JP2545313B2 - まゆ型二軸容積式ポンプのシ―ル構成 - Google Patents

まゆ型二軸容積式ポンプのシ―ル構成

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JP2545313B2 JP3259660A JP25966091A JP2545313B2 JP 2545313 B2 JP2545313 B2 JP 2545313B2 JP 3259660 A JP3259660 A JP 3259660A JP 25966091 A JP25966091 A JP 25966091A JP 2545313 B2 JP2545313 B2 JP 2545313B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、まゆ型二軸容積式ポン
プのシール構成に係り、単段又は多段式ローターのシャ
フトを伝って潤滑オイルの流入するのを防止する圧縮ガ
スの流出を防止する圧縮ポンプのシール構成を完全に施
したポンプを提供するもので、オイルの流入を不可とす
るPSA法でCO2やフロンガスの回収を行う吐出圧約
3Kg/cm2程度のドライエアー源を得る圧縮ポンプ
に利用するに適し、特に大気圧との圧力差が大きい場
合、シール成績を極く良好にした単段又は多段のまゆ型
二軸容積式ポンプに適するシール構成を提供することが
できる。
【0002】
【従来の技術】ポンプのシール構成は極めて重要で、机
上で構成を批判できるものでないことが多い。と言うの
はシール構成が当該ポンプの耐用性その他の評価の決定
要素となり、生産を安定させるか否か、即ち永続生産で
きるか短期生産に終わるかの企業成績に影響するもの
で、良い成績を挙げるには思考錯誤による実験の繰り返
しが極めて重要であって、単純に従来の設計等を参考に
して容易に発明できるものではないからである。本発明
は、約3Kg/cm2の圧力に耐えるまゆ型二軸容積式
ポンプのシール構成に係り、従来はメカニカルシールの
単独使用若しくはオイルバス、オイルシールの併用使用
を行っているが、前記の単独使用では潤滑オイルの流
入、圧縮ガスの漏洩が甚だしく、併用使用によってもオ
イルの流入、圧縮ガスの流出を完全に防止することは不
可能で、高真空処理技術とか、高圧縮のドライエアー源
製作技術に、この比較的廉価に提供できるまゆ型二軸
容積式ポンプを使用することに難題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】まゆ型二軸容積式ポン
プは前記したように、ドライエアー源用に適する性能を
もつものであるが、現用のシール機構を改善しない限り
次ぎに述べる問題点があることを本発明者が実験により
確認した。 トルク変動が大きく、シャフトの振れは25KWの
標準機で0.02〜0.05mmであるから、軸シール
機構は一軸ポンプに比べて不利である。 メカニカルシールの回転環と固定環の摺擦面で脈動
する等によりオイルが侵入し易くなり、侵入オイルが前
記摺擦面の発熱により炭化し、これが粒状に成長してオ
イルの流出、圧縮ガスの流入を激しくする。 液体マグネットシールを使用してもマグネットシー
ル材が甚だしく流出してシール効果は不可である。本発
明は上記の及びの問題点を解決することを課題と
し、目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、まゆ型二軸
容積式の単段又は多段式ローターのシャフト2を支持す
るベアリング28用の潤滑オイルがシャフト2を伝って
圧縮室7,8へ流入するのを防止するとともに、シャフ
ト2を伝って圧縮室7,8から圧縮ガスが流出するのを
防止するまゆ型二軸容積式ポンプのシール構成におい
て、前記ベアリング28をオイル潤滑するためのオイル
バスXとオイルスリンガーEをハウジングに設けるとと
もに、同オイルバスルームXの大気側で前記スリンガー
Eによりオイルを浴びせられて冷却されるメカニカルシ
ールアッセンブリAを前記シャフト2の周りに設け、前
記ベアリング28と前記圧縮室7,8の間に設けられて
前記シャフト2を通すハウジングのネック部18におい
て、前記シャフト2の周りにドライ式オイルシール装置
Bを設け、そのシール装置Bと前記ベアリング28の間
に、前記ドライ式オイルシール装置B用のドライスリン
ガーCを設置するとともに、前記ベアリング28を通っ
たオイル又は圧縮室7,8からドライ式オイルシール装
置Bに漏れたガスを前記オイルバスルームXに排出する
排油孔21を設け、前記メカニカルシールアッセンブリ
Aのケース24を隔てた大気側で、オイルバスルームY
