JP2539601B2 - 車輌用変速装置 - Google Patents

車輌用変速装置

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JP2539601B2 JP60160130A JP16013085A JP2539601B2 JP 2539601 B2 JP2539601 B2 JP 2539601B2 JP 60160130 A JP60160130 A JP 60160130A JP 16013085 A JP16013085 A JP 16013085A JP 2539601 B2 JP2539601 B2 JP 2539601B2
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、変速レバーに連動してクラッチを切るレリ
ーズ機構を備えた車輌用変速装置に関するものである。
(発明の背景) 自動2輪車や不整地走行用3,4輪車等において、足動
式のシフトペダルを操作すると、この操作に連動してク
ラッチが切れてその間に変速が行われ、シフトペダルを
復帰させるとクラッチが接続するようにしたレリーズ機
構を有するものがある。このようなレリーズ機構を設け
ることにより、手動によるクラッチ操作が不要になり、
運転が容易になる。
このレリーズ機構として、ボールを挟む2枚のカム板
の一方を回転可能な入力部材とし、他方のカム板を直線
運動可能な出力部材としたものがある。ここに従来はこ
のレリーズ機構を、クラッチを覆うカバーの内面に取付
けていた。このシフトペダルが固定される変速軸はクラ
ンクケースに保持されるから、この場合にはクランクケ
ース側の変速軸の動きを、クラッチカバー側に取付けた
レリーズ機構に伝達しなければならない。従って組立性
を考慮すると変速軸とレリーズ機構との連動機構に適宜
の遊びを持たせる必要が生じ、クラッチの断続動作と変
速機の変速との連動タイミングが不正確になり易いとい
う不都合が生じる。
また従来はレリーズ機構をクラッチとクラッチカバー
との間に配置していたため、クラッチカバーの突出量が
大きくなりエンジンが大型化するという問題もあった。
第7図はさらに他の従来装置を示す側面配置図であ
る。この装置ではクラッチ1の半径内に重なるようにレ
リーズ機構2をクラッチカバー内面に取付け、このレリ
ーズ機構2の回動する入力部材3の周縁部に凹部4を形
成する一方、変速軸5に固定されたレバー6の回動端を
この凹部4に係合させていた。そして直線運動する出力
部材7の動きを、クラッチカバー内面に支持したレバー
8によりクラッチ1に伝えるようにしていた。このため
クラッチ1の切代や断続操作力を変更する場合には入力
部材3とレバー6とを共に交換しなければならず設計変
更に対する自由度が小さいという問題もあった。
(発明の目的) 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
クラッチとの断続と変速機の変速との連動タイミングを
高精度に設定でき、エンジンの小型化が図れ、さらにク
ラッチの切代や断続操作力の変更に対する設計自由度が
大きくなるようにして車輌用変速装置を提供することを
目的とする。
(発明の構成) 本発明によればこの目的は、操向バーハンドルと、鞍
乗型運転シートと、この運転シートの下方に位置するエ
ンジンとを備え、前記エンジンは車体幅方向のクランク
軸と、このクランク軸の一端に設けた発進用遠心クラッ
チと、変速機の主軸に設けた変速用クラッチと、この変
速用クラッチを変速レバーの操作に連動して切るレリー
ズ機構とを備える車輌用変速装置において、前記発進用
遠心クラッチを前記変速用クラッチの車体幅方向外側に
両クラッチが側面視重なるように配設し、前記レリーズ
機構は、変速用クラッチの中心から変速軸より遠い位置
でクランクケースに植設したクランク軸と平行な軸に保
持された入力部材の回転運動を同じ軸に保持された出力
部材のこの軸上の直線運動に変えるカム式の変換機構
と、前記変速レバーが固定された変速軸の回動を前記入
力部材に伝える平歯車機構と、前記変速用クラッチのカ
バーに側面視変速用クラッチの径内で支持され両端がそ
れぞれ前記出力部材と変速用クラッチのプレッシャープ
レートとに係接するレバーと備え、前記変換機構は、前
記変速用クラッチの径方向の外側で変速用クラッチの厚
さの幅内に配設されているこを特徴とする車輌用変速装
置、により達成される。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の展開平面図、第2図は変
速軸とレリーズ機構との連動機構を示す右側面図、第3
図は同じく変速機構を示す右側面図、第4図はエンジン
全体の展開平面図、第5図は同じくエンジン全体の左側
面図、第6図はこのエンジンを搭載した不整地走行用4
輪車の左側面図である。
第6図において符号10は車体フレーム、12は左右一対
の操向前輪、14は左右一対の駆動後輪であり、これら前
輪12および後輪14には幅広超低圧タイヤ(いわゆるバル
ーンタイヤ)が装着されている。16は後輪14を上下動自
在に保持するリヤアーム、18は緩衝器である。
20は車体中央付近に搭載された空冷単気筒エンジン、
20aは車体上部に取付けられた鞍乗型運転シート、20bは
