JP2737723B2 - 回路の接続構造 - Google Patents

回路の接続構造

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JP2737723B2 JP7282732A JP28273295A JP2737723B2 JP 2737723 B2 JP2737723 B2 JP 2737723B2 JP 7282732 A JP7282732 A JP 7282732A JP 28273295 A JP28273295 A JP 28273295A JP 2737723 B2 JP2737723 B2 JP 2737723B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微細回路の接続構
造に関し、更に詳しくは集積回路、液晶パネル等の接続
端子と、それに対向配置された回路基板上に接続端子を
電気的、機械的に接続するための接続構造に関する。 【0002】 【従来の技術】電子部品の小形薄形化に伴い、これらに
用いる回路は高密度、高精細化している。これら微細回
路の接続は、従来のハンダやゴムコネクター等では対応
が困難であることから、最近では異方導電性の接着剤や
膜状物(以下接続部材という)が多用されるようになっ
てきた。この方法は相対峙する回路間に、導電材料を所
定量含有した接着剤よりなる接続部材層を設け、加圧ま
たは加熱加圧手段を構じることによって、回路間の電気
的接続と同時に隣接回路間には絶縁性を付与し、相対峙
する回路を接着固定するものである。しかしながらこの
方法においては、回路間の導通は主として複数個の導電
物質、多くの場合には、カーボン等の繊維状物やNi等
の金属粒子あるいはガラス等を核体とし、表層に導電層
を形成した粒子等からなる導電物質の接触によって得ら
れるものであり、これらの材料は剛直であるために粒子
/回路間、あるいは粒子/粒子間の接触面積が充分でな
く、接続信頼性が不充分であった。接触面積を大きくす
る試みとして、導電材料として例えば、ハンダ等よりな
る低融点金属粒子を用いる方法もあるが、金属の融点以
上では従来のハンダ付けと同様に隣接回路間が連通して
しまうので絶縁性がなくなり、融点以下では金属の溶融
が起こらないために接触面積が充分に得られない。その
ため、回路接続時の温度─圧力─時間を融点近傍の狭い
巾で厳密に管理する必要があるが、回路基板により熱伝
導率が異なること等から実用性に乏しかった。更に上記
したような導電性材料に共通する欠点は、熱膨張率が接
着剤に比べて一般的に1桁程度小さいために、例えば、
高温時においては導電性材料の膨張量に比べて少なく、
接続回路の間隙の変化に対して追随(温度変化に対する
追随性)できないので、回路への導電材料の接触面積や
接触点数が減少することから接続抵抗の増大や導電不良
を生じるので、初期の接続性が得られたとしても、温度
変化を含むような長期信頼性に劣っていた。我々は、先
に上記した従来の導電材料を用いた場合の欠点を解消
し、信頼性を著しく向上する方法として、高分子核体の
表面が金属薄層により、実質的に被覆されてなる粒子
(以下導電性粒子という)を用いる方法を提案(特願昭
61─31088号公報)した。この方法によれば、導
電性粒子は回路接続時の加圧あるいは加熱加圧により、
回路面あるいは導電性粒子相互間で押しつけるように、
適度に変形するため充分な接触面積が得られることや、
高分子核材は熱軟化特性、剛性および熱膨張収縮特性が
接着剤の性質に極めて近いことから接続時の条件巾が広
く、また接続部は、温度変化に対する追随性を有するの
で、接続部の長期信頼性が著しく向上した回路の接続構
造を得ることができた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記したような回路の
接続部材は、多数点回路の一括接続材料であることから
極めて有用であるが、高精細化の進む微細回路の接続に
対して、分解能を向上することと、前記したような長期
接続信頼性を合わせて得る要求が極めて強い。すなわち
従来技術では、一般的に5本/mmの回路(回路巾10
0μm、絶縁巾100μm)の接続構造が可能である
が、最近の回路の微細化により、例えば10本/mm
(回路巾50μm、絶縁巾50μm)の回路接続や、I
Cチップのボンディング用途においては、例えば1電極
