JP2539891Y2 - フリーマン型イオン源 - Google Patents
フリーマン型イオン源Info
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- JP2539891Y2 JP2539891Y2 JP9068691U JP9068691U JP2539891Y2 JP 2539891 Y2 JP2539891 Y2 JP 2539891Y2 JP 9068691 U JP9068691 U JP 9068691U JP 9068691 U JP9068691 U JP 9068691U JP 2539891 Y2 JP2539891 Y2 JP 2539891Y2
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- Japan
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- filament
- magnetic field
- ion source
- current
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- Electron Sources, Ion Sources (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フィラメントの消耗に
よるプラズマ、イオンビ−ムの特性変化を抑えることが
できるフリーマン型イオン源に関する。
よるプラズマ、イオンビ−ムの特性変化を抑えることが
できるフリーマン型イオン源に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来のフリーマン型イオン源の一
例を示す要部断面図であり、アークチェンバ1の側壁に
イオン引出し孔(スリット)2、イオン物質源蒸気、ガ
スの導入口3が形成されている。タングステン、タンタ
ル線等で作った直線状の熱電子放出用フィラメント4が
アークチェンバ1の端壁に絶縁部材5を用いて取り付け
られて、アークチェンバ1の中心からずれたイオン引出
し孔2に近いところに配置されており、フィラメント4
は電流導入端子6を介して図示しない電源に接続されて
いる。
例を示す要部断面図であり、アークチェンバ1の側壁に
イオン引出し孔(スリット)2、イオン物質源蒸気、ガ
スの導入口3が形成されている。タングステン、タンタ
ル線等で作った直線状の熱電子放出用フィラメント4が
アークチェンバ1の端壁に絶縁部材5を用いて取り付け
られて、アークチェンバ1の中心からずれたイオン引出
し孔2に近いところに配置されており、フィラメント4
は電流導入端子6を介して図示しない電源に接続されて
いる。
【0003】フィラメント4はアノードとなるアークチ
ェンバ1に対して負電位にバイアスされており、アーク
チェンバ1の外部よりフィラメント4に平行に20〜1
00Gauss の外部磁界が作用している。所定の真空雰囲
気中において、フィラメント4に150〜200Aのフ
ィラメント電流を供給し、ガス導入口3からイオン物質
源ガスを供給する。フィラメント4とアークチェンバ1
間にアーク放電が生じ、アークチェンバ1内にイオン物
質のプラズマを生成する。プラズマ生成後はアーク電流
が一定と成るようにフィラメント電流を制御する。フィ
ラメント電流によってフィラメント4の周囲に回転磁界
ができ、この磁界とフィラメント4と平行な外部磁界と
の合成磁界によってイオン引出し孔2の近くに密度の高
いプラズマが生成され、静電引出し方式によってイオン
引出し孔2からイオンビ−ムが引出される。
ェンバ1に対して負電位にバイアスされており、アーク
チェンバ1の外部よりフィラメント4に平行に20〜1
00Gauss の外部磁界が作用している。所定の真空雰囲
気中において、フィラメント4に150〜200Aのフ
ィラメント電流を供給し、ガス導入口3からイオン物質
源ガスを供給する。フィラメント4とアークチェンバ1
間にアーク放電が生じ、アークチェンバ1内にイオン物
質のプラズマを生成する。プラズマ生成後はアーク電流
が一定と成るようにフィラメント電流を制御する。フィ
ラメント電流によってフィラメント4の周囲に回転磁界
ができ、この磁界とフィラメント4と平行な外部磁界と
の合成磁界によってイオン引出し孔2の近くに密度の高
いプラズマが生成され、静電引出し方式によってイオン
引出し孔2からイオンビ−ムが引出される。
【0004】かかるフリーマン型イオン源は、一般に、
イオンビ−ムの安定度がよい、イオンビ−ム量の可変範
囲が広い、板状のイオンビ−ムが容易に引出せる、メン
