JP2540632B2 - 半導体材料のライフタイム計測方法及びその装置 - Google Patents

半導体材料のライフタイム計測方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的: (産業上の利用分野) この発明は、半導体材料にパルスエネルギーを注入
し、それにより発生するキャリアの減衰特性を計測する
ライフタイムの計測において、導波管の等価分布回路特
性を可変にして、計測不可点を計測領域外に移動させる
ことができる半導体材料のライフタイム計測方法及びそ
の装置に関する。
(従来の技術) 半導体材料(Si,Ga,As)は、材料製造からプロセス工
程を経てデバイスとして有効になるに至るまで、何百と
いう工程を経て加工処理等が行なわれる。
こうした材料製造プロセス及びデバイス製造プロセス
等において、洗浄,拡散,熱処理,パターニング,エッ
チング等、半導体材料に結晶欠陥や金属汚染を引き起こ
す可能性のある工程が無数に存在するため、その工程の
管理には大変な労力を費やし、また神経を使っている。
しかしながら、このようにして製造される半導体材料
であるがために、ある程度の割合で結晶欠陥や金属汚染
を含む半導体材料が製造されてしまうのが実情である。
そこで、半導体材料の結晶欠陥や微小の金属汚染を検査
する装置が普及している。
従来より半導体材料の結晶欠陥を評価する方法として
は、そのライフタイムを計測する方法が一般的である。
第4図は、従来における半導体材料のライフタイム計
測装置の構成ブロック図である。
図において、マイクロ波発振器1で発振したマイクロ
波は、インピーダンス整合器2及びE−Hチューナ3を
介してマジックT4により下方に位置する導波管8に導か
れ、被計測半導体材料10に照射される。また、被計測半
導体材料10に照射されたそのマイクロ波は、被計測半
導体材料10の表面,内部,裏面にそれぞれ反射されてマ
イクロ波としてマジックT4に返され、そのマジックT4
によりE−Hチューナ6の方向に導かれて検波器7によ
り検波される。
第5図に基づいてライフタイム計測の原理を説明する
と、は常時被計測半導体材料10に供給されているマイ
クロ波で、計測時にレーザダイオード9から外部エネル
ギーがパルス的に被計測半導体材料10に与えられキャリ
アが発生する。このキャリアの発生する部分は、半導体
が導体に変化することと等価となり、その発生したキャ
リアにマイクロ波が反射する(マイクロ波は金属で100
%反射する)ので、反射マイクロ波は一時的に増加して
検出される。その増加した後のマイクロ波の時間的変化
は、発生したキャリアの時間的減衰波形と一致する。し
たがって、この減衰波形(ライフタイム)を計測するこ
とにより被計測半導体材料10における結晶の評価を行な
っている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、ライフタイムの計測における被検査材料
は、一般にはSiウエハーのような半導体材料であるが、
考えられるすべての被計測材料の比抵抗は、デバイス用
途に応じてかなりの広範囲に渡っている。
一方、従来のライフタイム計測装置に使用されている
導波管8は、等価的に第6図(A)に示す分布回路に置
き換えられる。このとき、この分布回路を例えば終端抵
抗Z1で終端した場合には、同図(B)に示すような終端
抵抗Z1に応じた反射信号を呈する。
このことから、例えば第4図に示す計測装置の場合、
終端抵抗Z1がSiウエハーの比抵抗に相当するため、第6
図(B)における横軸Zを比抵抗ρに置き換えること
ができる。このとき、同図において比抵抗ρao1
に対応するa,c,b部のそれぞれの位置において計測さ
れる反射マイクロ波の信号は、第7図(A)〜(C)に
示すようになる。ここで、cの部分は計測不可点となっ
てしまう。また他のd,e,fの部分においても、計測され
る反射マイクロ波信号は、前述した導波管の非線形特性
の影響で信号強度等が大きく変化してしまい、データ再
現性は著しく劣化した。
以上のように従来においては、計測の対象として考え
られる被計測材料によっては信頼できる計測は不可能で
あるという問題点があった。
この発明は上述のような事情から成されたものであ
り、この発明の目的は、データ再現性を改善することに
より計測信頼性の向上を図ることができ、かつ被計測半
導体材料に対して融通性のある半導体材料のライフタイ
ム計測方法及びその装置を提供することにある。
発明の構成; (課題を解決するための手段) この発明は、外部エネルギー源からのエネルギー照射
によって半導体材料内にキャリアを発生させ、発生した
キャリアの減衰時間変化に基づいて少数カリアのライフ
タイムを計測する半導体材料のライフタイム計測方法及
びその装置に関するものであり、この発明の上記目的
は、前記半導体材料にマイクロ波を照射するための導波
管の等価分布回路特性を可変にして、前記等価分布回路
特性により生ずる計測不可点を、前記半導体材料におけ
る計測領域外に移動させ、かつ線形化された前記等価分
布回路特性の領域において計測することにより達成され
る。また、前記半導体材料に対してマイクロ波を照射す
