JP2544101B2 - コンピユ−タプログラムの盗用防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は、コンピュータプログラムの盗用防止装置に
関するものである。

＜従来の技術＞ コンピュータのプログラムはフロツピーデイスク等の
記憶媒体に格納されて一般に販売され、このような記録
媒体のコピーは簡単に行なうことができるため、多くの
時間と労力を費して作成したプログラムもユーザの手に
渡れば、そこから簡単に盗用されてしまう。

そこで、従来では、ソフトウエア的にプログラムの盗
用を防止する方法として、コンピュータの起動用プログ
ラムを記憶しているROMとプログラムを記憶しているフ
ロツピーデイスクに、予めユーザ毎に異なる識別信号を
記憶しておき、その識別信号を照合することにより他の
コンピュータでの使用を不可能にする方法があるが、コ
ンピュータ毎に異なる識別信号を予めROMに書き込む必
要があつた。

また、ハードウエア的にプログラムの盗用を防止する
装置として、特開昭57−59248号において、プログラム
の主要部をハードウエア化したキーデバイス、つまり、
コンピュータ側のキー操作信号手段から一連の信号を入
力し、このデータ信号を変数として特定の固有の関数に
ついて演算処理を行なつてキー信号を所定のキーアドレ
スに記憶するキーデバイスを設けた盗用防止装置が提案
されている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら、上記のような構造のキーデバイスをコ
ンピュータ内に取付けた装置では、キーデバイスの構造
が複雑化し、製造コストも高くなると共に、コンピュー
タ内に内蔵されるキーデバイスが専用部品となつてしま
うために、多数のコンピュータを使用するユーザにとつ
ては、全てのコンピュータについてこのキーデバイスを
取付けなければならず、特定のプログラムは特定のコン
ピュータにしか使用できない不便さがあつた。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は、上記の点にかんがみなされたもので、コン
ピュータのRS232Cポートに簡単に接続できるキー信号発
生器を使用することにより、プログラムに対応したキー
信号を発生するキー信号発生器があればどのコンピュー
タでもプログラムを使用することができ、キー信号発生
器を持たないコンピュータでのプログラムの使用を不可
能にしてプログラムの盗用を防止するコンピュータプロ
グラムの盗用防止装置を提供するものであり、以下のよ
うに構成される。

すなわち、本発明は、第１図の全体構成図に示すよう
に、コンピュータのRS232Cポートにおけるデータ送信要
求信号出力端子、データターミナル受入準備完了信号出
力端子、及びアース端子に接続され、データ送信要求信
号出力端子からのパルス信号を受けて初期化され、デー
タターミナル受入準備完了信号出力端子からの読み出し
信号を受けてキー信号を出力する複数のキー信号発生器
と、複数のキー信号発生器に接続されると共に、RS232C
ポートのデータ送信準備完了信号入力端子に接続され、
各キー信号発生器から出力されるキー信号を順次切換え
てRS232Cポートのデータ送信準備完了入力端子に送る切
換器と、コンピュータ１にロードされるプログラム中に
予め付与されたキー信号と複数のキー信号発生器３から
順次出力された各々のキー信号を順次比較し、両方のキ
ー信号が一致したときのみプログラムの実行を可能とす
るキー信号判定手段５とを備えて構成される。

＜実施例＞ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図は本発明のプログラム盗用防止装置を適用した
コンピュータの基本的なブロツク図を示し、10はCPU
（中央処理ユニツト）で、予め決められたプログラムに
基づき各種演算処理を実行する。また、CPU10は後述す
るようにキー信号の一致性を判定するキー信号判定手段
５としても機能する。

