JP2542500Y2 - パイロット圧発生装置 - Google Patents

パイロット圧発生装置

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JP2542500Y2
JP2542500Y2 JP1991014259U JP1425991U JP2542500Y2 JP 2542500 Y2 JP2542500 Y2 JP 2542500Y2 JP 1991014259 U JP1991014259 U JP 1991014259U JP 1425991 U JP1425991 U JP 1425991U JP 2542500 Y2 JP2542500 Y2 JP 2542500Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、パイロット圧発生装置
に関し、特に油圧ショベル等の建設機械の油圧操作弁
(リモコン弁)に設けるのに好適なパイロット圧発生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧ショベル等の建設機械には、
油圧アクチュエータに対して油圧を給排制御するパイロ
ット式制御弁を操作するパイロット圧を供給する為の油
圧操作弁が設けられている。この種油圧操作弁から供給
される複数のパイロット圧のうちの最大圧を選択して油
圧ポンプの傾転角制御などに供する為、「建設機械」
(1970年3月号)には、油圧操作弁の4系統のパイ
ロット圧ラインに夫々逆止弁を介設し、これら4個の逆
止弁の下流側を合流させることによって4つのパイロッ
ト圧の最大圧を選択するようにしたものが記載され、ま
た、特公昭52−22126号公報には油圧操作弁の4
系統のパイロット圧ラインに対して3組のシャトル弁を
設けてこれらシャトル弁を介して4つのパイロット圧の
最大圧を選択するようにしたものが開示されている。
【0003】一方、本願出願人の出願に係る実開平2−
9846号公報には、スプール弁のスプール孔に直列に
シリンダ孔を形成し、シリンダ孔に4つのピストンを装
着し、スプールとピストン間及び各2個のピストン間及
びスプールから最も遠いピストンとシリンダ孔奥端間に
夫々受圧室を形成し、各受圧室を油圧ラインに接続し、
何れかの受圧室に油圧が導入されたときにピストンから
スプールに油圧力を付加してスプール弁を油圧供給位置
に切換えて圧力スイッチを作動させることで複数の油圧
ラインの油圧の有無を検知するようにした油圧検知装置
が開示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記「建設機械」に記
載の油圧操作弁では、パイロット圧ラインと同数の逆止
弁を設ける必要があるので、部品数が多く構造が複雑化
・大型化すること、製作コストが高くなること、選択さ
れた最大圧を解除する為のリリーフ用の絞り弁も必要と
なること、パイロット圧の最大圧と同圧の油圧しか出力
できないことなどの問題がある。
【0005】前記特公昭52−22126号公報の油圧
操作弁では、パイロット圧ラインより1つだけ少ない数
のシャトル弁を設けなければならないので、部品数が多
く構造が複雑化・大型化すること、パイロット圧の最大
圧と同圧の油圧しか出力できないこと、などの問題があ
る。
【0006】前記実開平2−9846号公報の油圧検出
装置では、スプール弁が単なる方向切換弁に構成されて
いるので、何れかの受圧室に油圧が供給されたか否かを
検出することは出来るが、複数の受圧室の油圧の最大圧
に比例する圧力の油圧を発生させることは到底不可能で
ある。本考案の目的は、複数の油圧ラインの油圧のうち
の最大圧に比例したパイロット圧を発生させることが可
能で且つ簡単で小型の構成のパイロット圧発生装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るパイロッ
ト圧発生装置は、ハウジングに、ポンプポートと、タン
クポートと、出力ポートと、外部の複数の油圧ラインに
夫々接続される複数の油圧導入油路と、一端部が閉塞さ
れたシリンダ孔と、シリンダ孔の他端部に直列状に接続
され且つシリンダ孔と反対側端部が閉塞されたスプール
孔とを形成し、シリンダ孔に複数のピストンを直列状に
装着し、シリンダ孔のうちの各2個のピストン間及びシ
リンダ孔の奥端とこれに対面するピストン間に夫々受圧
室を形成し、複数の油圧導入油路を相互に異なる受圧室
に夫々接続し、スプール孔と、このスプール孔に装着さ
れピストンに当接するスプールと、このスプールをピス
