JP2541953B2 - 連続鋳造鋳片の中心偏析防止方法 - Google Patents
連続鋳造鋳片の中心偏析防止方法Info
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- JP2541953B2 JP2541953B2 JP30180786A JP30180786A JP2541953B2 JP 2541953 B2 JP2541953 B2 JP 2541953B2 JP 30180786 A JP30180786 A JP 30180786A JP 30180786 A JP30180786 A JP 30180786A JP 2541953 B2 JP2541953 B2 JP 2541953B2
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- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/10—Supplying or treating molten metal
- B22D11/11—Treating the molten metal
- B22D11/114—Treating the molten metal by using agitating or vibrating means
- B22D11/115—Treating the molten metal by using agitating or vibrating means by using magnetic fields
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 連続鋳造鋳片の中心偏析防止に関しこの明細書では、
残溶鋼へ適切な電磁攪拌を適用することについての開発
研究の成果を述べる。
残溶鋼へ適切な電磁攪拌を適用することについての開発
研究の成果を述べる。
(従来の技術) 連続鋳造における鋳片ストランド内の溶鋼に電磁攪拌
を適用する技術、すなわち残溶鋼の凝固末期に電磁攪拌
を実施して中心偏析を改善する方法として、特開昭59-1
37166号公報(以下A法という)および特開昭56-148459
号公報(以下B法という)が提案されている。
を適用する技術、すなわち残溶鋼の凝固末期に電磁攪拌
を実施して中心偏析を改善する方法として、特開昭59-1
37166号公報(以下A法という)および特開昭56-148459
号公報(以下B法という)が提案されている。
A法は溶鋼残厚の鋳片厚に対する比(fc)が0.1〜0.3
の位置において電磁攪拌を適用する方法である。
の位置において電磁攪拌を適用する方法である。
一方B法は残溶鋼プール短径が200mm以上のサイズの
鋳片の場合にはd<100mm、同様に200mm以下の鋳片の場
合には鋳片厚(短辺)Dの1/2以下、すなわちdD/2、
となる位置でそれぞれ所定の電磁攪拌を行うものであ
る。
鋳片の場合にはd<100mm、同様に200mm以下の鋳片の場
合には鋳片厚(短辺)Dの1/2以下、すなわちdD/2、
となる位置でそれぞれ所定の電磁攪拌を行うものであ
る。
しかしながら、A法においては鋳造速度が速い場合に
は十分な攪拌を得られず、またB法はブルームを対象と
しているためスラブへの適用が難しい。
は十分な攪拌を得られず、またB法はブルームを対象と
しているためスラブへの適用が難しい。
(発明が解決しようとする問題点) そこで電磁攪拌による中心偏析の防止を有効に適用し
得る方法を提案することが、この発明の目的である。
得る方法を提案することが、この発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) この発明は、スラブを連続鋳造するに際し、電磁撹拌
装置をもって鋳片ストランド内の残溶鋼を電磁的に撹拌
して中心偏析を防止するに当たり、鋳片厚Dに応じ、18
1mmD300mmの場合は、残溶鋼厚dが1.10D−140(m
m)d0.83D−120(mm)及び0.83D−120(mm)>d
0.83D−150(mm)に相当する位置、D>300mmの場合
は、残溶鋼厚Dが0.40D+70(mm)d0.40D+10(m
m)及び0.40D+10(mm)>d0.20D+40(mm)に相当
する位置で未凝固溶鋼を複数の電磁撹拌装置を用いて、
周波数f(Hz)がf<1.5、鋳片表面における磁束密度
G(Gauss)が200<G<1500の水平方向又は上下方向の
移動磁界により撹拌することを特徴とする連続鋳造鋳片
の中心偏析防止方法である。
装置をもって鋳片ストランド内の残溶鋼を電磁的に撹拌