操向バーハンドル、20cは前フェンダ、20dは後フェンダ
である。
エンジン20は第4図に示すように、左右割りのクラン
クケース22(22a,22b)に保持された横置きのクランク
軸24、変速主軸26、変速副軸28、中間軸30、出力軸32、
アイドル軸34を備える。クランク軸24の回転はその右端
に装着された発進用遠心クラッチ36、減速小歯車38、減
速大歯車40および変速用多板クラッチ42を介して変速主
軸26に伝えられる。変速主軸26および副軸28には公知の
常時噛合式変速機44を形成する歯車群が組付けられてい
る。第1,2,3,5図で46は変速ドラムであり、この変速ド
ラム46は足動式の変速レバー48(第1,6図)に連動して
回動し、変速フォーク50,52(第5図)を移動させるこ
とにより変速が行われる。変速副軸28の回転は中間軸30
上の歯車54,56(第4図)を介して出力軸32に遊転可能
に保持された前進用歯車58に伝えられる。また変速主軸
26の回転はこの主軸26上の歯車60によりアイドル軸34に
伝えられ、このアイドル軸34の回転は出力軸32上に遊転
可能に保持された後進用歯車62に伝えられる。
出力軸32には両歯車58,62間にあって軸方向にのみス
ライド可能な前後進切換用スリーブ64が取付けられてい
る。このスリーブ64は歯車58,62とドッグクラッチを形
成する。第5,6図で66は前後進切換レバー、第5図で68
は前後進切換ドラム、70は両者を連動させるリンクであ
る。切換レバー66により切換ドラム68が一方に回動する
とフォーク72によりスリーブ64は一方に移動して歯車5
8,62のいずれかに係合する。このように切換レバー66を
前後に傾けることによりスリーブ64が移動し、前後進の
切換えが行われる。
次に変速機44の変速機構およびレリーズ機構を第1,2,
3図に基づいて説明する。これらの図で80は変速軸であ
り左右のクランクケース22a,22bを貫通している。この
変速軸80の左端には前記変速レバー48が固定されてい
る。変速軸80の右端にはカラー82が回転自在に取付けら
れ、また駆動レバー84が固着されている。カラー82には
被動レバー86が固着されている。被動レバー86には第3
図に示すように開口部88が形成され、前記駆動レバー84
の回動端にはこの開口部88を通ってクランクケース22b
側へのびる折曲部84cが形成されている。クランクケー
ス22bにはこの開口部88内へ突出するピン90が植設され
ている。また被動レバー86にはクランクケース22b側へ
のびる折曲部86aが形成されている。これらの折曲部86
a,ピン90、折曲部84aは変速軸80の半径方向に順次配列
されている。92は復帰用ばねであり、カラー82に保持さ
れ、その両端が折曲部84a,86aおよびピン90を両側から
挟んでいる。
このため駆動レバー84および被動レバー86が変速軸80
を中心にして回動すれば、折曲部84a,86aはばね92を押
し開く。なお駆動レバー84の折曲部84aと被動レバー86
の開口部88内縁との間には第3図に示すように、復帰状
態において僅かな間隙が形成される。従って変速軸80の
回動初期のある角度範囲では被動レバー86は回動せず、
折曲部86aが開口部88の内縁に当接した後被動レバー86
も回動を始める。
被動レバー86の他端には爪94がピン96により揺動自在
に取付けられている。爪94と被動レバー86にはピン96の
半径方向に順次配列された折曲部94a,86bが形成されて
いる。98はピン96に取付けられた復帰用ばねであり、こ
のばね98の両端は2つの折曲部94a,86bを両側から挟ん
でいる(第2,3図)。
前記変速ドラム46にはカム板100が固定され、このカ
ム板100に植設された複数のピン102に前記爪94が掛脱し
て変速ドラム46が回動される。すなわち被動レバー86が
回動すると爪94がピン102に係合して変速ドラム46を所
定量回動する。被動レバー86が元の位置に復帰する時に
は、爪94は折曲部94aでばね98を押し開きつつ揺動して
ピン102を乗り越え、復帰するのである。なおカム板100
にはカムフォロワ(図示せず)が弾接し、変速ドラム46
の変速位置決めを行う。
次にレリーズ機構を説明する。104はカム式の変換機
構であり、クランクケース22bに植設された軸106と、こ
の軸106に回動自在に保持された入力部材108と、この軸
106に保持された出力部材110と、これら入、出力部材10
8,110の対向面にそれぞれ形成されたカム108a,110a(第
1図)間に挟まれたボール112とを備える。出力部材110
はケランクケース22bに突設されたピン114に係合してそ
の回動が規制され、軸106と平行な直線運動のみが許容
される。ここに軸106から変速用クラッチ42の中心に至
る距離は、変速軸80からクラッチ42の中心に至る距離よ
りも大きい。
116は平歯車機構であり、前記変速軸80に固着された
歯車116aと、入力部材108に固着された歯車116bとで形
成され、変速軸80の回動を入力部材108に伝える作用を
持つ。118はレバーであり、クラッチカバー120の内面に
支持され、この支持点は側面視クラッチ42の径内に位置
する(第1、4図参照)。すなわちこのレバー118を揺
