JP2543397B2 - 水発泡性ポリイソシアネ―ト樹脂の製造方法 - Google Patents

水発泡性ポリイソシアネ―ト樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水発泡性ポリイソシアネート樹脂の製造方法
に関するものである。
更に詳しくは、分子中に2個以上のイソシアネート基
を含有する有機ポリイソシアネート化合物及び/又はそ
のイソシアネート基末端プレポリマーをポリオキシアル
キレン付加高級脂肪族アミン誘導体で変性することから
なる水発泡性に高度に優れたポリイソシアネート樹脂の
製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の一液型の水発泡性ポリイソシアネート樹脂は、
親水性のポリエーテルポリオールを主ポリオールとして
当量比で過剰量の有機ポリイソシアネート化合物に反応
させ、末端にイソシアネート基を残存させたプレポリマ
ーとするのが一般的である。
この末端にイソシアネート基残存のポリイソシアネー
ト樹脂は、水と任意の割合で混合すると、常温でも反応
して、ゲル体あるいは数倍程度発泡して発泡体を形成す
る。
更に詳述するとこのポリイソシアネート樹脂は、水と
混合して反応させることから、このポリイソシアネート
樹脂は、通常親水性ポリイソシアネート樹脂が用いられ
ることが多く、そのため過剰量の有機ポリイソシアネー
ト化合物と反応させるポリオールは、公知の低分子量の
ポリオール出発化合物に、エチレンオキサイドと炭素数
が3以上のアルキレンオキサイドの単独または2種以上
をランダムあるいはブロック付加して得られる親水性の
ポリエーテルポリオールを主ポリオールとして用いてい
る。ところが、実際には、有機ポリイソシアネート化合
物に対する親水性ポリエーテルポリオールの使用量、す
なわち変性量が少ないと、十分な親水性を持った水発泡
性ポリイソシアネート樹脂は得られない。また、変性量
が多い親水性ポリイソシアネート樹脂は、粘度が高くな
るため水との混合の際、水への分散性があまりよくな
い。そこで、この作業上のハンドリング性を改善し、水
に対する分散性をよくするために、水溶性の有機溶剤が
粘度低下剤として、実際の作業の場で配合使用された
り、あるいは、このポリイソシアネート樹脂の製品中に
添加されて市販されているのが現状である。
この粘度低下剤として使用されている有機溶剤は、通
常低沸点の化合物で引火し易いため、作業上問題があ
る。たとえば、換気の充分に出来ない場所や、大量のポ
リイソシアネート樹脂を一度に使用する必要がある場合
等、特に、水と混合して発泡する際にこの低沸点の有機
溶媒が大気中に揮散し易く、作業環境の悪化や、引火し
て火災が発生し易くなる等の問題も出ている。
また、このポリイソシアネート樹脂の性能の面でも、
必ずしも充分であるとはいえないのが現状である。ポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート含有量(重量)
は、通常トリレンジイソシアネートで約48%、ジフェニ
ルメタンジイソシアネートで約33%、ポリフェニルメタ
ンポリイソシアネートで30〜32%であるが、たとえば、
水との反応活性を得るためにイソシアネート基の含有量
を10%以下程度にまで変性しているが、それでも水との
反応活性が低いため、反応が終了して発泡体となるまで
に通常0.5〜数時間を要する。従って、たとえばこれ
を、流水地盤の止水剤として用いようとしても、反応終
了時までに、生成樹脂強度が出ずに流されてしまい現実
には使えない場合もある。得られた発泡体も、変性に用
いるポリエーテルポリオールの分子量が比較的大きいた
め、通常弾性を持ったものが多く、従来軟質のものは得
られたが硬質のものを得ることはできなかった。
この得られた発泡体の発泡倍率も、通常、1〜数倍程
度と小さい等の欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、従来の水発泡性ポリイソシアネート
樹脂の持つ欠点を解消し、作業上のハンドリング性、水
に対する分散性に優れ、且つ水発泡性の点で高度に優れ
たポリイソシアネート樹脂の製造方法を提供することに
ある。
本発明者等はポリイソシアネート樹脂と任意の割合で
