JP2543048B2 - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP2543048B2
JP2543048B2 JP61231615A JP23161586A JP2543048B2 JP 2543048 B2 JP2543048 B2 JP 2543048B2 JP 61231615 A JP61231615 A JP 61231615A JP 23161586 A JP23161586 A JP 23161586A JP 2543048 B2 JP2543048 B2 JP 2543048B2
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雅一郎 立川
昌宏 相澤
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は原稿画像を普通紙上に複写する、いわゆるカ
ールソンプロセスを用いた電子写真装置に関するもの
で、特に電荷を保持し得る半導体性材料よりなる転写搬
送ベルトを含む転写搬送ユニットを用いて安定した良好
な複写ができる新しい電子写真装置を提供するものであ
る。
従来の技術 近年、電子写真装置は小型化,高機能化が進められて
いるが、一方で信頼性の向上、メンテナンスの簡素化な
どが重要な課題となっている。
以下図面を参照しながら従来の電子写真装置の一例に
ついて説明する。
第9図は従来の電子写真装置の概略断面図を示すもの
である。図において、10は静電潜像担持体としての円筒
型の感光体で、矢印a方向へ等速度で回転する。12は帯
電器で、感光体10へ対向するように設置されている。14
は光学部で、帯電器12に対し、感光体10の下流側で感光
体10を露光する。16は現像器で、感光体10の露光位置よ
り更に下流側に、感光体10と隣接するように設置されて
いる。18は転写材としての複写紙である。20は給紙部
で、複写紙18を供給するものである。22は転写帯電器、
24は分離除電器で、それぞれ近接した状態で感光体10へ
対向するように設置されている。26は搬送部で、搬送ベ
ルト28、駆動ローラ30、従動ローラ32、吸引部34によっ
て構成され、複写紙18を搬送する。36は支持固定部で、
搬送部26を支持固定する。38は定着器で、複写紙18へト
ナー画像の定着を行う。
以上のように構成された電子写真装置について、以下
その動作について説明する。
まず、感光体10は、表面にSeなどの光半導体層を有
し、矢印a方向へ等速度で回転している。そして、帯電
器12により、表面の一様に正帯電された後、光学部14に
より露光が行われて、原稿と対応した静電潜像が形成さ
れる。現像器16は、負帯電したトナーを用いて現像を行
い、静電潜像と対応したトナー像を感光体10表面に形成
する。ここで感光体10表面のトナー像の形成は、感光体
10表面の正電荷とトナーが持つ負電荷の間に働く静電気
力により行われている。感光体10の表面に形成されたト
ナー像は、給紙部20により感光体10の回転速度に同期し
て供給された複写紙18上に転写されるが、その原理は、
正電荷の放電を行う転写帯電器22が、転写帯電器22上を
通過する複写紙18に正の帯電を行い、複写紙18に帯電し
た正電荷が感光体10表面の負電荷を持つトナーを静電気
力により吸引することにより行われる。常に安定した転
写性能を得るためには、感光体10表面とトナーとの間に
働く静電気力よりも、複写紙18とトナーの間に働く静電
気力が常に大きくなるように、複写紙18の帯電量を多く
すればよい。また、転写帯電器22により帯電した複写紙
18はトナーを吸引するだけでなく、感光体10との間にも
静電気力が働き、感光体10へも吸着するので、複写紙18
上に転写されたトナー像を乱すことなく、複写紙18を感
光体10から分離する必要が生ずる。そこで転写帯電器22
に隣接する分離除電器24の交流放電により複写紙18の除
電を行い、複写紙18と感光体10の吸着力を弱め、更に円
筒型の感光体10の曲率と、複写紙18の剛性とにより得ら
れる。複写紙18が感光体10から分離しようとする力を利
用し、複写紙18を感光体10から分離する。今、複写紙18
の帯電量を大きくするために転写帯電器22の放電量を、
また複写紙18の除電を十分に行うために分離除電器24の
放電量をそれぞれ増大することは、直接、転写性能,分
離性能を向上させることにはならないということが知ら
れているが、それは転写帯電器22と分離除電器24とが隣
接設置され、相互に相反する作用があるため、相互の作
用に影響を及ぼし合っているからである。例えば、分離
除電器24の除電能力を増大させるために放電量を増大さ
せると、複写紙18が感光体10から分離する分離性能は確
かに向上するが、その反面、分離除電器24の除電の影響
により、転写帯電器22による複写紙18の帯電量が除電さ
れて少なくなり、転写性能を低下させることになる。ま
た、転写帯電器22の帯電能力を増大させるために、放電
量を増大させると、複写紙18の帯電量が多くなり確かに
転写性能は向上するが、その反面、複写紙18と感光体10
との吸着力も大きくなり、より大きな除電能力を必要と
して分離性能を低下させることとなる。したがって、転
写帯電器22と分離除電器24の放電量の制御を、それぞれ
の放電状態で得られる複写性能や分離性能のバランスす
る点で行わなければならず、放電量の設定が難しい。
ところで、以上のように転写帯電器22と分離除電器24
により感光体10上のトナー像を転写され、感光体10から
分離された複写紙18は、複写紙18を直接搬送する搬送ベ
ルト28と、搬送ベルト28を架張し駆動するための駆動ロ
ーラ30と従動ローラ32と、複写紙18の搬送力を得るため
に、搬送ベルト28へ複写紙18を吸引するための吸引部34
によって構成される搬送部26により定着器38へ搬送さ
れ、加熱,加圧され、トナー像を定着された後排紙され
る。
ここで、複写紙18が通過する通紙経路を考えてみる
と、複写紙18は、給紙部20により供給され、転写帯電器
22によりトナー像を転写され、分離除電器24により感光
体10から分離され、搬送部26により搬送され、定着器38
により定着・排紙されるという経路をとる。搬送部26上
での複写紙18の搬送力は、搬送ベルト28の内側から吸引
部34により複写紙18を吸引し得られるものであるため、
大きな搬送力を得ることができないと共に、形状の小さ
な複写紙18やカールを起こした複写紙18の搬送力は更に
小さくなっている。また、複写紙18の搬送ベルト28への
吸着力が十分でないなどのため、給紙部20で供給されて
から定着器38で定着されるまでの間、転写,分離,搬送
の各部ではほとんど複写紙18はフリーの状態であり、更
に各部が個々独立しているため複写紙18の挙動がどのよ
うになっているか制御することができない。そのため、
複写紙18が振動したり複写紙18に衝撃力が加わって、複
写紙18上のトナー像が乱れたり、転写帯電器22,分離除
電器24などへ複写紙18が突入して発生する紙づまりや、
搬送部26、定着器38へ複写紙18が突入する際に規定の状
態で突入せずに発生する紙づまりなどが発生し易い。
そこで、搬送部26は、分離除電器24や定着器38との接
合部で、複写紙18の紙づまりが発生し難くなるように、
分離除電器24と定着器38との設定を厳しく管理する必要
がある。また、吸引部34が吸引する面積を大きくするた
め、吸引部34は大がかりな構造となり、搬送部26もおの
ずと構造が大きくなるため、支持固定部36で搬送部26を
固定し、給紙部20、定着器38を着脱することなく、搬送
部26単体をユニットとして着脱することは不可能であ
る。また、搬送ベルト28は直接トナーと接する場所を持
たないために一般に搬送ベルト28のクリーニングは行わ
れていないが、実際には浮遊するトナーや、搬送中の複
写紙18や、回転中の感光体10などから落下するトナーに
よって搬送ベルト28が汚れ、複写紙18を汚すことがあ
る。(文献 日本学術振興会;記録用材料と感光性材料
学会出版センターp23−32他) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では以下のような問題
