JP2546262C - - Google Patents

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JP2546262C
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微細回路用の接続部材に関し、更に詳しくは集積回路、液晶パネル等
の接続端子とそれに対向配置された回路基板上の接続端子を電気的、機械的に接
続するための接続部材に関する。 (従来の技術) 電子部品の小形薄形化に伴ない、これらに用いる回路は高密度、高精細化して
いる。これら微細回路の接続は、従来のハンダやゴムコネクターなどでは対応が
困難であることから、最近では異方導電性の接着剤や膜状物(以下接続部材とい
う)が多用されるようになってきた。 この方法は相対峙する回路間に、導電材料を所定量含有した接着剤よりなる接
続部材層を設け、加圧または加熱加圧手段を構じることによって、回路間の電気
的接続と同時に隣接回路間には絶縁性を付与し、相対時する回路を接着固定する
ものである。 しかしながらこの方法においでは、回路間の導通は主として複数個の導電物質
、多くの場合にはカーボン等の繊維状物やNi等の金属粒子あるいはガラス等を
核体とし表層に導電層を形成した粒子等からなる導電物賀の接触によって得られ
るものであり、これらの材料は剛直であるために粒子/回路間あるいは粒子/粒
子間の接触面積が十分でなく、接続信頼性が不充分であった。 接触面積を大きくする試みとして、導電材料として例えばハンダ等よりなる低
融点金属粒子を用いる方法もあるが、金属の融点以上では従来の半田付と同様に
隣接回路間が連通してしまうので絶縁性が無くなり、融点以下では金属の溶融が
起らない為に接触面積が充分に得られない。そのため回路接続時の温度−圧力−
時間を融点近傍の狭い巾で厳密に管理する必要があるが、回路基板により熱伝導
率が異なること等から実用性に之しかった。 さらに上記したような導電性材料に共通する欠点は、熱膨張率が接着剤に較べ
て一般的に1桁程度小さい為に、例えば高温時においでは導電性材料の膨張量に
比べて少なく接続回路の間隙の変化に対して追随(温度変化に対する追随性)で
きないので、回路への導電材料の接触面積や接触点数が減少することから接続抵
抗の増大や導電不良を生じるので、初期の按続性が得られたとしても、温度変化
を含むような長期信頼性に劣っていた。 我々は先に上記した従来の導電材料を用いた場合の欠点を解消し信頼性を著し
く向上する方法として、高分子核体の表面が金属薄層により実質的に被覆されて
なる粒子(以下導電性粒子という)を用いる方法を提案(特願昭61−3108
8号)した。この方法によれば導電性粒子は回路接続時の加圧あるいは加熱加圧
により回路面あるいは導電性粒子相互間で押しつけるように適度に変形するため
充分な接触面積が得られることや、高分子核材は熱軟化特性、剛性および熱膨張
収縮特性が接着剤の性質に極めて近いことから接続時の条件巾が広く、また接続
部は温度変化に対する追随性を有するので接続部の長期信頼性が著しく向上した
。 (発明が解決しようとする問題点) 上記したような回路の接続部材は多数点回路の一括接続材料であることから極
めて有用であるが、高精細化の進む微細回路の接続に対して分解能を向上するこ
とと、前記したような長期接続信頼性を合せて得る要求が極めて強い。すなわち 従来技術では一般的に5本/mmの回路(回路巾100μm、絶縁巾100μm
)の接続が可能であるが、最近の回路の徹細化により例えば10本/mm(回路
巾50μm、絶縁巾50μm)の)回路接続や、ICチップのボンディング用途
においては例えば電極の接続面積が50μm口といったように回路の微細化がま
すます進行している。 接続部材を高分解能化する為の基本的な考え方は、隣接回路との絶縁性を確保
するために導電材料の粒子径を回路間の絶縁部分よりも小さくし、合わせて導電
材料が接触しない程度に添加量を加減しながら回路接続部における導通性を確実
に得ることである。しかしながら導電材料の粒径を小さくすると、表面積の増加
と粒子個数の著しい増加により粒子は2次凝集してしまい隣接回路との絶縁性が