トンの方へ付勢する圧縮バネとで比例減圧制御弁を構成
し、この比例減圧制御弁を介して、ピストンからスプー
ルに油圧力が作用しないときにはタンクポートを出力ポ
ートに接続し、ピストンからスプールに油圧力が作用し
たときにはポンプポートを出力ポートに接続してポンプ
ポートに供給される1次圧を減圧し複数の受圧室の油圧
の最大圧に比例したパイロット圧を出力ポートに発生さ
せるように構成したものである。
【0008】請求項2に係るパイロット圧発生装置は、
請求項1に記載のパイロット圧発生装置において、前記
スプール孔をシリンダ孔と同径に構成し、複数の受圧室
の油圧の最大圧と同圧のパイロット圧を発生させるよう
に構成したものである。
【0009】請求項3に係るパイロット圧発生装置は、
請求項1に記載のパイロット圧発生装置において、前記
スプール孔をシリンダ孔より大径に構成し、複数の受圧
室の油圧の最大圧より低圧のパイロット圧を発生させる
ように構成したものである。
【0010】請求項4に係るパイロット圧発生装置は、
請求項1に記載のパイロット圧発生装置において、前記
スプール孔をシリンダ孔より小径に構成し、複数の受圧
室の油圧の最大圧より高圧のパイロット圧を発生させる
ように構成したものである。
【0011】
【作用】請求項1に係るパイロット圧発生装置において
は、外部の複数の油圧ラインの全部に油圧が供給されて
いないときには、シリンダ孔の全部の受圧室がドレン圧
なので、シリンダ孔のピストンに油圧力が作用せず、比
例減圧制御弁はタンクポートを出力ポートに接続し、出
力ポートにパイロット圧が発生しない。一方、外部の1
又は複数の油圧ラインに油圧が供給されると、それに対
応する受圧室に夫々の油圧が供給されて1又は複数のピ
ストンにそれをスプールの方へ付勢する油圧力が作用
し、1又は複数の受圧室に導入される油圧のうちの最大
圧とピストンの受圧面積とで決まる最大油圧力が、最大
圧が導入された受圧室よりもスプール側に位置している
1又は複数のピストンを介してスプールに作用する。そ
の結果、比例減圧制御弁がポンプポートを出力ポートに
接続し、ポンプポートの1次圧を減圧して複数の受圧室
の油圧の最大圧に比例したパイロット圧を出力ポートに
発生させる。
【0012】ここで、1次圧が十分に高いものとする
と、スプール孔とシリンダ孔とが同径のときにはパイロ
ット圧は最大圧と略同圧となり、またスプール孔がシリ
ンダ孔より大径のときにはパイロット圧は最大圧より低
圧となり、またスプール孔がシリンダ孔より小径のとき
にはパイロット圧は最大圧より高圧となる。このよう
に、1又は複数の受圧室に導入される油圧のうちの最大
圧に比例したパイロット圧を発生させることが出来る。
【0013】請求項2に係るパイロット圧発生装置にお
いては、以上説明したように複数の受圧室に導入される
種々の油圧のうちの最大圧と略同圧のパイロット圧を発
生させることが出来る。
【0014】請求項3に係るパイロット圧発生装置にお
いては、以上説明したように複数の受圧室に導入される
種々の油圧のうちの最大圧よりも低圧のパイロット圧を
発生させることが出来る。
【0015】請求項4に係るパイロット圧発生装置にお
いては、前述の如く複数の受圧室に導入される種々の油
圧のうちの最大圧よりも高圧のパイロット圧を発生させ
ることが出来る。
【0016】
【考案の効果】請求項1に係るパイロット圧発生装置に
よれば、作用の項で説明したように、1又は複数の受圧
室に導入される油圧のうちの最大圧に比例したパイロッ
ト圧を発生させることが出来ること、最大圧と同圧の或
いは低圧の或いは高圧のパイロット圧を発生できるので
適用範囲が広く汎用性に優れること、しかもシリンダ孔
と複数のピストンと比例減圧制御弁などを主体とする極
めて簡単かつ小型の構成のものにし得ること、製作コス
トを著しく低減できること、などの効果が得られる。
【0017】請求項2に係るパイロット圧発生装置によ
れば、請求項1と略同様の効果が得られる。加えて、1
又は複数の受圧室に導入される油圧のうちの最大圧と略
同圧のパイロット圧を発生させることが出来る。
【0018】請求項3に係るパイロット圧発生装置によ
れば、請求項1と略同様の効果が得られる。加えて、1
又は複数の受圧室に導入される油圧のうちの最大圧より
も低圧のパイロット圧を発生させることが出来る。
【0019】請求項4に係るパイロット圧発生装置によ
れば、請求項1と略同様の効果が得られる。加えて、1
又は複数の受圧室に導入される油圧のうちの最大圧より