の接続面積が50μm□といったように、回路の微細化
がますます進行している。接続部材を高分解能化するた
めの基本的な考え方は、隣接回路との絶縁性を確保する
ために、導電材料の粒径を回路間の絶縁部分よりも小さ
くし、合わせて導電材料が接触しない程度に添加量を加
減しながら、回路接続部における導通性を確実に得るこ
とである。しかしながら導電材料の粒径を小さくする
と、表面積の増加と粒子個数の著しい増加により、粒子
は2次凝集してしまい、隣接回路との絶縁性が保持でき
なくなり、また粒子の添加量を減少すると接続すべき回
路上の導電材料の数が減少することから接触点数が不足
し接続回路間での導通が得られなくなるために、長期接
続信頼性を保ちながら高分解能な接続構造を得ることは
極めて困難であった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは長期接
続信頼性に優れ、かつ微細回路の接続が可能である高分
解能な回路の接続構造を提供することである。すなわち
本発明は、少なくとも一方が絶縁面より突出して相対峙
する回路間が、加熱により塑性流動性を有する絶縁性接
着剤と高分子核材の表面に金属薄層を形成してなる導電
性粒子とからなる接続部材を介して電気的に接続されて
なる回路の接続構造において、前記導電性粒子がその表
面を更に回路接続時の熱圧により流動性を有する熱可塑
性絶縁層で覆われた粒子で構成され、少なくとも回路表
面に接する部分の前記熱可塑性絶縁層が回路接続時の熱
圧により除去されて回路表面に面接触することにより回
路間の導通が図られてなることを特徴とする回路の接続
構造に関する。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明にかかる被覆粒子につい
て、以下図面により説明する。図1は、高分子核材1の
表面に導電性薄層2を形成してなる本発明でいう導電性
粒子の表面に、絶縁層3を構成した被覆粒子の断面模式
図である。この場合の高分子核材1の材質としては、ス
チレンブタジェンゴムやシリコーンゴム等の各種ゴム、
ポリスチレンやエポキシ樹脂等の各種プラスチック、お
よびデンプンやセルロース等の天然物等よりなる各種高
分子物質が適用可能である。形状については略球状が好
ましいが特に問わない。また完全な充填体、内部に気泡
を有する発泡体、内部が気体からなる中空体、および小
粒子の集まりである凝集体等のいずれでも良く、これら
を単独もしくは複合して用いることができる。 【0006】導電性薄層2の材質としては、導電性を有
する各種の金属、金属酸化物、合金、ポリアセチレン系
等の導電性高分子等で良く、例えばZn、Al、Sb、
Au、Ag、Sn、Fe、Ta、Cu、Pb、Ni、P
d、Pt等があり、これらを単独もしくは複合して用い
ることが可能であり、更に特殊な目的、例えば硬度、表
面張力及び密着性の改良等のために、Mo、Mn、C
d、Si、およびCr等の他の元素や化合物も添加する
ことができる。また、導電性薄層2は複層以上の多層構
造としてもよい。高分子核体1上への導電性薄層2の形
成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、および溶射法等のいわゆる乾式法やめ
っき法等が適用可能であるが、湿式の分散系によること
から、均一厚みの薄層を得やすい無電解めっき法が特に
好ましい。導電性薄層2の厚みとしては、0.01〜5
μm程度が一般的に適用可能である。ここに厚みは、例
えば下地層のある場合はその層も含むものとし、0.0
1μm以下では導電性が不足し、5μm以上では高分子
核材の温度変化に対する追随性が抑制されるために、接
続信頼性が不満足となり好ましくない。 【0007】図2は、被覆粒子の応用例の一例であり、
高分子核材1の表面に導電性薄層2を形成した導電性粒
子の表面に、導電材料4を付着形成し、その表面に絶縁
層3を構成した被覆粒子の断面模式図である。この場合
の導電材料4としては、高分子核材1や絶縁層3よりも
回路の接続時に高剛性であり変形性を示さないこと、お
よびその粒径は、高分子核材1より小さいことが必要
で、その粒子径は0.01〜30μmが好ましい。この
場合の導電材料4を例示すると、前記した導電性薄層2
と同様な各種の金属類や、これら金属をセラミック、ガ
ラス、カーボン等の変形し難い物質を核として、その表