保持できなくなり、また粒子の、添加量を減少すると接続すべき回路上の導電材
料の数が減少することから接触点数が不足し接続回路間での導通が得られなくな
るために、長期接続信頼性を保ちながら接続部材を高分解能することは極めて困
難であった。 (間題点を解決するための手段) 本発明は上記欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは長期
接続信頼性に優れかつ微細回路の接続が可能である高分解能な回路の接続部材を
提供することである。 すなわち本発明は、加熱により塑性流動性を有する絶縁性接着剤と導電性粒子
の表面が絶縁性物質で覆われた被覆粒子からなる回路の接続部材において、前記
被覆粒子は高分子核材の表面に導電性薄層を形成してなる粒子の表面が回路接続
時の熱圧により流動性を有する熱可塑性絶縁層で覆われ少なくとも回路接続時に
おいて前記高分子核材よりも熱可塑性絶縁層が軟化しやすくしてなることを特徴
とする回路の接続部材および、高分子を核材としその表面に導電性金属薄層を形
成してなる粒子を、熱可塑性樹脂と溶剤よりなる溶液中で攪拌後、前記溶剤を除
去して粒子の表面に熱可塑性樹脂よりなる絶縁被覆層を形成し、前記溶剤に非溶
解性の接着剤中に2〜35体積%分散してなる回路の接続部材の製造方法に関す
る。 本発明にかかる被覆粒子について以下図面により説明する。第1図は高分子核 材1の表面に導電性薄層2を形成してなる本発明でいう導電性粒子の表面に絶縁
層3を構成した被覆粒子の断面模式図である。 この場合の高分子核材1の材質としては、スチレンブタジエンゴムやシリコー
ンゴム等の各種ゴム、ポリスチレンやエポキン樹脂等の各種プラスチックス、お
よびデンプンやセルロース等の天然物などよりなる各種高分子物質が適用可能で
ある。 形状についでは、略球状が好ましいが特に問わない。また完全な充重体、内部
に気泡を有する発泡体、内部が気体からなる中空体、および小粒子の集まりであ
る凝集体等のいずれでも良く、これらを単独もしくは複合して用いることが出来
る。 導電性薄層2の材質としては、導電性を有する各種の金属、金属酸化物、合金
、ポリアセチレン系などの導電性高分子等で良く、たとえばZn,AI,Sb,
Au,Ag,Sn,Fe,Ta,Cu,Pb,Ni,Pd,Ptなどがあり、こ
れらを単独もしくは複合して用いることが可能であり、さらに特株な目的たとえ
は硬度、表面張力および密着性の改良などの為に、Mo,Mn,Cd,Siおよ
びCrなどの他の元素や化合物も添加することが出来る。 また導電性薄層2は複層以上の多層構造としても良い。高分子核体1上への導
電性薄層2の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法および溶射法などのいわゆる乾式法やめっき法などが適用可能であるが、
湿式の分散系によることから均一厚みの薄層を得やすい無電解めっき法が特に好
ましい。 導電性薄層2の厚みとしては0.01〜5μm程度が一般的に適用可能である
。ここに厚みは例えば下地層のある場合はその層も含むものとし、0.01μm
以下では導電性が不足し5μm以上では高分子核材の温度変化に対する追随性が
抑制されるために接続信頼性が不満足となり好ましくない。 第2図は被覆粒子の応用例の一例であり高分子核材1の表面に導電性薄層2を
形成した導電性粒子の表面に導電材料4を付着形成し、その表面に絶縁層3を構
成した被覆粒子の断面模式図である。この場合の導電材材料4としては、高分子
核材1や絶縁層3よりも回路の接続時に高剛性であり変形性を示さないことおよ びその粒径は高分子核材1よりも小さいことが必要て、その粒子径は0.01〜
30μmが好ましい。この場合の導電材料4を例示すると、前記した導電性薄層
2と同様な各種の金属類や、これら金属をセラミック、ガラス、カーボン等の変
形し難い物質を核として、その表面状に形成したものでもよい。高分子核材1へ
の導電材料4の付着形成方法としては、たとえば高温下で導電材料4を噴霧する
ことて吸着させたり、接着剤の薄層により接着させる方法などがある。 なお導電材料4は、導電性薄層2上には付着形成せずに被覆粒子と共に接着剤
