JP2545710B2 - レ−ザ出力計 - Google Patents

レ−ザ出力計

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はレーザ出力計に関し、特に当該パワーないし
エネルギを測定すべきレーザ・ビームとターゲット面と
の相対的な位置決めを簡単、かつ確実化するための改良
に関する。
〈従来の技術〉 機械要素類の加工に用いられるような、いわゆるエネ
ルギ・ビームとしてのレーザ・ビームを始め、光通信用
であっても将来的な大出力光通信用であれば特に、その
出力を正確に測定する必要に駆られることが多い。
そのために従来からも、この種の測定をなすため、サ
ーモ・パイルやカロリ・メータ等の熱型センサを利用し
たレーザ出力計が開発されてきたが、これ等を用いての
出力測定に際しては、まずもって測定対象のレーザ・ビ
ームを当該熱型センサ(以下、レーザ出力センサと呼
ぶ)で構成される受光器上のターゲット面に正確に入射
させなければならない。
しかしそもそも、レーザ・ビームは空間を伝搬する波
であること、また可視光には限られなかったり、パルス
光であったりする場合も多いこと等から、何等かの工夫
をしないとターゲット面への正確な入射は極めて難し
く、そのため従来のレーザ出力計においても、一応はこ
の対策として、第4図示のような構成が採られていた。
すなわちこの従来のレーザ出力計10は、受光器ハウジ
ング15の一端側の開口から導入した測定対象のレーザ・
ビームLBをハウジング内部の奥に設けたレーザ出力セン
サ12のターゲット面11上に当て、このレーザ出力センサ
12にて入力光エネルギを適当なる電気量に変化した後、
当該電気量に対応するレーザ・ビーム出力値を指示計13
の目盛で読取るようになっているが、上記のような各種
の構成子を内包する受光器ハウジング15はまた、マイク
ロ・メータ21,22により、Z方向(高さ方向)およびX
方向(レーザ・ビーム入射方向に直交する一水平方向)
に対し、相当高い分解能で移動可能な二次元移動台20の
上に載置されている。
そこで測定に際しては、受光器ハウジング15の開口内
に測定対象のレーザ・ビームLBを入射させ、それにより
生ずる指示計13の指示目盛を読みながら各マイクロ・メ
ータ21,22を操作し、Z方向、X方向に移動台20ないし
受光器ハウジング15を微細に移動させて指示計13の指示
値が最大となる所で止め、これにより位置決めがなされ
たものとみなして当該最大目盛を読むか、または受光器
ハウジング15の一端開口に取外し可能な位置決め用接栓
14をねじ込み、レーザ・ビームLBを照射してこの接栓14
の表面における反射光を目視しながら各マイクロ・メー
タ21,22を操作し、接栓表面上に記した目印16を頼りに
位置決めを図った後、当該接栓14を取外し、改めてレー
ザ・ビームLBを入射させ、指示計13の指示目盛を読んで
いた。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、上記したような従来の位置決め方法におい
て、まず指示計13の指示目盛を読み、マイクロ・メータ
を操作しながら最大指示値を得るように合せる方法は、
既述のようにレーザ出力センサ12として熱型のセンサが
用いられている場合、その時定数が通常、数秒以上にも
及ぶ程長いので、照射位置の変化による出力の変化を読
むのに時間が掛かり、その間にはドリフトの影響が加わ
って正確でなくなるという欠点を有していた。
対して位置決め用の接栓14を用いる方法は、いかんせ
ん、人の目だけが頼りなため個人差が大きく、全くにし
て信頼性に欠けるのみならず、そもそも非可視光やパル
ス光の場合には原理的に採り得ない手法であった。
本発明はこうした従来の実情に鑑み、測定対象レーザ
・ビームのターゲット面照射に関し、簡単でありながら
信頼性の高い位置決めをなし得、もって高精度なレーザ
・ビーム出力測定を可能とするレーザ出力計を提供せん
とするものである。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明は上記目的を達成するため、次にような構成に
よるレーザ出力計を提案する。
熱型のレーザ出力センサによりターゲット面上に照射
されたレーザ・ビームの出力を測定するレーザ出力計で
あって: 上記レーザ・ビームが照射される上記ターゲット面
に、一つ以上のビン・ホールか光導波路の入射端面を設
ける一方: 上記ピン・ホールを通過し得たレーザ・ビーム出射経
路中か、または上記光路波路の出力端面に臨むように光
検出器を設けたこと; を特徴とするレーザ出力計。
〈作用および効果〉 本発明によれば、熱型のレーザ出力センサでレーザ・
ビーム・エネルギを測定するに際し、まず当初の位置決
めの段階で当該レーザ・ビームの照射されるターゲット
面中に設けた極めて微小な面積のピン・ホールを通過す
るか、または光導波路入射端面から該導波路中に入った
レーザ・ビームのごく一部をその背後に設けた光検出器
で検出することができる。
そのため、本発明のレーザ出力計においては、受光器
自体がレーザ・ビーム・プロファイルの測定機能を高分
解能で有していることになる。