点を有している。
(1)複写紙18へのトナー像の転写は複写紙18への帯電
電荷とトナーとの間に働く静電気力で行っているため、
転写性能は、複写紙18の帯電量に大きく依存する。複写
紙18の帯電量は、複写紙18の抵抗などの物性によって大
きく変化するので複写紙18の物性を常に一定に保つこと
ができれば良いが、一般に電子写真装置に使用される複
写紙18の種類が多く、それぞれ固有の異なった物性を持
っている。更に同一の物性を持っていた同種の複写紙18
であっても環境が変化(特に湿度の変化)すると、それ
に伴って複写紙18の物性も変化するなどのことから、転
写帯電器22の放電量を変化させずに、種々の複写紙18、
種々の環境下において、複写紙18の帯電量を一定に保つ
ことはできない。けれども、複写紙18の帯電量を一定に
保つために、転写帯電器22の放電量を複写紙18の物性に
合せて変化させることはある程度可能であるが、構造が
複雑になり、高価なものとなることや、それだけでは追
従しきれない場合があるので、実際には行われていな
い。その結果、複写紙18や環境条件の変化により転写性
能が変化し、常に安定した転写性能を得ることができな
いという問題点を有している。
(2) 複写紙18を感光体10から分離する分離力を、複
写紙18の剛性により得ていることから、分離性能は複写
紙18の剛性の影響を大きくうける。複写紙18の剛性は複
写紙18の種類により異なり、剛性の大きな複写紙18の場
合は良いが、剛性の小さい複写紙18の場合、複写紙18が
感光体10から分離するのに必要十分な分離力を得ること
ができず、分離不良とする。故に、複写紙18の変化に伴
ない、分離性能が変化し、分離不良を発生するという問
題点を有している。
(3) 転写帯電器22と分離除電器24とは隣接設置さ
れ、相互に相反する作用があるため、相互の作用に影響
を及ぼし合っている。そこで転写帯電器22と分離除電器
24の放電量の制御を、それぞれの放電状態で得られる転
写性能と分離性能のバランスする点で行わなければなら
ない。このバランス点は、複写紙18の種類,環境条件の
変化などの条件も重なるため、そのバランスする範囲が
非常に狭く、転写帯電器22と分離除電器の放電量をバラ
ンス点に調整することは、大変難しいことであり、調整
技能や多くの調整時間を必要とするという問題点を有し
ている。
(4) 搬送部26上での複写紙18は、十分な搬送力がな
いため、官製葉書などの剛性が大きく定着器38へ突入す
る際に大きな搬送力を必要とし、形状が小さく搬送ベル
ト28による搬送力しか得ることのできない複写紙18を定
着器38まで搬送することができないという問題点を有し
ている。
(5) 複写紙18の通過する通紙経路上で、複写紙18は
給紙部20により供給され、定着器38により定着されるま
での間ほとんどフリーの状態である。更に、転写,分
離,搬送の各部が個々に独立しているために、複写紙18
の挙動がどのようになっているか制御することができな
いため、複写紙18上のトナー像の乱れや複写紙18の紙づ
まりなどが発生するという問題点を有している。
(6) 搬送部26は支持固定部36により固定され、搬送
部26以外を着脱することなく、搬送部26単体を着脱する
ことができないため、例えば、搬送ベルト28などの部品
を交換するときのメンテナンス性が非常に悪いという問
題点を有している。
本発明は、以上のような問題点の中で、特に、複写紙
18上のトナー像の乱れや複写紙18の紙づまりが発生し易
く、メンテナンス性が悪いという問題点に鑑み、複写紙
18が供給されてから定着・排紙されるまでの間に、複写
紙18上のトナー像の乱れや複写紙18の紙づまりを発生す
ることなく常に安定した通紙性能を得ることができ、部
品交換などのメンテナンス性を向上した電子写真装置を
提供しようとするものである。
問題点を解決するための手段 本発明の電子写真装置は、表面に静電潜像を保持し回
転する静電潜像担持体と、静電潜像担持体表面の静電潜
像に帯電したトナーを供給し、トナー像を形成する現像
手段と、転写搬送ベルト表面のトナー像を転写するため
の転写材を供給する転写材供給手段と、静電潜像担持体
表面のトナー像を転写材へ転写し、さらに、転写材を静
電気的に吸着し搬送する転写搬送手段と、転写材供給手
段の転写材供給と同期して転写搬送手段を静電潜像担持
体に対して離接させる離接手段と、転写搬送手段を静電
潜像担持体へ離接する時に、転写搬送手段の重量を略相
殺する付勢力を付与する付勢力補助手段とを具備し、か
つ、転写搬送手段は、電気抵抗が1010〜1013Ω・cmの半
導体性材料からなる部分を有する無端弾性状の転写搬送
ベルトと、転写搬送ベルトを駆動する駆動手段と、転写
搬送ベルトの半導体性材料部分へトナーの帯電極性と反
対極性の電荷を付与するベルト帯電手段と、接地された
導電性部材を転写搬送ベルト内面に接触させ、ベルト帯
電手段により付与された電荷を除電するベルト除電手段
と、転写搬送ベルトの表面をクリーニングするクリーニ
ング手段とを含み、さらに、転写搬送手段は、転写搬送
ベルトと駆動手段とベルト帯電手段とベルト除電手段と
クリーニング手段とをユニット化した構成であり、転写
搬送手段を静電潜像担持体に離接するについて、転写搬
送手段の重量を略相殺する付勢力補助手段を設け、もっ
て離接手段が転写搬送手段を付勢するに必要とする付勢
力を軽減するようにした構成であると共に、離接手段が
転写搬送手段を静電潜像担持体に付勢することにより転
写搬送ベルトと静電潜像担持体との接触部を形成し、接
触部においてベルト帯電手段により転写搬送ベルトが電
荷を有する如くに構成することによって、転写材上に、
静電潜像担持体上のトナー像を静電気的に転写するよう
にしたものである。
作用 本発明は上記した構成によって、静電潜像担持体と転
写搬送ベルトとの近接部近傍において、ベルト帯電手段
が上記転写搬送ベルトの1010〜1013Ωcmの電気抵抗を有
する半導体性材料よりなる部分に電荷を与えることによ
り、転写材供給手段が送り込んでくる転写材には直接電
荷を与えることなしに、転写材の静電誘導による分極電
荷と上記転写搬送ベルトの真電荷との静電引力で転写材
を上記転写搬送ベルト上に吸着・搬送するようにしたも
のである。トナーの転写はベルト帯電手段が転写搬送ベ
ルトに付与する電荷を静電潜像担持体上のトナーが有す
る電荷と逆の極性にすることによって行われる。即ち、
転写搬送ベルト上の電荷とトナーの電荷との静電引力に
よってトナーが転写搬送ベルト方向に吸引され、転写搬
送ベルト上に吸着されている転写材上に転写される。ま
た、転写材は真電荷を持たず分極電荷によって転写搬送
ベルト上に吸着されているので、静電潜像担持体と転写
材との分離に際して転写材の除電を必要とせず、加えて
上述した転写材と転写搬送ベルトとの静電的な吸着力が
転写材を静電潜像担持体から分離する強制力として作用
するため、転写材の剛性のみに依存している従来の電子
写真装置に比べて安定した転写材の分離が行われるもの
である。
また、本発明は静電潜像担持体上のトナー像を転写材
に転写し、静電潜像担持体から転写材を分離し搬送する
という転写・分離・搬送の機能を果たす各部を一体化し
転写搬送ユニットとすることにより、転写材の通過経路
を簡単化できると共に、この転写搬送ユニット上の転写
材の挙動を制御することができ、この通過経路上で転写
材上のトナー像が乱れたり、転写材の搬送不良などを発
生することなく、常に安定した搬送性能を得ることがで
きる。
さらにまた、転写搬送手段を静電潜像担持体に離接す
るについて、上記転写搬送手段の重量を略相殺する付勢
力補助手段を設けているので、必要な付勢力が軽減でき
離接手段の構造を簡単化できるものである。
実施例 以下本発明の一実施例の電子写真装置について、図面
を参照しながら説明する。
第1図は本発明の実施例における電子写真装置の概略
断面図を示すものである。図において、10は静電潜像担
持体としての円筒型の感光体で、矢印a方向へ等速度で
回転する。12は帯電器で、感光体10へ対向するように設
置されている。14は光学部で、帯電器12に対し、感光体
10の下流側で感光体10を露光する。16は現像器で、感光