面状に形成したものでもよい。高分子核材1への導電材
料4の付着形成方法としては、例えば高温下で導電材料
4を噴霧することで吸着させたり、接着剤の薄層により
接着させる方法等がある。なお導電材料4は、導電性薄
膜層2上には付着形成せずに、被覆粒子と共に接着剤中
に混合分散することも可能である。この場合は、隣接回
路間の絶縁性を保持することから、導電材料4の接着剤
中への添加量は、2体積%以下と少量にする必要があ
る。 【0008】図3は、導電性粒子5が小粒子の集まりで
ある凝集体を形成した場合であり、その表面に絶縁層3
が構成され、図4は、導電性粒子5の表面上に絶縁層3
が形成さた被覆粒子が、凝集体を形成した場合を示した
ものであり、いずれも好ましく適用可能であり、これら
は単粒子状のものと混用もできる。 【0009】以上、図1から図2の説明における導電性
粒子は、導電性粒子の表面が絶縁層で被覆されているの
で、原則的には各種の粒径が適用可能であるが、回路の
絶縁巾(スペース)以下であることが、分解能の信頼性
確保の点から必要である。例えば、10本/mm(回路
巾50μm、絶縁巾50μm)の分解能を達成するに
は、粒径は50μmを越えないことが必要となる。この
場合、粒径50μm以上の粒子がスペース部に存在する
と、回路接続時の加熱加圧により、回路部において絶縁
層が破壊されるので、隣接回路との絶縁性が保持できな
くなる。これらのことから導電性粒子の形状は、好まし
くない。 【0010】図1〜図4における絶縁層3としては、加
熱加圧により流動性を有する絶縁体が適用できる。すな
わち回路接続時の加熱加圧により、接続すべき回路間に
おいて、導電性粒子と回路あるいは導電性粒子相互の絶
縁層3が、流動して接触部から排除されることにより、
接続回路間に導電性が得られる。これらの絶縁層3とし
ては、熱可塑性樹脂類やホットメルト性の接着剤が代表
的である。また熱軟化性や融点を有するホットメルト接
着剤のベースポリマーやエラストマー類も有用であり、
例えばポリエチレン、エチレン共重合体ポリマー、エチ
レン─酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン
─アクリル酸共重合体、エチレン─アクリル酸エステル
共重合体、ポリアミド、ポリエステル、スチレン─イソ
プレン共重合体、スチレン─ジビニルベンゼン共重合
体、エチレン─プロピレン共重合体、アクリク酸エステ
ル系ゴム、ポリビニルアセタール、アクリロニトリル─
ブタジェン共重合体、スチレン、フェノキシ、固形エポ
キシ、ポリウレタン等がある。その他、テルペン樹脂や
ロジン等の天然および剛性樹脂や、EDTA等のキレー
ト剤もあり、これらは単独もししくは複合して用いるこ
とができる。 【0011】これらの絶縁層3が、加熱加圧により流動
性を示す条件としては、回路接続時の条件である80〜
250℃、および0.1〜100kg/cm2 が適用で
きる。80℃以下では、回路接続部の耐熱性が低下する
ので好ましくなく、250℃以上では接続時に高温を必
要とするため接続部品等に熱損傷を与えることから好ま
しくない。また、圧力は0.1kg/cm2 以下では回
路との接触点における絶縁層が充分に排除されないこと
から十分な導電性が得られず、100kg/cm2 以上
では接続部品等に機械的損傷を及ぼすことから好ましく
ない。被覆層の厚みは、0.1〜5μm程度が好まし
い。0.1μm以下では絶縁性が不足し、5μm以上で
は回路接続時に絶縁層の排除が十分にされ難いので十分
な導電性が得にくい。 【0012】以上よりなる被覆粒子を接着剤中に混合す
ることで、接続部材を製造することができる。本発明で
用いられる接着剤としては、基本的には絶縁性を示す通
常の接着シート類に用いられるね配合が適用可能であ
る。通常の接着シート類に用いられる配合は、凝集力を
付与するための合成樹脂やゴム等からなるポリマー類
と、その他の必要に応じて用いる粘着付与剤、粘着性調
整剤、架橋剤、老化防止剤、界面活性剤、分散剤等から
なっている。この時、接着剤と被覆粒子の絶縁層とは非
相溶性の組み合わせにすることが好ましく、そのための
選択的の目安としては、次のことが挙げられる。 (1)相溶性の目安として一般に良く用いられるSP値
(溶融性パラメータ:日本接着協会編 接着ハンドブッ
ク第2版P−46に詳しい)を1.0以上異なる組み合