して中心偏析を防止するに当たり、鋳片厚Dに応じ、18
1mmD300mmの場合は、残溶鋼厚dが1.10D−140(m
m)d0.83D−120(mm)及び0.83D−120(mm)>d
0.83D−150(mm)に相当する位置、D>300mmの場合
は、残溶鋼厚Dが0.40D+70(mm)d0.40D+10(m
m)及び0.40D+10(mm)>d0.20D+40(mm)に相当
する位置で未凝固溶鋼を複数の電磁撹拌装置を用いて、
周波数f(Hz)がf<1.5、鋳片表面における磁束密度
G(Gauss)が200<G<1500の水平方向又は上下方向の
移動磁界により撹拌することを特徴とする連続鋳造鋳片
の中心偏析防止方法である。
この発明の方法では、残溶鋼厚dに関する各領域に相
当する位置に、磁束密度Gが200<G<1500Gaussの磁界
による撹拌を与えられれば、特に電磁撹拌装置の位置を
厳密に制御する必要はない。従って、例えば、複数の電
磁撹拌装置が残溶鋼厚dに関する各領域の境界付近で重
複する配置も可能であるが、実際の操業では、設備上の
制約や省エネルギーの観点から、複数の電磁撹拌装置
は、相互に距離を置いて配置することが好ましい。ここ
で、通常、電磁撹拌装置の磁束密度は、装置の中心にピ
ークがあることから、このピーク位置が上記の残溶鋼厚
dに関する各領域内の鋳片幅方向の中心に合うように、
電磁撹拌装置の位置を調整することが、実施に当たり有
利である。
当する位置に、磁束密度Gが200<G<1500Gaussの磁界
による撹拌を与えられれば、特に電磁撹拌装置の位置を
厳密に制御する必要はない。従って、例えば、複数の電
磁撹拌装置が残溶鋼厚dに関する各領域の境界付近で重
複する配置も可能であるが、実際の操業では、設備上の
制約や省エネルギーの観点から、複数の電磁撹拌装置
は、相互に距離を置いて配置することが好ましい。ここ
で、通常、電磁撹拌装置の磁束密度は、装置の中心にピ
ークがあることから、このピーク位置が上記の残溶鋼厚
dに関する各領域内の鋳片幅方向の中心に合うように、
電磁撹拌装置の位置を調整することが、実施に当たり有
利である。
なおこの発明は偏平比4.0以上のスラブに有利に適合
する。
する。
次に電磁攪拌の適用範囲に関して述べる。
断面形状230×1500mmの連鋳スラブを連続鋳造するに
当り、表1に示す厚さの残溶鋼に対してそれぞれ表1に
併記した条件にて電磁攪拌(f=1.0Hz,G=600Gauss)
を適用し、また同様の条件で鋳造速度のみを変化させる
連続鋳造も行い、かくして得られた連鋳スラブについて
それぞれ中心偏析を調べた結果を、第1図に示す。
当り、表1に示す厚さの残溶鋼に対してそれぞれ表1に
併記した条件にて電磁攪拌(f=1.0Hz,G=600Gauss)
を適用し、また同様の条件で鋳造速度のみを変化させる
連続鋳造も行い、かくして得られた連鋳スラブについて
それぞれ中心偏析を調べた結果を、第1図に示す。
なお、表1において、中期電磁攪拌とは鋳片の凝固過
程の中間時期、すなわち連鋳機の上流側で電磁攪拌を行
うことを示し、末期電磁攪拌とは同様に凝固過程の末の
時期、すなわち連鋳機の下流側で電磁攪拌を行うことで
ある。
程の中間時期、すなわち連鋳機の上流側で電磁攪拌を行
うことを示し、末期電磁攪拌とは同様に凝固過程の末の
時期、すなわち連鋳機の下流側で電磁攪拌を行うことで
ある。
ここに中心偏析指数は第2図に示したところに従い、 で定義する。
第1図から、連鋳機の上流側および下流側の両方で電
磁攪拌を適用した場合に中心偏析の防止に有効であるこ
とがわかり、またその結果は鋳造速度に影響されること
もない。
磁攪拌を適用した場合に中心偏析の防止に有効であるこ
とがわかり、またその結果は鋳造速度に影響されること
もない。
そこで、連鋳機の上流および下流側で電磁攪拌を同時
に行うに当たり、それぞれの適正位置について検討し
た。すなわち、種々の厚みの鋳片を連続鋳造する際、連
鋳機の上流および下流の各領域において種々の位置で電
磁攪拌を行って、得られた鋳片の中心偏析を調査した。
そして、中心偏析指数が1.3以下の鋳片が得られた電磁
攪拌の位置を残溶鋼厚にて表したところ、第3図に示す
結果が得られた。なお、図においてF1EMSは連鋳機上流
側での電磁攪拌およびF2EMSは同下流側での電磁攪拌を
示す。第3図から、鋳片厚300mmを境にして、181mmD
300mmの場合は、残溶鋼厚dが1.10D−140(mm)d
0.83D−120(mm)及び0.83D−120(mm)>d0.83D
−150(mm)に相当する位置、D>300mmの場合は、残溶
鋼厚dが0.40D+70(mm)d0.40D+10(mm)及び0.