水を混合し発泡体を得るに際し、有機ポリイソシアネー
ト化合物及び/又はそのイソシアネート基末端プレポリ
マーをポリオキシアルキレン付加高級脂肪族アミン誘導
体で変性することによって得られるポリイソシアネート
樹脂を使用すると、このポリイソシアネート樹脂自体の
粘度が比較的低いという特徴があり、特に有機溶剤を添
加する必要はなく、作業上のハンドリング性、水に対す
る分散性に優れ、かつ、任意に発泡樹脂化速度を大とす
ることが出来、また、弾性を有する軟質のものから硬質
のものまで、発泡体の硬さを調節でき、しかも、発泡倍
率も数倍以上数十倍のものまで任意に制御できるとい
う、高度に優れた水発泡性ポリイソシアネート樹脂であ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明は、分子中に2個以上のイソシアネート基
を含有する有機ポリイソシアネート化合物及び/又はそ
のイソシアネート基末端プレポリマーを一般式 R:平均炭素数8〜40の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキシ
アルケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中に
エーテル結合を有するものも含まれる) R1:水素又はメチル基(但し、水素とメチル基がランダ
ムあるいはブロック状に組み合わせた形で導入されても
よい) R2:平均炭素数7〜39の直鎖又は分岐のアルキル基又は
ヒドロキシアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキ
シアルケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中
にエーテル結合を有するものも含まれる) x1、x2、y1、y2、y3、z1、z2:1〜60の整数 n:2又は3の整数 で示される、ポリオキシアルキレン付加高級脂肪族アミ
ン誘導体の1種又は2種以上で変性することからなる水
発泡性ポリイソシアネート樹脂の製造方法に関するもの
である。
本発明に使用出来る有機ポリイソシアネート化合物の
例としては、官能基数が2以上のトリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリ
フェニルメタンポリイソシアネート、ビフェニレンジイ
ソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ、又
これらのイソシアネート誘導体及びこれら類似の化合物
の単独又は2種以上の混合物が挙げられる。
又上記有機ポリイソシアネート化合物と活性水素を有
するポリオールとの反応により得られるイソシアネート
基末端プレポリマーも有用である。
活性水素を有するポリオールとしては1分子中に少な
くとも2個以上の水酸基を有するポリオールは全て使用
出来るが、代表的なものとしては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等
であり、又これらポリオールの2種以上の組み合わせに
より使用することも出来る。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ソルビトール等の少なくとも2個以
上のヒドロキシル基を有する化合物の1種又は2種以上
とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、酒石
酸、セバシン酸、シュウ酸、フタール酸、テレフタール
酸、アゼライン酸、トリメリット酸等の少なくとも2個
以上のカルボキシル基を有する化合物の1種又は2種以
上を使用し、公知の方法によって製造することが出来
る。又、ε−カプロラクトン、ε−バレロラクトン等で
代表されるラクトン環を有するモノマーを開環重合させ
たラクトン系ポリエステルも包含される。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレング
リコール、グリセリン、ソルビトール、庶糖、ビスフェ
ノールA、等の活性水素を少なくとも2個を有する化合
物の1種又は2種以上をポリオール出発化合物として、