体10の露光位置より更に下流側に、感光体10と隣接する
ように設置されている。18は転写材としての複写紙であ
る。20は給紙部で、複写紙18を供給するものである。48
は転写搬送ユニットである。50は転写搬送ベルトであ
り、感光体10に圧接されて一方向に駆動されている。52
は駆動軸、54は分離軸で転写搬送ベルト50を架張し駆動
する駆動手段であると共に分離軸54は、転写搬送ベルト
50の内面に接触し、転写搬送ベルト50の除電を行うベル
ト除電手段の一つである。56は転写軸で、感光体10と転
写搬送ベルト50が接する位置(以下転写位置という)手
前近傍にあり、転写搬送ベルト50内面に接触するベルト
除電手段の一つである。58は2番帯電器であり、転写位
置で、転写搬送ベルト50をはさみ感光体10に対向設置さ
れたベルト帯電手段である。60は支持手段としての搬送
基板であり、61は支持手段としての移動基板である。62
はクリーニング部であり、転写搬送ベルトのクリーニン
グを行う。64は本体側へ設けられた支持板であり、転写
搬送ユニット48を支持する。38は定着器であり、転写紙
18の経路において転写搬送ユニットの下流側に設置され
ている。
以上のように構成された電子写真装置について、以下
第1図から第8図を用いながら、その動作を説明する。
まず、第1図を用いて説明すると、図において、感光
体10は、表面にセレンなどの光半導体層を有し、矢印a
方向へ等速度で回転している。そして、帯電器12によ
り、表面を一様に正帯電された後、光学部14により、露
光が行われて原稿と対応した静電潜像が形成される。現
像器16は、負帯電したトナーを用いて現像を行い、静電
潜像と対応したトナー像を感光体10表面に形成する。こ
こで感光体10表面のトナー像の形成は、感光体10表面の
正電荷とトナーが持つ負電荷の間に働く静電気力により
行われている。複写紙18は給紙部20により、感光体10の
回転速度に同期して転写搬送ベルト50へ向かって供給さ
れ、転写搬送ベルト50に達したのち転写搬送ベルト50に
沿って感光体10と転写搬送ベルト50が接している転写位
置へと供給される。転写搬送ユニット48は転写位置へ達
した複写紙18へ感光体10表面に形成されたトナー像を転
写し、感光体10から複写紙18を分離し、更に複写紙18へ
と搬送するが、ここで転写・分離・搬送の原理を説明す
る。
転写搬送ベルト50は、電気抵抗率が1010〜1013Ω・cm
の半導体材料で形成された無端状のベルトであり、搬送
基板60と移動基板61で支持された駆動軸52、分離軸54、
および転写軸56により架張され、駆動軸52の駆動力を伝
達されて駆動される。転写搬送ベルト50は、2番帯電器
58から感光体10表面のトナー粒子の有する負の電荷と反
対極性の正の電荷を付与され帯電され、また、少なくと
も表面が導電性部材より成り、アース接地された分離軸
54、転写軸56によってその電荷を除電される。
転写搬送ベルト50は、ベルト帯電手段である2番帯電
器58と、ベルト除電手段である分離軸54、転写軸56間を
結ぶ一種の抵抗体であり、2番帯電器58で付与する電荷
を制御することで、転写位置での転写搬送ベルト50の保
持電荷量を適性に制御することが可能である。
ここで、複写紙18は転写搬送ベルト50と感光体10間へ
供給され、転写位置で転写搬送ベルト50と感光体10で挟
まれることで、転写搬送ベルト50と密着する。転写搬送
ベルト50と密着した複写紙18は、転写搬送ベルト50の保
持する正の電荷の作用で、転写搬送ベルト50側が負に、
感光体10側が正に成る様に分極される。ここで重要なの
は、複写紙18を分極させるのは転写搬送ベルト50の保持
電荷であることで、転写搬送ベルト50の保持電荷の作用
を最大限活用するためには、転写搬送ベルト50と複写紙
18との密着性を高め、距離を近づけることである。つま
り、転写搬送ベルト50と複写紙18の密着性を高め、距離
を近づけると、静電気作用がより高まり、複写紙18の内
部の分極電荷の発生を効率よく行わせることができる。
さらに、転写搬送ベルト50の保持電荷と複写紙18の分極
電荷の間の距離が近づくために、静電気的吸着力をより
大きく働かせることができる。
また、上述したように、転写搬送ベルト50は、1010
1013Ω・cmの電気抵抗率の半導電性材料で構成されてい
ることから、転写搬送ベルト50内部での電荷は、ある程
度自由に移動することができる。転写搬送ベルト50内部
を移動することのできる電荷の作用を利用し、複写紙18
を分極させ、さらに、複写紙18を転写搬送ベルト50へ静
電気的に吸着させるのであるから、複写紙18と転写搬送
ベルト50の密着性を高め、転写搬送ベルト50の保持電荷
と複写紙18の分極電荷の距離を近づけることで、電荷の
移動をある程度阻止することが必要である。
したがって、転写搬送ベルト50内部を移動することの
できる電荷で、安定的に、複写紙18の内部分極と、複写
紙18の吸着を行わせるためにも、複写紙18と転写搬送ベ
ルト50を密着させることは、非常に重要である。複写紙
18と転写搬送ベルト50の密着なくしては、以下に説明す
る、複写紙18へのトナーの転写、感光体10からの複写紙
18の分離、複写紙18の搬送を、確実に行うことは不可能
であるといっても過言ではない。
複写紙18へのトナーの転写は、トナーの有する負の電
荷と、転写搬送ベルト50の有する正の電荷、複写紙18の
感光体10側の正の分極電荷との間に働く静電引力によ
り、感光体10表面から複写紙18へトナーを吸引し行われ
る。常に安定した転写性能を得るためには、トナーに働
く静電引力のうち感光体10側に働く静電引力よりも複写
紙18側へ働く静電引力を常に大きくすることにより実現
できる。ここで、複写紙18側へ働く静電引力は、転写位
置で、転写搬送ベルト50の有する電荷量でほぼ決定され
るため、複写紙18の電気抵抗値、厚さ等の複写紙18の物
性によらず、つまり、複写紙18の種類、置かれた環境に
ほとんど関係なく、常に安定した感光体10からのトナー
の転写性能を得ることができる。
また、感光体10からの複写紙18の分離は、複写紙18と
転写搬送ベルト50間の密着性を高めることで、複写紙18
と転写搬送ベルト50間の静電吸着力を高め、複写紙18が
感光体10側へ吸着することを防止し、複写紙18が転写搬
送ベルト50へ吸着した状態で感光体10から分離する。し
たがって、複写紙18自身の剛性を利用して感光体10から
分離するのではないため、複写紙18の種類、置かれた環
境にほとんど関係なく、常に安定した感光体10からの分
離性能を得ることができる。
また、複写紙18は、転写位置だけでなく、複写紙18の
給紙部20で供給され、複写紙18が転写搬送ベルト50へ密
着され、静電吸着されてから、複写紙18が転写搬送ベル
ト50から分離されるまでの間、常に静電気力により転写
搬送ベルト50へ静電吸着され密着した状態で搬送され
る。したがって、複写紙18の搬送力は、複写紙18と転写
搬送ベルト50間の静電引力が転写搬送ベルト50の駆動力
を複写紙18に伝達し行われるため、非常に大きな搬送力
を得ることができる。特に、面積が小さく、剛性の高い
官製葉書などの搬送も可能である。
また、転写搬送ベルト50上の複写紙18は、転写搬送ベ
ルト50へ一度密着し、静電吸着されると、そのまま、転
写搬送ベルト50に密着された状態で、転写搬送ベルト50
の走行経路に沿って搬送されるため、転写搬送ベルト50
から浮いたり、振動したりして、衝撃力が加わることが
なく、複写紙18上へ転写されたトナー像が乱れたり、紙
づまりすることもない。つまり、複写紙18の走行経路は
転写搬送ベルト50の走行経路と一致するため、転写搬送
ベルト50の走行経路を安定化することで複写紙18の走行
経路を安定化でき、複写紙18上へ転写されたトナー像が
乱れたり、紙づまりすることもない。
複写紙18は、転写搬送ベルト50に密着した状態で搬送
され、定着器38手前で転写搬送ベルト50から分離され、
定着器38へと送られる。転写搬送ベルト50から複写紙18
が分離する位置(以下分離位置という)では、 転写搬送ベルト50は、電気抵抗率が1010〜1013Ω・cm
の半導体材料で形成されていることから、ベルト帯電手