と、そのルームYによってオイル潤滑されるオイルシー
ル装置Dを前記シャフト2の周りに設けたことを特徴と
する
【0005】
【発明の作用・効果】本発明に係るシール構成によれ
ば、ベアリング28と圧縮室7,8の間のシャフトの通
るネック部を潤滑オイルに浸潤されていないドライ式オ
イルシール装置Bによってドライシールするとともに、
ベアリング28を通ってドライ式オイルシール装置Bに
伝ったオイルをドライスリンガーCと排油孔21の作用
でオイルバスXに排出するので、ベアリング28用の潤
滑オイルが圧縮室7,8中のガスに混入するのを確実に
防止できる。また、圧縮室7,8からドライ式オイルシ
ールBに漏れたガスを排油孔21を通ってオイルバスX
に排出する一方で、メカニカルシールアッセンブリAの
大気側にオイルシール装置Dを設けてオイルバスX の内
と外の間をオイルシールしたので、オイルバスX中のガ
スがハウジング外部に漏れるのを防止できる。このよう
に本発明によれば、ドライ式オイルシール装置Bとドラ
イスリンガーCとメカニカルシールアッセンブリA及び
オイルシール装置Dの併用により圧縮ガスの圧縮室7,
8への流出だけでなく、潤滑オイルの圧縮室7,8への
流入をも効果的に防止できる。
【0006】
【実施例】添付図面は本発明の一実施例を示すもので、
図1は駆動側ローターのシャフト2を中心で縦断した縦
断側面図、図2は一体の金属材料から創製し、三葉ロー
ター4、5を平行させて形成した二段式まゆ型ローター
のシャフト2の斜視図、図3、図4は図1の所要部分の
拡大縦断面図である。
【0007】1は本発明のまゆ型二軸容積式ポンプを示
し、一体の金属材料から図2のようにシャフト2と三葉
まゆ型ロータ4、5とを創製してなり、前記シャフト2
にケーシング6の第一段圧縮室7、第二段圧縮室8間の
隔壁9を通る連結シャフト部3を設け、三葉まゆ型ロー
ターは第一段4と第2段5を平行に設けた。ケーシング
6はシャフト2の軸方向に沿って2分割した分割ケーシ
ングからなり、隔壁9の両側の第一段と第二段圧縮室
7、8の夫々に吸込口10と吐出口11、吸込口12と
吐出口13を設け、第一段圧縮室7の吐出口11と第二
段圧縮室8の吸込口12とを図示しないインタークーラ
ーにより冷却される連結ホース若しくは連結パイプによ
り連結する。
【0008】ケーシング6の両側に、右ハウジング14
と左ハウジング15を取付け、右ハウジング14の外側
にタイミングギヤ室16を構成するカバー16aを装着
し、左ハウジング15の外側にオイルバスルームXを構
成するカバー17aを装着する。右ハウジング14と左
ハウジング15とはほぼ対称形に形成され、ケーシング
6に夫々連通しかつ前記のシャフト2を通したネック部
18と、第1拡径孔19を設け、それよりさらに外側に
ベアリング28を嵌める第2拡径孔20を連続形に設
け、該拡径孔20の一部に、右ハウジング14において
はタイミングギヤ室16のオイル層に連通し、左ハウジ
ング15においてはオイルバスルームXのオイル層に連
通する排油孔21を設け、第1拡径孔19に前記ネック
部18の外周に該当させた数個の押出し用小孔22を形
成する。
【0009】第1拡径孔19には前記シャフト2に固嵌
したシャフトスリーブ25の外周をシールするドライ式
オイルシール装置Bである数個の4フッ化エチレン樹脂
系ドライオイルシール23をアダプタ23aに嵌めて挿
入する。アダプタ23aを前記のドライ式オイルシール
Bと共に第1拡径孔19から抜き取るには、押出し用小
孔22のケーシング6側(実際にはケーシング6を外し
て行う)から押出し治具を押出して施す。各第2拡径孔
20には右ハウジング14若しくは左ハウジング15に
固定して内周を前記のシャフトスリーブ25に接触した
固定側ドライスリンガー26と、シャフト2と共に回転
する回転側ドライスリンガー27とを一組に組み合わせ
たドライ式オイルシール装置B用のドライスリンガーC
を設け、さらに第2拡径孔20に、前記の固定側ドライ
スリンガー26と止めリング30との間にアウター輪を
嵌めて固定し、回転側ドライスリンガー26とシャフト
2を取付けたリング乃至ナット31との間(右ハウジン
グ14にはリング乃至ナットがない)にインナー輪を挟
んだシャフト2支持のベアリング28を嵌める。
【0010】カバー17aのオイルバスルームX内には
前記シャフト2に固定して、下方がオイル層を潜ってベ
アリング28にオイルをかけて潤滑するオイルスリンガ
ー32(オイルバスルームXのオイルスリンガーE)を
設ける。オイルバスルームXの大気側で前記カバー17
aの面にシャフト2を通す中心孔33にシャフト2に固