11は基本プログラムデータや各種定数等を記憶する読
み出し専用メモリのROM、12は数や文字コード等各種デ
ータ、アプリケーシヨンプログラム等が書き込まれる読
み出し書き込み可能なRAMである。CPU10、ROM11、RAM1
2、及び入出力ポート２、13は共通バス15により相互に
接続され、データや信号の伝送が行なわれる。入出力ポ
ート13にはフロツピーデイスク装置、磁気デイスク装
置、磁気テープ装置等の外部記憶装置14が接続され、フ
ロツピーデイスク等の記憶媒体に記憶されたアプリケー
シヨンプログラムデータはこの外部記憶装置14からコン
ピュータ１内にロードされる。

入出力ポート２には、RS232Cポートが設けられ、この
ポートは、RTS出力端子（データ送信要求信号出力端
子）、DTR出力端子（データターミナル受入準備完了信
号出力端子）、DSR入力端子（データ送信準備完了信号
入力端子）、SG端子（アース端子）などの端子を有して
いる。

RS232Cポートは汎用の通信用ポートであって、本来、
通信用の各種信号線を接続するための端子を持つもので
あるが、本発明の盗用防止装置は、このRS232Cポートに
おける上記４つの端子を、本来の役割とは異なる目的で
使用し、盗用防止装置を簡単に接続して使用できるよう
にしている。

即ち、本発明では、RS232CポートのRTS出力端子を初
期化信号用端子として使用し、DTR出力端子を読み出し
信号用端子として使用し、さらに、DSR端子キー信号用
端子として使用している。

第２図に示すように、RS232CポートのRTS出力端子、D
TR出力端子、SG端子には、ｎ個のキー信号発生器３が並
列に接続され、各キー信号発生器３の出力側が切換器４
に接続され、切換器４の出力側がRS232CポートのDSR入
力端子に接続される。切換器４はRTS出力端子にも接続
される。RTS出力端子からは初期化のためのパルス信号
がキー信号発生器３に送られ、DTR出力端子からはクロ
ック信号が読み出し信号としてキー信号発生器３に送ら
れ、さらに、DSR入力端子へは切換器４を通してキー信
号がキー信号発生器３から送られる。

この切換器４は、RTS出力端子から送られるオンオフ
信号によりｎ個のキー信号発生器３から出力されるキー
信号を順次切り換えてDSR入力端子に送るようにマルチ
プレクサ等の回路から構成される。

ｎ個のキー信号発生器３は、コンピュータ１側からの
読み出し信号に応じてそれぞれ独自の複数のキー信号
（予め決められた数や符号を示す信号で、データテーブ
ル状に多数のキー信号がキー信号発生器内に順に格納さ
れている。）が順次出力されるように構成される。ま
た、キー信号発生器３は、基本的にはゲートアレイから
作られ、接続用のコネクタ、コンピュータ側との電圧レ
ベルを合わせるレベルコンバータ、及び信号から電源電
圧をつくる電圧発生器が設けられ、コンパクトに作られ
ている。

一方、外部記憶装置14にかけられる記憶媒体に記憶さ
れる複数の異なつたアプリケーシヨンプログラムには、
キー信号判定用のプログラムデータと、それぞれのプロ
グラムに対応したキー信号発生器３から出力される複数
のキー信号データがそれぞれ予め書き込まれている。す
なわち、No.1のアプリケーシヨンプログラムにはNo.1の
キー信号発生器３から出力されるキー信号が、No.2のア
プリケーシヨンプログラムにはNo.2のキー信号発生器３
から出力されるキー信号が書き込まれている。

次に、第３図のタイミングチヤートと第４図のフロー
チヤートを参照して盗用防止装置の動作を説明する。

コンピュータの起動後、ロードしたアプリケーシヨン
プログラムをスタートさせると、先ずステツプ110を実
行し、第３図に示すように、RTS端子から１個のパルス
信号をキー信号発生器３及び切換器４に出力する。この
RTS端子からのパルス信号により、キー信号発生器３は
初期化されると共に、切換器４は第１のキー信号発生器
３からのキー信号を選択してDSR端子に送るように切換
えられる。