テナンスも容易であるという利点を有し、大電流のイオ
ン注入装置に利用されているところである。
イオンビ−ムの安定度がよい、イオンビ−ム量の可変範
囲が広い、板状のイオンビ−ムが容易に引出せる、メン
テナンスも容易であるという利点を有し、大電流のイオ
ン注入装置に利用されているところである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、フィラ
メント4はイオン源の運転に伴い、スパッタ等により消
耗していく。フィラメント4が消耗すると、抵抗値が増
加し、所要の熱電子放出のためのフィラメント温度は、
より小さいフィラメント電流で維持することができ、フ
ィラメントの消耗に伴い、フィラメント電流は当初の例
えば150A程度から50〜60A程度でも充分な状態
へと変化する。かかるフィラメント電流の変化は、回転
磁界強度の変化をもたらし、生成されるプラズマ、した
がって引出されるイオンビ−ムの特性を変化させる。イ
オン注入装置にあっては、かかる特性が変化するという
現象によって、最適なイオンビ−ムを得るためのイオン
源以降の運転パラメータが変化し、装置の完全自動化が
困難になっている。
メント4はイオン源の運転に伴い、スパッタ等により消
耗していく。フィラメント4が消耗すると、抵抗値が増
加し、所要の熱電子放出のためのフィラメント温度は、
より小さいフィラメント電流で維持することができ、フ
ィラメントの消耗に伴い、フィラメント電流は当初の例
えば150A程度から50〜60A程度でも充分な状態
へと変化する。かかるフィラメント電流の変化は、回転
磁界強度の変化をもたらし、生成されるプラズマ、した
がって引出されるイオンビ−ムの特性を変化させる。イ
オン注入装置にあっては、かかる特性が変化するという
現象によって、最適なイオンビ−ムを得るためのイオン
源以降の運転パラメータが変化し、装置の完全自動化が
困難になっている。
【0006】本考案は、フィラメントの消耗によるプラ
ズマ、イオンビ−ムの特性の変化を抑えることができる
フリーマン型イオン源を提供することを目的とするもの
である。
ズマ、イオンビ−ムの特性の変化を抑えることができる
フリーマン型イオン源を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、フリーマン型
イオン源において、円筒状の熱電子放出用フィラメント
と、このフィラメントの内部に設けられた磁界調整用導
体とを有することを特徴とするものである。
イオン源において、円筒状の熱電子放出用フィラメント
と、このフィラメントの内部に設けられた磁界調整用導
体とを有することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】円筒状の熱電子放出用フィラメントの消耗に伴
い、そのフィラメント電流が減少すると、熱電子放出用
フィラメントの内部に設けられた磁界調整用導体に電流
を流し、熱電子放出用フィラメントの周囲の回転磁界の
強度を一定に保つ。プラズマの特性、したがってイオン
源から引出されるイオンビ−ムの特性の変化が抑えられ
る。
い、そのフィラメント電流が減少すると、熱電子放出用
フィラメントの内部に設けられた磁界調整用導体に電流
を流し、熱電子放出用フィラメントの周囲の回転磁界の
強度を一定に保つ。プラズマの特性、したがってイオン
源から引出されるイオンビ−ムの特性の変化が抑えられ
る。
【0009】
【実施例】本考案の実施例について図面を参照して説明
する。図1は一実施例の要部断面図であり、図2と同一
符号は同等部分を示す。熱電子放出用フィラメント4は
円筒状に形成し、絶縁部材5によってアークチェンバ1
の端部に絶縁して取り付けられる。熱電子放出用フィラ
メント4の内部に磁界調整用導体7を設け、この導体7
は絶縁部材8によって熱電子放出用フィラメント4に対
して絶縁して配置し、熱電子放出用フィラメント4と磁
界調整用導体7とは二重構造、同軸構造に構成されてい
る。熱電子放出用フィラメント4と磁界調整用導体7に
は、その図示を省略した独立の電源から電流導入端子
6、9を介してフィラメント電流、磁界調整電流を供給
する。アークチェンバ1に対し、熱電子放出用フィラメ
ント4は負電位にバイアスされ、磁界調整用導体7はア
ークチェンバ1と同電位にする。
する。図1は一実施例の要部断面図であり、図2と同一
符号は同等部分を示す。熱電子放出用フィラメント4は
円筒状に形成し、絶縁部材5によってアークチェンバ1
の端部に絶縁して取り付けられる。熱電子放出用フィラ
メント4の内部に磁界調整用導体7を設け、この導体7
は絶縁部材8によって熱電子放出用フィラメント4に対
して絶縁して配置し、熱電子放出用フィラメント4と磁
