JP2544226Y2 - 小型モータ - Google Patents

小型モータ

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JP2544226Y2
JP2544226Y2 JP7879789U JP7879789U JP2544226Y2 JP 2544226 Y2 JP2544226 Y2 JP 2544226Y2 JP 7879789 U JP7879789 U JP 7879789U JP 7879789 U JP7879789 U JP 7879789U JP 2544226 Y2 JP2544226 Y2 JP 2544226Y2
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英昭 野間
修 伊賀
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Sanyo Electric Co Ltd
Nidec Seimitsu Corp
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Sanyo Electric Co Ltd
Sanyo Seimitsu Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は小型モータに係り、特に、ブラシ付きの小型
モータの改良に関する。
(ロ)従来の技術 従来、この種の小型モータは、モータケースに回転自
在に軸支されたロータ軸に固定したコアに駆動コイルを
巻き、そのロータ軸には絶縁層を介して複数の整流子片
を環状に配置して整流子を形成し、そのモータケースに
支持させたブラシをその整流子に圧接させるとともに、
そのモータケース内に駆動マグネットを配置してなる構
成が一般的である。
そして、この種の小型モータは、ロータ軸の回転に伴
って整流子が摺動するので、整流子片とブラシ間の良好
な接触を確保するとともに摩耗を防ぐために、例えば銅
片の表面に金や銀合金を形成した整流子を用いる一方、
銅片、ベリリウム銅片、銅チタン合金片、リン青銅片等
の表面に金、銀、白金等からなる貴金属合金を形成した
ブラシを圧接させている。
しかも、整流子片とブラシ間の良好な接触維持を図る
ために、整流子片全体を回転方向(円周方向)に凹凸条
を設けて、ブラシを圧接させることが良く行われる。
(ハ)考案が解決しようとする課題 しかしながら、小型モータの動作環境が、例えば60℃
で湿度40%て程度であると整流子片とブラシ間に不純物
(パウダー)が発生し易くなり、電流波形の波形落ち、
すなわち回転数ダウンとなり、また、反対に例えば−10
℃程度の低温下では整流子片が削れて摩耗し易くなり、
整流子片とブラシ間の接触抵抗を高めたり、カーボンや
削れた粉体が隣合う整流子片間の溝に入って整流子間の
ショートの原因となり、回転動作中に回転停止あるいは
発熱を発生させるおそれがある。
第5図(a)(b)は表面を円周方向に凹凸条を設け
た場合のブラシに流れる駆動電流波形(実線)と回転数
特性(破線)を示すものであり、同図(a)は正常(初
期)状態を、同図(b)は使用経時後を示す。同図
(b)から経時後においても、駆動電流波形はきれいで
あるが、不特定の個所で波形落ち(P)が発生し、回転
数特性(破線)で見ても波形落ちが観察され易い。
この点、整流子片を粗面加工しない場合にはうろこ状
の痕跡が生じ易く、第5図(a)(b)に対応した第6
図(a)(b)から明らかなように経時後(同図
(b))も駆動電流(実線)には波形落ちはないが波形
にうろこ状の痕跡に応じた細かいトリガ波形が乗り、回
転数特性(破線)でも波形落ちが発生しないものの滑ら
かな回転が得られない傾向となる。
本考案者は、このように整流子片の表面状態によって
駆動電流や回転数特性に特徴的な違いのある点に着目し
て本考案を完成させた。
本考案のこのような状況の下になされたもので、整流
子とブラシとの間の良好な接触状態を保ちつつ回転数ダ
ウンの発生を抑えた小型モータの提供を目的とする。
(ニ)課題を解決するための手段 このような課題を解決するために本考案は、モータケ
ース内にロータ軸を回転自在に軸支させ、複数の整流子
片を有する整流子をロータ軸に形成し、その整流子片に
当接するブラシをそのモータケースに支持させ、それら
各整流子片において、円周方向に粗面形成された第1の
領域とこの第1の領域より滑らかに形成された第2の領
域をロータ軸の軸方向に揃えて2段形成し、一端が片持
ち支持された複数の接触片を有するブラシのそれら接触
片を、上記第1および第2の領域に分割接触させて構成
されている。
具体的には、それら各整流子片の第1の領域は円周方
向の粗面加工で粗面形成したり、例えば金型によって円
周方向に1.0S〜1.8Sの粗さで成形加工される。
(ホ)作用 このような手段を備えた本考案は、ロータ軸が回転し
て整流子片とブラシが当接して摺動する際、円周方向に
粗面形成された第1の領域とブラシ間で電流波形上の波
形落ちが生じても、第2の領域とブラシ間の接触によっ
て整流子片とブラシ間の良好な接触が保たれる一方、第
2の領域とブラシ間では駆動電流にトリガ状波形が乗り
易いが、第1の領域とブラシ間の接触によって長時間使
用しても第4図に示すように駆動電流波形はきれいにな
り、回転数変動も少なくなる。
(ヘ)実施例 以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本考案に係る小型モータの一実施例を示す要
部破断正面図である。
図において、有底のモータケース本体1の底部中央に
は軸受3が配置されており、モータケース本体1の開口
部は他方の軸受5を支持する支持板7がはまるよように
して塞がれてモータケース9が形成される。軸受3、5
に回転自在に軸支されたロータ軸11は一方の軸受3から
モータケース9の外部へ突出している。
モータケース9内の軸受5近傍において、ロータ軸11
には軸受5から遠い位置にフランジ15を有する筒型の整
流子25がはめられており(第2図参照)、さらにロータ
軸11には駆動コイル17の巻かれたコア19が固定され、そ
の駆動コイル17のリード線(図示せず)はフランジ15か
ら突出する接続端子(ライザ)21に接続されている。
符号23はモータケース9の内側に駆動コイル17と対向
