JP2540123Y2 - 自動車のサスペンションタワー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、３点式シートベルトのスルーアンカの下方
に位置している自動車のサスペンションタワーに関する
ものである。

〔従来の技術〕

この種のシートベルトを子供に使用させようとする
と、スルーアンカの位置を周知のように調整可能にして
あってもその肩ベルト部分が高過ぎる問題がある。ま
た、ワゴン車のサードシートにもシートベルトが取付け
られていることが多いが、同様なことが言える。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、ワゴン車のサードシート等の側部には、ホ
イールハウスから隆起しているサスペンションタワーが
配置されている場合があることに鑑みて、３点式シート
ベルトのスルーアンカからバックルに至る肩ベルト部分
を子供用に偏向させ得るシートベルトガイドを備えた自
動車のサンスペンションタワーを提供することを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、請求項１によ
り、座席側部のバックルにシートベルトを案内するスル
ーアンカの下方に位置し、かつホイールハウスから隆起
している自動車のサスペンションタワーにおいて、シー
トベルトを挿入させるベルトガイドリングに脚部が下設
され、さらにベルトガイドリングにシートベルトを通す
分離部分が形成されたシートベルトガイドを備えると共
に、サスペンションタワーの車室内側の側面に、脚部を
上下方向の可変位置で支持する脚部支持具を形成したこ
とを特徴とする。

請求項２により、脚部支持具をシートベルトガイドの
脚部が着脱自在に支持されるように形成すると共に、脚
部と交換して脚部支持具に支持される脚部の上端部に容
器保持リングが取付けられ、この容器保持リングから下
方へ離間した位置に受皿が取付けられたドリンクホルダ
が付属することにより、シートベルトガイドを使用しな
い場合に交換的にドリンクホルダを配置することができ
る。

〔作用〕

請求項１において、肩ベルト部分を分離部分を通して
ベルトガイドリングに挿入することにより、肩ベルト部
分はサスペンションタワーに向けて偏向される。また、
その偏向方向は、脚部支持具における脚部の支持位置を
上下方向へ可変することにより子供である着座者に応じ
て調整できる。請求項２においては、交換的にドリンク
ホルダの脚部を脚部支持具に装着することができる。

〔実施例〕

次に、第１図乃至第４図を基に本考案の一実施例を説
明する。

第３図において、ワゴン車のサードシート１の車室外
側端部には、ホイールハウス２から隆起したサスペンシ
ョンタワー３が配置されており、その上方に３点式シー
トベルト８のスルーアンカ４が配置されている。そし
て、第１図に示すように、サスペンションタワー３のカ
バーベース７には、シートベルトガイド９が形成されて
いる。

即ち、このシートベルトガイドは、第１図に示すよう
に、スルーアンカ４からバックル５に至る肩ベルト部分
8aを挿入させるように分離したスリット11を備え、かつ
脚部13が下設されて合成樹脂により一体成形されたベル
トガイドリング10と、脚部13を挿入させて上下方向のス
ライド調整位置に支持するようにカバーベース７に一体
成形された脚部支持具20とより構成されている。

脚部13の両側面には、上下方向の複数位置に切込み14
が形成されている。一方、脚部支持具20のスロット21に
は、第２図に示すように、切込み14に係合するコの字形
ワイヤスプリング22と、このワイヤスプリングを開拡に
より係脱させるように、板ばね23で外方へ付勢された状
態で押圧操作を行わせるノブ24とが装着されている。

このようなカバーベース７は、サスペンションタワー
３の上端部にねじ止めされると共に、メクラ蓋６を装着
される。

使用に際しては、第３図に示すように、サードシート
１に子供が着座して通常の肩ベルト部分8aの角度では肩
の上方を通過する場合、肩ベルト部分8aをスリット11に
通してベルトガイドリング10へ挿入して下方へ偏向させ
る。また、そのガイド位置はノブ24を押して脚部13をフ
リーにした状態で子供の肩の高さに応じて調整し、手を
ノブ24から離して上下に微調整して近辺の切込み14にワ
イヤスプリング22を係入させる。これにより、子供に対
しても適正位置でのシートベルト８の着用が可能とな
り、しかもシートベルトガイド９がサスペンションタワ
ー３の本体から分離可能なカバーベース７に形成される
ことにより、ボデー側を加工する必要がなく、組付け作
業も容易であり、製造コスト上も有利なガイドが実現さ
れる。

第４図はシートベルトガイド９に代えて前述の脚部支
持具20に装着されるドリンクカップ又は缶を保持するド
リンクホルダ30を示すもので、脚部31に、容器保持リン
グ32及び下方へ離間した受皿33を固定して構成されてい
る。受皿33から下方に延びた脚部31aには、脚部支持具2
0に支持させる切込み34が形成されている。これによ
り、シーベルトガイド９を使用しない場合、代りにドリ
ンクホルダ30をサスペションタワー３に用意することが
できる。

尚、前述の実施例において、脚部支持具としては、緩
まないようにばね付にして調整位置へねじ止めする等の
別構造も考えられ、またシートベルトガイド専用として
その脚部を着脱自在にしない構造も考えられる。

〔考案の効果〕

以上、本考案によれば、シートベル付座席の側部にサ
スペンションタワーが配置されている場合に、子供に対
してもシートベルトを着用させ得るシートベルトガイド
が、安価・堅牢に実現でき、子供の大きさに応じてさら
に高さ調整可能となる。

ベルトガイドの脚部が脚部支持具に着脱自在であるこ
とにより、ドリンクカップ或はドリンク缶を保持する受
皿付のドリンクホルダが代りに装着可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるサスペンションタワー
に形成されたシートベルトガイド部分の分解斜視図、第
２図は同シートベルトガイドの脚部支持具の内部構造を
示す断面図、第３図は同シートベルトガイドの使用状態
を示す斜視図及び第４図は同シートベルトガイドと交換
してセットされるドリンクホルダの斜視図である。 ３……サスペンションタワー、４……スルーアンカ、５
……バックル、8a……肩ベルト部分、９……シートベル
トガイド、10……ベルトガイドリング、11……スリッ
ト、13、31、31a……脚部、20……脚部支持具、30……
ドリンクホルダ。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】座席側部のバックルにシートベルトを案内
   するスルーアンカの下方に位置し、かつホイールハウス
   から隆起している自動車のサスペンションタワーにおい
   て、 シートベルトを挿入させるベルトガイドリングに脚部が
   下設され、さらに前記ベルトガイドリングに前記シート
   ベルトを通す分離部分が形成されたシートベルトガイド
   を備えると共に、 サスペンションタワーの車室内側の側面に、前記脚部を
   上下方向の可変位置で支持する脚部支持具を形成したこ
   とを特徴とする自動車のサスペンションタワー。
2. 【請求項２】脚部支持具をシートベルトガイドの脚部が
   着脱自在に支持されるように形成すると共に、前記脚部
   と交換して前記脚部支持具に支持される脚部の上端部に
   容器保持リングが取付けられ、この容器保持リングから
   下方へ離間した位置に受皿が取付けられたドリンクホル
   ダが付属したことを特徴とする請求項１の自動車のサス
   ペンションタワー。