JP2540885B2 - コンバイン等の動力伝動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、コンバイン等の動力伝動装置に係るもので
ある。

（従来技術） 従来公知の実願昭55−122745号のマイクロフィルム
（実開昭57−43729号公報）には、走行駆動軸と走行入
力軸の間に走行テンションベルトを、刈取駆動軸と刈取
入力軸との間に刈取テンションベルトを夫々弛く掛け回
し、前記走行テンションベルトには第１バネ23の弾力で
緊張を与える走行テンションクラッチ10Aを、前記刈取
テンションベルトには第２バネ19の弾力で緊張を与える
刈取テンションクラッチ9Aを夫々設け、前記走行テンシ
ョンクラッチ10Aを弛めたときは、第３バネ16を介して
前記刈取テンションクラッチ9Aも弛めるようにしたコン
バイン等の動力伝動装置について記載されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、前記公知のものは、３個のバネ23、16、19を
使用し、走行テンションクラッチ10Aを弛めたときは、
バネ16を伸ばして、刈取テンションクラッチ9Aのバネ19
を弛める構造であるから、３個のバネ23、16、19の弾力
設定は面倒であるという問題がある。

なお、駆動軸を有するエンジンと、走行出力軸に出力
する入力軸を有するミッションと、作業機入力軸とを有
するものにおいて、前記駆動軸と前記入力軸の間に第１
テンションベルトを、前記入力軸と前記作業機入力軸の
間に第２テンションベルトを夫々設けた構造にすると、
コンバインを坂道で停車させるために、走行テンション
クラッチを切ると、機体は傾斜に沿って自重で後進する
ことがあり、そうすると、「入」の刈取テンションベル
トを介して、脱穀装置の扱胴とか、刈刃のバリカンを逆
転させて、穀稈を喰い込むことがある。また、ミッショ
ン内部の歯車も逆転するから、思わぬトラブルが起き
る。

（課題を解決するための手段） よって、本発明は、駆動軸４を有するエンジン３と、
走行出力軸７及び入力軸６を有するミッション５と、作
業機入力軸11とを有するものにおいて、前記駆動軸４と
前記入力軸６の間に第１テンションベルト12を、前記入
力軸６と前記作業機入力軸11の間に第２テンションベル
ト18を夫々弛く掛け回し、前記第１テンションベルト12
には第１バネ17の弾力で緊張を与える走行テンションク
ラッチ13を、前記第２テンションベルト18には第２バネ
27の弾力で緊張を与える刈取テンションクラッチ19を夫
々設け、前記刈取テンションクラッチ19にはこれを弛め
る方向に一体的に回動させる解除アーム22を設け、前記
走行テンションクラッチ13にはこれを弛めると前記解除
アーム22に作用して前記刈取テンションクラッチ19を弛
める長さ調節自在の突起24を設け、前記走行テンション
クラッチ13を弛めたときは前記突起24により前記解除ア
ーム22を介して前記刈取テンションクラッチ19も弛める
コンバイン等の動力伝動装置としたものである。

（実施例） 本発明の一実施例を図面により説明すると、１はコン
バイン等のフレーム、２は運転席、３はフレーム１に取
付けたエンジン、４はエンジン３の駆動軸、4aは出力プ
ーリー、５はミッション、６はミッション５の入力軸、
７はミッション５の下方に設けた走行出力軸で、走行出
力軸７にはクローラーの駆動ホイルが取付けられる。

しかして、入力軸６には出力プーリー4aと対をなす入
力プーリー８と、作業部への出力プーリー９が取付けら
れ、出力プーリー９の近傍に作業機入力プーリー10が設
けられる。11は前記作業機入力プーリー10を固定した作
業機入力軸である。

前記出力プーリー4aと前記入力プーリー８との間には
第１テンションベルト12が弛く巻回され、第１テンショ
ンベルト12に走行テンションクラッチ13が当接して緊張
させると動力が伝達される。14は前記走行テンションク
ラッチ13の槓杆で、該槓杆14は前記フレーム１に軸止さ
れた回転軸15に固定状に結合し、該回転軸15には油圧シ
リンダー16が設けられる。17は前記走行テンションクラ
ッチ13を第１テンションベルト12に弾着させて緊張させ
る第１バネである。

前記出力プーリー９と作業機入力プーリー10との間に
は第２テンションベルト18が弛く巻回され、該第２テン
ションベルト18に緊張を与える刈取テンションクラッチ
19が当接する。20は該刈取テンションクラッチ19のＬ型
槓杆で、該Ｌ型槓杆20は軸21により前記フレーム１に軸
止されている。

22は基部22aが前記Ｌ型槓杆20に固定されている解除
アームで、該解除アーム22の先端の下部には、前記走行
テンションクラッチ13の軸23に下端を固定したネジ棒か
らなる突起24の上端25を臨ませ、調節された前記突起24
の上端25で前記解除アーム22を突き上げると、Ｌ型槓杆
20は回動して刈取テンションクラッチ19を解除するよう
になっている。

なお、26は操作レバー、27は第２バネである。

（作用） 次に作用を述べる。

エンジン３を始動させ、油圧シリンダー16を解除する
と、第１バネ17の弾力で走行テンションクラッチ13を第
１テンションベルト12に押付けるから弛い第１テンショ
ンベルト12は緊張し、出力プーリー4aより入力プーリー
８に回転を伝え、入力軸６を回転させてミッション５内
の歯車群を介して走行出力軸７を回転させ前後進する。