段である2番帯電器58とベルト除電手段である分離軸54
間に接続された抵抗体として作用し、2番帯電器58で付
与された電荷は分離軸54で除電される。したがって、転
写搬送ベルト50の保持する電荷は、転写位置で電荷を付
与されてから分離位置へ移動するにしたがって徐々に電
荷量が少なくなり、転写位置での転写搬送ベルト50の保
持電荷量に比べ、分離位置での保持電荷量は、明らかに
少なくなっている。そのため、転写位置から分離位置に
向かうにしたがって、転写搬送ベルト50に対するトナー
および複写紙18の静電引力が徐々に弱くなっている。
特に、分離位置部分では、転写搬送ベルト50の内面
は、導電性表面を有しかつアース接地された分離軸54に
直接接触すること。加えて、分離位置手前近傍では、転
写搬送ベルト50と分離軸54の距離が急激に小さくなるこ
とから、転写搬送ベルト50の保持電荷が急激に除電され
るため、転写搬送ベルト50に対するトナーおよび複写紙
18の静電引力がさらに弱くなっている。
分離位置の下流側で、転写搬送ベルト50の走行経路
は、分離軸54に沿って曲率が大きく変化するため、複写
紙18の剛性を利用した転写搬送ベルト50からの複写紙18
の分離力が発生する。
以上〜の作用が働き、分離位置では、転写搬送ベ
ルト50と複写紙18の静電吸着力を弱めると共に複写紙18
の剛性による分離力を発生させ、複写紙18を転写搬送ベ
ルト50から無理なく分離し、定着器38へと搬送する。
ここで、分離位置手前においては、転写搬送ベルト50
が複写紙18を吸着する力は弱くなっているが、未だ十分
に大きいので、複写紙18の挙動、搬送力への影響はな
い。そして、定着器38へ搬送された複写紙18は、その表
面のトナー像を定着され、排紙される。
また、転写搬送ユニット48は、 電気抵抗率が1010〜1013Ω・cmの半導体材料で形成さ
れた無端状のベルト手段である転写搬送ベルト50と、 転写搬送ベルト50を架張し、転写搬送ベルト50を駆動
する駆動軸52と、 転写搬送ベルト50を架張し、分離位置で、転写搬送ベ
ルト50の有する電荷を除電する分離軸54と、 転写搬送ベルト50を架張し、転写位置上流で転写搬送
ベルト50の有する電荷を除電し、さらに、感光体10へ転
写搬送ベルト50を押圧し、転写搬送ベルト50と感光体1
0、転写搬送ベルト50と複写紙18の圧接状態を確保する
ための転写軸56と、 転写搬送ベルト50へ電荷を付与するための2番帯電器
58と、 転写搬送ベルト50表面に付着するトナーなどの異物を
クリーニングするクリーニング部62と、 転写搬送ベルト50を感光体10へ弾性的に離接するよう
に、転写搬送ユニット48を押し上げる押し上げ部63と、 転写搬送ベルト50、駆動軸52、分離軸54、転写軸56、
2番帯電器58、クリーニング部62、押し上げ部63とを支
持構成する搬送基板60と移動基板61と、 を含む、一体化されたユニットとして構成されている。
この転写搬送ユニット48上で、感光体10表面のトナー像
を複写紙18へ転写し、給紙部20から給紙された複写紙18
を密着し、静電気的に吸着、保持し、定着器38へと供給
する。転写搬送ユニット48は、支持軸受112により電子
写真装置本体に着脱可能な状態で軸支されている。
そして、感光体10が回転し、複写動作が行われ、給紙
部20から複写紙18が供給されるのに同期して、押し上げ
部63により、電子写真装置本体から押し上げ力を得て、
転写搬送ベルト50が感光体10と接するように転写搬送ユ
ニット48を押し上げ、複写動作が終わり複写紙18を搬送
し終わったあとには、転写搬送ベルト50は感光体10から
離れる。つまり、複写動作や複写紙18の供給に同期し
て、転写搬送ベルト50の離接が行われている。これは、
感光体10に転写搬送ベルト50が常に接していると感光体
10の表面が押圧による機械的ダメージによって変質する
可能性があるので感光体10と転写搬送ベルト50をできる
だけ離しておくためである。また、転写搬送ユニット48
を本体に支持している支持板64から取り外す場合、支点
100を中心に、感光体10や現像器16などをアリゲータ方
式で開けた後、転写搬送ユニット48を取り外すことがで
きる。
次に各部についての詳細な説明を第1図から第8図を
参照しながら行う。
まず、転写搬送ユニット48を支持板64で支持する支持
方法について第1図の概略断面図、第2図の転写搬送ユ
ニット48の詳細図、第3図,第4図の転写搬送ユニット
48の支持部詳細図を参照しながら説明する。ここで、転
写搬送ユニット48には分離軸58を移動基板61へ支持する
ために支持軸受112が用いられているが、この支持軸受1
12は、フランジ部と、外周をH型にカットされたHカッ
ト部とを持っている。そして、支持板64には、支持軸受
112のHカット部の長幅側と同径のと、この穴から、長
幅側は通らず短幅側は通る幅の溝が切られている。ま
た、支持軸受112は移動基板61へ斜めに取り付けられて
いる。ここで、アリゲータを開けた状態(第1図の一点
鎖線)で、転写搬送ユニット48を斜めにしながら支持軸
受112の短幅部を支持板64へ矢印b方向に挿入すること
ができ、挿入し終ったあと、支持板64の穴(支持軸受11
2と同心となる)を中心に転写搬送ユニット48を、駆動
軸52側を押し下げる方向に回転すると、支持板64の溝
と、支持軸受112のHカット部が斜めになり、支持軸受1
12を矢印bの反対方向へ押し上げても外すことができ
ず、支持板64に転写搬送ユニット48を支持固定すること
ができる。ここで転写搬送ユニット48を取り外す場合に
は逆に行えばよい。以上のように転写搬送ユニット48を
支持固定することにより、転写搬送ユニット48は簡単に
着脱可能であり、しかも、しっかりと装着することがで
きる。
当然のことながら、複写紙18は転写搬送ベルト50から
分離された後、定着器38へと搬送され、その表面に転写
されたトナー像を定着されるのであるが、定着器38への
複写紙18の突入をスムースに行う必要がある。つまり、
定着器38への複写紙18の突入高さ、角度などの複写紙18
の供給経路が変化すると、定着器38内で複写紙18が紙し
わを起こしたり、定着器38に紙詰まりを起こしたりとト
ラブルが発生することがある。また、定着器38入口でも
紙詰まりの危険がある。したがって、言うまでもない
が、複写紙18が定着器38へ突入する場合、常に一定の搬
送経路で突入するように設定することが、上記のような
トラブルを防止する一手段となる。
ところで、本実施例の電子写真装置は、転写搬送ベル
ト50に複写紙18を十分密着させた状態で、転写搬送ベル
ト50の走行経路に沿って複写紙18を搬送し、分離位置で
分離軸54の曲率を利用し、複写紙18の剛性により転写搬
送ベルト50から複写紙18を分離する方式である。したが
って、複写紙18の種類の違いなどにより剛性が変化する
と、転写搬送ベルト50からの複写紙18の分離位置が微妙
に変化し、分離位置が多少バラツキを有することとな
る。その場合でも、定着器38に対する突入条件を、十分
確保するために、定着器38と分離軸54の位置を精度良く
保持することが重要である。
ここで、本実施例では、複写紙18が給紙部20から供給
されてから、定着器38へ突入する間、複写紙18の静電気
的に転写搬送ベルト50に吸着し、搬送することで、複写
紙18の走行経路を転写搬送ベルト50の走行経路上に設定
し、安定化することができる。さらに、転写搬送ベルト
50を転写搬送ユニット48として一体化し、転写搬送ユニ
ット48と電子写真装置本体の着脱の支点を定着器38近傍
に設けた支持基板64で行うことにより、転写搬送ベルト
50の交換などのメンテナンス性を簡単な方法に維持しな
がら、併せて、転写搬送ユニット48の分離軸54部分と定
着器38との位置決め精度を確保し、定着器38部分での紙
詰まりなどのトラブルを未然に防止することができる。
次に、2番帯電器58と2番帯電器58を転写搬送ユニッ
ト48へ装着する際の方法について、第1図の概略断面
図、第2図の転写搬送ユニット48の詳細図、第7図の2
番帯電器58の装着時の断面図を参照しながら説明する。
2番帯電器58は転写搬送ベルト50へ正の電荷を注入す
る帯電器であり、コロナ放電をするワイヤー160と、ワ