わせとして材料に極性差を設ける。(2)被覆粒子の熱
溶融温度あるいは熱軟化温度を接着剤よりも、10℃以
上高くすること等である。これらの目安は各材料で微妙
に異なるので個々の検討が必要であり、大事なことは回
路の接続後ににおいても、回路間で粒子が固定され、絶
縁回路部における絶縁層は、そのまま保持(被覆)され
ていることである。接着剤中に占める被覆粒子の添加量
は、その表面が絶縁層で被覆されているために高密度に
充填することが可能である。すなわち従来の回路の接続
部材においては、その添加量は一般的に5体積%以下と
少量の添加により、隣接回路との絶縁性を制御していた
が、本発明においては、2〜35体積%と多量に添加す
ることが可能となった。2体積%以下では、微細回路部
における導電性粒子の数が少なすぎることから、接続の
信頼性が不足し、35体積%以上では接続回路の接着性
が不足する。好ましい添加量は、5〜25体積%であ
る。 【0013】上記の被覆粒子を混合した接続部材用組成
物は、接続を要する一方もしくは相方の回路上にスクリ
ーン印刷やロールコータ等の手段を用いて、直接回路上
に接続部材を構成するか、あるいはフィルム状の接続部
材としてもよい。この時、接続部材の厚みは特に規定し
ていないが、1〜100μmが好ましい。1μm以下で
は回路との接着性が十分に得にくく、100μm以上で
は回路の接続が短時間の場合に接続時の熱伝達が不十分
となり、被覆粒子の絶縁層が十分に流動することができ
ないので十分な導電性が得られない。以上よりなる接続
部材を用いて、本発明の接続構造を得るには、例えば回
路にフィルム状接続部材を仮貼付した状態でセパレータ
のある場合には、それを剥離し、あるいは上記組成物を
回路上に塗布し、必要に応じて溶剤や分散媒を除去しな
た状態で、その面に他の接続すべき回路を位置合わせし
て、熱プレスや加熱ロール等により加熱加圧すればよ
い。 【0014】図5から図7は、かかる方法により回路を
接続した構造を示す断面模式図である。回路接続時の加
熱加圧により接着剤6が軟化流動すると、絶縁層3も軟
化し加圧部から排除される。すなわち相対峙する回路部
7−7’においては、回路7が絶縁部8に比べて一般的
に一定の高さを有することや、絶縁部8よりも硬度が高
いことから、変形性が少ない等の理由により、絶縁部8
−8’に比べ優先的に加圧されるので、回路部7−7’
間に存在する絶縁層3は、加圧の少ない絶縁部8−8’
に流動し、導電性粒子1は加圧方向である回路6−6’
において絶縁層が無くなり導電性が得られる。すなわ
ち、回路接続部の7−7’間は絶縁層3が排除され、絶
縁部8−8’間においては絶縁層3を保持することが可
能となる。この時、回路7−7’に沿うように導電性粒
子は軟化変形し接触面積が増加する。また高分子核材1
は、接着剤6の熱膨張率と近似させることが可能であ
り、導電性薄層2は極めて薄いことから回路7−7’間
が熱膨張しても、高分子核材1も同様に熱膨張できるの
で、接続部の温度変化に対して良好な追随性を有し、長
期の信頼性にも優れた接続を得ることができる。 【0015】図5は、回路7−7’間に導電性粒子が単
層で存在する場合である。この場合には導電性粒子の粒
径を隣接回路巾(7−7”)よりも小さくしないと絶縁
性が保てなくなる場合がある。図6は、導電性薄層2上
に導電材料4を付着形成した場合である。この場合は導
電材料4が高分子核材1や絶縁層3よりも高剛性である
ため、回路接続時の加熱加圧により、絶縁層3を突き破
り回路7および7’面に対して良好な電気的接続を得る
ことができる。また回路7の表面層が酸化等により、汚
染層を有している場合も導電材料4が高剛性であること
から、この汚泥層を突き破ることもできるので、各種の
回路面に対して広く適用が可能となる。図6は、被覆粒
子が単層で存在する場合を示したが、たとえ複数以上の
構成であっても導電材料4により、粒子間の電気的接続
が特に回路7−7’まで強固に得られることがわかる。 【0016】図7は、導電性粒子5を高密度に充填した
場合である。接続時の加熱加圧により回路7−7’で電
気的接続が得られ隣接回路7−7”は、回路部ほどには
加圧されないことから、絶縁層3は、導電性粒子5を覆
っているので絶縁性が保持される。したがって、高密度
の充填が可能であり、特に電極面積が微小な場合、例え