炭素数2以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイドや、スチレンオキサイド等の
アルキレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のモノマ
ーの1種又は2種以上を公知の方法により付加重合させ
ることによって製造される。
又、これら活性水素を有するポリオールには、一般式
R3O−(R4O)−H(R3:アルキル基、R4:アルキレン
基)で示される分子量250〜4000のアルコキシポリアル
キレングリコールも包含される。
本発明に使用されるポリオキシアルキレン付加高級脂
肪族アミン誘導体は一般式 R:平均炭素数8〜40の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒ
ドロアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキシアル
ケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中にエー
テル結合を有するものも含まれる) R1:水素又はメチル基(但し、水素とメチル基がランダ
ム或いはブロック状に組み合わせた形で導入されてもよ
い) R2:平均炭素数7〜39の直鎖又は分岐のアルキル基又は
ヒドロキシアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキ
シアルケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中
にエーテル結合を有するものも含まれる) x1、x2、y1、y2、y3、z1、z2:1〜60の整数 n:2又は3の整数 で示されるものである。
この一般式(1)〜(4)のRおよび の脂肪酸残基としては、植物性、動物性由来の天然脂肪
酸残基であってもよいが、化学合成等の合成脂肪酸残基
であってもよい。
植物性由来の天然脂肪酸残基としては、たとえばとう
もろこし油、綿実油、落花生油、菜種油、ゴマ油、大豆
油、サフラワー油、やし油、パーム油、パーム核油等か
ら得られる。
動物性由来のものとしては、豚油、牛脂油、鰯油、に
しん油、いか油、鰯鯨油、鯨油等があり、また含酸素脂
肪酸残基としては、コルクがしの樹皮油等から得られ
る。
石油を原料とした脂肪酸の工業的合成法としては、現
在、パラフィンの液相空気酸化、オレフィンのヒドロホ
ルミル化(オキソ法)あるいはカルボニル化(Koch法)
等があり、大規模に製造が行われている。
これらの動植物油由来あるいは合成脂肪酸等に由来す
る脂肪酸の残基は単独あるいは2種以上を混合して用い
てもよい。
本発明により水発泡性ポリイソシアネート樹脂を製造
する際、あるいは水と混合して発泡体を成形する際等に
おいて、無機化合物、有機化合物等の合成樹脂用の強化
剤、増量剤、あるいは、難燃剤等を加えてもよい。
たとえば、無機充填剤としてはマイカ粉、微細粉末ク
レー、シリカゲル、石コウ、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
ケイ酸ソーダ、ケイ砂、パーライト、シラスバルーン、
ガラスバルーン、ガラス繊維、岩綿、アスベスト繊維等
があげられる。
合成樹脂用難燃剤としては、トリス(クロルエチル)
ホスフェート、トリス(ジクロルプロピル)ホスフェー
ト、トリス(ジブロムプロピル)ホスフェート等のよう
な、ハロゲン化有機リン酸エステル化合物、トリクレジ
ルホスフェート、トリイソプロピルフェニルホスフェー
ト等のようなリン酸エステル化合物、デカブロムジフェ
ニルオキサイド等のハロゲン系難燃剤等がある。これら
の無機系、有機系の添加剤を単独または2種以上組合わ
せて用いてもよい。
本発明によるポリイソシアネート樹脂は、有機ポリイ
ソシアネート化合物を、または、予めこの有機ポリイソ
シアネート化合物を汎用のポリエーテルポリオールで変
性し、末端にイソシアネート基を残存させたイソシアネ
ート基末端プレポリマーをポリオキシアルキレン付加高
級脂肪族アミン誘導体で直接間接的に変性することによ
って得ることができる。
本発明の最終生成物におけるイソシアネート基の残存
量(NCO含量と略記する)は、使用するポリイソシアネ