するように固定された円筒状の駆動マグネットである。
整流子25は、第2図に示すように、複数(3個)の整
流子片25aが互いに120°毎に僅かな間隔を置いて樹脂製
整流子台13に固定されて形成されており、各整流子片25
aはフランジ15の接続端子21に接続されている。
各整流子片25aは、上述したように例えば円弧状の銅
片の表面に金や銀合金を形成したものからなり、第3図
に示すように、円周方向に表面を粗面加工した第1の領
域27と、この第1の領域27の表面より滑らか好ましくは
鏡面加工された第2の領域29をロータ軸11の軸方向に2
段状態で有しており、各整流子片25aでは第1および第
2の領域27、29の位置が揃っている。
この第1および第2の領域27、29に圧接する2個のブ
ラシ31、33は、各々2個の接触片31a、31bや33a、33bを
片持ち支持した形状を有し、一端部が外部接続端子35、
37となって支持板7から突出するようにしてこの支持板
7に支持されている。
このブラシ31、33は、例えば銅片、ベリリウム銅片、
銅チタン合金片、リン青銅片等からなり、少なくとも第
1および第2の領域27、29に接触する表面部分に金、
銀、白金等からなる貴金属合金を形成して構成されてい
る。
ブラシ31、33の一方の接触片31a、33aは第1の領域27
に、他方の接触片31b、33bは第2の領域29に分割して圧
接されている。
このように構成された小型モータでは、外部接続端子
35、37間に加えた駆動電流がブラシ31、33、整流子25間
で切り換え通電されて駆動コイル17に流れてロータ軸11
が回転する。
上述した実施例では、2個の接触片31a、31bや33a、3
3bを有するブラシ31、33を用いる例を説明したが、本考
案ではこれに限定されない。
例えば、3個もしくは4個、又はそれ以上の接触片を
有するブラシを用いる構成も可能であり、3個もしくは
4個の接触片を有するブラシを用いる構成では、第1表
に示すように、第1の領域27と第2の領域29に圧接させ
る接触片の分割割合を種々に変化可能であり、各第1お
よび第2の領域27、29における駆動電流波形や小型モー
タの回転数特性に応じて任意に選択すればよい。
さらに、本考案の各第1の領域27は、粗面加工によっ
て形成する例に限らない。
例えば内壁に凹凸溝等を円周方向に形成したプレス金
型を用いて各整流子片25aを成形することも可能であ
り、本考案者の実験では、プレス金型を用いて各整流子
片25aを形成する場合には1.0S〜1.8Sの仕上げ粗さで成
形することが好ましいことが分かった。符号Sは面粗度
である。
(ト)考案の効果 以上説明したように本考案は、小型モータの各整流子
片25aについて、円周方向に粗面形成された第1の領域2
7とこの第1の領域27より滑らかに形成された第2の領
域29をロータ軸11の軸方向に揃えて2段形成し、ブラシ
31、33に備えた複数の接触片31a、31b、33a、33bを上記
第1および第2の領域27、29に分割接触させて構成した
から、第1の領域27とブラシ31、33間で生じ易い電流波
形の波形落ちに対しては第2の領域29とブラシ31、33間
の接触によってそれを防ぐことが可能となる一方、第2
の領域29とブラシ31、33間で発生し易いトリガ状波形は
第1の領域27とブラシ31、33間の接触によってその発生
を抑えることが可能となり、整流子片25aとブラシ31、3
3との間の良好な接触状態を保ちつつ回転数変動の発生
を抑えることが可能となる。
それら各整流子片25aの第1の領域27は粗面加工や金
型によって成形加工形成可能であり、製造が簡単であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の小型モータに係る一実施例を示す要部
破断正面図、第2図は整流子とブラシを示す側面図、第
3図は第1図の整流子を示す図、第4図は実施例のモー
タの回転数と駆動電流の波形特性図、第5図(a)
(b)と第6図(a)(b)は異なる小型モータにおけ
る回転数と駆動電流の波形特性図であり、各図(a)は
正常時、各図(b)は使用経時後を示す。 1……モータケース本体、3、5……軸受、7……支持
板、9……モータケース、11……ロータ軸、13……整流
子台、15……フランジ、17……駆動コイル、23……駆動
マグネット、25……整流子、27……第1の領域、29……
第2の領域、31、33……ブラシ、31a、31b、33a、33b…
…接触片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−295841(JP,A) 特開 昭62−118732(JP,A) 実開 昭63−83962(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータケースと、このモータケース内に回
    転自在に軸支されたロータ軸と、このロータ軸に形成さ
    れ複数の整流子片を有する整流子と、前記モータケース
    に支持され前記整流子片に当接するブラシとを具備する
    小型モータにおいて、 前記各整流子片は、円周方向に粗面形成された第1の領
    域とこの第1の領域より滑らかに形成された第2の領域
    が前記ロータ軸の軸方向に揃えて2段形成されてなると
    ともに、 前記ブラシは、一端を片持ち支持された複数の接触片を
    有し、これら接触片が前記第1および第2の領域に分割
    接触されてなることを特徴とする小型モータ。
JP7879789U 1989-07-04 1989-07-04 小型モータ Expired - Lifetime JP2544226Y2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP7879789U JP2544226Y2 (ja) 1989-07-04 1989-07-04 小型モータ

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JPH0318661U JPH0318661U (ja) 1991-02-25
JP2544226Y2 true JP2544226Y2 (ja) 1997-08-13

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