しかして、運転席のオペレーターが操作レバー26を操
作すると、第２バネ27の弾力でＬ型槓杆20を回動させる
から、刈取テンションクラッチ19を弛い第２テンション
ベルト18に押付けて緊張させ、もって出力プーリー９よ
り作業機入力プーリー10に回転を伝えて、刈取部を駆動
させる。

しかして、機体が前傾又は後傾の状態でも、走行テン
ションクラッチ13を弛めて切ることがあるが、走行テン
ションクラッチ13を緩めると、機体には傾斜に沿って自
重で前後進する力が働き、この力が、脱穀装置の扱胴を
逆転させたり、刈刃のバリカンを逆動させて、穀稈を喰
い込み、故障の原因になる。

しかし、本願は、走行テンションクラッチ13を緩める
と、走行テンションクラッチ13の軸23に取付けてある突
起24（ネジで高さ調節自在）の上端25で、解除アーム22
を上動させ、これにより刈取テンションクラッチ19を緩
めて切るので、出力プーリー９の回転は作業機入力プー
リー10に伝わらず、前記欠点を防止できる。

（効果） 前記公知のものは、３個のバネを使用し、走行テンシ
ョンクラッチ10Aを弛めたときは、バネ16が伸び、刈取
テンションクラッチ9Aはバネ19の弾力で弛む構造である
から、３個のバネの弾力設定は面倒であるという問題が
ある。

しかるに、本発明は、駆動軸４を有するエンジン３
と、走行出力軸７及び入力軸６を有するミッション５
と、作業機入力軸11とを有するものにおいて、前記駆動
軸４と前記入力軸６の間に第１テンションベルト12を、
前記入力軸６と前記作業機入力軸11の間に第２テンショ
ンベルト18を夫々弛く掛け回し、前記第１テンションベ
ルト12には第１バネ17の弾力で緊張を与える走行テンシ
ョンクラッチ13を、前記第２テンションベルト18には第
２バネ27の弾力で緊張を与える刈取テンションクラッチ
19を夫々設け、前記刈取テンションクラッチ19にはこれ
を弛める方向に一体的に回動させる解除アーム22を設
け、前記走行テンションクラッチ13にはこれを弛めると
前記解除アーム22に作用して前記刈取テンションクラッ
チ19を弛める長さ調節自在の突起24を設け、前記走行テ
ンションクラッチ13を弛めたときは前記突起24により前
記解除アーム22を介して前記刈取テンションクラッチ19
も弛めるコンバイン等の動力伝動装置としたものである
から、 イ、駆動軸４と入力軸６の間に第１テンションベルト12
を、入力軸６と作業機入力軸11の間に第２テンションベ
ルト18を夫々弛く掛け回したもので、入力軸は２本の実
開昭55−122745号のマイクロフィルムのものに比し、入
力軸６は１本なので、構造簡単である。

ロ、刈取テンションクラッチ19にはこれを弛める方向に
一体的に回動させる解除アーム22を設け、走行テンショ
ンクラッチ13にはこれを弛めると前記解除アーム22に作
用して刈取テンションクラッチ19を弛める長さ調節自在
の突起24を設け、前記走行テンションクラッチ13を弛め
たときは前記突起24により前記解除アーム22を介して前
記刈取テンションクラッチ19も弛めるようにしたから、
面倒な公知例に比し、構造簡単で確実に作用する効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部側面図、第２図は要部正面図、第３図は正
断面図である。 符号の説明 １……フレーム、２……運転席、３……エンジン、４…
…駆動軸、4a……出力プーリー、５……ミッション、６
……入力軸、７……走行出力軸、８……入力プーリー、
９……出力プーリー、10……作業機入力プーリー、11…
…作業機入力軸、12……第１テンションベルト、13……
走行テンションクラッチ、14……槓杆、15……回転軸、
16……油圧シリンダー、17……バネ、18……第２テンシ
ョンベルト、19……刈取テンションクラッチ、20……Ｌ
型槓杆、21……軸、22……解除アーム、22a……基部、2
3……軸、24……突起、25……上端、26……操作レバ
ー、27……第２バネ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動軸４を有するエンジン３と、走行出力
   軸７及び入力軸６を有するミッション５と、作業機入力
   軸11とを有するものにおいて、前記駆動軸４と前記入力
   軸６の間に第１テンションベルト12を、前記入力軸６と
   前記作業機入力軸11の間に第２テンションベルト18を夫
   々弛く掛け回し、前記第１テンションベルト12には第１
   バネ17の弾力で緊張を与える走行テンションクラッチ13
   を、前記第２テンションベルト18には第２バネ27の弾力
   で緊張を与える刈取テンションクラッチ19を夫々設け、
   前記刈取テンションクラッチ19にはこれを弛める方向に
   一体的に回動させる解除アーム22を設け、前記走行テン
   ションクラッチ13にはこれを弛めると前記解除アーム22
   に作用して前記刈取テンションクラッチ19を弛める長さ
   調節自在の突起24を設け、前記走行テンションクラッチ
   13を弛めたときは前記突起24により前記解除アーム22を
   介して前記刈取テンションクラッチ19も弛めるコンバイ
   ン等の動力伝動装置。