ート化合物の種類によっても異なるが、3〜30%の範囲
であり、好ましくは5〜25%である。
このようにして得られた本発明によるポリイソシアネ
ート樹脂は、比較的低粘度の親水性のポリイソシアネー
ト樹脂である。このことから、従来添加する必要のあっ
た粘度調整剤を、本発明による樹脂では、特に必要とし
ないが、添加・配合してもよい。しかし、酢酸エステル
類やケトン類等の低沸点の有機溶剤の使用は、作業環境
の悪化や引火の危険性等の面から好ましくない。アルキ
レンカーボネート類やフタル酸エステル類等は、沸点が
高く引火点が130℃以上であり、引火の危険性や作業環
境の悪化の面から、粘度調整剤としては、これらの溶剤
の使用が好ましい。
このようにして得られた本発明による水発泡性ポリイ
ソシアネート樹脂は、任意の割合で水と混合し、発泡・
成形させることにより、種々の特性を有する発泡体を得
ることができる。
すなわち、有機ポリイソシアネート化合物の種類をか
えたり、ポリオキシアルキレン付加高級脂肪族アミン誘
導体でこの有機ポリイソシアネート化合物を直接変性す
るか、あるいは、予め、汎用のポリエーテルポリオール
等で変性しておいてから間接的に変性することができ
る。この変性時に用いる汎用のポリエーテルポリオール
等のプレポリマー製造用の変性剤の種類およびポリオキ
シアルキレン付加高級脂肪族アミン誘導体の構造やその
分子量等を変化させることにより、弾性を有する軟質の
発泡体から、剛性を有する硬質の発泡体まで、その発泡
倍率も数倍から数十倍まで任意に調整できることが見出
された。
また、本発明による水発泡性ポリイソシアネート樹脂
は、貯蔵安定性が、著しく向上し、低分子量アミン化合
物等で変性したものと比較しても、経日による粘度変化
もほとんどなく、長期保存後の使用も可能であることも
見出された。
さらに、本発明による水発泡性ポリイソシアネート樹
脂から得られた発泡体は、従来の一液型の水発泡性ポリ
イソシアネート樹脂から得られたものより収縮性、割れ
および流れ性において極めて安定化された発泡体である
ことが見い出された。
このように、本発明による水発泡性ポリイソシアネー
ト樹脂は、水と混合して得られる発泡体として種々の特
性を有したものが得られること、水と混合すると数倍か
ら数十倍に発泡するということ、また、従来のものでも
同様であるが、自己接着性能も有していること等からそ
の応用分野は広い。
〔発明の効果〕
本発明による水発泡性ポリイソシアネート樹脂は、親
水性であることから、従来より親水性ポリイソシアネー
ト樹脂を利用している土木・建築分野で、その効果を発
揮すると共に、木質ボード分野のパーティクルボード、
ファイバーボード、ウェーファーボード等の結合剤とし
ても極めて興味ある効果を発揮すると期待される。
すなわち、土木、建築分野では、流水地盤の止水剤、
トンネル工事用アンカーボルト固定剤、水封式備蓄タン
クの壁面強化剤等として、従来の親水性ポリイソシアネ
ート樹脂に比較して、作業環境の悪化や、引火の危険も
なく、親水性、発泡原液の流動性も向上していること、
発泡して硬化・成形するまでの時間が短縮され、発泡倍
率も高く、発泡圧も十分に得られることから、流水地盤
の補修場所の複雑な形状部や、アンカーボルトを固定す
るトンネル内のコンクリートや岩石等にあけた複雑な形
状の隅々まで進入する効果があり、多少水が流れている
場所でも充分に使用できる。得られた発泡成形体自体も
水に常時さらされても、従来の止水剤としての親水性ポ
リイソシアネート樹脂に比較して耐水性があり、強度が
著しく低下することがないというメリットも見い出され
た。
木質ボード類の分野では、木材チップ、木材繊維、か
んな屑、ベニヤ、木毛、コルク、皮、のこ屑等の結合剤
として、従来より親水性ポリイソシアネート樹脂が使用
されている。
これらの木質ボード類の成型には、150℃以上の温度
をかけて圧縮成形することから、熱圧プレスが必要であ
る。これを、常温で成形できれば、省エネルギーの上で
大きな効果が得られる。従来の親水性ポリイソシアネー
ト樹脂を結合剤として用いることが、一部では行なわれ
ているが、発泡性が充分ではないため、多量の樹脂分を
必要とするという欠点がある。本発明による水発泡性ポ
リイソシアネート樹脂を用いると、常温においても高発