中に混合分散することも可能である。この場合は隣接回路間の絶縁性を保持する
ことから、導電材料4の接着剤中への添加量は2体積7%以下と少量にする必要
がある。 第3図は導電性粒子5が小粒子の集まりである凝集体を形成した場合でありそ
の表面に絶縁層3が構成され、第4図は導電性粒子5の表面上に絶縁層3が形成
された被覆粒子が凝集体を形成した場合を示したものであり、いずれも好ましく
適用可能である。 以上第1図から第4図の説明における導電性粒子は、導電性粒子の表面が絶縁
層で被覆されているので原則的には各種の粒径が適用可能であるが、回路の絶縁
巾(スペース)以下であることが分解能の信頼性確保の点から必要である。 たとえば10本/mm(回路巾50μm、絶縁巾50μm)の分解能を達成す
るには、粒径は50μmを越えないことが必要となる。この場合、粒径50μm
以上の粒子がスペース部に存在すると、回路接続時の加熱加圧により、回路部に
おいて絶縁層が破壊されるので、隣接回路との絶縁性が保持できなくなる。これ
らの事から導電性粒子の形状は繊維状は好ましくない。 第1図〜第4図におげる絶縁層3としては加熱加圧により流動性を有する絶縁
体が適用できる。すなわち回路接続時の加熱加圧により接続すべき回路間におい
て、導電性粒子と回路あるいは導電性粒子相互の絶縁層3が流動して接触部から
排除されることにより、接続回路間に導電性が得られる。これらの絶縁膚3とし
ては、ホットメルト性の接着剤が代表的である。また熱軟化性や融点を有するホ
ットメルト接着剤のベースポリマーも有用であり、たとえはポリエチレン、エチ
レン共重合体ポリマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレ ンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、
ポリエステル、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体
、エチレンープロピレン共重合体、アクリル酸エステル系ゴム、ポリビニルアセ
タール、アタリロニトリル−ブタジェン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合
体、フェノキシ、固形エポキシ、ポリウレタンなどがある。 その他、テルペン樹脂やロジン等の天然およビ合成樹脂や、EDTAなどのキ
レート剤もあり、これらは単独もしくは複合して用いることができる。 これらの絶縁層3が加熱加圧により流動性を示す条件としては、回路接続時の
条件である80〜250℃および0.1〜100kg/cmが適用できる。80
℃以下では回路接続部の耐熱性が低下するので好ましくなく、250℃以上では
接続時に高温を必要とするため接続部品等に熱損傷を与えることから好ましくな
い。また圧力は0.1kg/cm2以下では回路との接触点における絶縁層が充
分に排除されないことから充分な導電性が得られず、100kg/cm2以上で
は接続部品等に機械的損傷を及ぼすことから好ましくない。 これらの絶縁層3を導電性粒子上に形成する方法としては、静電塗装法、熱溶
融被覆法および溶液塗布法などがある。 上記のうち、絶縁層3が汎用溶剤に可溶性の場含には、溶液塗布法が簡単な設
備て実施可能な事から好適である。 被覆層の厚みは0.1〜5μm程度が好ましい。0.1μm以下では絶縁性が
不足し、5μm以上では回路接続時に絶縁層の排除が充分にされ難いので充分な
導電性が得にくい。 以上よりなる被覆粒子を接着剤中に混合することて接続部材を製造することが
できる。本発明で用いられる接着剤としては、基本的には絶縁性を示す通常の接
着シート類に用いられる配合が適用可能である。通常の接着シート類に用いられ
る配含は、凝集力を付与するための合成樹脂やゴム等からなるポリマー類と、そ
の他必要に応じて用いる粘着付与剤、粘着性調整剤、架橋剤、老化防止剤、界面
強化剤、分散剤等からなっている。 この時、接着剤と被覆粒子の絶縁層とは非相容性の組み合わせにすることが好
ましく、そのための選択の目安としては次のことが挙げられる。 (1)相溶性の目安として一般に良く用いられるSP値(溶解性パラメータ:日