40D+10(mm)>d0.20D+40(mm)に相当する位置で
電磁攪拌を行えば良いことがわかる。
に行うに当たり、それぞれの適正位置について検討し
た。すなわち、種々の厚みの鋳片を連続鋳造する際、連
鋳機の上流および下流の各領域において種々の位置で電
磁攪拌を行って、得られた鋳片の中心偏析を調査した。
そして、中心偏析指数が1.3以下の鋳片が得られた電磁
攪拌の位置を残溶鋼厚にて表したところ、第3図に示す
結果が得られた。なお、図においてF1EMSは連鋳機上流
側での電磁攪拌およびF2EMSは同下流側での電磁攪拌を
示す。第3図から、鋳片厚300mmを境にして、181mmD
300mmの場合は、残溶鋼厚dが1.10D−140(mm)d
0.83D−120(mm)及び0.83D−120(mm)>d0.83D
−150(mm)に相当する位置、D>300mmの場合は、残溶
鋼厚dが0.40D+70(mm)d0.40D+10(mm)及び0.
40D+10(mm)>d0.20D+40(mm)に相当する位置で
電磁攪拌を行えば良いことがわかる。
また230×1500mmの連鋳スラブを鋳造速度:1.0m/minに
て連続鋳造するに当り、表2に示す残溶鋼厚の位置に相
当する溶鋼に対して、磁束密度600Gaussで、周波数は変
化させて水平方向の電磁撹拌を施した。得られた連鋳ス
ラブの中心偏析を調べた結果を第4図に示すように、電
磁撹拌における周波数fを1.5Hz未満にするとスラブの
中心偏析が少ないことがわかる。
て連続鋳造するに当り、表2に示す残溶鋼厚の位置に相
当する溶鋼に対して、磁束密度600Gaussで、周波数は変
化させて水平方向の電磁撹拌を施した。得られた連鋳ス
ラブの中心偏析を調べた結果を第4図に示すように、電
磁撹拌における周波数fを1.5Hz未満にするとスラブの
中心偏析が少ないことがわかる。
この理由は以下のように考えられる。電磁力によって
導電性液体が撹拌される場合、撹拌の程度は電磁力にも
とづく体積力Fの磁場方向への勾配あるいは磁場および
その進行方向への勾配F′と鋳片形状に依存する。F′
は周波数とともに増大するが距離とともに減衰するとい
う性質がある。
導電性液体が撹拌される場合、撹拌の程度は電磁力にも
とづく体積力Fの磁場方向への勾配あるいは磁場および
その進行方向への勾配F′と鋳片形状に依存する。F′
は周波数とともに増大するが距離とともに減衰するとい
う性質がある。
ここでスラブについて考えるとブルームに比較して偏
平度が大きくバルジングが大きい。このため電磁撹拌装
置の前面に鋳片サポートロールが設置され、鋳片表面と
電磁撹拌装置との間の距離は一般にブルームの場合より
大きい。距離が大きい場合には低周波数の方が磁場の減
衰が小さい。このため周波数fが1.5Hz以下で良好な結
果が得られたと考えられる。
平度が大きくバルジングが大きい。このため電磁撹拌装
置の前面に鋳片サポートロールが設置され、鋳片表面と
電磁撹拌装置との間の距離は一般にブルームの場合より
大きい。距離が大きい場合には低周波数の方が磁場の減
衰が小さい。このため周波数fが1.5Hz以下で良好な結
果が得られたと考えられる。
さらに電磁攪拌における磁束密度について述べる。
表2に示す位置で周波数f=1.0Hzにおいて磁束密度
を変化させて中心偏析改善効果を調査した結果を第5図
に示す。これより、鋳片表面の磁束密度が200Gauss以下
では効果が小さいことが判る。
を変化させて中心偏析改善効果を調査した結果を第5図
に示す。これより、鋳片表面の磁束密度が200Gauss以下
では効果が小さいことが判る。
一方磁束密度が大きすぎると溶鋼が強攪拌されること
により凝固界面において強い負偏析が生ずるようにな
る。この負偏析帯の許容程度は鋼材の用途により異なる
が、1200Gaussを超えるような強攪拌を行うと鋼材材質
の不均一性による問題が生ずる。以上のことより鋳片表
面の磁束密度Gは200<G<1200(Gauss)とする必要が