イヤー160を固定するブロック(1)162とブロック
(2)164と、ワイヤー160の放電効率を決めるハウス16
6と、ブロック(1)162側でハウス166を鉛直上方向へ
押しあげると共に、ハウス166のアース接地を行う位置
決めバネ170とによって構成されている。また、搬送基
板60には、ブロック(2)164の位置決めを行うブロッ
ク受け178が設置されている。ここで、2番帯電器58
は、ワイヤー160が汚れた場合などにクリーニングを容
易に行うことができるよう、転写搬送ユニット48から容
易に着脱が可能となっている。装着状態(第7図)から
2番帯電器58を取り外すときは、まずブロック(1)16
2を矢印c方向へ押し下げる。すると、位置決めバネ170
が縮み、搬送基板60とハウス166とで形成された抜け止
めがはずれ矢印d方向へ2番帯電器58を引き抜くことが
でき、2番帯電器58を転写搬送ユニット48から取り外す
ことができる。ただ、矢印c方向へブロック(1)162
を押し下げずに矢印d方向へ2番帯電器58を引いても、
抜け止めにより、引き抜くことができない。次に、未装
着状態(第2図)から2番帯電器58を装着する場合2番
帯電器58をそのまま転写搬送ユニット48の矢印e方向へ
挿入すれば良く、挿入していくとブロック(2)164に
設けた突起が、搬送基板60に取りつけられたブロック受
け178にあけられた穴へ入り、ブロック(2)164の上下
左右の位置決めを行う。更に挿入すると、位置決めバネ
170により鉛直上方向へ押し上げられ、2番帯電器58の
ハウス166に設けられた抜け止めがはまり、装着完了と
なる。いわゆる2ウエイスライド式の装着方式によっ
て、2番帯電器58は、転写搬送ユニット48から簡単に着
脱可能であるが、装着時にはしっかりと装着されてい
る。
次に、クリーニング部62とクリーニング部62を転写搬
送ユニット48へ装着する際の方法について、第1図の概
略断面図、第2図の転写搬送ユニット48の詳細図、第5
図の転写搬送ユニット48の概略断面図、第6図の転写搬
送ユニット48の側面図を参照しながら説明する。
転写搬送ベルト50表面には、電子写真装置本体内を浮
遊するトナーや異物などが付着したり、また、紙詰まり
などの異常時に直接感光体10上のトナー粒子が転写搬送
ベルト50表面に転写されたりして、トナーなどの異物が
付着することがある。トナーなどの異物の付着した転写
搬送ベルト50に複写紙18が接触し、吸着されると、複写
紙18の転写搬送ベルト50との接触面がトナーなどで汚れ
るいわゆる裏汚れ現象が発生することはもちろんのこ
と、さらには、複写紙18と転写搬送ベルト50の密着性が
悪くなるため、転写搬送ベルト50の表面をクリーニング
し、常に清浄な状態に保つことが望まれる。
転写搬送ベルト50表面に付着しているトナーは、通
常、正に帯電しているため、転写搬送ベルト50が負の電
荷を有している部分では、トナーが転写搬送ベルト50に
静電吸着するため、そのトナーをクリーニングする場
合、大きなクリーニング力を必要とする。そこで、1010
〜1013Ω・cmの半導電性の転写搬送ベルト50に対し、2
番帯電器58で付与した電荷を、分離軸54で除電した後に
クリーニングすることで、トナーやその他の異物と転写
搬送ベルト50の間に静電吸着力が働かない領域でクリー
ニングすることができ、比較的小さなクリーニング力で
も転写搬送ベルト50表面を十分にクリーニングすること
ができ、転写搬送ベルト50表面を清浄な状態に保つこと
ができる。
そこで、クリーニング部62は、転写搬送ベルト50上の
トナーなどの異物をクリーニングするものであり、転写
搬送ベルト50を直接クリーニングするブレード130とブ
レード130を転写搬送ベルト50へ離接可能に保持するク
リーニング基板132とブレード130の転写搬送ベルト50へ
の離接と連動して動くブレードレバー134と、ブレード
レバー134へブレード130が転写搬送ベルト50へ圧接する
ように常に圧接力を加えるバネ136と、ブレード130によ
りクリーニングしたトナーを収納する排トナーボックス
138とそのトナーがクリーニング部62外へ飛散しないよ
うにするパッド140とを含み転写搬送ベルト背面(ブレ
ード130と反対側)に接し、搬送基板60に取りつけられ
たバックパッド142とバックパッド142の上流側で転写搬
送ベルト50背面に接し、搬送基板60に取り付けられたバ
ックプレート144と転写搬送ベルトを介して対向するよ
うに構成されている。ここで、バネ136によって常に与
えられている圧接力をブレードレバー134を介して受け
たブレード130は、常時転写搬送ベルト50へ圧接され、
転写搬送ベルト50をクリーニングする。ここでブレード
130は、転写搬送ベルト50へ食い込み過ぎないように、
ブレードレバー134とクリーニング基板132とにより構成
されたストッパによって、食い込み量の制御をされ規定
以上に食い込むことはない。ブレード130により、クリ
ーニングされたトナーは、ブレード130下部に設けられ
た排トナーボックス138内へ落下し蓄積される。排トナ
ーボックス138は、クリーニング基板132からスライド式
に着脱可能であり、排トナーボックス138内のトナーな
どが満杯となったときには、クリーニング基板132から
取りはずし、トナーを廃棄した後の排トナーボックス13
8や新しい排トナーボックス138を再びクリーニング基板
132へ取り付ければよいようになっている。ブレード130
によりクリーニングされたトナーは、瞬時に全てが排ト
ナーボックス138へ落下するわけではなくブレード130近
辺で浮遊していて外部へ飛散してしまう。そこで、クリ
ーニング部62と外部との隙間をパッド140で塞ぐことに
より、トナーが外部へ飛散することを防止している。ま
た、バックパッド142は、転写搬送ベルト50背面からブ
レード130側へ転写搬送ベルト50を押圧し、クリーニン
グ性能を向上させる作用があると共にブレード130と転
写搬送ベルト50が摺動により発生する異音を防止するも
のである。バックプレート144は、ブレード130の圧接位
置の直上流で転写搬送ベルト50の背面から転写搬送ベル
ト50をブレード130側へ押圧することにより、ブレード1
30の圧接位置で転写搬送ベルト50へブレード130に対し
ての抗力を増加させることによりクリーニング性能を向
上させるものである。
一般に、周知の如く、ゴムブレードなどを用いて、感
光体表面の残存トナーなどをクリーニングする場合、ク
リーニングに使用されたブレードは感光体との摺擦によ
りその先端が磨耗し、良好なクリーニング性能を永続す
ることができなくなる。したがって、先端の磨耗量に応
じて交換する必要が生じる。本実施例で用いた転写搬送
ベルト50表面のクリーニングのためのブレード130も、
同様に、転写搬送ベルト50との摺擦によるブレード130
先端の磨耗による寿命で交換の必要が生じることがあ
る。
したがって、メンテナンス性を簡単な方法で維持する
ために、クリーニング部62は、ブレード130の交換など
のために転写搬送ユニット48から容易に着脱が可能であ
る。
そこで、クリーニング部62を転写搬送ユニット48から
着脱する方法を説明すると、まず、クリーニング部62が
装着された状態(第6図)からクリーニング部62を取り
外すためには搬送基板60に移動基板61を矢印g方向へ回
転し、その後クリーニング部62を矢印i方向へ移動する
ことにより取り外すことができる。装着するときには、
搬送基板60に対し移動基板61を矢印g方向へ回転した状
態で、搬送基板60に設けたフックに、クリーニング基板
132に設けた溝をはめ込むようにしてクリーニング部62
を矢印iと反対方向に挿入し、転写搬送ユニット48に固
定し、その後、抜け止め用に搬送基板60に対し移動基板
61を矢印gと反対方向に回転し行う。このようにクリー
ニング部62を転写搬送ユニット48から簡単に着脱するこ
とが可能である。
次に押し上げ部63の詳細について第1図の概略断面
図、第2図の転写搬送ユニット48の詳細図、第8図の本
体の押し上げ部63の概略図を参照しながら説明する。
押し上げ部63は、感光体10表面の変質を防止するため
