JP2542703Y2 - シャワールームユニットの幕板取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、シャワールームユニ
ットの幕板取付構造に関するものである。さらに詳しく
は、この考案は、浴室以外の適宜な場所に据え置かれる
シャワールームユニットの内部に設けたカウンターに幕
板を簡便かつ容易に取り付けることのできる、利便性に
優れたシャワールームユニットの幕板取付構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等においては、浴室以外
の適宜な場所にシャワールームを設け、起床後やスポー
ツの後などの所望の時に手軽にシャワーを浴びることが
できるようにしている。このシャワールームについて
は、種々の構成と構造を有するものがこれまでに提供さ
れてきているが、たとえば図５に示したような据置型の
シャワールームユニット（ア）が知られてもいる。この
図５に例示したシャワールームユニット（ア）は、シャ
ワー機能を内蔵しており、住宅等の室内の適宜な場所に
そのまま設置するだけで、その内部において、シャワー
を浴びることができるようにしたものである。

【０００３】このようなシャワールーム（ア）において
は、内部に石鹸、洗剤、化粧品、ブラシ等を置くなどた
めにカウンター（イ）を設けている。このカウンター
（イ）には、シャワー（ウ）やそのための水栓器具
（エ）を取り付けることができる。この場合、シャワー
（ウ）および水栓器具（エ）への温水や水道水供給用の
配管系は、通常、カウンター（イ）の下部に配設され
る。そこで、配管系の腐食や損傷などを防止し、しかも
外観を良好なものとするために、カウンター（イ）の直
下には幕板（オ）を配設してきている。

【０００４】図６および図７は、各々、カウンター
（イ）への幕板（オ）の取付構造を例示した要部断面図
である。カウンター（イ）の直下には、幕板上受け金具
（カ）をシャワールームユニット（ア）の壁面（キ）に
固定している。図６の点線円内を図８に拡大して示した
ように、幕板上受け金具（カ）の前面部には、垂下片部
（ク）を設けている。一方、幕板（オ）の上端部には、
板バネ部（ケ）を有するハンガー金具（コ）を配設して
いる。

【０００５】また図７に示したように、幕板上受け金具
（カ）の下方には、幕板下受け金具（サ）がシャワール
ームユニット（ア）の壁面に固定されている。この幕板
下受け金具（サ）の下面部には、図中の点線円内を図９
に拡大して示したように、ネジ穴（シ）を形成してい
る。一方、幕板（オ）の下端部には、幕板下受け金具
（サ）のネジ穴（シ）と対向する貫通孔（ス）を有する
ハンガー金具（セ）を配設している。

【０００６】幕板（オ）をカウンター（イ）に取り付け
る場合には、図６および図８に示したように、カウンタ
ー（イ）の下端部に幕板（オ）の上端部を挿入するとと
もに、幕板上受け金具（カ）の垂下片部（ク）にハンガ
ー金具（コ）の板バネ部（ケ）を係止する。次いで、図
７および図９に示したように、幕板下受け金具（サ）の
ネジ穴（シ）に幕板（オ）下端部に設けたハンガー金具
（セ）の貫通孔（ス）を一致させ、化粧ビス（ソ）によ
りネジ止め固定する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ばこれらの図６〜図９に示したような従来の幕板取付構
造においては、幕板（オ）下端部のハンガー金具（セ）
を幕板下受け金具（サ）に化粧ビス（ソ）で固定するま
で、作業者は幕板（オ）を支えていなければならないと
いう欠点がある。また、幕板（オ）の下端部は、図５に
示したように、シャワールームユニット（ア）の床面近
くにあるため、作業者は、幕板下受け金具（サ）へのハ
ンガー金具（セ）のネジ止めを手探りで行わなければな
らず、しかもネジ穴（シ）の位置がわかりにくいという
問題がある。