本接着協会編接着ハンドブック第2版P−46に詳しい)を1.0以上異なる組
み合わせとして材料に極性差を設げる。(2)被覆粒子の熱溶融温度あるいは熱
軟化温度を接着剤よりも10℃以上高くすることなどである。これらの目安は各
材料で微妙に異なるので個々の検討が必要であり、大事なことは回路の接続後に
おいても、回路間で粒子が固定され絶縁回路部における絶縁層は、そのまま保持
(被覆)されていることである。 接着剤中に占める導電性粒子の添加量は、その表面が絶縁層で被覆されている
ために高密度に充填することが可能である。すなわち従来の回路の接続部材にお
いでは、その添加量は一般的に5体積%以下と少量の添加により隣接回路との絶
縁性を制御していたが、本発明においでは2〜35体積%と多量に添加すること
が可能となった。 2体積%以下では微細回路部における導電性粒子の数が少なすぎることから接
続の信頼性が不足し、35体積%以上では接続回路の接着性が不足する。好まし
い添加量は5〜25体積%である。 上記接着剤を溶剤に溶解するか、懸濁状に媒体中に分散しあるいは熱溶融する
などにより液状とした後、被覆粒子をボールミルや攪拌装置によるなどの通常の
分散方法により混合することで接続部材用の組成物を得る。 この時、被覆粒子の絶縁層は接着剤中の溶剤等に溶解性を示さないことが、絶
縁層の保護上必要となる。 たとえば絶縁層が有機溶剤に可溶の場合は接着剤を水分散タイプにするとか、
絶縁層の熱溶融温度よりも低い熱溶融温度の接着剤を用いてホットメルトコーテ
ィングすることなどである。 絶縁層よりも接着剤の熱溶融温度を低くすること(すなわち流動性が援着剤の方
が大きいこと)は、回路接続に於ても好ましい形態となる。すなわち流動性に差
をもたせることて、回路接続時に接着剤が接着性を有効に発現可能な状態(溶融
し接着面を濡らす)である時に、絶縁層は加圧による接触部のみが溶融排除され
た状態となるためである。 上記の被覆粒子を混合した接続部材用組成物は、接続を要する一方もしくは相 方の回路上にスクリーン印刷やロールコータ等の手段を用いて直接回路上に接続
部材を構成するか、あるいはフィルム状の接続部材としても良い。この時、接続
部材の厚みは特に規定しないが1〜100μmが好ましい。1μm以下では回路
との接着性が充分に得にくく、100μm以上では回路の接続が短時間の場合に
接続時の熱伝達が不十分となり被覆粒子の絶縁層が十分に流動することが出来な
いので十分な導電性が得られしない。 本発明になる接続部材の便用方法としては、たとえば回路にフィルム状接続部
材を仮貼りした状態でセパレータのある場合にはそれを剥離し、あるいは上記組
成物を回路上に塗布し必要に応じて溶剤や分散媒を除去した状態で、その面に他
の接続すべき回路を位置合わせして、熱プレスや加熱ロール等により加熱加圧す
れば良い。 第5図から第7図は、かかる方法により回路を接続した状態を示す断面模式図
である。回路接続時の加熱加圧により接着剤6が軟化流動すると、絶縁層3も軟
化し加圧部から排除される。すなわち回路部7−7´においでは、回路7が絶縁
部8に較べて一般的に一定の高さを有することや絶縁部8よりも硬度が高いこと
から変形性が少ない等の埋由により絶縁部8−8´に較べ優先的に加圧されるの
で、回路部7−7´間に存在する絶縁層3は加圧の少ない絶縁部8−8´に流動
し導電性粒子1は加圧方向である回路6−6´において絶縁層が無くなり導電性
が得られる。 すなわち、回路接続部の7−7´間は絶縁層3が排除され絶縁部8−8´間に
おいでは絶縁層3を保持することが可能となる。この時、回路7−7´に沿うよ
うに導電性粒子は軟化変形し接触面積が増加する。また高分子核材1は接着剤6
の熱膨張率と近似させることが可能であり導電性薄層2は極めて薄いことから回
路7−7´間が熱膨張しても、高分子核材1も同様に熱膨張できるので、接続部
の温度変化に対して良好な追随性を有し長期の信頼性にも優れた接続を得ること
ができる。 第5図は回路7−7´間に導電性粒子が単層で存在する場含である。この場合
には導電性粒子の粒径を隣接回路巾(7−7´´)よりも小さくしないと絶縁性
が保てなくなる場合がある。 第6図は導電性簿専層2上に導電材料4を付着形成した場合である。この場合