ば、ICの電極接続用等に好適である。 【0017】本発明にかかる回路の接続構造の作用につ
いて説明する。本発明の接続構造では、少なくとも一方
が絶縁面より突起した相対峙する回路間においては、高
分子を核材としその表面に導電性金属薄層を形成してな
る導電性粒子が、回路面に面接触して存在する。これ
は、少なくとも一方が絶縁面より突起した相対峙する回
路間の回路接続時の加熱加圧により、導電性粒子の表面
の絶縁被覆層が軟化流動し、その被覆が回路もしくは粒
子の接触部において排除され、接続回路間に導電性を与
える。この時導電性粒子は、回路接続時の加熱加圧によ
り軟化変形し路面に面接触して、接触面積が向上して存
在する。すなわち、導電性粒子は軟化変形し回路面と接
触面積が向上することにより、接続部の温度変化に対し
て追随性を有するので、接続部の信頼性、特に高温高湿
試験や温度変化を含む場合のような長時間の接続信頼性
が著しく向上する。相対峙する回路接続部においては、
導電性粒子は、回路間で保持されるので接着剤は絶縁層
と一体化してもよい。したがって、接続時の加熱加圧に
より排除された絶縁層は、回路との接着剤としても作用
するので微細回路の接続における非接着部分が減少し好
適である。 【0018】一方、本発明の回路の隣接方向における絶
縁部は、高分子を核材としその表面に導電性金属薄層を
有する前記導電性粒子と、その表面の絶縁被覆層および
絶縁性接着剤とが存在する。これは回路の隣接方向にお
ける絶縁部は、回路間の粒子ほどに加圧されないため
に、絶縁層の被覆はそのまま保たれ、導電性粒子が絶縁
被覆された粒子として存在するので高い絶縁性が得られ
る。絶縁性接着剤は被覆粒子の保持体であり、接続回路
同士を接着固定し合わせて隣接回路方向における絶縁材
料として作用する。この接着剤は、好ましくは絶縁層と
非相溶性であると、接続後も隣接回路間における絶縁層
の被覆は、そのまま保たれるので絶縁性が一層向上す
る。 【0019】上記の理由により、本発明になる接続構造
は、導電性粒子を接着剤中に高濃度に充填できICチッ
プのような微小接続面積での導通が確実に得られるの
で、接続信頼性が著しく向上し合わせて高精細な回路の
接続構造体を、従来と同様な加熱加圧といった容易な手
段により簡単に得ることができる。また、導電性粒子の
表面が絶縁層で被覆されいるので、導電性粒子の酸化劣
化を防止できることから導電性や信頼性に優れ、特にこ
れらの特性が安定した接続構造が得られる。 【0020】 【実施例】本発明を実施例により更に詳細に説明する。 実施例1 (1)導電性粒子の作製 (イ)前処理 コニベックスCタイプ(球状フェノール樹脂、平均粒径
20μm、ユニチカ(株)製商品名)をメチルアルコー
ル中で強制的に撹拌して、脱脂および粗化を兼ねた前処
理を行い、その後濾過によりメチルアルコールを分離し
て、前処理した高分子核材を得た。 (ロ)活性化 次にサーキットプレップ3316(PdCl+HCl+
SnCl2 系の活性化処理液、日本エレクトロプレーテ
ィングエンジニアーズ(株)製商品名)中に分散し、2
5℃─20分間の撹拌により活性化処理を行い、続いて
水洗、濾過により表面を活性化した高分子核体を得た。 (ハ)無電解Niめっき 活性化処理後の粒子をブルーシューマ(無電解Niめっ
き液、浴能力300μdm2 /l、日本カニゼン(株)
製商品名)液中に浸漬し、90℃─30分間強制撹拌を
行った。所定時間後水洗した。めっき液量は粒子の表面
積から算出した。 (ニ)無電解Auめっき 以上で得られたNi被覆粒子の表面に、Auの置換めっ
きを行った。めっき液はエレクトロレスプレップ(無電
解Auめっき液、日本エレクトロプレーティングエンジ
ニアーズ(株)製商品名)であり、90℃─30分間の
めっき処理を行い、その後で水を用いてよく洗浄し、続
いて90℃─2時間の乾燥を行い導電性粒子を得た。こ
の粒子は、Ni0.3μm/Au0.05μmの金属薄
層を有していた。 (2)被覆粒子の作製 前記導電性粒子の表面に絶縁層を形成した被覆粒子を作
製した。絶縁層の材料として、パラプレンP−25M
(熱可塑性ポリウレタン樹脂、軟化点130℃、日本エ
ラストラン(株)製商品名)の1%ジメチルホルムアミ
ド(DMF)溶液とし、導電性粒子を添加撹拌した。こ
の後スプレードライヤ(ヤマト科学(株)製GA−32
型)により100℃で10分間噴霧乾燥を行い被覆粒子
