル６、下側ドアバネル７が順次閉鎖側に追従移
動するようになつている。

【０００９】叙述の如く構成された本考案の実施例にお
いて、大開口部１は、建物の天井部が開口した水平開口
部１ａと、側壁部が開口した垂直開口部１ｂとが連続し
て形成されており、従つて、クレーン等の大型の運搬機
を用いて荷物を建物内部に運び入れるような場合には、
垂直開口部１ｂおよび水平開口部１ａを開放して三次元
的な大開口部とすることにより、大型の運搬機を建物内
部まで引き込むことができて、運搬作業の作業性の大幅
な向上を計ることができることになる。

【００１０】しかも、この大開口部１を開閉するための
開閉装置は、垂直開口部１ｂの開閉をするための第一ド
アパネル４に、水平開口部１ａを開閉するための第二ド
アパネル６、７が追従して連続的に開閉移動する構成と
なつており、従つて、垂直開口部１ｂと水平開口部１ａ
とを有した三次元的な大開口部１であつても、連続した
スムーズな開閉作動を行うことができる。

【００１１】そのうえ、通常時においては、第一ドアパ
ネル４のみを開放した状態としておけば、垂直開口部１
ｂから人や荷物の出入り等を何ら支障なく行うことがで
きるのは勿論であるが、この場合には、水平開口部１ａ
は第二ドアパネル６、７によつて閉鎖状態であるので、
雨等が建物内の人や荷物に降りかかる不具合もない。さ
らに、建物天井部の上で作業をするような場合に、水平
開口部１ａが開いていると非常に危険であるが、上記の
ように第一ドアパネル４のみを開放し、第二ドアパネル
６、７を閉鎖した状態としておけば、垂直開口部１ｂか
らの出入りを確保しつつ、かつ建物天井部の上で安全に
作業できることになる。因みに、水平開口部１ａを開閉
する第二ドアパネル６、７の開閉作動は、垂直開口部１
ｂを開閉する第一ドアパネル４の開閉作動に追従して行
われるため、水平開口部１ａのみが開放した状態は有り
得なく、従つて地上にて第一ドアパネル４が閉鎖状態で
あることを確認すれば、必ず第二ドアパネル６、７も閉
鎖状態であるため安心して建物天井部の上に乗ることが
でき、より一層の安全性を確保することができる。

【００１２】

【作用効果】以上要するに、本考案は叙述の如く構成さ
れたものであるから、大開口部は、水平開口部と垂直開
口部とが連続して形成された三次元的な開口になつてお
り、従つて、クレーン等の大型の運搬機を用いて荷物を
建物内部に運び入れるような場合に、大型の運搬機を建
物内部まで引き込むことができて、運搬作業の作業性の
大幅な向上を計ることができることになるが、この大開
口部を開閉するための開閉装置は、垂直開口部の開閉を
するための第一ドアパネルに、水平開口部を開閉するた
めの第二ドアパネルが追従して連続的に開閉移動する構
成となつており、従つて、垂直開口部と水平開口部とを
有した三次元的な大開口部であつても、連続したスムー
ズな開閉作動を行うことができる。

【００１３】そのうえ、通常時においては、第一ドアパ
ネルのみを開放した状態としておけば、垂直開口部から
人や荷物の出入り等を何ら支障なく行うことができるの
は勿論であるが、この場合には、水平開口部は第二ドア
パネルによつて閉鎖状態であるので、雨等が建物内の人
や荷物に降りかかる不具合もない。さらに、建物天井部
の上で作業をするような場合に、水平開口部が開いてい
ると非常に危険であるが、上記のように第一ドアパネル
のみを開放し、第二ドアパネルを閉鎖した状態としてお
けば、垂直開口部からの出入りを確保しつつ、かつ建物
天井部の上で安全に作業できることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】閉鎖状態を示す開閉装置の概略側面図である。

【図２】開放状態を示す開閉装置の概略側面図である。

【符号の説明】

１ 大開口部 １ａ 水平開口部 １ｂ 垂直開口部 ２ 第一ガイドレール ２ａ 水平レール部 ２ｂ 縦レール部 ３ａ 上側第二ガイドレール ３ｂ 下側第二ガイドレール ４ 第一ドアパネル ４ｂ 係止片 ６ 上側第二ドアパネル ６ｂ 係止片 ７ 下側第二ドアパネル ７ｂ 係止片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井部が開口した水平開口部および側壁
   部が開口した垂直開口部が連続するように形成されてな
   る大開口部を開閉するための開閉装置であつて、該開閉
   装置は、水平開口部に沿うよう形成される水平レール部
   および垂直開口部に沿うよう形成される縦レール部が略
   逆Ｌ字形になつて連続する第一のガイドレールと、水平
   開口部に沿うよう形成される第二のガイドレールと、前
   記第一ガイドレールに案内されて少なくとも垂直開口部
   の開閉をする屈曲自在な第一のドアパネルと、第二ガイ
   ドレールに案内されて水平開口部の開閉をする第二のド
   アパネルとからなり、さらに各ドアパネル間には、先行
   して移動するドアパネルに後続するドアパネルを係止せ
   しめて追従移動を行わしめるための係止手段が設けられ
   ていることを特徴とする大開口部の開閉装置。