次に、ステツプ120に進み、DTR端子からクロックパル
ス信号を読み出し信号としてキー信号発生器３に送り、
このパルス信号がキー信号発生器３に印加される毎にキ
ー信号発生器３から１ビツトのキー信号（数、符号等）
が出力され、所定数のキー信号が切換器４を経て入出力
ポート２に入力され、CPU10内に読み取られる。そし
て、ステツプ130を実行し、アプリケーシヨンプログラ
ムから読み取つたキー信号と第１のキー信号発生器３か
ら入力したキー信号とが一致するか否かを判定し、両方
のキー信号が完全に一致していない場合にはステツプ14
0に進み、両方のキー信号が完全に一致した場合にはス
テツプ160に進んでアプリケーシヨンプログラムの実行
を開始する。

一方、ステツプ140では、ステツプ120で読み取つたキ
ー信号のキー信号発生器３が最終つまり第ｎ番目のキー
信号発生器３であるか否かを判定し、そのキー信号発生
器３が第ｎ番目のキー信号発生器３ではない場合、再び
ステツプ110に戻り、RTS端子から１個のパルス信号をキ
ー信号発生器３及び切換器４に出力し、キー信号発生器
３を初期化すると共に、切換器４は第２番目のキー信号
発生器３からのキー信号を選択してDSR端子に送るよう
に切換えられる。

そして、ステツプ120にて第２番目のキー信号発生器
３から出力されるキー信号がCPU10に読み取られ、ステ
ツプ130にてこのキー信号がアプリケーシヨンプログラ
ムからのキー信号と完全に一致するか否かを安定する。
ここでキー信号が一致しなければ、再びステツプ140に
進んで、読み取つたキー信号のキー信号発生器３が最終
の第ｎ番目のキー信号発生器か否かを判定し、最終のキ
ー信号発生器でない場合には再びステツプ110に戻る。

このように、上記ステツプ110からステツプ140を繰り
返し実行することにより、使用可能なｎ本のアプリケー
シヨンプログラムに対応したｎ個のキー信号発生器が順
次切換器４を切り換えることによりサーチされ、使用す
るアプリケーシヨンプログラムに対応したキー信号発生
器がキー信号によつて見つかれば、プログラムを実行す
ることになる。

そして、ｎ回つまり全てのキー信号発生器３をサーチ
しても目的のキー信号が見つからないときには、ステツ
プ150でエラー表示を行ない、この処理を終了する。

なお、ステツプ110が実行される毎につまり切換器４
がキー信号発生器３を順次切換える毎に、カウンタがカ
ウントするように構成し、このカウント値によつて最終
のキー信号発生器であるか否かを判定し、さらに、この
カウント値によつて所定のキー信号を発生するキー信号
発生器３の番号を記憶することにより、アプリケーシヨ
ンプログラムの途中などで繰り返しキー信号の一致を判
定するなどの場合には、キー信号発生器３のサーチを省
略し直ちに所定のキー信号発生器３からキー信号を読み
出すように動作する。

このように、フロツピーデイスク等の記憶媒体に記憶
されたアプリケーシヨンプログラムは、それに対応した
キー信号発生器３が無い場合、使用が不可能となり、プ
ログラムのコピーが簡単にできたとしてもそれは無意味
となつて、プログラムの盗用は防止される。また、使用
される複数のアプリケーシヨンプログラムに対応した複
数のキー信号発生器３を、複数のコネクタをもつ分岐形
コネクタに接続し、切換器４によつてこれらのキー信号
発生器３を切り換えてキー信号を見つけるようにサーチ
するため、アプリケーシヨンプログラムを換える毎にそ
のキー信号発生器３を差し換える必要がなく、効率良く
使用することができる。

さらに、複数のキー信号発生器３を差し込む分岐形コ
ネクタは、現在ほとんどのコンピユータに設けられてい
るRS−232Cポートに接続されるため、多数のコンピユー
タを使用する企業などにおいて、同機種のコンピュータ
であれば、プログラムが使用できる便利さがある。