は導電材科4が高分子核材1や絶縁層3よりも高剛性である為、回路接続時の加
熱加圧により絶縁層3を突き破り回路7およぴ7´面に対して良好な電気的接続
を得ることができる。また回路7の表面層が酸化等により汚染層を有している場
合も導電材料4が高剛性であることからこの汚染層を突き破ることができるので
各種の回路面に対して広く適用が可能となる。 第6図は被覆粒子が単層で存在する場合を示したが、たとえ複層以上の構成で
あっても導電材料4により粒子間の電気的接続が特に回路7−7´間で強固に得
られることがわかる。 第7図は導電性粒子5を高密度に充填した場合である。接続時の加熱加圧によ
り回路7−7´で電気的接続が得られ隣接回路7−7´´は回路部ほどには加圧
されないことから絶縁層3は導電性粒子5を覆っているので絶縁性が保持される
。従って高密度の充填が可能であり、特に電極面積が微小な場合、例えばICの
電極接続用などに好適である。 (作用) 本発明にかかる各構成材料の作用について説明する。 導電性粒子の表面が回路接続時の加熱加圧により流動性を有し、回路接続時の加
熱加圧によりその表面の絶縁層が軟化流動しその被覆が回路もしくは粒子の接触
部において排除されることにより接続回路間に導電性を与える。 この時導電性粒子は回路間で保持されるので絶縁層は接着剤と一体化してもよ
い。一方絶縁回路部においては、回路間の粒子ほどには加圧されない為に絶縁層
の被覆はそのまま保たれることから絶縁性が得られる。 上記した理由により導電性粒子は接着剤中に高濃度に充填することが可能とな
り微小接続面積での導通が確実に得られるので高分解能な接続部品を得ることが
できる。 また導電性粒子は回路接続時の加熱加圧により軟化変形し回路や粒子との接触
面積が向上することと、接続部の温度変化に対して追随性を有するので接続部の
信頼性、特に高温高湿試験や温度変化を含む場合の様な長期間の接続信頼性が著
しく向上できる。さらに導電性粒子は絶縁層で被覆されているので粒子の酸化劣 化を防止できることから導電性に優れ、特にその特性の安定した接続部材を得る
ことが可能となる。 絶縁性接着剤は被覆粒子の保持体であり、接続回路同士を接着し合わせて隣接
回路(面方同)間の絶縁材料として作用する。この接着剤は絶縁層と非相容性で
あることから隣接回路間における絶縁層の被覆はそのまゝ保たれるので良好な絶
縁性を保持することが可能である。 本発明にかかる構成材料において、被覆粒子は少なくとも回路接続時において
前記高分子核材よりも熱可塑性絶縁層が軟化しやすく、絶縁性接着剤は加熱によ
り塑性流動性を有し熱可塑性絶縁層に比べさらに軟化流動しやすいことから上記
のような作用効果が容易に得られる。 (実施例) 本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 実施例−1 (1)導電性粒子の作製 (イ)前処埋 コニベックスCタイプ(球状フェノール樹脂、平均粒径20μm、ユニチカ(株)
製商品名)をメチルアルコール中て強制的に攪拌して、脱脂および粗化を兼ねた
前処埋を行ない、その後濾過によりメチルアルコールを分離して、前処理した高
分子核材を得た。 (ロ)活性化 次にサーキットプレップ5516(PdCl+HCl+SnCl2系の活性化
処埋液、日本エレクトロプレーティングエンジニヤーズ(株)製商品名)中に分
散し、25℃−20分間の攪拌により活性化処埋を行ない、つゞいて水洗、濾過
により表面を活性化した高分子核体をえた。 (ハ)無電解Niめっき 活性化処理後の粒子をブルーシューマ(無電解Niめっき液、浴能力300μ
dm2/l、日本カニゼン(株)製商品名)液中に浸漬し90℃−30分間強制攪
拌を行なった。 所定時間後水洗した。めっき液量は粒子の表面積から算出した。 (ニ)無電解Auめっき 以上で得られたNi被複粒子の表面に、Auの置換めっきを行なった。めっき
液はレクトロレスプレップ(無電解Auめっき液、日本エレクトロプレーティン
グエンジニアーズ(株)製商品名)であり、90℃−30分間のめっき処埋を行
ないその後水を用いてよく洗浄し、つゞいて90℃−2時間の乾燥を行ない導電