界調整用導体7とは二重構造、同軸構造に構成されてい
る。熱電子放出用フィラメント4と磁界調整用導体7に
は、その図示を省略した独立の電源から電流導入端子
6、9を介してフィラメント電流、磁界調整電流を供給
する。アークチェンバ1に対し、熱電子放出用フィラメ
ント4は負電位にバイアスされ、磁界調整用導体7はア
ークチェンバ1と同電位にする。
【0010】熱電子放出用フィラメント4には従来のフ
リーマン型イオン源の場合と同様にフィラメント電流を
供給する。イオン源の運転に伴い同フィラメント4が消
耗すると、フィラメント電流は減少する。この電流の減
少により回転磁界強度が減少するが、磁界調整用導体7
に熱電子放出用フィラメント4と同方向の磁界調整電流
を流し、この電流の回転磁界によって、熱電子放出用フ
ィラメント電流による回転磁界強度の減少を補償し、熱
電子放出用フィラメント4周囲の回転磁界の強度を一定
に保つ。
リーマン型イオン源の場合と同様にフィラメント電流を
供給する。イオン源の運転に伴い同フィラメント4が消
耗すると、フィラメント電流は減少する。この電流の減
少により回転磁界強度が減少するが、磁界調整用導体7
に熱電子放出用フィラメント4と同方向の磁界調整電流
を流し、この電流の回転磁界によって、熱電子放出用フ
ィラメント電流による回転磁界強度の減少を補償し、熱
電子放出用フィラメント4周囲の回転磁界の強度を一定
に保つ。
【0011】
【考案の効果】本考案は以上説明したように構成したの
で、熱電子放出用フィラメントの消耗した場合にあって
も、回転磁界の強度を一定に維持することができるか
ら、アークチェンバ内のプラズマ生成状態が一定に保た
れ、特性が一定のイオンビ−ムを引出すことができ、イ
オン注入装置は、運転パラメータの完全自動化を達成す
ることが可能となる。
で、熱電子放出用フィラメントの消耗した場合にあって
も、回転磁界の強度を一定に維持することができるか
ら、アークチェンバ内のプラズマ生成状態が一定に保た
れ、特性が一定のイオンビ−ムを引出すことができ、イ
オン注入装置は、運転パラメータの完全自動化を達成す
ることが可能となる。
【図1】本考案の実施例の要部断面図である。
【図2】従来のフリーマン型イオン源の一例の要部断面
図である。
図である。
1 アークチェンバ 2 イオン引出し孔 3 ガス導入口 4 熱電子放出用フィラメント 5、8 絶縁部材 6、9 電流導入端子 7 磁界調整用導体
Claims (1)
- 【請求項1】 円筒状の熱電子放出用フィラメントと、
このフィラメントの内部に設けられた磁界調整用導体と
を有することを特徴とするフリーマン型イオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9068691U JP2539891Y2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | フリーマン型イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9068691U JP2539891Y2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | フリーマン型イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0732850U JPH0732850U (ja) | 1995-06-16 |
JP2539891Y2 true JP2539891Y2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=14005423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9068691U Expired - Lifetime JP2539891Y2 (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | フリーマン型イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2539891Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-10-09 JP JP9068691U patent/JP2539891Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0732850U (ja) | 1995-06-16 |
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