また、キー信号発生器３はカスタム集積回路のゲート
アレイで作られるため、外部から回路構成を判断して複
製することは難しく、プログラムの盗用は効果的に防止
される。

なお、キー信号発生器３の接続にRS−232Cポートが使
用された場合、このポートの接続用途である音響カプラ
やMODEM等の入出力装置が使用できなくなるが、キー信
号発生器３と並列に新たなRS−232Cコネクタを接続して
設置し、切換器４により自動的にこれを切換えて使用で
きる構造とすることができる。

＜発明の効果＞ 以上説明したように、本発明のコンピュータプログラ
ムの盗用防止装置によれば、読み出し信号を受けてキー
信号を出力する複数のキー信号発生器と、各キー信号発
生器から出力されるキー信号を順次切換えてRS232Cポー
トのデータ送信準備完了入力端子に送る切換器と、コン
ピュータにロードされるプログラム中に予め付与された
キー信号と複数のキー信号発生器から順次出力された各
々のキー信号を順次比較し、両方のキー信号が一致した
ときのみ該プログラムの実行を可能とするキー信号判定
手段と、を備えて構成したから、一般のパーソナルコン
ピュータの外側に設けられているRS232Cポートのコネク
タに、キー信号発生器と切換器を接続するだけで簡単
に、そこで使用するソフトウエアの盗用を防止すること
ができる。

即ち、従来のように、コンピュータの蓋を開き、その
基板上の拡張スロットやソケットにキーデバイス（キー
信号を記憶したROMボードやROM）を差し込んで使用する
等の煩わしい操作が必要なく、簡単に接続して使用する
ことができる。また、RS232Cポートのコネクタは、現在
使用されている殆どのパーソナルコンピュータに設けら
れているため、特定のコンピュータではなく広い互換性
と汎用性をもって、便利に使用することができる。

さらに、複数のキー信号を使用できるため、使用する
アプリケーシヨンプログラム毎にキーデバイスを付け換
える必要がなく、この盗用防止装置をRS232Cポートに接
続したコンピュータであれば、特定のコンピュータに限
定されることなく、複数のアプリケーシヨンプログラム
をキーデバイスの交換なしに実行することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の全体構成図、第２図は盗用防止装置を
含むコンピュータのブロツク図、第３図はキー信号発生
器の入出力信号のタイミングチヤート、第４図は盗用防
止動作のフローチヤートである。 １……コンピュータ、 ２……入出力ポート、 ３……キー信号発生器、 ４……切換器、 ５……キー信号判定手段。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−59248（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−195975（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−73755（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−11849（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−259338（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−116537（ＪＰ，Ｕ) 「トランジスタ技術」第18巻第７号 （昭56−７−１）ＣＱ出版社Ｐ．295− Ｐ．298

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンピュータのRS232Cポートにおけるデー
   タ送信要求信号出力端子，データターミナル受入準備完
   了信号出力端子、及びアース端子に接続され、該データ
   送信要求信号出力端子からのパルス信号を受けて初期化
   され、該データターミナル受入準備完了信号出力端子か
   らの読み出し信号を受けてキー信号を出力する複数のキ
   ー信号発生器と、 該複数のキー信号発生器に接続されると共に、前記RS23
   2Cポートのデータ送信準備完了入力端子に接続され、各
   キー信号発生器から出力されるキー信号を順次切換えて
   該RS232Cポートのデータ送信準備完了入力端子に送る切
   換器と、 前記コンピュータにロードされるプログラム中に予め付
   与されたキー信号と前記複数のキー信号発生器から順次
   出力された各々のキー信号を順次比較し、両方のキー信
   号が一致したときのみ該プログラムの実行を可能とする
   キー信号判定手段と、 を備えたことを特徴とするコンピュータプログラムの盗
   用防止装置。