すなわち、受光器を載置した移動台を動かすマイクロ
・メータの操作等により、受光器をX,Z方向に適宜走査
して、入射しているレーザ・ビームを当該X,Z方向に微
小なピン・ホールや光導波路入射端面で横切りながら見
れば、入射しているレーザ・ビームに関して得られた強
度パターンから当該レーザ・ビームのモードを知ること
ができ、したがってこのことから、当該モードに従うレ
ーザ・ビームの中心位置を高精度で知ることができる。
これは取も直さず、ビームと受光器間での高精度な位置
決めが図れることを意味する。
しかも、本発明のレーザ出力計においては、当初の位
置決めのためには入射レーザ・ビームの全エネルギを検
出するのではなく、微小な面積に限定した開口部(ピン
・ホール面積とが光導波路入射端面面積)を通過する一
部のエネルギ分しか検出しなので、当該光検出器として
フォト・ダイオードやフォト・トランジスタ等の、より
高速な応答性を示し得る光検出器を用いることも可能で
あり、ためにドリフトの影響を受け難く、位置決め作業
時間も短縮することができる。
もっとも、光検出器として上記のタイプのものを用い
ることは決して限定的ではなく、従来通り熱型の検出器
であっても、先に述べた従来例に比し、本発明のレーザ
出力計においては、そもそも当初の位置決めのために検
出対象とするレーザ・ビームの断面積部分は微小領域に
限っているので、ドリフトの影響は構造的観点からして
も本質的に受け難いため、同様にこれを使用することが
できる。
〈実 施 例〉 第1図には本発明に即して構成されたレーザ出力計と
して、比較的基本的な実施例が示されている。
まず静的な構成から説明すると、このレーザ出力計30
は受光器ハウジング35を有し、受光器ハウジング35の一
端は開口34となっていて、出力を測定すべきレーザ・ビ
ームLBはここからハウジング内部に導入する。
ハウジング35の内部には、レーザ・ビームLBを全断面
部分に亘って受けるターゲット面31が適当なる基板33の
上に形成されていて、該基板33の裏側には従来例と同
様、サーモ・パイルやカロリ・メータ等の熱型センサに
よるレーザ出力センサ12,12が備えられており、その出
力はこれも従来例と同様のメカニズムにより、レーザ・
ビーム出力指示計13により読取られ、指示される。
しかし、本発明を具現したこのレーザ出力計において
は、さらに、当初の位置決めのため、当該ターゲット面
31に開けられた微細な面積部分としてのピン・ホール37
を介し、一部のビーム成分が当該ターゲット面31の後方
まで侵入可能となっていて、このピン・ホール37を介し
てターゲット面31の後方に導かれたレーザ・ビーム成分
は、当該レーザ・ビーム成分の出射経路中に受光面を臨
ませた位置決め用の光検出器32によって光電交換され、
当該変換電気量は、従来から用いられていた通常の指示
計やオシロ・スコープであって良い出力密度指示装置36
によりレーザ・ビーム出力密度を表示可能に検出され
る。
しかるに、一般にピン・ホール37の開口径を微小に選
べば、検出対象をレーザ・ビームLBの全断面積部分のご
く一部分に限り得ることから、相対的に光検出器32の検
出対象とするエネルギ量も小さなものとすることがで
き、ためにこの位置決め用の光検出器32としては、より
高速応答性を示し得るフォト・ダイオード、フォトトラ
ンジスタあるいは焦電型その他、低許容入力レベルであ
っても高速応答性の検出器を使うことができる。
ただし逆に言えば、検出対象となるエネルギ成分が小
さくなることから、光検出器32に高感度なものが要求さ
れることが多くなるとも言える。
また、上記のように、本発明のレーザ出力計30におい
ては、その時々で光検出器32により検出対象となる面積
部分は入射レーザ・ビームの全断面部分の一部であるか
ら、限定的ではないが移動機構として例えば公知既存の
二次元移動台20を援用する等し、入射レーザ・ビームLB
直交する二方向X,Zに受光器ハウジング35を走査すれ
ば、入射レーザ・ビームのプロファイルを強度分布に化
体して知ることができる。
上記はレーザ・ビームLBが連続波であるかパルス波で
あるかにはかかわらない。ただ、パルス波の場合には、
出力密度指示装置36としてはオシロ・スコープ等に頼る
必要がある。
ここで本発明のレーザ出力計30を用いての当初の位置
決めの実際につき説明すると、まず、最も単純な断面形
態として、測定対象のレーザ・ビームLBがいわゆるガウ
ス・ビーム、つまりTEM00モードであったとしよう。
ガウス・ビームは、ビーム半径をw、ビーム中心の強
度(出力密度)をI0とすれば、中心から距離rの位置に
おける強度Iは次式で与えられる。
これから、半径rの面積領域内に含まれる出力エネル
ギ成分Pには全エネルギP0に対し、次式の関係にな
る。
したがって、今、レーザ・ビームの直径2wが1.5mmで
あって、第1図示構成中、ピン・ホール37の透過出力P
を最大でも0.1%に留めたいとした場合、つまり、 P/P0≦10-3 …… とした場合には、上記,式からして、ピン・ホール
37に要求される直径2rは 2r≦33.5μm …… と計算される。
しかるに、ガウス・ビームの場合は中心が最大強度と
