JP2546353B2 - 二液型ネイルエナメル - Google Patents

二液型ネイルエナメル

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JP2546353B2 JP63242365A JP24236588A JP2546353B2 JP 2546353 B2 JP2546353 B2 JP 2546353B2 JP 63242365 A JP63242365 A JP 63242365A JP 24236588 A JP24236588 A JP 24236588A JP 2546353 B2 JP2546353 B2 JP 2546353B2
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卓美 岡村
嘉明 藤本
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【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2−シアノアクリレートを主成分とするネ
イルエナメルに関するものであり、理容業界、化粧品業
界で利用できるものである。
〔従来の技術〕
手と爪の化粧法を意味する“マニキュア”の名称でも
広く市販されているネイルエナメルは、ニトロセルロー
スを基剤とするものが大半であるが、この種のエナメル
は傷が付きやすく、剥がれ易い欠点がある。この欠点を
解決するための手段として、種々の成分からなるエナメ
ルが提案されているが、その1つに2−シアノアクリレ
ートを配合したものがある(特公昭41-11000)。これ
は、2−シアノアクリレートに、合成樹脂・繊維素誘導
体、可塑剤、溶剤、着色剤などを添加したものである。
〔発明が解決しようとする問題〕
2−シアノアクリレートを主成分とするネイルエナメ
ルは、一般に市販されているニトロセルロースを基剤と
するネイルエナメルと比べ付着性がよく、傷が付きにく
いという長所を持ち、更に爪が割れた場合の補修接着剤
としての作用も有する特徴を有している。しかし該エナ
メルも前記公告公報第1頁右欄下から9行〜12行に開示
されている様に、硬度を持たせるために2−シアノアク
リレートの含有量を大きくすると爪に塗布した場合、十
分な光沢、表面の滑らかさが得られず、機械的強度を損
い、さらに2−シアノアクリレートの硬化速度も必ずし
も速くないという欠陥があり、従来実用的には用いられ
ていないのが実状である。
本発明はこれらの問題を解決するものである。即ち、
2−シアノアクリレートを主成分とするネイルエナメル
を爪に塗布し、爪を化粧した際に、特に良好な光沢と平
滑性を有し、堅牢で耐久性のあるコーティング塗膜を爪
に与えることを可能にするものである。
(ロ)発明の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、2−シアノアクリレートを主成分とする主
剤と2−シアノアクリレートの重合促進剤とからなるこ
とを特徴とする二液型ネイルエナメルに関するものであ
る。
主剤 本発明におけるネイルエナメルの主剤は2−シアノア
クリレートを主成分とするものであり、2−シアノアク
リレートは、下記の構造式を持つ化合物である。
〔ここで、Rは炭素数1〜16のアルキル基(例えばエ
チル基、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基など)、アルケニル基、ア
ラルキル基、アルコキシアルキル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、アリル基、プロパルギル基等であ
る。〕 本発明のネイルエナメルの主剤には主成分の2−シア
ノアクリレートのほかに必要に応じて安定剤・促進剤・
改質剤などが添加されていてもよく、安定剤・促進剤と
しては、通常2−シアノアクリレートを主成分とする瞬
間接着剤に用いられる安定剤・促進剤と同様のものが使
用できる。具体的には例えば安定剤としてアニオン重合
を防止するための亜硫酸ガス、無水硫酸、パラトルエン
スルホン酸などが、ラジカル重合を防止するためのハイ
ドロキノンなどが添加される。
本発明において2−シアノアクリレートとして、市販
の2−シアノアクリレート系接着剤そのものを用いるこ
とも可能である。
なお、本発明のネイルエナメルの主剤としてはアクリ
ル樹脂が1〜30重量%添加されたものが好ましい。アク
リル樹脂はより優れた光沢を得るために添加されるもの
で、添加量が1%以下だと光沢の付与が十分でなく、30
%を越えると粘度が上がり過ぎて爪に塗布した場合ごて
ごてして平滑さが得られない恐れがある。
ネイルエナメルの主剤の硬度の調節のために可塑剤も
併用するのが好ましい。可塑剤としては、ジエチルアジ
ペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペー
ト、ジヘキシルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)
アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジノニルアジ
ペート、オクチルデシルアジペート、ジイソデシルアジ
ペート、イソデシルオクチルアジペート等のアジピン酸
系可塑剤、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、
ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ブ
チルイソデシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ
イソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジ
(2−エチルヘキシル)フタレート、ジアリルフタレー
ト、ジノニルフタレート、ジエチルデシルフタレート等
のフタル酸系可塑剤などが挙げられる。可塑剤の添加量
は1〜20重量%が望ましい。1%以下の添加では柔軟性
を付与する効果がなく、逆に20%以上では、軟らかくな
りすぎて傷が付きやすくなる。
重合促進剤 重合促進剤は、2−シアノアクリレートの重合を促進
させるもので溶剤に溶解したものが本発明にとり好まし
い。