【０００８】このように、従来の室内据置型のシャワー
ルームユニット（ア）においては、内部に設けたカウン
ター（イ）への幕板（オ）の取付が面倒で、その取付作
業は骨の折れるものとなっていた。この考案は、以上の
通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の室内据
置型シャワールームにおけるカウンターへの幕板の取付
構造の欠点を解消し、カウンターに幕板を簡便かつ容易
に取り付けることのできる、利便性に優れたシャワール
ームユニットの幕板取付構造を提供することを目的とし
ている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記の課題
を解決するものとして、カウンターおよび幕板を内部に
有するシャワールームユニットにおいて、ポップナット
を備え、その凸部を下方に突出させたハンガー金具を幕
板下端部に設け、かつポップナット凸部が埋没する大き
さの内径を有する貫通孔を形成した幕板下受け金具をユ
ニット壁面に固定し、幕板下端部のハンガー金具を幕板
下受け金具上に載置し、ポップナット凸部を幕板下受け
金具の貫通孔に一致させ、埋没させた後に、固定部材に
より幕板をカウンターに着脱自在に取り付けてなること
を特徴とするシャワールームユニットの幕板取付構造を
提供する。

【００１０】

【作 用】この考案のシャワールームユニットの幕板取
付構造においては、ポップナットを備え、その凸部を下
方に突出させたハンガー金具を幕板下端部に設け、かつ
ポップナット凸部が埋没する大きさの内径を有する貫通
孔を形成した幕板下受け金具をユニット壁面に固定する
ため、幕板下端部のハンガー金具を幕板下受け金具上に
載置し、ポップナット凸部を幕板下受け金具の貫通孔に
一致させ、埋没させた後に、固定部材により幕板をカウ
ンターに着脱自在に取り付けることができる。幕板下端
部に設けたハンガー金具を幕板下受け金具に載せた後に
は、幕板は幕板下受け金具でしっかりと支持される。ま
た、ハンガー金具と幕板下受け金具の固定位置合わせ
は、ハンガー金具より下方にわずかに突出させたポップ
ナットの凸部を幕板下受け金具の貫通孔に埋没させるだ
けですむ。カウンターへの幕板の取付作業は簡便かつ容
易となり、しかも幕板の取付けと取外しが自在となる。

【００１１】

【実施例】以下、図面に沿って実施例を示し、この考案
のシャワールームユニットの幕板取付構造についてさら
に詳しく説明する。図１は、この考案のシャワールーム
ユニットの幕板取付構造に用いることのできるハンガー
金具と幕板下受け金具の一実施例を示した断面図であ
る。

【００１２】この図１の例においては、幕板（１）の下
端部にハンガー金具（２）を設けており、このハンガー
金具（２）の水平片部（３）にポップナット（４）を配
備している。ポップナット（４）の凸部（５）は、ハン
ガー金具（２）の水平片部（３）よりわずかに下方に突
出させている。一方、室内据置型のシャワールームユニ
ットの壁面には、幕板（１）を取り付けるための幕板下
受け金具（６）を固定している。この幕板下受け金具
（６）の水平片部（７）には、上記したポップナット
（４）の凸部（５）の外径以上の内径を有する貫通孔
（８）を形成している。

【００１３】幕板（１）の下端部を固定する際には、ま
ず、ハンガー金具（２）の水平片部（３）を幕板下受け
金具（６）の水平片部（７）に載せる。次いで、水平片
部（３）からわずかに下方に突出したポップナット
（４）の凸部（５）を、幕板下受け金具（６）の水平片
部（７）に設けた貫通孔（８）に一致させ、埋没させ
る。そして化粧ビス（９）により図２に例示したように
ネジ止め固定する。

【００１４】このように、この考案の幕板取付構造にお
いては、幕板（１）下端部に設けたハンガー金具（２）
を幕板下受け金具（６）の上に載せることができ、しか
も幕板下受け金具（６）により幕板（１）自体が支持さ
れるため、作業者はこの段階で幕板（１）を支える必要
がなくなる。また、ハンガー金具（２）と幕板下受け金
具（６）との位置合わせは、ポップナット（４）の突出
凸部（５）を水平片部（７）の貫通孔（８）に埋没する
ことにより簡単に得られる。化粧ビス（９）を用いての
固定に際して、ハンガー金具（２）と幕板下受け金具
（７）とが相互にずれるのが防止される。また、ポップ
ナット（４）のネジ穴を指先で容易に探ることもでき
る。このため、幕板（１）のカウンターへの取付作業は
簡便かつ容易となる。同様に、取外しも簡単である。幕
板（１）の取付けと取外しが自在ともなる。さらに、カ
ウンターへの幕板（１）の取付は、化粧ビス（９）での
固定とともに幕板下受け金具（６）によって支持される
ため、より強固なものとなる。