あり、実用的には400〜600Gauss程度の磁束密度が必要
かつ十分で、負偏析の問題も少ない良好な鋼材が得られ
る。
により凝固界面において強い負偏析が生ずるようにな
る。この負偏析帯の許容程度は鋼材の用途により異なる
が、1200Gaussを超えるような強攪拌を行うと鋼材材質
の不均一性による問題が生ずる。以上のことより鋳片表
面の磁束密度Gは200<G<1200(Gauss)とする必要が
あり、実用的には400〜600Gauss程度の磁束密度が必要
かつ十分で、負偏析の問題も少ない良好な鋼材が得られ
る。
(作用) さて第6図に、この発明方法および先に述べたA法、
B法における電磁攪拌の適用範囲について示す。なお鋳
片厚Dと残溶鋼厚dとの関係における、1.10D−140d
0.83D−120(mm)又は0.40D+70d0.40D+10(m
m)に相当する位置での電磁攪拌をF1EMS、および0.83D
−120>d0.83D−150(mm)又は0.40D+10>d0.20
D+40(mm)に相当する位置での電磁攪拌をF2EMSとして
示した。同図から、B法は鋳片厚に係わらずに電磁攪拌
を行うため、この発明との区別は明白であり、一方A法
は、この発明のF2EMSと部分的に重複する範囲で電磁攪
拌を行っていることがわかる。
B法における電磁攪拌の適用範囲について示す。なお鋳
片厚Dと残溶鋼厚dとの関係における、1.10D−140d
0.83D−120(mm)又は0.40D+70d0.40D+10(m
m)に相当する位置での電磁攪拌をF1EMS、および0.83D
−120>d0.83D−150(mm)又は0.40D+10>d0.20
D+40(mm)に相当する位置での電磁攪拌をF2EMSとして
示した。同図から、B法は鋳片厚に係わらずに電磁攪拌
を行うため、この発明との区別は明白であり、一方A法
は、この発明のF2EMSと部分的に重複する範囲で電磁攪
拌を行っていることがわかる。
そこで断面形状230×1500mmのスラブを連続鋳造する
に当り、A法に従って溶鋼残厚のスラブ全厚に対する比
が0.2となる位置に電磁攪拌を適用した場合のスラブに
おける中心偏析について調査した。その調査結果を、第
7図に示す。
に当り、A法に従って溶鋼残厚のスラブ全厚に対する比
が0.2となる位置に電磁攪拌を適用した場合のスラブに
おける中心偏析について調査した。その調査結果を、第
7図に示す。
同図からA法はこの発明のF2EMSに相当する攪拌を行
っているが、鋳造速度の大きい場合に効果が得られない
ことがわかり、これはA法において、この発明における
F1EMSに相当する電磁攪拌が実施されていないためと考
えられる。
っているが、鋳造速度の大きい場合に効果が得られない
ことがわかり、これはA法において、この発明における
F1EMSに相当する電磁攪拌が実施されていないためと考
えられる。
例えば鋳造速度が速い場合にはF1EMSの位置とF2EMSの
位置との間の距離は長く(2m以上)なり、F1EMSのみを
適用してもF1EMSの攪拌流がF2EMSの位置まで到達しない
ため、攪拌の効果は減少する。一方鋳造速度が遅い場
合、(Vc<1.5m/min)はF1EMSの位置とF2EMSの位置との
距離は短く(2m未満)なり、F1EMSの攪拌流はF2EMSの位
置に到達するため、F1EMSのみでも十分な効果が得られ
る。
位置との間の距離は長く(2m以上)なり、F1EMSのみを
適用してもF1EMSの攪拌流がF2EMSの位置まで到達しない
ため、攪拌の効果は減少する。一方鋳造速度が遅い場
合、(Vc<1.5m/min)はF1EMSの位置とF2EMSの位置との
距離は短く(2m未満)なり、F1EMSの攪拌流はF2EMSの位
置に到達するため、F1EMSのみでも十分な効果が得られ
る。
以上のように鋳造速度が速い場合にはクレータエンド
の凝固末期部分が長くなり、この場合この発明のように
F1EMS及びF2EMSを適用することが有利である。