も高圧のパイロット圧を発生させることが出来る。
【0020】
【実施例】以下、本考案の実施例について図面を参照し
ながら説明する。本実施例は、油圧ショベルの油圧操作
弁に組込んだパイロット圧発生装置に本考案を適用した
場合の一例である。図1に示すように、ジョイスティッ
ク型の油圧操作弁Vは、弁本体部2と、この弁本体部2
の下端に組付けたパイロット圧発生装置5とを有し、弁
本体部2の内部には4組のパイロット弁が組込まれてお
り、前後左右の4方向に傾動可能な操作レバー3によっ
て4組のパイロット弁が操作される。弁本体部2には1
次圧供給ライン1から1次圧が供給され、また弁本体部
2はドレンライン4を介してタンクに接続され、4組の
パイロット弁からのパイロット圧はパイロットライン1
1〜14により外部の2組のパイロット式制御弁へ供給
される。また、パイロット圧発生装置5で発生するパイ
ロット圧はパイロット圧ライン40から油圧ポンプの傾
転角レギュレータへ出力される。
【0021】次に、パイロット圧発生装置5は、油圧ポ
ンプの傾転角レギュレータへ供給するパイロット圧を発
生させる為のもので、これについて説明する。図2・図
3に示すように、パイロット圧発生装置5の短円柱状の
ハウジング6は2本のボルト7により弁本体部2のハウ
ジングに固定されている。ハウジング6には、弁本体部
2内の1次圧供給油路に接続され1次圧が供給されるポ
ンプポート10と、弁本体部2内のドレン油路に接続さ
れドレン圧が出されるタンクポート15と、パイロッ
ト圧が出力される出力ポート16と、前記パイロットラ
イン11〜14に夫々接続されかつ弁本体部2内の4つ
のパイロット油路に夫々接続されたパイロット油路11
A〜14Aとが形成されている。更に、ハウジング6内
には、水平状のシリンダ孔17であって右端部がプラグ
8で閉塞されたシリンダ孔17と、シリンダ孔17の左
端部に同軸心状かつ直列的に連なり且つシリンダ孔17
と同径であって左端部がプラグ9で閉塞されたスプール
孔18が形成され、シリンダ孔17には4個のピストン
22〜25が直列状に且つ隣接するもの同士が当接状に
組込まれ、スプール孔18にはスプール21が左端のピ
ストン22に当接状に組込まれ、シリンダ孔17内にお
いてスプール21とピストン22の間には油室31が形
成されまたシリンダ孔17内において各2個のピストン
22・23、23・24、24・25の間及びピストン
25とプラグ8との間には夫々受圧室32〜35が形成
され、各受圧室32〜35に臨むピストン22〜25の
端部の一方は、受圧室32〜35に油圧が充填可能に突
曲面状に形成されている。前記油室31は油路15aを
介してタンクポート15に接続され、受圧室32〜35
は夫々油路41〜44によりパイロット油路11A〜1
4Aに接続されている。
【0022】次に、比例減圧制御弁CVは、スプール孔
18と、スプール21と、スプール21とプラグ9間に
装着されスプール21を右方へ弾性付勢する圧縮バネ1
9とで構成され、スプール21にはバネ19を収容し且
つ油路として機能する凹穴45が左端開放状に形成さ
れ、また、スプール21の右部には横断状の油孔46と
油孔46を凹穴45に連通させる油孔47とが形成さ
れ、スプール孔18の外周部には、タンクポート15に
連なる環状のポート溝48と、ポンプポート10に接続
されたポンプポート油路49に連なるポート溝50とが
形成され、またハウジング6内にはスプール21のスリ
ット51を介して凹穴45に連なるポート溝52を出力
ポート16に接続する出力ポート油路53が形成されて
いる。
【0023】受圧室32〜35が全てドレン圧でスプー
ル21が右限位置に位置してピストン22に当接してい
るときには、油孔46がタンクポート15に接続される
ので、油孔47、凹穴45、出力ポート油路53を介し
てタンクポート15が出力ポート16に接続される。こ
れに対して、例えば受圧室32にパイロット油路11A
の油圧が作用すると、ピストン22を左方へ押す油圧力
が作用するので、ピストン22でスプール21が左方へ
押動され、油孔46がポート溝50に接続され、出力ポ
ート16にパイロット圧が発生する。但し、このパイロ
ット圧は、パイロット圧でスプール21を右方へ押す力
と、前記油圧力とバネ力との差力とが均衡する圧力とな
るが、バネ19のバネ定数は小さく設定され、且つ、ス
プール孔18とシリンダ孔17とが同径なので、パイロ
ット圧は受圧室32の油圧と略同圧となる。
【0024】複数の受圧室32〜35に夫々異なる圧力
の油圧が供給されると、それらの油圧のうちの最大圧の