感光体10が回転し複写動作を行い複写紙18が供給された
ときには、転写搬送ユニット48を押し上げ、転写搬送ベ
ルト50が感光体10に接するようにし、複写動作が終わ
り、複写紙18を搬送し終ったあとには、転写搬送ベルト
50が感光体10から離れるようにした転写搬送ベルト50の
離接を行うものである。つまり、複写動作や複写紙18の
供給に同期して、転写搬送ベルト50を感光体10に対して
離接する。
ここで、押し上げ部63は、本体に設置された電磁プラ
ンジャー182と電磁プランジャー182と連動して回転する
押し上げレバー184と常に転写搬送ユニット48を押し上
げている押し上げバネ186と転写搬送ユニット48に設置
され、押し上げレバー184の力を受ける押し上げ板
(1)188と押し上げバネ186の力を受ける押し上げ板
(2)190とによって構成されている。ここで、複写動
作に入る場合、電磁プランジャー182に信号が入り、電
磁プランジャー182がONする。それと連動して押し上げ
レバー184が回転して、その回転力を押し上げ板(1)1
88に伝達し、転写搬送ユニット48を押し上げ、転写搬送
ベルト50が感光体10へ圧接される押し上げ位置に位置決
めされる。押し上げバネ186は、押し上げ板(2)190
へ、転写搬送ユニット48の押し上げ力を加えているが、
押し上げバネ186による押し上げ力は、転写搬送ユニッ
ト48の重量とバランスする押し上げ力であるため、押し
上げバネ186の押し上げ力だけでは転写搬送ユニット48
を押し上げることができないが、押し上げレバー184に
よる押し上げ力を少なくできるという利点がある。ま
た、転写搬送ユニット48を押し上げ位置まで押し上げる
のに必要なストロークに対し、押し上げレバー184で押
し上げることのできるストロークは十分大きくしてあ
る。これは、部品の寸法誤差などが発生した場合でも転
写搬送ユニット48の押し上げを常に完全に行うことがで
きるようにという配慮による。そして、ここで発生する
ストローク差を弾性体である押し上げ板(1)188が吸
収し、転写搬送ユニット48を常に押し上げ位置まで確実
に押し上げることができるようになっている。
また、感光体10に対し、転写搬送ユニット48を離接す
ると、その離接動作で、転写搬送ベルト50に加速度が印
加され、振動運動を行うことがある。転写搬送ベルト50
の振動がおさまる前に複写紙18が供給されると、複写紙
18と転写搬送ベルト50の密着性を確保することが困難と
なる。しかし、本実施例では、押し上げバネ186の押し
上げ力により押し上げレバー184の押し上げ力を小さく
できること。さらに、押し上げレバー184による押し上
げ力を弾性体である押し上げ板(1)188で吸収するこ
とができるため、転写搬送ユニット48の隣接時の転写搬
送ベルト50の振動を最小限に抑えることができ、複写紙
18と転写搬送ベルト50の密着性を十分に確保することが
できる。
次に転写搬送ベルト50を交換する際の手順について、
第1図の概略断面図、第2図の転写搬送ユニット48の詳
細図、第6図の転写搬送ユニット48の側面図を参照しな
がら説明する。ここで転写搬送ベルト50は、通常は、第
1図,第2図,第6図のように、駆動軸52、分離軸54、
転写軸56により架張され、駆動されているため、その架
張張力や、駆動張力によるクリープ現象のための永久伸
びが発生することがある。また、転写搬送ベルト50は、
クリーニング部62で、その表面をブレード130で摺擦さ
れながらクリーニングされることから、その表面が磨耗
したり、表面にトナーなどの異物が固着したりするなど
して、その表面の特性が変化することがある。このよう
な転写搬送ベルト50の変化によって、複写紙18と転写搬
送ベルト50の密着性が確保できなくなったり、また、電
気抵抗率が変化し、電荷を十分に保持できなくなったり
と、転写搬送ベルト50がその機能を果たせなくなる、い
わゆる寿命などで転写搬送ベルト50の交換が必要になる
ことがある。
ここで、搬送基板60に対し移動基板61を矢印g方向へ
回転すると、クリーニング部62の抜け止めが外れ転写搬
送ユニット48からクリーニング部62を取り外すことがで
きると共に、今まで架張力が加わっていた転写搬送ベル
ト50の架張力を取り除くことができる。そして架張力の
なくなった転写搬送ベルト50を転写搬送ユニット48から
簡単に取り外すことができる。逆に、転写搬送ベルト50
を転写搬送ユニット48へ装着する場合には、搬送基板60
に対し移動基板を矢印g方向へ回転した状態で、転写搬
送ユニット48を転写搬送ベルト50へ挿入した後搬送基板
60に対し移動基板61を矢印gと反対方向へ回転させ、転
写搬送ベルト50へ架張力を加えて行う。このように転写
搬送ベルト50に加えられている架張力を、搬送基板60に
対し移動基板61を回転することにより行い、転写搬送ベ
ルト50を転写搬送ユニット48から簡単に着脱することが
できる。
当然のことながら、転写搬送ベルト50が1010〜1013Ω
・cmの電気抵抗率を有する半導電性材料より構成されて
いて、ベルト帯電手段である2番帯電器58とベルト除電
手段である分離軸54と転写軸56を接続する抵抗体である
ことから、たとえば、転写搬送ベルト50の交換などのメ
ンテナンス時に転写搬送ユニット48を着脱する場合、電
子写真装置を停止し、2番帯電器58による電荷の付与か
ら電荷漏洩のための時間を経過した後であれば、転写搬
送ベルト50の転写位置でも、その保持電荷量は少なくな
っており、直接素手で触っても漏電する危険はない。ま
た、電荷漏洩のために必要な時間は極めて短く、取り立
ててその時間を確保する必要もない。
以上のように本実施例によれば、感光体10と、感光体
10表面を帯電するための帯電器12と、帯電器12により帯
電した感光体10表面を露光し、静電潜像を形成するため
の光学部14と、静電潜像をトナーを用いて顕像化し、感
光体10表面にトナー像を形成するための現像器16と、ト
ナー像を複写紙18へ転写し、複写紙18を搬送するための
転写搬送手段を具備し、転写搬送手段を、静電気により
複写紙18を直接支持・搬送し、感光体10に接触し、トナ
ー像を複写紙18へ転写するための、少なくとも1010〜10
13Ωcmの抵抗率を有する半導体性の材料より形成された
半導体層を有する転写搬送ベルト50と転写搬送ベルト50
を架張し駆動するための駆動軸52、分離軸54と転写搬送
ベルト50と駆動軸52と分離軸54とを支持する搬送基板60
と移動基板61とを有する転写搬送ユニット48と、転写搬
送ベルト50へ電荷を付与するための2番帯電器58によっ
て構成し、かつ、転写搬送ユニット48は着脱することが
可能である構成としたことにより複写紙18が給紙部20に
より供給されてから、定着器38により定着されるまでの
間の、感光体10表面のトナー像を転写され、感光体10か
ら分離され、搬送される複写紙18の通紙経路が、一体化
されたユニットである転写搬送ユニット48により構成さ
れると共に、複写紙18は、通紙経路上で静電気力により
転写搬送ベルト50へ吸着されていることから、複写紙18
の通紙経路上の挙動を制御することが可能となり、複写
紙18上のトナー像の乱れや複写紙18の搬送不良などを発
生することなく、常に安定した通紙性能を得ることがで
きる。また、一体化された転写搬送ユニット48はコンパ
クト化が可能であるため、転写搬送ユニット48を簡単に
着脱することができ、部品交換などのメンテナンス性を
向上させることができる。
なお、転写搬送ベルト50は、抵抗率が1010〜1013Ωcm
である半導体材料より作られた無端状のベルトとした
が、その表面は、付着したトナーをクリーニングするた
め、表面粗さ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れてい
ることが望ましい。そこで2番帯電器58側の基材を1010
〜1013Ωcmの半導体層で形成し、感光体10側の表面層
を、表面粗さ,摩擦係数が小さく耐摩耗性に優れた、基
材よりも抵抗率の大きな材料、例えばフッ素樹脂,ナイ
ロン樹脂などで形成した多層構造とすることも可能であ
り、そうした場合、転写搬送ベルト50のクリーニング性
能を確実に向上させることができる。また、駆動軸52な