の凝固末期部分が長くなり、この場合この発明のように
F1EMS及びF2EMSを適用することが有利である。
この発明方法においては、中心偏析の防止を有利に図
れるが、これは以下の理由によるものと推定できる。
れるが、これは以下の理由によるものと推定できる。
すなわちF1EMSは、微細な粒状晶を生成する作用があ
り、このF1EMS適用範囲外での攪拌は粗大な等軸晶しか
生成されない。
り、このF1EMS適用範囲外での攪拌は粗大な等軸晶しか
生成されない。
例えばF1EMSの適用位置より溶鋼残厚の大きい位置で
電磁攪拌を実施しても生成される等軸晶は粗大でデンド
リティックである。また、F1EMSの適用位置より溶鋼残
厚の小さな位置でのみ攪拌を行うと既に液芯中に固相が
晶出(粗大なデンドライト又は粗大な等軸晶)している
ため、攪拌流速が小さくなる上、これらの既晶出の粗大
な結晶はこれ以上微細化されない。そして中心部に粗大
な結晶が充填されるとこれらの結晶はブリッジングを起
こし易い上、互いに結合するため、バルジング或いは凝
固収縮の発生に伴い粗大な結晶間に溶質が濃化した溶鋼
が吸引され巨大な偏析部が生成される。
電磁攪拌を実施しても生成される等軸晶は粗大でデンド
リティックである。また、F1EMSの適用位置より溶鋼残
厚の小さな位置でのみ攪拌を行うと既に液芯中に固相が
晶出(粗大なデンドライト又は粗大な等軸晶)している
ため、攪拌流速が小さくなる上、これらの既晶出の粗大
な結晶はこれ以上微細化されない。そして中心部に粗大
な結晶が充填されるとこれらの結晶はブリッジングを起
こし易い上、互いに結合するため、バルジング或いは凝
固収縮の発生に伴い粗大な結晶間に溶質が濃化した溶鋼
が吸引され巨大な偏析部が生成される。
これに対してF1EMSにより微細な粒状晶が生成される
と互いに動き易いためブリッジングも発生しにくい。し
かしながら、これらの微細な粒状晶の生成のみではバル
ジング又は凝固収縮によるサクション発生時に溶質濃化
溶鋼と共に粒状晶が移動することはできず偏析部が生成
されてしまう。
と互いに動き易いためブリッジングも発生しにくい。し
かしながら、これらの微細な粒状晶の生成のみではバル
ジング又は凝固収縮によるサクション発生時に溶質濃化
溶鋼と共に粒状晶が移動することはできず偏析部が生成
されてしまう。
そこでF2EMSによりF1EMSで生成された微細粒状晶を攪
拌してやることで、これらの結晶が溶質濃化残溶鋼と懸
濁された状態となり、バルジングは凝固収縮によるサク
ションが発生しても溶鋼とともに粒状晶が移動するた
め、偏析部が微細に分散された状態で凝固が完了する。
拌してやることで、これらの結晶が溶質濃化残溶鋼と懸
濁された状態となり、バルジングは凝固収縮によるサク
ションが発生しても溶鋼とともに粒状晶が移動するた
め、偏析部が微細に分散された状態で凝固が完了する。
以上のメカニズムによってF1EMSとF2EMSの両方を実施
することで偏析が軽減されると考えられる。
することで偏析が軽減されると考えられる。
(実施例) 溶鋼(C=0.15wt%)を270t上吹転炉で溶製後脱ガス
を実施し、スーパーヒート30℃で230×1500mmサイズの
スラブを鋳造速度1.5m/minにて連続鋳造した。
を実施し、スーパーヒート30℃で230×1500mmサイズの
スラブを鋳造速度1.5m/minにて連続鋳造した。
鋳造に当り、上向移動磁界式の電磁攪拌装置を表4に
示す位置に設定して攪拌を行った。ここで各々の電磁攪
拌は周波数f=0.8Hzで鋳片表面の磁束密度は600Gauss
とした。
示す位置に設定して攪拌を行った。ここで各々の電磁攪
拌は周波数f=0.8Hzで鋳片表面の磁束密度は600Gauss
とした。
各電磁攪拌を組合せて行った鋳造後のスラブの中心偏
析を調べた結果を第8図に示すが、この発明に従うIと
Jの組合せが最も有効であることがわかる。なお、第7
図におけるE〜Jの例は、異なる位置で同時に電磁攪拌