泡倍率で発泡硬化して木質ボード類の成形が可能であ
り、圧縮成形温度を任意に設定して、圧縮時間を必要に
応じ任意に変えることができる。この木質ボード類の生
産では、生産性の向上、省エネルギー等の効果が得られ
る。また、さらには、この木材チップ等の結合剤として
用いた場合、含水率の高い木材チップの使用も可能であ
り、結合剤の耐水強度が優れており、経時での劣化もま
た小さいという極めて安定な発泡体であることから、木
質ボードの低比重化を図って、木材チップ基材の空隙を
本発明による樹脂の高発泡性、高発泡圧等の特性によ
り、充分に補充・強化することができ、低比重化ボード
の物性の低下を最小限に留め、良好な低比重化ボードが
得られる。
〔実施例〕
以下、本発明について実施例により、さらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中においてはポリオキシアルキ
レン付加高級脂肪族アミン誘導体をアミン誘導体ポリオ
ールと略して記載する。また、実施例および応用例にお
ける化合物の配合割合を示す部および%は、特にことわ
らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
応用例の曲げ強度および剥離強度の測定はJISA5908
「パーティクルボード」に準じて行った。
実施例1 ポリフェニルメタンポリイソシアネート(日本ポリウ
レタン工業製 ミリオネートMR−200 NCO含量31.0%)9
70部と平均分子量700のメトキシポリエレングリコール3
0部とを80℃で3時間反応させ自己乳化型ポリイソシア
ネートプレポリマーを得た。このプレポリマーを40℃以
下に冷却した後、これにアミン誘導体ポリオール(一般
式1に相当)として、鰯油アミンE15[原料脂肪酸:鰯
を原料とする魚油脂肪酸、アルキル分布:炭素数20〜22
が約90%、酸化エチレン付加モル数:15、水酸基価143]
229部を温度上昇を確認しながら加え、最終的には80℃
で3時間保持することで水発泡性ポリイソシアネート樹
脂を得た。
この樹脂のNCO含量は22%であった。この樹脂50部に
水50部を加え、10秒間激しく攪拌すると約2分後に発泡
倍率25倍の硬質発泡体を得た。
比較例1 アミン誘導体ポリオールで変性しない実施例1の自己
乳化型ポリイソシアネートプレポリマー50部に水50部を
加え、10秒間激しく攪拌したところ、約3時間後に泥状
のゲル化物を得たにすぎなかった。
実施例2 ミリオネートMR−200 1000部とエチレングリコールに
エチレンオキサイド45部とプロピレンオキサイド55部を
ランダムに重合させた平均分子量2900のポリアルキレン
ジオール215部とを80℃で3時間反応させ親水性ポリイ
ソシアネートプレポリマーを得た。このプレポリマーの
1000部を40℃以下に冷却したのち、アミン誘導体ポリオ
ール(一般式1に相当)として、鰯油アミンE50[原料
脂肪酸:鰯を原料とする魚油脂肪酸、アルキル分布:炭
素数20〜22が約90%、酸化エチレン付加モル数:50、水
酸基価65]91部を実施例1と同様の操作で反応させ水発
泡性ポリイソシアネート樹脂を得た。この樹脂のNCO含
量は22.5%であった。この樹脂50部に水50部を加え、10
秒間激しく攪拌すると約3分後に発泡倍率20倍の弾性の
ある発泡体を得た。
比較例2 アミン誘導体ポリオールで変性しない実施例2の親水
性ポリイソシアネートプレポリマー50部に水50部を加
え、10秒間激しく攪拌したところ、ゲル化はしたが発泡
体を得ることは出来なかった。
実施例3 ミリオネートMTL(日本ポリウレタン工業製NCO含量2
9.0%)1000部とペンタエリスリトールにエチレンオキ
サイド80部とプロピレンオキサイド20部をランダムに重
合させた平均分子量8400のポリアルキレンテトラオール
312部とを80℃で3時間反応させ親水性ポリイソシアネ
ートプレポリマーを得た。
このプレポリマーの1000部を40℃以下に冷却したの
ち、これにアミン誘導体ポリオール(一般式2に相当)
として、牛脂ジアミンE13[原料脂肪酸:牛脂を原料と
する牛脂脂肪酸、アルキル分布:炭素数18が約24%、不
飽和結合を一個持つ炭素数18が37%および炭素数16が30
%、酸化エチレン付加モル数:3、水酸基価390]62部を