性粒子を得た。この粒子はNi 0.3μm/Au 0.05μmの金属薄層を
有していた。 (2)被覆粒子の作製 前記導電性粒子の表面に絶縁層を形成した被覆粒子を作製した。絶縁層の材料
として、パラプレンP−25M(熱可塑性ポリウレタン樹脂、軟化点130℃、
日本エラストラン(株)製商品名)の1%ジメテルホルムアミド(DMF)溶液
とし、導電性粒子を添加攪拌した。この後スプレードライヤ(ヤマト科学(株)製
GA−32型)により100℃で10分間噴霧乾燥を行ない被覆粒子を得た。 この時の被覆層の平均厚みは、電子顕微鏡(SEM)による断面観察の結果約
1μmであった。 (3)接続部材の作製 絶縁性接着剤として下記固形分配合比のホットメルト接着剤を調整した。この
接着剤のメルトインデックス(MI.ASTM D−1238準拠、但し150℃
)は20g/minであった。 タフプレン(スチレン−ブタジェン-ブロックポリマー、旭化成工業(株)製 …………………………60部(重量) YSポリスターT−115(テルペンフェノール樹脂、安原油脂(株)製 …………………………40部 トルエン………………200部 上記よりなる接着剤溶液中に、前記した被覆粒子を添加混合した。この時の導
電性粒子の添加量は接着剤の固形分に対し5体積%とした。この混合液をバーコ
ータによりセパレータ(シリコーン処理ポリエステルフィルム 厚み58μm)
上に塗布し、100℃−20分聞の乾燥によりトルエンを除去し厚み25μmの 接続部材を得た。絶縁層はトルエンに不溶であり、接着剤は可溶のために、両者
は相容せずに良好な接続部材が得られた。 (3)回路の接続 ライン巾50μm、ピッチ100μm、厚み18μmのCu回路を有するポリ
イミド基板の全回路巾50mmのフレキシブル回路板(FPC)に、接着巾3m
m長さ50mmに切断した接続部材を載置して、140℃−2kg/cm−5秒
の加熱加圧により接続部材付FPCを得た。 その後セパレータを剥離して、他の同一ピッチを有する透明導電ガラス(IT
O回路、ガラス厚み1.1mm)と顕微鏡下で回路の位置台わせを行ない、15
0℃−30kg/cm−20秒間の加熱加圧により回路の接絨をおこなった。 (4)評価方法と結果 上記により得た回路の接続抵抗およぴ隣接回路間の絶縁抵抗を測定した。接続
抵抗はマルチメータ(TR−6877、アドバンテスト(株)製)、絶縁抵抗は
ハイオームメータ(TR−8611、アドバンテスト(株)製)デおこなった。 これらの側定結果を第1表に示したが、10本/mmの高密度回路に対して良
好な回路間の接続抵抗と、隣接回路間の絶縁抵抗とが合わせて得られた。 また接続体は冷熱衝撃試験(−40℃/30分〜100℃/30分を1サイク
ル)500サイクルの処理後に、上記と同様な評価を行なったが、接続抵抗およ
び絶縁低抗ともにほとんど劣化はみられなかった。この冷熱衡撃試験は苛酷な長
期信頼性とされていることから、本実施例は優れた長期信頼性も合わせて有して
いることがわかる。 なお本実施例の接続部断面をSEMにより観祭したところ、第5図に模式的に
示したように接続回路間において導電性粒子は単層で存在し、回路に沿って変形
して存在していた。 実施例−2 実施例−1と同様に行なったが、導電性粒子の表面にNi粉(カルボニル法、平
均粒径 2μmの表面凹凸を有する略球状粒子)を以下の方法で付着形成した粒子を用い
た。その方法は、実施例−1の接着剤材料であるホットメルト接着剤の0.5% トルエン溶液中に導電性粒子を添加攪拌した。 この後スプレードライヤー中でDMFの大半を乾燥し、その後スプレードライ
ヤー中にNi粉を導電性粒子の10体積%添加しさらにスプレードラィヤーて乾
燥することにより導電性粒子にNi粉を付着形成せしめた。 その後、実施例−1と同様に被覆層を作製した。本実施例の評価結果を第1表
に示すが、良好な分解能と長期信頼性の両立した良好な特性を得た。また接続部
の断面をSEMで観祭したところ、第6図に模式的に示した接続状態てあった。 実施例−3 高分子核体は実施例−1のユニベックスCであるが、マイクロシーブを用いて
3μmオン8μmパスとなるように分級して平均5μmの粒子とした。実施例−
1と同様な無電解めっきにより導電性粒子を得た後、実施例−1で用いたホット