どによる駆動回転時に、強固なしわが発生しないよう適
度の弾性を有していることが望ましい。剛性が強すぎて
しわが発生すると、しわの部分で複写紙18との密着性を
保つことができなくなる可能性があるからである。更
に、転写搬送ベルト50の走行性上、蛇行を防止するため
に、転写搬送ベルト50は適度の弾性を有していることが
好ましい。
転写搬送ベルト50が適度の弾性を有すると、感光体10
と転写搬送ベルト50の間に複写紙18を供給したときに、
感光体10と転写搬送ベルト50間に複写紙18を挟み込みや
すく、転写搬送ベルト50が感光体10に沿って走行するた
め、複写紙18と転写搬送ベルト50の密着性を確実ならし
めることができる。
また、転写搬送ベルト50を架張しながら転写搬送ベル
ト50の内面に接触する分離軸54、転写軸56などのベルト
除電手段と転写搬送ベルト50との密着性も向上し、転写
搬送ベルト50の除電性能も向上し、転写搬送ベルト50の
保持電荷量の調整もし易くなる。
また、弾性を有する転写搬送ベルト50を架張しながら
使用する場合、駆動軸52、分離軸54、転写軸56等の架張
部材と転写搬送ベルト50とを一体的なユニット構成とす
ると、弾性体である転写搬送ベルト50の走行経路を規定
でき、転写搬送ベルト50の安定走行を実現できることか
ら、用紙と転写搬送ベルト50との密着性をさらに安定的
に確保することができる。また、転写搬送ベルト50の架
張張力の維持・安定化を図ることが可能であり、転写搬
送ベルト50の永久伸びなどの劣化の防止に役立つ。そし
て、弾性体の転写搬送ベルト50であると、転写搬送ベル
ト50の交換時にも、転写搬送ユニット48として電子写真
装置本体から着脱した後に、転写搬送ユニット48を分解
し、転写搬送ベルト50の架張力を緩めることで、難なく
転写搬送ベルト50の交換ができると共に、転写搬送ユニ
ット48に組み立てるときも、電子写真装置外で転写搬送
ベルト50に架張力を加えながら組み立てることで、転写
搬送ユニット48を難なく組み立てることができる。した
がって、転写搬送ベルト50交換のメンテナンス性が非常
に良い。
また、弾性を有する転写搬送ベルト50の表面をクリー
ニングしながら使用する場合、ブレード130等のクリー
ニング部材がクリーニング負荷によって転写搬送ベルト
50に食い込まないように、上述した如く、転写搬送ベル
ト50の表面にフッ素樹脂等の高摺動性の表面層を形成し
たりすると良い。また、ブレード130と転写搬送ベルト5
0の位置関係を常時安定に保つために、ブレード130を含
むクリーニング部62と転写搬送ベルト50を一体的なユニ
ット構成とすると、同様にクリーニング性能を維持し、
安定させることができる。
駆動軸52は、駆動伝達部104より伝達された駆動力を
転写搬送ベルト50へ伝達し、転写搬送ベルト50を駆動し
なければならない。駆動力の伝達は、駆動軸52表面と転
写搬送ベルト50裏面との間の摩擦力で行う。ここで、十
分な伝達を行うためには、駆動軸52表面は、摩擦係数が
大きい方が望ましい。しかし、駆動軸52の摩擦係数が大
きいと、転写搬送ベルト50に蛇行力が発生したとき蛇行
し易いため、でき得れば、転写搬送ベルト50への駆動力
の伝達方向には摩擦係数が大きく、蛇行方向には摩擦係
数が小さいといういわゆるロール目などのある駆動軸52
表面であることが望ましい。また、できるだけ蛇行力を
発生し難くするため、駆動軸52両端の軸径を中央の軸径
よりも小さくした太鼓形状としたり、複数の太鼓形状を
有する駆動軸52を用いることも可能である。
分離軸54は、少なくとも表面は導電性材料よりなり、
アース板バネ114でアース接地されていて、転写搬送ベ
ルト50と接している部分で、転写搬送ベルト50の除電を
行う。また、転写搬送ベルト50と接する部分は、複写紙
18が転写搬送ベルトから分離する分離位置でもあるた
め、分離軸54の曲率半径つまり分離軸54の径が小さいほ
ど転写搬送ベルト50からの複写紙18の分離性が良くなる
が、分離軸54の直径が20mm以下望ましくは16mm以下であ
れば、より確実な分離性を確保することができる。
転写軸56は、転写搬送ベルト50と感光体10が接する転
写位置の直上流側で、転写搬送ベルト50に接する。転写
軸56の表面は導電性材料よりなり、アースされているの
で、転写位置の直上流で転写搬送ベルト50の除電を行う
と共に、感光体10表面のトナーが、感光体10と複写紙18
とが接する前に、転写搬送ベルト50や複写紙18の電荷へ
向かって飛ぶ、いわゆるトナー飛びを防止する。また、
転写搬送ベルト50を感光体10に押圧し、転写搬送ベルト
50と感光体10の圧接面積と圧接力を大きくし、複写紙18
が転写搬送ベルト50と感光体10の間へ供給されたとき、
感光体10と転写搬送ベルト50で複写紙18を挟み込み、感
光体10で複写紙18を転写搬送ベルト50へ押圧し、複写紙
18と転写搬送ベルト50との密着性を確保するのに用いら
れている。また、複写紙18と転写搬送ベルト50との密着
性を確保するために、転写軸56を転写位置の上流側に設
置したが、代わりに転写位置の下流側に設置することに
よっても同様の密着性を確保することができる。更に上
・下流側両方に設置することによって密着性を更に増加
することができる。
2番帯電器58を転写搬送ユニット48から容易に着脱で
きるように、2ウエイスライド式をしているが必ずしも
この方式で着脱する必要はない。また、2番帯電器58上
には転写搬送ベルト50があるため、2番帯電器58は汚れ
難くなっていることから2番帯電器58を完全に転写搬送
ユニット48に固定しても良い。
また、ここで、転写搬送ベルト50のクリーニングをブ
レード130で行っているが、必ずしもブレード130である
必要はなく、転写搬送ベルト50を良好にクリーニングす
るものであれば何でも良い。例えばブレード130以外に
ファーブラシ,織布などである。更に、ブレード130の
押圧をバネ136で行い、食い込み防止用にストッパを付
けたが、必ずしもバネ136とストッパである必要はな
く、完全な固定式であっても十分にクリーニングするも
のである。排トナーボックス138の着脱方法をスライド
式としてあるが、排トナーボックス138内に蓄積したト
ナーの処理方法を容易に行うためであり、必ずしも着脱
する必要はない。また、スライド式の着脱方法も、必ず
しもスライド式である必要はなく、排トナーボックス13
8を容易に着脱することが可能であれば、はめ込み式な
ど他の方式であっても良い。バックパッド142は、クリ
ーニング性能の向上と異音の防止という効果があり、材
質は、弾性係数のあまり大きくない例えば発泡性のスポ
ンジなどの材料を基材とし転写搬送ベルト50背面が接し
摺動する表面は、摩擦係数の小さな、耐摩耗性の良い材
料例えばフッ素樹脂などにすると転写搬送ベルト50との
摺動抵抗も少なく、非常に良好なクリーニング性能と異
音防止の効果を得ることができるが、バックパッド142
がなくても良好なクリーニング性能を得ることができる
ため、必ずしも必要ではない。バックプレート144は、
クリーニング性能を向上する効果があり、特に、転写搬
送ベルト50背面が接し摺動する表面は、摩擦係数が小さ
く、耐摩耗性の優れた表面、例えばフッ素樹脂などによ
る表面とすると、転写搬送ベルト50との摺動抵抗も少な
く、非常に良好なクリーニング性能を得ることができる
が、バックプレート144がなくても良好なクリーニング
性能を得ることができるため、必ずしも必要ではない。
クリーニング部62は、搬送基板60に設けられたフックに
クリーニング基板132に設けた溝をはめ込み、移動基板6
1を回転して、クリーニング部62が外れないように抜け
止めとして、転写搬送ユニット48から容易に着脱可能と
しているが、必ずしもこの方法でクリーニング部62を転
写搬送ユニット48へ取り付けるようにする必要はなく、
容易に着脱が可能な方法であればどんな方法でも良い。
また、アースコイルバネ110は転写軸56のアース接地
を行うためのもので、転写軸56のアース接地を行うもの
であれば、必ずしもアースコイルバネ110である必要は
ない。
また、アース板バネ114は、分離軸54のアース接地を