を得た。この時の被覆層の平均厚みは、電子顕微鏡(S
EM)による断面観察の結果、約1μmであった。 (3)接続部材の作製 絶縁性接着剤として下部固形分配合比のホットメルト接
着剤を調整した。この接着剤のメルトインデックス(M
I.ASTM D─1238準拠、但し150℃)は2
0g/minであった。 タフプレン(スチレン─ブタジェン─ブロックポリマー、旭化成工業(株)製 商品名)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60部(重量) YSポリスターT−115(テルペンフェノール樹脂、安原油脂(株)製商品 名)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200部 上記よりなる接着剤溶液中に、前記した被覆粒子を添加
混合した。この時の被覆粒子の添加量は、接着剤の固形
分に対し5体積%とした。この混合液をバーコータによ
りセパレータ(シリコーン処理ポリエステルフィルム厚
み38μm)上に塗布し、100℃─20分間の乾燥に
よりトルエンを除去し、厚み25μmの接続部材を得
た。絶縁層はトルエンに不溶であり、接着剤は可溶のた
めに、両者は相溶せずに良好な接続部材が得られた。 (4)回路の接続 ライン巾50μm、ピッチ100μm、厚み18μmの
Cu回路を有するポリイミド基板の全回路巾50mmの
フレキシブル回路板(FPC)に、接着巾3mm、長さ
50mmに切断した接続部材を載置して、140℃─2
kg/cm2 ─5秒の加熱加圧により接続部材付FPC
を得た。その後セパレータを剥離して、他の同一ピッチ
を有する透明導電ガラス(ITO回路、ガラス厚み1.
1mm)と顕微鏡下で回路の位置合わせを行い、150
℃─30kg/cm2 ─20秒間の加熱加圧により回路
の接続を行った。 (5)評価方法と結果 上記により得た回路の接続抵抗および隣接回路間の絶縁
抵抗を測定した。接続抵抗はマルチメータ(TR─68
77、アドバンテスト(株)製)、絶縁抵抗はハイオー
ムメータ(TR─8611、アドバンテトス(株)製)
で行った。これらの測定結果を表1に示したが、10本
/mmの高密度回路に対して良好な回路間の接続抵抗
と、隣接回路間の絶縁抵抗とが合わせて得られた。また
接続体は冷熱衝撃試験(─40℃/30分 100℃/
30分を1サイクル)500サイクルの処理後に、上記
と同様な評価を行ったが、接続抵抗および絶縁抵抗共に
ほとんど劣化は見られなかった。この冷熱衝撃試験は苛
酷な長期信頼性とされていることから、本実施例は優れ
た長期信頼性も合わせて有していることがわかる。な
お、本実施例の接続部断面をSEMにより観察したとこ
ろ、図5に模式的に示したように接続回路間において導
電性粒子は単層で存在し、回路に沿って変形して存在し
ていた。 【0021】実施例2 実施例1と同様に行ったが、導電性粒子の表面にNi粉
(カルボニル法、平均粒径2μmの表面凹凸を有する略
球状粒子)を以下の方法で付着形成した粒子を用いた。
その方法は、実施例1の接着剤材料であるホットメルト
接着剤の0.5%トルエン溶液中に導電性粒子を添加撹
拌した。この後スプレードライヤー中でDMFの大半を
乾燥し、その後スプレードライヤー中にNi粉を導電性
粒子の10体積%添加し、更にスプレードライヤーで乾
燥することにより導電性粒子にNi粉を付着形成せしめ
た。その後、実施例1と同様に被覆層を作製した。本実
施例の評価結果を表1に示すが、良好な分解能と長期信
頼性の両立した良好な特性を得た。また、接続部の断面
をSEMで観察したところ、図6に模式的に示した接続
状態であった。 【0022】実施例3 高分子核体は実施例1のユニベックスCであるが、マイ
クロシーブを用いて3μmオン8μmパスとなるように
分級して平均5μmの粒子とした。実施例1と同様な無
電解めっきにより導電性粒子を得た後、実施例1で用い
たホットメルト接着剤を1%トルエン溶液として同様な
方法により被覆粒子を得た。接着剤はバイロナールMD
−1930(水分散タイプの熱可塑性ポリエステル樹
脂、融点113℃、東洋紡績(株)製商品名)を用い
た。実施例1と同様に被覆粒子を分散し接続部材を得
た。接着剤は水分散タイプであるために絶縁層と非相溶
であり、良好に接続部材を作製できた。この時、被覆粒
子の添加量は接着剤に対して25体積%であり、接続部
材の厚みは15μmであった。本実施例の評価結果を表