なり、周辺に向かうに従い、単調に強度低下を起こすビ
ーム断面形状であるため、上記のようにして十分小さく
設定したピン・ホール37により、望ましくは応答が速
く、十分に高感度な光検出器32を用いてその出力を出力
密度指数装置36でモニタしつつ、X,Z移動による走査を
図れば、現在入射しているレーザ・ビームが当該ガウス
・ビームであることを知ることができ、したがってまた
こうした知見を得れば、このレーザ・ビームの中心位置
を決定することは極めて容易であり、次定数の長い熱型
のレーザ出力センサに基づいてレーザ出力指示も正確に
行なうことができる。
この場合、位置決め誤差は上記ピン・ホールの径その
ものとなり、最大でも33.5μmに留め得、また、透過出
力による誤差も0.1%以下となる。
なお、用いる光検出器32の感度が低く、したがってピ
ン・ホール径を大きくしなければならないような場合に
は、当該光検出器32をあらかじめ較正した検出器とし、
この検出器と出力指示計の出力の和を採るとか、出力指
示計の出力に一定の補正値を加味すれば、それ程精度を
落とさないで済む。
また、あらかじめ較正した別途な検出器を用いる場合
にも、従来のレーザ出力計におけるような較正精度は必
要なく、原理的にはP0/P倍、低精度で良い。
上記から推して、本発明にレーザ出力計30は、他のモ
ードに従うレーザ・ビームLBについても、全く同様に高
精度な位置決めを図り得ること、明らかである。
例えば左右に各一つづつ、計一対のピークを持つTEM
10モードの場合等にも、あらかじめX方向の強度分布を
得ることにより、現在入射しているレーザ・ビームがそ
うしたTEM10モードに従うビームであることを知ること
ができ、したがってやはり高精度な位置決めを図ること
ができる。
上記した本発明のレーザ出力計の当初の位置決めに関
する作用効果は、全て下記のように構成した実施例でも
満足することができる。
以下、第2,3図に即し、本発明の他の実施例につき説
明するが、第1図示実施例と同様ないし同一であって良
い構成子には同一の符号を付すに留め、適宜、その説明
を省略する。
第2図示の実施例はターゲット面31に対し、先にピン
・ホール37に代え、光ファイバの光導波路38の入射端面
を臨ませたものである。
もちろん、当該光導波路38の出射端面は光検出器32に
臨ませるが、このようにすと、光導波路入射端面で規定
されるレーザ・ビームLBの一部をのみ、同様に光検出器
32の検出対象とし得、既述した第一実施例と全く同様の
機能が得られるに加え、例えばレーザ・ビームLBが入射
する受光器ハウジング35内に光検出器32を配することが
できないような場合、光検出器32の配置に適当なる部分
にまで、当該一部のレーザ・ビーム成分を案内してくる
ことができる。
光検出器を配することができないような場合とは、例
れば受光器ハウジング35内が真空になっているとか、あ
るいはまた構造上、受光器ハウジング35内に光検出器32
を収める空間余裕がない等である。
第3図示の実施例は、ピン・ホール37を既知の位置
(例えばターゲット面31の中心位置から一定距離部位
等)に複数個、形成し、それらを介する透過ビーム成分
を個々の光検出器32,32で検出するか、または図示され
ていないが共通の一つの光検出器で検出するようにした
ものである。
こうした実施例は、特に大径のレーザ・ビームの測定
に供する場合とか、透過ビーム成分が不足がちな場合に
有効であり、個々に専用の光検出器を設ける場合には、
ビーム・プロファイルの測定をより迅速化し得ることも
ある。
もちろん、ピン・ホール37の代わりに第2図示実施例
におけるような適当な光導波路38を利用しても良いし、
これらピン・ホール37と光導波路38の混用も可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図までは本発明のレーザ出力計の各実施
例の概略構成図、第4図は従来のレーザ出力計の概略構
成図、である。 図中、12はレーザ出力センサ、13はレーザ・ビーム出力
指示計、30は本発明による全体としてのレーザ出力計、
31はターゲット面、32は光検出器、34はレーザ・ビーム
の入射開口、35は受光器ハウジング、36は出力密度指示
装置、37はピン・ホール、38は光導波路、LBは測定対象
のレーザ・ビーム、である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱型のレーザ出力センサによりターゲット
    面上に照射されたレーザ・ビームの出力を測定するレー
    ザ出力計であって、 上記レーザ・ビームが照射される上記ターゲット面に、
    一つ以上のピン・ホールか光導波路の入射端面を設ける
    一方; 上記ピン・ホールを通過し得たレーザ・ビーム出射経路
    中か、または上記光導波路の出力端面に臨むようにレー
    ザ出力センサの中心を被測定レーザ・ビームの中心に位
    置させるための光検出器を設けたこと; を特徴とするレーザ出力計。
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