硬化促進剤の具体例としてはジメチルアニリン、ジエ
チルアミン、O−フェニレンジアミン、ジメチルパラト
ルイジン、ジエチルパラトルイジン、N・Nジエチルア
ニリン等の有機アミン類、トリクロルアセトアミド等の
酸アミド類、コハク酸イミド等の有機イミド類、テトラ
メチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等であ
る。
硬化促進剤は、0.1〜1重量%溶液であるものが好ま
しい。0.1%以下の濃度では、硬化速度が低すぎて実用
的でないばかりか、光沢の向上も認められないようにな
り、1%を越える濃度では、逆に硬化速度が早過ぎて爪
の表面が2−シアノアクリレートの重合熱で熱くなると
いう問題が発生する恐れがある。
これらの硬化促進剤を溶液とするための溶剤として
は、上記の硬化促進剤を常温で溶解できるものであり、
かつ常温での乾燥速度があまり速すぎも、遅すぎもしな
いものが好ましく、また激しい毒性や引火性、及び異臭
のないものが好ましいが、具体的にはメタノール、エタ
ノール、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタンなどが使
用できる。
使用方法 硬化促進剤の塗布方法としては、刷毛、筆等で塗布し
たり、スプレーで塗布する方法が採用し得るが、布に含
浸した上でその布で拭くという方法でもよい。硬化促進
剤を塗布し、溶剤が風乾により揮発した後にネイルエナ
メルの主剤を塗布する。主剤は、2−シアノアクリレー
トに溶解しない材料からなる刷毛、又はスプレーを用い
て爪全体に塗布するとよい。
〔作用〕
本発明における硬化促進剤は2−シアノアクリレート
の硬化促進剤としてよく知られており、2−シアノアク
リレート系接着剤の接着速度向上に広く用いられている
ものであるが、本発明者らは、α−シアノアクリレート
を主成分とするネイルエナメルについて種々検討した結
果、この硬化促進剤を予め塗布した後2−シアノアクリ
レートを主成分とするネイルエナメルを塗布することに
より、いかなる作用によるのか不明であるが、爪の表面
に非常に高い光沢と平滑性を与えることが出来ることを
見いだし本発明を完成したものである。
〔実施例及び比較例〕
実施例1 エチル2−シアノアクリレートに安定剤としてSO2を6
0ppm、ハイドロキノンを1000ppmとなるように添加す
る。これにポリメチルメタクリレートを常温で振とうに
より溶解させ、さらにジエチルフタレートを溶解し、次
に示す構成のネイルエナメルの主剤を得た。
<主剤> ・エチル2−シアノアクリレート 94重量% ・ポリメチルメタクリレート 3重量% (商品名:アクリコンAC(分子量約100万);三菱レー
ヨン品) ・ジエチルフタレート 3重量% 一方、ジメチルパラトルイジンをエタノールに常温で混
合溶解させて次に示す構成の硬化促進剤溶液を得た。
<硬化促進剤溶液> ・ジメチルパラトルイジン 0.4重量% ・エタノール 99.6重量% 得られた両液の性状を表1に示した。
硬化促進剤溶液を人間の爪の上に刷毛で塗布し1分間風
乾後、その上にポリエチレン製ファイバーからなる筆を
用いて主剤を塗布した。
この時の爪の表面の状態を表2に示した。
実施例2 メチル2−シアノアクリレートに安定剤としてSO2を6
0ppm、ハイドロキノンを1000ppmとなるように添加す
る。これにポリメチルメタクリレートを常温で振とうに
より溶解させ、さらにジアリルフタレートを溶解し、次
に示す構成のネイルエナメルの主剤を得た。
<主剤> ・メチル2−シアノアクリレート 94重量% ・ポリメチルメタクリレート 3重量% (商品名:アクリコンAC(分子量約100万);三菱レー
ヨン品) ・ジアリルフタレート 3重量% 一方、ジメチルパラトルイジンをエタノールに常温で混
合溶解させて次に示す構成の硬化促進剤溶液を得た。
<硬化促進剤溶液> ・ジメチルパラトルイジン 0.4重量% ・エタノール 99.6重量% 得られた両液の性状を表1に示した。
硬化促進剤溶液を人間の爪の上に刷毛で塗布し1分間
風乾後、その上にポリエチレン製ファイバーからなる筆
を用いて主剤を塗布した。この時の爪の表面の状態を表
2に示した。
実施例3 エチル2−シアノアクリレートに安定剤としてSO2を6
0ppm、ハイドロキノンを1000ppmとなるように添加す
る。これにポリメチルメタクリレートを常温で振とうに
より溶解させ、さらにジ(2−エチルヘキシル)アジペ
ートを溶解し、次に示す構成のネイルエナメルの主剤を
得た。
<主剤> ・エチル2−シアノアクリレート 94重量% ・ポリメチルメタクリレート 3重量% (商品名:アクリコンAC(分子量約100万);三菱レー
ヨン品) ・ジ(2−エチルヘキシル)アジペート 3重量% 一方、ジエチルパラトルイジンをエタノールに常温で混
合溶解させて次に示す構成の硬化促進剤溶液を得た。
<硬化促進剤溶液> ・ジエチルパラトルイジン 0.4重量% ・エタノール 99.6重量% 得られた両液の性状を表1に示した。
硬化促進剤溶液を人間の爪の上に刷毛で塗布し1分間
風乾後、その上にポリエチレン製ファイバーからなる筆
を用いて主剤を塗布した。この時の爪の表面の状態を表
2に示した。
比較例1 実施例1において硬化促進剤溶液を塗布せず、主剤を
直接爪に塗布した場合の爪の表面の状態を表2に示し
た。
比較例2 市販のニトロセルロースを基剤とするマニキュアの性
状を表1に示した。この液を爪に塗布して得られた爪の
表面の状態を表2に示した。
(ハ)発明の効果 本発明の、2−シアノアクリレートを主成分とする主
剤と硬化促進剤からなる二液型ネイルエナメルは、爪の
表面に十分な光沢、滑らかさを与え、かつ付着性がよ
く、傷付きにくい爪表面を与えることができ、硬化速度
も十分に速いという優れた効果を奏するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−シアノアクリレートを主成分とする主
    剤と2−シアノアクリレートの重合促進剤とからなるこ
    とを特徴とする二液型ネイルエナメル。
JP63242365A 1988-09-29 1988-09-29 二液型ネイルエナメル Expired - Fee Related JP2546353B2 (ja)

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