るための導波管に、その等価分布回路特性を可変にする
ための調整手段を設けることにより達成される。
(作用) この発明にあっては、導波管の等価分布回路特性を可
変にして、計測不可点を計測領域外に移動させると共
に、線形化された等価分布回路特性の領域において計測
することにより、あらゆる半導体材料に対して正確な反
射マイクロ波信号が計測できる。
(実施例) 以下、図面に基づいてこの発明の実施例について詳細
に説明する。
第1図は、この発明における装置の構成図である。第
2図はこの発明における導波管の拡大断面図である。
第1図において、マイクロ波発振器1において発振し
たマイクロ波は、分岐路11を経由して導波管8に導か
れ、被計測半導体材料(図示せず)に照射される。被計
測半導体材料に照射されたマイクロ波は、そこで反射し
て導波管8に返され分岐路11を経由して検波器7により
検波される。また、導波管8にはスタブチューナ12が備
わっている。
このスタブチューナ12は、第2図の拡大断面図で示す
ような構造になっており、3本のビス131,132,133の距
離Dは使用するマイクロ波の周波数によって決定され
る。そこで、このように導波管8にスタブチューナ12を
設け、そのビス131,132,133の導波管8内に挿入される
長さl1,l2,l3を調整することにより、その導波管8の分
布回路を可変にできる。従って、それにより反射マイク
ロ波信号の特性も、例えば第3図に示すように、スタブ
チューナ12を用いなかった場合の特性曲線a(図におい
て破線で示し計測不可点Zo1)を特性曲線bに変換する
ことができる。このとき、その計測不可点Zo2を、例え
ばSiウエハーの場合、比抵抗にして100Ωmに設定すれ
ばほとんどの計測材料で計測不可点を避けることができ
る。従って、反射マイクロ波信号は、第7図(A)に示
される理想的な波形として出力される。また、計測不可
点Zo2に至るまでの領域において、その非線形特性が比
較的線形に近く改善されるので、反射マイクロ波信号の
振幅変動や歪を抑えることができる。
尚、上述した実施例においては、導波管の等価分布回
路を可変にする方法としてスタブチューナを採用した
が、これに限られることはなく、各種の変形態様が考え
られる。
発明の効果; 以上のようにこの発明の半導体材料のライフタイム計
測方法及びその装置によれば、あらゆる被計測半導体材
料に対して正確な反射マイクロ波信号が計測され、デー
タ再現性及びそれによる計測全体の信頼性が飛躍的に向
上され、かつ融通性のある計測が可能となるので、極め
て有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明における装置の構成図、第2図はこの
発明における導波管の拡大断面図、第3図はこの発明に
おける反射マイクロ波信号の特性を示す図、第4図は従
来における半導体材料のライフタイム計測装置の構成ブ
ロック図、第5図はライフタイム計測の原理を説明する
ための図、第6図(A)及び(B)は導波管の特性を説
明するための図、第7図は反射マイクロ波の信号波形を
示す図である。 1……マイクロ波発振器、2……インピーダンス整合
器、3,6……E−Hチューナ、4……マジックT、5…
…無反射終端、7……検波器、8……導波管、9……レ
ーザダイオード、10……被計測半導体材料、11……分岐
路、12……スタブチューナ、13……ビス。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部エネルギー源からのエネルギー照射に
    よって半導体材料内にキャリアを発生させ、発生したキ
    ャリアの減衰時間変化に基づいて少数キャリアのライフ
    タイムを計測する半導体材料のライフタイム計測方法に
    おいて、前記半導体材料にマイクロ波を照射するための
    導波管の等価分布回路特性を可変にして、前記等価分布
    回路特性により生ずる計測不可点を、前記半導体材料に
    おける計測領域外に移動させ、かつ線形化された前記等
    価分布回路特性の領域において計測するようにしたこと
    を特徴とする半導体材料のライフタイム計測方法。
  2. 【請求項2】外部エネルギー源からのエネルギー照射に
    よって半導体材料内にキャリアを発生させ、発生したキ
    ャリアの減衰時間変化に基づいて少数キャリアのライフ
    タイムを計測する半導体材料のライフタイム計測装置に
    おいて、前記半導体材料に対してマイクロ波を照射する
    ための導波管に、その等価分布回路特性を可変にするた
    めの調整手段を設けたことを特徴とする半導体材料のラ
    イフタイム計測装置。
  3. 【請求項3】前記調整手段はスタブチューナである請求
    項2に記載の半導体材料のライフタイム計測装置。
JP1112985A 1989-03-20 1989-05-02 半導体材料のライフタイム計測方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2540632B2 (ja)

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