行うためのもので、分離軸54のアース接地を行うもので
あれば、必ずしもアース板バネ114である必要はない。
また、蛇行防止ローラ154は、転写搬送ベルト50に蛇
行が発生したときに蛇行を押さえるためのものである
が、必ずしも必要ではない。
発明の効果 以上のように本発明は、表面に静電潜像を保持し回転
する静電潜像担持体と、静電潜像担持体表面の静電潜像
に帯電したトナーを供給し、トナー像を形成する現像手
段と、転写搬送ベルト表面のトナー像を転写するための
転写材を供給する転写材供給手段と、静電潜像担持体表
面のトナー像を転写材へ転写し、さらに、転写材を静電
気的に吸着し搬送する転写搬送手段と、転写材供給手段
の転写材供給と同期して転写搬送手段を静電潜像担持体
に対して離接させる付勢手段と、転写搬送手段を静電潜
像担持体へ離接する時に、転写搬送手段の重量を略相殺
する弾性力付与手段とを具備し、かつ、転写搬送手段
は、電気抵抗が1010〜1013Ω・cmの半導体性材料からな
る部分を有する無端弾性状の転写搬送ベルトと、転写搬
送ベルトを駆動する駆動手段と、転写搬送ベルトの半導
体性材料部分へトナーの帯電極性と反対極性の電荷を付
与するベルト帯電手段と、接地された導電性部材を転写
搬送ベルト内面に接触させ、ベルト帯電手段により付与
された電荷を除電するベルト除電手段と、転写搬送ベル
トの表面をクリーニングするクリーニング手段とを含
み、さらに、転写搬送手段は、転写搬送ベルトと駆動手
段とベルト帯電手段とベルト除電手段とクリーニング手
段とをユニット化した構成であり、静電潜像担持体と転
写搬送ベルトとの近接部近傍において、ベルト帯電手段
が上記転写搬送ベルトの1010〜1013Ωcmの電気抵抗を有
する半導体性材料よりなる部分に電荷を与えることによ
り、転写材供給手段が送り込んでくる転写材には直接電
荷を与えることなしに、転写材の静電誘導による分極電
荷と上記転写搬送ベルトの真電荷との静電引力で転写材
を上記転写搬送ベルト上に吸着・搬送するようにしたも
のである。トナーの転写はベルト帯電手段が転写搬送ベ
ルトに付与する電荷を静電潜像担持体上のトナーが有す
る電荷と逆の極性にすることによって行われる。即ち、
転写搬送ベルト上の電荷とトナーの電荷との静電引力に
よってトナーが転写搬送ベルト方向に吸引され、転写搬
送ベルト上に吸着されている転写材上に転写される。ま
た、転写材は真電荷を持たず分極電荷によって転写搬送
ベルト上に吸着されているので、静電潜像担持体と転写
材との分離に際して転写材の除電を必要とせず、加えて
上述した転写材と転写搬送ベルトとの静電的な吸着力が
転写材を静電潜像担持体から分離する強制力として作用
するため、転写材の剛性のみに依存している従来の電子
写真装置に比べて安定した転写材の分離が行われるもの
である。
また、本発明は静電潜像担持体上のトナー像を転写材
に転写し、静電潜像担持体から転写材を分離し搬送する
という転写・分離・搬送の機能を果たす各部を一体化し
転写搬送ユニットとすることにより、転写材の通過経路
を簡単化できると共に、この転写搬送ユニット上の転写
材の挙動を制御することができ、この通過経路上で転写
材上のトナー像が乱れたり、転写材の搬送不良などを発
生することなく、常に安定した搬送性能を得ることがで
きる。
さらにまた、転写材の供給に同期して、転写搬送手段
を静電潜像担持体に離接する離接手段を有しているの
で、転写搬送ベルトが静電潜像担持体へ接触し続けるこ
とによる静電潜像担持体表面の変質がなく、安定した静
電潜像担持体の性能を保証することができる。加えて、
転写搬送手段を静電潜像担持体に離接するについて、転
写搬送手段の重量を略相殺する付勢力補助手段を設けて
いるので、転写材の供給に同期した離接手段に必要とな
る付勢力を軽減でき、離接手段の構造を簡単化できると
ともに、離接時の転写搬送ベルトの衝撃を和らげること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の電子写真装置の概略断面
図、第2図はこの実施例の転写搬送ユニットの詳細図、
第3図と第4図は同じく転写搬送ユニットの支持部詳細
図、第5図は同じく転写搬送ユニットの概略断面図、第
6図は同じく転写搬送ユニットの側面図、第7図は同じ
く2番帯電器の装置時の断面図、第8図は同じく押し上
げ部の概略図、第9図は従来の電子写真装置の一例の概
略断面図である。 10……感光体、12……帯電器、14……光学部、16……現
像器、18……複写紙、20……給紙部、22……転写帯電
器、24……分離除電器、26……搬送部、28……搬送ベル
ト、30……駆動ローラ、32……従動ローラ、34……吸引
部、36……支持固定部、38……定着器、48……転写搬送
ユニット、50……転写搬送ベルト、52……駆動軸、54…
…分離軸、56……転写軸、58……2番帯電器、60……搬
送基板、61……移動基板、62……クリーニング部、63…
…押し上げ部、64……支持基板、100……支点、110……
アースコイルバネ、112……支持軸受、114……アース板
バネ、130……ブレード、132……クリーニング基板、13
4……ブレードレバー、136……バネ、138……排トナー
ボックス、140……パッド、142……バックパッド、144
……バックプレート、154……蛇行防止ローラ、160……
ワイヤー、162……ブロック(1)、164……ブロック
(2)、166……ハウス、170……位置決めバネ、178…
…ブロック受け、182……電磁プランジャー、184……押
し上げレバー、186……押し上げバネ、188……押し上げ
板(1)、190……押し上げ板(2)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 博導 門真市大字門真1006番地 松下電器産業 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−62135(JP,A) 特開 昭53−87738(JP,A) 特開 昭53−96838(JP,A) 特開 昭54−58034(JP,A) 特開 昭55−28074(JP,A) 特開 昭56−66869(JP,A) 特開 昭62−203169(JP,A) 特開 昭52−139431(JP,A) 特開 昭57−172369(JP,A) 実開 昭61−76461(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に静電潜像を保持し回転する静電潜像
    担持体と、前記静電潜像担持体表面の静電潜像に帯電し
    たトナーを供給し、トナー像を形成する現像手段と、前
    記転写搬送ベルト表面のトナー像を転写するための転写
    材を供給する転写材供給手段と、前記静電潜像担持体表
    面のトナー像を前記転写材へ転写し、さらに、前記転写
    材を静電気的に吸着し搬送する転写搬送手段と、前記転
    写材供給手段の転写材供給と同期して前記転写搬送手段
    を前記静電潜像担持体に対して離接させる離接手段と、
    前記転写搬送手段を前記静電潜像担持体へ離接する時
    に、前記転写搬送手段の重量を略相殺する付勢力を付与
    する付勢力補助手段とを具備し、かつ、前記転写搬送手
    段は、電気抵抗が1010〜1013Ω・cmの半導体性材料から
    なる部分を有する無端弾性状の転写搬送ベルトと、前記
    転写搬送ベルトを駆動する駆動手段と、前記転写搬送ベ
    ルトの半導体性材料部分へトナーの帯電極性と反対極性
    の電荷を付与するベルト帯電手段と、接地された導電性
    部材を前記転写搬送ベルト内面に接触させ、前記ベルト
    帯電手段により付与された電荷を除電するベルト除電手
    段と、前記転写搬送ベルトの表面をクリーニングするク
    リーニング手段とを含み、さらに、前記転写搬送手段
    は、前記転写搬送ベルトと前記駆動手段と前記ベルト帯
    電手段と前記ベルト除電手段と前記クリーニング手段と
    をユニット化した構成であることを特徴とする電子写真
    装置。
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