定した回転環34と、中心孔33の蓋板35に取付けて
バネ36により回転環34の方向に押して弾接させた固
定環37とからなり、前記のスリンガーE(オイルスリ
ンガー32)により浴びせるオイルによって冷却される
メカニカルシールアッセンブリAを設け、該アッセンブ
リAの大気側に栓38を外してオイルを補給するオイル
バスルームYを設け、そのルームYによってオイルバス
されるオイルシール装置Dを設ける。オイルシール装置
Dはシャフト2の外周をシールする数個の4フッ化エチ
レン樹脂系オイルシール39からなり、前記したドライ
式オイルシール装置Bと同じものでよい。
【0011】右ハウジング14においては、タイミング
ギヤ室のタイミングギヤ40が前記したオイルスリンガ
ーE(オイルスリンガー32)と均等に作用する。メカ
ニカルシールアッセンブリA、オイルバスルームY、及
びオイルシール装置Dは前記シャフト2をカバー17a
の外部まで突出してプーリ2aに駆動ベルトを掛けるた
め、前記の突出部分をシールする必要があって設けるも
のであるが、カバー16aにはシャフトの外部への突出
がないので設けない。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明の一実施例を示すもので、
【図1】駆動側ローターのシャフト2を中心で縦断した
縦断側面図
【図2】一体の金属材料から創製し、三葉ローター4、
5を平行させて形成した二段式まゆ型ローターのシャフ
ト2の斜視図
【図3】図1の所要部分の拡大縦断面図
【図4】図1の所要部分の拡大縦断面図
【符号の説明】
1 まゆ型二軸式容積ポンプ、 2 シヤフト、 2a
プーリ、3 連結シヤフト部、 4、5 三葉まゆ型
ローター、6 ケーシング、 7、8 圧縮室、 9
隔壁、 10 吸込口、11 吐出口、 12 吸込
口、 13 吐出口、 14 右ハウジング、15 左
ハウジング、 16 タイミングギヤ室、 16a カ
バー、17a カバー、 18 ネック部、 19 第
1拡径孔、20 第2拡径孔、 21 排油孔、 22
押出し用小孔、23 4フツ化エチレン樹脂ドライオ
イルシール、 23a アダプタ、24 ケース、 2
5 シャフトスリーブ、26 固定側ドライスリンガ
ー、 27 回転側ドライスリンガー、28 ベアリン
グ、 29 ドライオイルスリンガー、 30 止めリ
ング、31 リング乃至ナット、 32 オイルスリン
ガー、 33 中心孔、34 回転環、 35 蓋板、
36 バネ、 37 固定環、38 栓、 39 4
フツ化エチレン樹脂オイルシール、40 タイミングギ
ヤ、A メカニカルシールアッセンブリ、 B ドライ
式オイルシール装置、C ドライスリンガー、 D オ
イルシール装置、 E オイルスリンガー、X オイル
バスルーム、 Y オイルバスルーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まゆ型二軸容積式の単段又は多段式ロー
    ターのシャフト2を支持するベアリング28用の潤滑オ
    イルがシャフト2を伝って圧縮室7,8へ流入するのを
    防止するとともに、シャフト2を伝って圧縮室7,8か
    ら圧縮ガスが流出するのを防止するまゆ型二軸容積式ポ
    ンプのシール構成において前記ベアリング28をオイ
    ル潤滑するためのオイルバスXとオイルスリンガーEを
    ハウジングに設けるとともに、同オイルバスルームXの
    大気側で前記スリンガーEによりオイルを浴びせられて
    冷却されるメカニカルシールアッセンブリAを前記シャ
    フト2の周りに設け、前記ベアリング28と前記圧縮室
    7,8の間に設けられて前記シャフト2を通すハウジン
    グのネック部18において、前記シャフト2の周りに
    ライ式オイルシール装置Bを設け、そのシール装置Bと
    前記ベアリング28の間に、前記ドライ式オイルシール
    装置B用のドライスリンガーCを設置するとともに、
    記ベアリング28を通ったオイル又は圧縮室7,8から
    ドライ式オイルシール装置Bに漏れたガスを前記オイル
    バスルームXに排出する排油孔21を設け、前記メカニ
    カルシールアッセンブリAのケース24を隔てた大気側
    で、オイルバスルームYと、そのルームYによってオイ
    ル潤滑されるオイルシール装置Dを前記シャフト2の周
    りに設けたことを特徴とするまゆ型二軸容積式ポンプの
    シール構成。
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