を行うことを示している。
析を調べた結果を第8図に示すが、この発明に従うIと
Jの組合せが最も有効であることがわかる。なお、第7
図におけるE〜Jの例は、異なる位置で同時に電磁攪拌
を行うことを示している。
(発明の効果) この発明によれば、適切な凝固過程における電磁攪拌
の適用によって、連続鋳造鋳片、とくにスラブ中心偏析
を的確に防止できる。
の適用によって、連続鋳造鋳片、とくにスラブ中心偏析
を的確に防止できる。
第1図は各鋳造速度における電磁攪拌適用条件と中心偏
析指数との関係を示すグラフ、 第2図は中心偏析指数の定義図、 第3図は中心偏析指数と電磁攪拌の周波数との関係を示
すグラフ、 第4図は電磁攪拌の適用位置を示すグラフ、 第5図は中心偏析指数と鋳片表面の磁束密度との関係を
示すグラフ、 第6図は電磁攪拌の適用範囲を示すグラフ、 第7図はA法適用時における鋳造速度と中心偏析指数と
の関係を示すグラフ 第8図は電磁攪拌適用条件と中心偏析指数との関係を示
すグラフである。
析指数との関係を示すグラフ、 第2図は中心偏析指数の定義図、 第3図は中心偏析指数と電磁攪拌の周波数との関係を示
すグラフ、 第4図は電磁攪拌の適用位置を示すグラフ、 第5図は中心偏析指数と鋳片表面の磁束密度との関係を
示すグラフ、 第6図は電磁攪拌の適用範囲を示すグラフ、 第7図はA法適用時における鋳造速度と中心偏析指数と
の関係を示すグラフ 第8図は電磁攪拌適用条件と中心偏析指数との関係を示
すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】スラブを連続鋳造するに際し、電磁撹拌装
置をもって鋳片ストランド内の残溶鋼を電磁的に撹拌し
て中心偏析を防止するに当たり、 鋳片厚Dに応じ、 181mmD300mmの場合は、残溶鋼厚dが1.10D−140
(mm)d0.83D−120(mm)及び0.83D−120(mm)>
d0.83D−150(mm)に相当する位置、 D>300mmの場合は、残溶鋼厚dが0.40D+70(mm)d
0.40D+10(mm)及び0.40D+10(mm)>d0.20D+4
0(mm)に相当する位置で未凝固溶鋼を複数の電磁撹拌
装置を用いて、周波数f(Hz)がf<1.5、鋳片表面に
おける磁束密度G(Gauss)が200<G<1500の水平方向
又は上下方向の移動磁界により撹拌することを特徴とす
る連続鋳造鋳片の中心偏析防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30180786A JP2541953B2 (ja) | 1986-12-19 | 1986-12-19 | 連続鋳造鋳片の中心偏析防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30180786A JP2541953B2 (ja) | 1986-12-19 | 1986-12-19 | 連続鋳造鋳片の中心偏析防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63157749A JPS63157749A (ja) | 1988-06-30 |
JP2541953B2 true JP2541953B2 (ja) | 1996-10-09 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
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-
1986
- 1986-12-19 JP JP30180786A patent/JP2541953B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPS63157749A (ja) | 1988-06-30 |
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