油圧の油圧力が、その最大圧の油圧が供給された受圧室
32〜35よりも左側の1又は複数のピストンを介して
スプール21に作用し、前記同様に最大圧と略同圧のパ
イロット圧が発生する。従って、このパイロット圧発生
装置5によって、パイロット油路11A〜14Aの1又
は複数のものに導入される油圧のうちの最大圧と同圧の
パイロット圧を出力ポートに出力することが出来る。し
かも、シリンダ孔17と4個のピストン22〜25と比
例減圧制御弁CVなどからなる極めて簡単で小型の構造
であり、安価に製作できる。尚、各ピストン22〜25
の外周面には、摺動性確保の為複数のラビリンス溝が形
成されている。また、スプール孔18とシリンダ孔17
とが同径なので、油室31を受圧室として活用すること
も可能である。
【0025】次に、変形例について説明する。図4に示
すように、スプール孔18をシリンダ孔17よりも大径
に構成することも可能で、この場合受圧室32〜35に
供給される最大圧の油圧よりも低圧で且つそれに比例す
るパイロット圧を発生させることが出来る。図5に示す
ように、スプール孔18をシリンダ孔17よりも小径に
構成することも可能で、この場合受圧室32〜35に供
給される最大圧の油圧よりも高圧で且つそれに比例する
パイロット圧を発生させることが出来る。尚、本願のパ
イロット圧発生装置5は、油圧操作弁V以外の種々のも
のに適用可能であることは勿論である。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧操作弁の正面図である。
【図2】パイロット圧発生装置の縦断面図である。
【図3】図2における3−3線断面図である。
【図4】変形例に係るパイロット圧発生装置の図2相当
図である。
【図5】変形例に係るパイロット圧発生装置の図2相当
図である。
【符号の説明】
5 パイロット圧発生装置 6 ハウジン
グ 10 ポンプポート 11A〜14A
パイロット油路 15 タンクポート 16 出力ポ
ート 17 シリンダ孔 18 スプー
ル孔 19 圧縮バネ 21 スプー
ル 22〜25 ピストン 32〜35
受圧室 41〜44 油路 CV 比例減
圧制御弁

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに、ポンプポートと、タンク
    ポートと、出力ポートと、外部の複数の油圧ラインに夫
    々接続される複数の油圧導入油路と、一端部が閉塞され
    たシリンダ孔と、シリンダ孔の他端部に直列状に接続さ
    れ且つシリンダ孔と反対側端部が閉塞されたスプール孔
    とを形成し、シリンダ孔に複数のピストンを直列状に装
    着し、シリンダ孔のうちの各2個のピストン間及びシリ
    ンダ孔の奥端とこれに対面するピストン間に夫々受圧室
    を形成し、複数の油圧導入油路を相互に異なる受圧室に
    夫々接続し、スプール孔と、このスプール孔に装着され
    ピストンに当接するスプールと、このスプールをピスト
    ンの方へ付勢する圧縮バネとで比例減圧制御弁を構成
    し、この比例減圧制御弁を介して、ピストンからスプー
    ルに油圧力が作用しないときにはタンクポートを出力ポ
    ートに接続し、またピストンからスプールに油圧力が作
    用したときにはポンプポートを出力ポートに接続してポ
    ンプポートに供給される1次圧を減圧し複数の受圧室の
    油圧の最大圧に比例したパイロット圧を出力ポートに発
    生させるように構成したことを特徴とするパイロット圧
    発生装置。
  2. 【請求項2】 前記スプール孔をシリンダ孔と同径に構
    成し、複数の受圧室の油圧の最大圧と同圧のパイロット
    圧を発生させるように構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のパイロット圧発生装置。
  3. 【請求項3】 前記スプール孔をシリンダ孔より大径に
    構成し、複数の受圧室の油圧の最大圧より低圧のパイロ
    ット圧を発生させるように構成したことを特徴とする請
    求項1に記載のパイロット圧発生装置。
  4. 【請求項4】 前記スプール孔をシリンダ孔より小径に
    構成し、複数の受圧室の油圧の最大圧より高圧のパイロ
    ット圧を発生させるように構成したことを特徴とする請
    求項1に記載のパイロット圧発生装置。
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