【００１５】図３は、幕板上端部の取付構造を例示した
要部断面図であり、図４は図３に示した点線円内の拡大
断面図である。たとえばこれらの図３および図４に示し
たように、この考案の幕板取付構造においては、カウン
ター（１０）への幕板（１）上端部の取付は、従来と同
様の構造を採用することができる。

【００１６】すなわち、カウンター（１０）の直下に、
幕板上受け金具（１１）をシャワールームユニットの壁
面（１２）に固定することができる。この幕板上受け金
具（１１）の前面部には垂下片部（１３）を設け、幕板
（１）の上端部に設けた上記とは別のハンガー金具（１
４）に配した板バネ部（１５）をその垂下片部（１３）
に係止することができる。

【００１７】この構造の場合、幕板（１）をカウンター
（１０）に取り付ける際には、まず、カウンター（１
０）の下端部に幕板（１）の上端部を挿入し、幕板上受
け金具（１１）の垂下片部（１３）にハンガー金具（１
４）の板バネ部（１５）を係止する。次いで、前述した
ように、図１および図２に例示した幕板（１）下端部の
ハンガー金具（２）を幕板下受け金具（６）に載せ、ポ
ップナット（４）と貫通孔（８）を一致させて化粧ビス
（９）により固定する。カウンター（１０）への幕板
（１）の取付は簡便かつ容易となる。

【００１８】もちろんこの考案は、以上の例によって限
定されるものではない。シャワールームユニットの構成
および構造等の細部については様々な態様が可能である
ことはいうまでもない。

【００１９】

【考案の効果】以上詳しく説明した通り、この考案によ
って、室内据置型のシャワールームユニットの内部に設
けたカウンターに幕板を簡便かつ容易に取り付けること
ができる。その取付作業の効率が向上する。また、幕板
の取付けと取外しが自在ともなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のシャワールームユニットの幕板取付
構造に用いることのできるハンガー金具と幕板下受け金
具の一実施例を示した断面図である。

【図２】図１のビス止め状態を例示した断面図である。

【図３】幕板上端部の取付構造を例示した要部断面図で
ある。

【図４】図３の点線円内の拡大断面図である。

【図５】従来の据置型シャワールームを示した斜視図で
ある。

【図６】カウンターへの幕板の取付構造を例示した要部
断面図である。

【図７】カウンターへの幕板の取付構造を例示した要部
断面図である。

【図８】図６の点線円内の拡大断面図である。

【図９】図７の点線円内の拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 幕板 ２ ハンガー金具 ３ 水平片部 ４ ポップナット ５ 凸部 ６ 幕板下受け金具 ７ 水平片部 ８ 貫通孔 ９ 化粧ビス １０ カウンター １１ 幕板上受け金具 １２ 壁面 １３ 垂下片部 １４ ハンガー金具 １５ 板バネ部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カウンターおよび幕板を内部に有するシ
   ャワールームユニットにおいて、ポップナットを備え、
   その凸部を下方に突出させたハンガー金具を幕板下端部
   に設け、かつポップナット凸部が埋没する大きさの内径
   を有する貫通孔を形成した幕板下受け金具をユニット壁
   面に固定し、幕板下端部のハンガー金具を幕板下受け金
   具上に載置し、ポップナット凸部を幕板下受け金具の貫
   通孔に一致させ、埋没させた後に、固定部材により幕板
   をカウンターに着脱自在に取り付けてなることを特徴と
   するシャワールームユニットの幕板取付構造。
2. 【請求項２】 ユニット壁面に固定した幕板上受け金具
   の垂下片部に、幕板上端部に設けたハンガー金具の板バ
   ネ部を係止してなる請求項１の幕板取付構造。