実施例1と同様の操作で反応させ、水発泡性ポリイソシ
アネート樹脂を得た。この樹脂のNCO含量は19%であっ
た。この樹脂50部に水80部を加え、10秒間激しく攪拌す
ると約1.5分後に発泡倍率30倍の極めて弾性のある発泡
体を得た。
比較例3 アミン誘導体ポリオールで変性していない実施例3の
親水性ポリイソシアネートプレポリマー50部に水80部を
加え10秒間激しく攪拌したところ、ゆっくりと発泡を開
始したが発泡途中で陥没し、ゲル化物となった。
実施例4 トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製
コロネートT−80)1000部を30℃としたのち実施例1
で使用したアミン誘導体ポリオール902部を温度上昇を
確認しながら徐々に加え、最終的に80℃で3時間保持
し、水発泡性樹脂を得た。この樹脂のNCO含量は20%で
あった。この樹脂50部に水50部を加え10秒間激しく攪拌
すると約3分後に発泡倍率25倍の硬質発泡体を得た。
実施例5 ミリオネートMTL1000部とグリセリンにエチレンオキ
サイド90部とプロピレンオキサイド10部をランダムに重
合させた平均分子量3000のポリアルキレントリオール10
49部とを80℃で3時間反応させ親水性ポリイソシアネー
トプレポリマーを得た。このプレポリマーの1000部を40
℃以下に冷却したのち、これにアミン誘導体ポリオール
(一般式3に相当)として、硬化牛脂アミドE50(原料
脂肪酸:牛脂を原料とする硬化牛脂脂肪酸、アルキル分
布:炭素数18が63%、炭素数16が30%、酸化エチレン付
加モル数50、水酸基価48)134部を実施例1と同様の操
作で反応させ、水発泡性ポリイソシアネート樹脂を得
た。この樹脂のNCO含量は10%であった。この樹脂75部
にエチレンカーボネートとプロピレンカーボネート1対
1の混合物25部を加え低粘度化し、更に水100部を加え
て激しく10秒間攪拌したところ、約40秒後に発泡倍率20
の極めて弾性のある安定化した発泡体を得た。
比較例4 アミン誘導体ポリオールで変性しない実施例5の親水
性ポリイソシアネートプレポリマー75部にエチレンカー
ボネートとプロピレンカーボネート1対1の混合液25部
を加え低粘度化し、更に水100部を加えて激しく10秒間
攪拌したところ、約2分後に発泡倍率5の弾性のある発
泡体を得たが、翌日約3/4の体積まで収縮していた。
実施例6 ポリフェニルメタンポリイソシアネート(日本ポリウ
レタン工業製、ミリオネートMR−300 NCO含量31.5%)9
65部と平均分子量1480のメトキシポリエチレングリコー
ル35部とを80℃で3時間反応させ自己乳化型ポリイソシ
アネートプレポリマーを得た。このプレポリマー400部
と実施例1に使用したアミン誘導体ポリオール92.6部を
実施例1と同様の操作で反応させ水発泡性ポリイソシア
ネート樹脂を得た。この樹脂のNCO含量は22.0%であっ
た。この樹脂50部に水50部を加え、10秒間激しく攪拌す
ると約2分後に発泡倍率25の硬質発泡体を得た。
比較例5 実施例6で得た自己乳化型ポリイソシアネートプレポ
リマー1000部に、アミン誘導体ポリオールの代わりに親
水性ポリアルキレントリオール(平均分子量1000、EO/P
O=90/10)217部を用いて自己乳化型ポリイソシアネー
トプレポリマーを変性し、NCO含量22.0%の親水性ポリ
イソシアネート樹脂を得た。この樹脂50部に水50部を加
え、10秒間激しく攪拌すると発泡は開始したが、途中で
陥没し、正常な発泡体を得ることは出来なかった。
実施例7 自己乳化型ポリフェニルポリイソシアネート(日本ポ
リウレタン工業製 コロネート3053 NCO含量29.5%)1
000部にアミン誘導体ポリオール(一般式4相当)とし
て、牛脂アミドアミンE15(原料脂肪酸:牛脂を原料と
する牛脂脂肪酸、アルキル分布:炭素数18が24%、不飽
和結合を一個持つ炭素数18が37%、および炭素数16が30
%、酸化エチレン付加モル数:15、水酸基190)174.5部
を実施例1と同様の操作で反応させ、水発泡性ポリイソ
シアネートプレポリマーを得た。このプレポリマーのNC
O含量は23%であった。この樹脂50部に水50部を加え、1