メルト接着剤を1%トルエン溶液として同様な方法により被覆粒子を得た。 接着剤はバイロナールMD−1930(水分散タイプの熱可塑性ボリエステル
樹脂、融点113℃、東洋紡績(株)製商品名)を用いた。実施例−1と同様に
被覆粒子を分散し接続部材を得た。接着剤は水分散タイプである為に絶縁層と非
相容であり、良好に接続部材を作製できた。 この時、導電性粒子の添加量は接着剤に対して25体積%であり、接続部材の厚
みは15μmであった。 本実施例の評価結果を第1表に示したが、良好な分解能と長期信頼性の両立し
た良好な特性を得た。また実施例−1と同様にその断面を観察したところ、第7
図に模式的に示したように粒子は高密度に充填されていた。 比較例−1 導電層に絶縁層を形成しない導電性粒子を用いた他は実施例−3と同様に接続
部材を作製し評価した。結果を第1表に示したが、良好な接続抵抗値は得られる
ものの隣接回路間での絶縁性が無くなり、接続部材としての適用は出来なかった
。 比較例−2 導電材料として融点183℃平均粒径10μmのハンダ粒子を用いた他は、実
施例−3と同様に絶縁層を形成した被覆粒子により接続部材を作製評価した。 結果を第1表に示したが、隣接回路との絶縁性は得られたものの、長期信頼性 の評価で十分な接続が得られなかった。この理由はハンダ粒子(線膨張率2.8
×10-5/℃)と接着剤(線膨張率50×10-5/℃)との熱膨張率が大きく異
なるために、熱衝撃試験時にハンダ粒子が温度変化に対する追随性が無かった為
と考えられる。 実施例−4 実施例−5の接続部材を用いて、ICチップをFPCに接続した。用いたICチ
ップは5×7mmであり、片面に50μm口の電極パッド(高さ2μm、アルミ
ニウムの表面を金で処理、電極数50個)を有しており、このパッド面に実施例
−2の接続部材を載置し、150℃の熱盤上で軽く圧着してセパレータを除去し
た。 次いで、パッドと同一配置の電極を有するFPC(銅回路の高さ18μm、基
材ポリイミド、通称TAB)と位置合わせを行ない160℃−10kg/cm2
−10秒間の加熱加圧でICとFPCを接続した。この接続体を評価したところ
、各電極て確実に導通が得られ、隣接回路とは絶縁されていた。また実施例−1
と同様な長期信頼性を評価したが、その特性劣化は見られなかった。 本実施例においでは、50μm口という小面積の電極接続が簡単にしかも確実
におこなわれ、合わせて良好な長期信頼性を有していることがわかった。 (発明の効果) 以上詳述したように本発明によれは、長期接続信頼性と合わせて、微細回路の
接続が可能である高分解能な回路の接続部材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図から第4図は本発明にかかる被覆粒子を示す断面模式図、弟5図から第7
図は本発明にかかる接続部材を用いた回路接続部の断面模式図である。 符号の説明 1 高分子核材 2 導電性薄層 3 絶縁層 4 導電材料 5 導電性粒子 6 接着剤 7 回路(接続端子) 8 絶縁部 9 絶縁基板

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 .加熱により塑性流動性を有する絶縁性接着剤中に導電性粒子の表面が絶縁
    性物質で覆われた被覆粒子を分散してなる回路の接続部材において、前記被覆粒
    子は高分子核材粒子の表面に導電性薄層を形成してなる粒子の表面が回路接続時
    の熱圧により流動性を有する厚みが5μm未満の熱可塑性絶縁層で覆われ少なく
    とも回路接続時において前記高分子核材よりも熱可塑性絶縁層が軟化しやすくし
    てなることを特徴とする回路の接続部材。 .高分子を核材としその表面に導電性金属薄層を形成してなる粒子を、熱可
    塑性樹脂と溶剤よりなる溶液中で攪拌後、前記溶剤を除去して粒子の表面に厚み
    が5μm未満の熱可塑性樹脂よりなる絶縁被覆層を形成し、前記溶剤に非溶解性
    の接着剤中に2〜35体積%分散してなる回路の接続部材の製造方法。

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