JP2542377B2 - コイル吊り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は円筒状に巻かれたコイルを運搬するための新
規なコイル吊り装置に関する。

［従来の技術］ 従来、重量物であるコイルを運搬する場合、クレーン
等の吊具に吊り下げられる水平ガイドと、この水平ガイ
ドに沿って互いに接近離反自在に支持され、下端部に水
平状態にあるコイルの軸孔にその両端部から挿入されて
引っ掛けられる爪とから主に構成される吊り装置が用い
られていた。すなわち、コイルの重量は２つの爪を介し
て水平ガイドに支持されるようになっていた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記吊り装置は、このような構成であ
ることから、コイルの重量に耐え得るように水平ガイド
及び爪を堅牢な構造にする必要があり、装置の大型重量
化を余儀なくされるという問題があった。また、上記爪
を作業員が人為的に開閉操作するようになっていたの
で、操作が大変でしかも危険であった。

そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決すべく
なされたもので、その目的は装置の小型軽量化が図れ、
しかも操作が容易で安全なコイル吊り装置を提供するこ
とである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明は、水平ガイドと、
水平ガイドに沿って互いに接近離反自在に支持された摺
動フレームと、これら摺動フレームの側面から突出して
設けられた支軸と、摺動フレームに支軸を介して回動自
在に支持され、下端部にコイルの軸孔に両端から挿入さ
れて引っ掛けられる爪を有し、上端部が二本のロープを
介して共通の部材により吊り下げられる一対の吊りフレ
ームとを備えたものである。

［作 用］ コイルの荷重は、吊りフレームから直接ロープに加わ
ることになり、水平ガイドには加わらない。従って、水
平ガイドにはそれ程剛性が要求されないことから、小型
軽量化を図ることができる。

また２つの吊りフレームは遠隔操作等により機械的に
互いに接近離反操作される。

［実施例］ 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

コイル吊り装置は、第１図、第２図及び第３図に示す
如く長手方向に位置ずれされた一対の水平ガイド1,2を
有し、これら水平ガイド1,2には摺動フレーム3,4がそれ
ぞれ摺動自在に支持されている。第５図に示す如く、水
平ガイド1,2は断面矩形の筒状に形成され、これら水平
ガイド1,2内に断面矩形の筒状に形成された摺動フレー
ム3,4が摺動自在に挿入されている。水平ガイド1,2内底
部には摺動フレーム3,4の下面を支持するライナー部材
５が取付けられている。

また、水平ガイド1,2は所定の間隔を隔てて互いに連
結され、摺動フレーム3,4には水平ガイド1,2間において
互いに接近離反し得る一対の吊りフレーム6,7が支軸8,8
を介してそれぞれ枢支されている。水平ガイド1,2の内
側面には摺動フレーム3,4の側面から突出している支軸
8,8の移動を許容するスリット9,9が第４図に示すように
形成されている。

吊りフレーム6,7の下端部には水平状態の円筒状コイ
ル10の軸孔10aにその両端から挿入されて引っ掛けられ
る爪11,12が相対向して形成される一方、上端部には共
通の部材であるリング13に一端が連結された二本のロー
プ14,15のそれぞれの他端が連結されている。すなわ
ち、リング13をクレーン等の吊具36に引っ掛けることに
より、ロープ14,15を介して吊りフレーム6,7が直接吊り
下げられるようになっている。

上記吊りフレーム6,7を互いに接近離反させる駆動手
段として、水平ガイド1,2のそれぞれの略中央部にはピ
ニオン16,16がそれぞれ取付けられ、ピニオン16,16には
摺動フレーム3,4の上面に形成されたラック17,17がそれ
ぞれ噛合されている。水平ガイド1,2の連結部分上方に
はピニオン16,16を駆動する装置18が取付けられてい
る。この駆動装置18は水平ガイド1,2と直交する方向に
支持されると共に歯車19,20により互いに逆方向に回転
すべく連結された平行な２軸21,22と、その一方の軸21
の一端にチェーン23及びスプロケット24,25を介して連
結されたモータ26とから主に構成されている。そして、
一方の軸21の他端と、他方の軸22の一端とにはスプロケ
ット27,27がそれぞれ取付けられ、これらスプロケット2
7,27と上記ピニオン16,16を固定した軸28,28の一端に取
付けられたスプロケット29,29との間にはチェーン30,30
がそれぞれ巻掛けられている。

なお、水平ガイド1,2には、第６図に示すごとき摺動
フレーム3,4の上面を支持する上部支持ローラ31と、第
７図に示すごとき側面を支持する側部支持ローラ32とが
適宜設けられている。また摺動フレーム3,4は図示しな
いストッパによって往復移動範囲が設定されている。

以上の構成よりなるコイル吊り装置は、クレーン等の
吊具36に吊り下げられて運搬すべきコイル10上まで移動
させる。

そして、駆動装置18によりピニオン16,16を駆動する
ことにより、摺動フレーム3,4を移送し、吊りフレーム
6,7を互いに離反させ、両爪11,12をコイル10の両端軸孔
10aに合せた後、今度は逆駆動により吊りフレーム6,7を
互いに接近させて爪11,12をコイル10の両端軸孔10a内に
挿入する。

かかる状態でコイル吊り装置を吊り上げると、コイル
10もコイル吊り装置に支持された状態で吊り上げられ、
運搬されることになる。特に、コイル10の荷重が吊りフ
レーム6,7から直接ロープ14,15を介してクレーン等の吊
具36にかかるようになっているため、水平ガイド1,2に
はそれ程剛性を必要とせず、従って装置の小型軽量化を
図ることができる。また吊りフレーム6,7を遠隔操作等
により自動機械的に操作することができるので操作が容
易であり、しかも安全である。

なお、実施例で水平ガイド1,2を２つ並べて設けた
が、１つであってもよく、また摺動フレーム3,4の駆動
手段としてピニオン16とラック17を用いたが油圧シリン
ダ等であってもよい。

［発明の効果］ 以上要するに本発明によれば次の如く優れた効果を発
揮する。

コイルの荷重が吊りフレームから直接ロープを介し
てクレーン等の吊具にかかるようにしたので、水平ガイ
ドを介して吊る構造の従来の吊り装置と異なり、水平ガ
イドの剛性をそれ程必要とされず、従って装置の小形軽
量化が図れる。

吊りフレームが互いに接近離反するようにしたの
で、遠隔操作等により操作が容易にできるようになり、
安全性も増大する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示すコイル吊り装置の正面
図、第２図は同側面図、第３図は第１図Ａ−Ａ矢視概略
平面図、第４図は第３図Ｂ−Ｂ矢視側面図、第５図は第
４図Ｃ−Ｃ矢視断面図、第６図は上部支持ローラを示す
断面図、第７図は側部支持ローラを示す断面図である。 図中、1,2は水平ガイド、3,4は摺動フレーム、6,7は吊
りフレーム、10はコイル、10aはその軸孔、11,12は爪、
14,15はロープである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平ガイドと、該水平ガイドに沿って互い
   に接近離反自在に支持された摺動フレームと、これら摺
   動フレームの側面から突出して設けられた支軸と、上記
   摺動フレームに上記支軸を介して回動自在に支持され、
   下端部にコイルの軸孔に両端から挿入されて引っ掛けら
   れる爪を有し、上端部が二本のロープを介して共通の部
   材により吊り下げられる一対の吊りフレームとを備えた
   ことを特徴とするコイル吊り装置。