JP2543944B2 - 繊維強化プラスチック製支持棒装置 - Google Patents

繊維強化プラスチック製支持棒装置

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JP2543944B2
JP2543944B2 JP63069694A JP6969488A JP2543944B2 JP 2543944 B2 JP2543944 B2 JP 2543944B2 JP 63069694 A JP63069694 A JP 63069694A JP 6969488 A JP6969488 A JP 6969488A JP 2543944 B2 JP2543944 B2 JP 2543944B2
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英重 森山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は繊維強化プラスチック(以下FRPとする)を
用いた支持棒装置に係り、主として超電導マグネットの
常温部と極低温部とを断熱支持するためのFRP製支持棒
装置に関する。
(従来の技術) 従来のFRP製支持棒装置については例えば特開昭62−4
3189号公報が知られている。この種のFRP製支持棒を第
3図及び第4図を参照して説明する。第3図はFRP製支
持棒装置の概略構成図を示す。
(1)はFRP棒である。FRP製(1)の材料はガラス繊維
の束を長手方向に引き揃えながら、エポキシ樹脂で一帯
に固めたエポキシガラス引抜き棒である。そして、FRP
棒(1)はこのエポキシガラス引抜き棒を旋盤加工した
ものである。FRP棒(1)の両端部分は勾配が1/50〜1/1
0の外開きの円錐台形のテーパ部(1a)になっており、
中央部分は丸棒部(1b)になっており、そしてテーパ部
(1a)から丸棒部(1b)に移る部分はテーパ付け根部
(1c)になっている。
テーパ部(1a)には継手金具(2)が装着してある。
継手金具(2)は半割れテーパ金具(2a)、円筒金具
(2b)、および連結ボルト(2c)で構成してある。半割
れテーパ金具(2a)の内周面はテーパ部(1a)に固く接
している。円筒金具(2b)は半割れテーパ金具(2a)が
開かないように保持している。連結ボルト(2c)の一端
は円筒金具(2b)とねじ締結しており、しかもテーパ部
(1a)の端面の押し当ててある。連結ボルト(2c)の他
端は、超電導マグネットの常温部あるいは極低温部(図
示しない)に固定される。
第4図は従来のテーパ部(1a)と半割れテーパ金具
(2a)とが固く接している状況を示す要部断面図であ
る。半割れテーパ金具(2a)はテーパ部(1a)を圧縮す
るように締付けてあり、締付け前はテーパ部(1a)の表
面が図中に示す直線X−Xに位置し、締付け後はテーパ
付け根部(1c)の圧縮変位がテーパ部(1a)全体の圧縮
変位と同じになっている。
(発明が解決しようとする課題) 上記構成の従来のFRP製支持棒において、テーパ部(1
a)に比べ、テーパ付け根部(1c)は細いにもかかわら
ず圧縮変位が同じになっているため圧縮応力が集中して
破壊し易い。又、従来のFRP製支持棒装置においては、
強化繊維を長手方向に揃えたFRPとして無機質の粉末を
充てんしたもので、強化繊維に垂直な方向の圧縮弾性率
が2000kg/mm2程度であるものを用いており、テーパ付け
根部の引張疲労強度及び曲げ疲労強度が低下し易い。
本発明の第1の目的は、テーパ付け根部(1c)の圧縮
応力の集中を緩和することにより、機械的強度の信頼性
を高めたFRP製支持棒装置を提供することにあり、第2
の目的は、テーパ付け根部の引張疲労強度及び曲げ疲労
強度を高めたFRP製支持棒装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明において、第1の目的を達成するためには半割
れテーパ金部の勾配をテープ部(1a)の勾配より小さく
する。又、第2の目的を達成するためには、FRP棒の強
化繊維に垂直な方向の圧縮弾性率を800〜1800kg/mm2
度になるようにエポキシ樹脂に無機質の粉末を混合した
もの、または前記粉末を入れない樹脂で、強化繊維の含
有量をFRP棒の60〜80重量%にして強化繊維を固める。
(作 用) 上記の第1の手段のように構成することにより、テー
パ付け根部(1c)の圧縮変位が小さくなることから、テ
ーパ付け根部の圧縮応力の集中を緩和することができ
る。
また第2の手段のように構成することにより、強化繊
維に垂直な方向の最大圧縮応力が従来の値に比べ小さく
なり、テーパ付け根部の疲労強度を高めることができ
る。
(実施例) 実施例1 以下、本発明の第1の実施例について第1図を参照し
て説明する。ただし、この実施例の概略構成は第3図に
示した従来例のものと同じであるため、概略構成の説明
を省略する。第1図はテーパ部(1a)と半割れテーパ金
具(2a)とが固く接している状況を示す要部断面図であ
る。半割れテーパ金具(2a)は、テープ部(1a)を圧縮
するように締付けてあり、締付け前のテーパ部(1a)の
表面は図中に示す直線Y−Yに位置する。即ち、半割れ
テーパ金具(2a)の勾配は締付け前のテーパ部(1a)の
勾配より5〜30%小さくしてある。締付け後はテーパ部
(1a)の圧縮変位が位置によって異なっている。その平
均圧縮変位は、第4図に示した従来例の値とほとんど同
じにしてある。しかし、テーパ付け根部(1c)の圧縮変
位は従来例の値に比べ小さくしてある。
次に上記構成の作用について説明する。テーパ部(1
a)の平均圧縮変位は従来例の値と同じにしてあるた
め、テーパ部(1a)は継手金具(2)から引抜けない。
また、テーパ付け根部(1c)の圧縮変位は従来例の値よ
り小さくしてあるため、テーパ付け根部(1c)は圧縮応
力の集中が緩和している。しかも、半割れテーパ金具
(2a)の勾配は締付け前のテーパ部(1a)の勾配より5
〜30%小さくしてあるため、テーパ部(1a)の太い部分
は圧縮変位が適度に大きくなっており、テーパ部(1a)
の細い部分は圧縮変位が適度に小さくなっていることか
ら、テーパ部(1a)全体の圧縮応力がほぼ一様になって
いる。従ってテーパ付根部の引張りや曲げの疲労強度の
低下は少ない。
変形例 次に本実施例の変形例について既に述べた第1図を参
照して説明する。テーパ部(1a)の径方向の圧縮弾性率
が1500〜1800kg/mm2程度の場合、半割れテーパ金具(2
a)と締付け前のテーパ部(1a)との勾配の差を5〜15
%程度にし、800〜1500kg/mm2程度の場合、15〜30%程
度にすることにより、テーパ部(1a)全体の圧縮応力が
一様になるようにすることが容易にできる。
実施例2 以下、本発明の第2の実施例について第2図を参照し
て説明する。FRP棒(1)の材料は、ガラス繊維の束を
一方向(図中に示すZ方向)に引き揃えながら、無機質
粉末をエポキシ樹脂の30重量%以下、もしくは入れない
で、かつガラス繊維の含有重量をFRP棒(1)の材料の6
0〜80重量%に調整することにより、ガラス繊維に垂直
な方向(図中に示すr方向)の圧縮弾性率を800〜1800k
g/mm2にする。FRP棒(1)はこの材料を旋盤加工したも
のである。FRP棒(1)の両端部分は円錐台形のテーパ
部(1a)にしており、中央部分は丸棒部(1b)にしてあ
る。テーパ部(1a)から丸棒部(1b)に移る部分はテー
パ付け根部(1c)になっている。テーパ部(1a)の長さ
をlとし、テーパ部(1a)の最大径(端面の径)をDと
し最小径(テーパ付け根部(1c)の径)をdとすると、
テーパ部(1a)の勾配D-d/2lは1/50〜1/10にしてある。
テーパ部(1a)には継手金具(2)が装着してある。
継手金具(2)は半割れテーパ金具(2a)、円筒金具
(2b)、および連結ボルト(2c)で構成してある。半割
れテーパ金具(2a)の内周面はテーパ部(1a)に固く接
している。円筒金具(2b)は半割れテーパ金具(2a)が
開かないように保持している。連結ボルト(2c)の一端
は円筒金具(26)とボルト締結してあり、またテーパ部
(1a)の端面に押し当ててある。連結ボルト(2c)の他
端は、超電導マグネットの常温部あるいは極低温部(図
示しない)に固定される。
次に上記構成の作用について説明する。FRPの異方性
を考慮して応力解析を行った結果、第2図に示したFRP
棒(1)のテーパ付け根部(1c)のr方向の最大圧縮応
力は従来のFRP棒の値に比べ5%程度低くなる。
以上説明したように第2図に示したFRP製支持棒装置
は、FRP棒(1)のr方向の圧縮弾性率を800〜1800kg/m
m2程度にすることによりテーパ付け根部(1c)における
r方向圧縮応力の集中を緩和することができる。
次に本発明の変形例について既に述べた第1図および
第2図を参照して説明する。FRP棒(1)のガラス繊維
の代わりに炭素繊維あるいはアルミナ繊維を用いること
により実施例1に準じた作用効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記
載する効果を奏する。
請求項1のFRP製支持棒装置においては、半割れテー
パ金具の勾配をテーパ部の勾配より小さくすることによ
りテーパ付け根部の圧縮応力の集中を緩和しているた
め、FRP製支持棒装置の機械的強度の信頼性を高めるこ
とができる。
請求項2のFRP製支持棒装置においては、FRP棒の強化
繊維に垂直な方向の圧縮弾性率を800〜1800kg/mm2にす
ることにより、テーパ付け根部の強化繊維に垂直な方向
の圧縮応力の集中が緩和するため、テープ付け根部の引
張疲労強度及び曲げ疲労強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の繊維強化プラスチック
(FRP)製支持棒装置の要部を示す断面図、第2図は第
2の実施例を示す要部破断斜視図、第3図は従来例を示
す要部破断斜視図、第4図は第3図に示した従来例の要
部断面図である。 1……FRP棒、1a……テーパ部 1b……丸棒部、1c……テーパ付け根部 2……継手金具、2a……半割れテーパ金具 2b……円筒金具、2c……連結ボルト