0秒間激しく攪拌すると約2.5分後に発泡倍率25の硬質発
泡体を得た。
比較例6 コロネート3053 50部に水50部を加え10秒間激しく攪
拌したところ、約3時間後に泥状のゲル化物を得たにす
ぎなかった。
実施例8 ミリオネートMR−200 1000部に実施例1で使用したア
ミン誘導体ポリオールと実施例5で使用したアミン誘導
体ポリオールの1対1混合物260部を実施例1と同様の
操作で反応させ、水発泡性ポリイソシアネート樹脂を得
た。この樹脂のNCO含量は23%であった。この樹脂75部
にジブチルフタレート25部を加えて低粘度化し、更に水
100部を加えて激しく10秒間攪拌したところ、約1.5分後
に発泡倍率30の硬質発泡体を得た。
実施例9 トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業製
コロネートT−80)1000部と実施例3で得た親水性ポリ
イソシアネートプレポリマー(NCO基末端プレポリマー
に相当)1000部とを30℃にしたのち、鰯油アミンE15
(一般式1に相当)229部と牛脂ジアミンE13(一般式2
に相当)62部を温度上昇を確認しながら徐々に加え、最
終的に80℃で3時間保持し、水発泡性樹脂を得た。この
樹脂のNCO含量は19.5%であった。
この樹脂50部に水50部を加え、10秒間激しく攪拌する
と約2分後に発泡倍率25の半硬質状の剛性と弾性が共存
する発泡体を得た。
応用例1 実施例1で得られた水発泡性ポリイソシアネート樹脂
を結合剤として3層パーティクルボードを作成した。
ボード物性への効果をみるために、ジアルコキシレー
ト脂肪族アミンで変性しない自己乳化型ポリイソシアネ
ートプレポリマーを使用した場合との比較を行なった。
表1はプレス時間を変化させた場合の効果を示し、表2
はボード比重を変化させた場合の効果を示す。
ボード作成条件は次の通りである。
含 脂 率(%):表層8.0、芯層4.0 マット含水率(%):表層16.0、芯層10.0 フォーミング比(%):表層/芯層/表層=25/50/25 プレス温度(℃):170 プレス時間(分):ボード比重を変化させた場合は4.5
分一定 プレス圧力(kg/cm2):25.0 ボード寸法(cm):40×40×1.6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00) C08L 75:08 (72)発明者 原田 鶴雄 神奈川県相模原市上鶴間8―1―5 (56)参考文献 特開 昭57−212235(JP,A) 特開 昭57−195721(JP,A) 特開 昭47−15500(JP,A) 特開 昭59−142219(JP,A) 特開 昭56−61422(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に2個以上のイソシアネート基を含
    有する有機ポリイソシアネート化合物及び/又はそのイ
    ソシアネート基末端プレポリマーを、一般式 R:平均炭素数8〜40の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒ
    ドロキシアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキシ
    アルケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中に
    エーテル結合を有するものも含まれる) R1:水素又はメチル基(但し、水素とメチル基がランダ
    ムあるいはブロック状に組み合わせた形で導入されても
    よい) R2:平均炭素数7〜39の直鎖又は分岐のアルキル基又は
    ヒドロキシアルキル基(但し、アルケニル基、ヒドロキ
    シアルケニル基、フェニル基、ベンジル基及び炭素鎖中
    にエーテル結合を有するものも含まれる) x1、x2、y1、y2、y3、z1、z2:1〜60の整数 n:2又は3の整数 で示される、ポリオキシアルキレン付加高級脂肪族アミ
    ン誘導体の1種又は2種以上で変性することからなる、
    水発泡性ポリイソシアネート樹脂の製造方法。
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