1に示したが、良好な分解能と長期信頼性の両立した良
好な特性を得た。また、実施例1と同様にその断面を観
察したところ、図7に模式的に示したように粒子は高密
度に充填されていた。 【0023】比較例1 導電層に絶縁層を形成しない導電性粒子を用いた他は、
実施例3と同様に接続部材を作製し評価した。結果を表
1に示したが、良好な接続抵抗値は得られるものの隣接
回路間での絶縁性が無くなり、接続部材としての適用は
できなかった。 【0024】比較例2 導電材料として融点183℃、平均粒径10μmのハン
ダ粒子を用いた他は、実施例3と同様に絶縁層を形成し
た被覆粒子により接続部材を作製評価した。結果を表1
に示したが、隣接回路との絶縁性は得られたものの、長
期信頼性の評価で十分な接続が得られなかった。この理
由はハンダ粒子(線膨張率2.8×10-5/℃)と接着
剤(線膨張率30×10-5/℃)との熱膨張率が大きく
異なるために、熱衝撃試験時にハンダ粒子が温度変化に
対する追随性が無かったためと考えられる。 【0025】 【表1】 【0026】実施例4 実施例3の接続部材を用いて、ICチップをFPCに接
続した。用いたICチップは5×7mmであり、片面に
50μm□の電極パッド(高さ2μm、アルミニウムの
表面を金で処理、電極数50個)を有しており、このパ
ッド面に実施例2の接続部材を載置し、150℃熱盤上
で軽く圧着してセパレータを除去した。次いで、パッド
と同一配置の電極を有するFPC(銅回路の高さ18μ
m、基材ポリイミド、通称TAB)と位置合わせを行
い、160℃−10kg/cm2─10秒間の加熱加圧
でICとFPCを接続した。この接続体を評価したとこ
ろ、各電極で確実に導通が得られ隣接回路とは絶縁され
ていた。また、実施例1と同様な長期信頼性を評価した
が、その特性劣化は見られなかった。本実施例において
は、50μm□という小面積の電極接続が簡単に、しか
も確実に行われ、合わせて良好な長期信頼性を有してい
ることがわかった。 【0027】 【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、長
期接続信頼性と合わせて、微細回路の接続が可能である
高分解能な回路の接続構造を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に好適な被覆粒子を示す断面模式図。 【図2】 本発明に好適な被覆粒子を示す断面模式図。 【図3】 本発明に好適な被覆粒子を示す断面模式図。 【図4】 本発明に好適な被覆粒子を示す断面模式図。 【図5】 本発明にかかる回路の接続構造の断面模式
図。 【図6】 本発明にかかる回路の接続構造の断面模式
図。 【図7】 本発明にかかる回路の接続構造の断面模式
図。 【符号の説明】 1 高分子核材 2 導電性薄層 3 絶縁層 4 導電材料 5 導電性粒子 6 接着剤 7 回路(接続端子) 8 絶縁部 9 絶縁基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中祖 昭士 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化 成工業株式会社 下館研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−40183(JP,A) 特開 昭61−78069(JP,A) 特開 昭62−40184(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも一方が絶縁面より突出して相対峙する回
    路間が、加熱により塑性流動性を有する絶縁性接着剤と
    高分子核材の表面に金属薄層を形成してなる導電性粒子
    とからなる接続部材を介して電気的に接続されてなる回
    路の接続構造において、前記導電性粒子がその表面を更
    に回路接続時の熱圧により流動性を有する熱可塑性絶縁
    層で覆われた粒子で構成され、少なくとも回路表面に接
    する部分の前記熱可塑性絶縁層が回路接続時の熱圧によ
    り除去されて回路表面に面接触することにより回路間の
    導通が図られてなることを特徴とする回路の接続構造。
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