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端部を末広がりにした円錐台形のテーパ
    部とし強化繊維を長手方向に揃えた繊維強化プラスチッ
    ク(以下FRPとする)棒と、前記テーパ部に締付け嵌合
    する半割れテーパ金具と、この半割れテーパ金具を棒軸
    方向に引張る継手金具とを備えたFRP製支持棒装置にお
    いて、半割れテーパ金具の勾配をFRP棒の勾配より小さ
    くしたことを特徴とするFRP製支持棒装置。
  2. 【請求項2】両端部を末広がりにした円錐台形のテーパ
    部とし強化繊維を長手方向に揃えた繊維強化プラスチッ
    ク(以下FRPとする)棒と、前記テーパ部に締付け嵌合
    する半割れテーパ金具と、この半割れテーパ金具を棒軸
    方向に引張る継手金具とを備えたFRP製支持棒装置にお
    いて、FRP棒の強化繊維に垂直な方向の圧縮弾性率を800
    〜1800kg/mm2程度になるようにエポキシ樹脂に無機質の
    粉末を混合したもの、または前記粉末を入れない樹脂
    で、強化繊維の含有量をFRP棒の60〜80重量%にして強
    化繊維を固めたことを特徴とするFRP製支持棒装置。
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JP6535168B2 (ja) * 2015-01-21 2019-06-26 公益財団法人鉄道総合技術研究所 超電導磁気軸受

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