動自在に支持する支持部材122は、クラッチカバー120に
螺入された筒状の調整ボルト124内に螺入され、この調
整ボルト124の回動により支持部材122はクランク軸24と
平行に移動する。ここに調整ボルト124の内外面のねじ
は一方が逆ねじになっている。レバー118の一端は前記
出力部材110に当接し他端はクラッチ42のプレッシャー
プレート42aにスラスト軸受126を介して当接する。
従って今変速レバー48を足で僅かに踏込むかけり上げ
れば、変速軸80が僅かに回動し、変換機構の入力部材10
8が回動する。従ってボール112とカム108a,110aの作用
により出力部材110が第1図で右方向へ移動し、レバー1
18はプレッシャブレート42aを左方向へ押圧する。この
ためクラッチ42が切れる。
変速レバー48をさらに踏込むかけり上げれば、駆動レ
バー84と折曲部84aが被動レバー86の開口部88に係接
し、被動レバー86も回動し始める。このため変速ドラム
46は所定量だけ回動し変速が行われる。
変速レバー48を戻せば出力部材110も復帰しクラッチ4
2は再び接続される。
クラッチ42の切代や断続操作力を調整するためには歯
車機構116の歯車116aと116bとの速比を変えればよく、
クラッチ42のクラッチ容量の変更などの設計変更に対す
る設計自由度が増えて好ましい。またクラッチ42の断続
タイミングの調整は調整ボルト124を回動しレバー118の
支点を移動させることにより行うことができる。
本発明では、発進用遠心クラッチを変速用クラッチよ
りも車体幅方向外側に位置させ、変速用クラッチのカバ
ーにこの変速用クラッチを断続するレバーを支持してい
るから、このクラッチカバーが車体幅方向へ突出しても
発進用遠心クラッチが同方向に突出するからエンジン幅
が増えることがない。また変速軸80の回動を軸方向の直
線運動に変える変速機構は、クラッチ42の外周の外側で
あってかつクラッチ42の厚さの幅内に配設されているの
で、エンジン20の幅が広がらず、エンジン20の小型化が
図れる。
以上の実施例においては交換機構はボール112とカム1
08a、110aとを有するが、本発明はこれに限られるもの
でないのは勿論である。
(発明の効果) 本発明は以上のように、変速軸の回動を直線運動に変
える変換機構を変速用クラッチの外径の外側のクランク
ケースに配置したから、従来のもののようにこの変換機
構をクラッチカバー側に設ける場合に比べてクラッチカ
バーの突出量が少なくなり、エンジンの小型化が可能に
なる。また変速軸と変換機構とは共にクランクケース側
にあって、クラッチカバー装着前に両者の調整は正確に
行えるから、遊びを減らし精度を向上させることが可能
になる。さらに変速軸の回動は歯車機構によって変換機
構の入力部材に伝えられるので、歯車機構の変速比の変
更のみでクラッチの切代や断続操作力の変更ができ、設
計自由度が増えて好ましい。
この変速装置を組み込んだエンジンはクランク軸を横
向きにして鞍乗型運転シートの下方に搭載され、クラン
ク軸端に設ける発進用遠心クラッチが変速用クラッチよ
りも車体幅方向外側に位置するから、変速用クラッチの
カバーに変速用クラッチの断続用レバーを支持してもエ
ンジン幅が全く増えないか増えたとしても極く僅かでエ
ンジンの小型化に適する。またこのクラッチ断続用レバ
ーの支点は側面視変速用クラッチの径内にあり、このレ
バーの一端を押す変換機構の軸は変速用クラッチの中心
から変速軸までの距離よりも遠い位置に配置しているの
で、設計自由度が増える。例えば断続用レバーを十分に
長くしてその操作力を軽くすることができる。すなわち
変速レバーによる変速操作を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の展開平面図、第2図は変速
軸とレリーズ機構との連動機構を示す右側面図、第3図
は同じく変速機構を示す右側面図、第4図はエンジン全
体の展開平面図、第5図は同じくエンジン全体の左側面
図、第6図はこのエンジンを搭載した不整地走行用4輪
車の左側面図である。また第7図は従来装置の側面配置
図である。 20……エンジン、 20a……鞍乗型運転シート、 20b……操向バーハンドル、 24……クランク軸、 26……変速主軸、 36……発進用遠心クラッチ、 42……変速用クラッチ、 42a……プレッシャプレート、 44……変速機、 48……変速レバー、 80……変速軸、 104……カム式の変速機構、 108……入力部材、 110……出力部材、 116……平歯車機構、 118……レバー、 120……クラッチカバー。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操向バーハンドルと、鞍乗型運転シート
    と、この運転シートの下方に位置するエンジンとを備
    え、前記エンジンは車体幅方向のクランク軸と、このク
    ランク軸の一端に設けた発進用遠心クラッチと、変速機
    の主軸に設けた変速用クラッチと、この変速用クラッチ
    を変速レバーの操作に連動して切るレリーズ機構とを備
    える車輌用変速装置において、 前記発進用遠心クラッチを前記変速用クラッチの車体幅
    方向外側に両クラッチが側面視重なるように配設し、前
    記レリーズ機構は、変速用クラッチの中心から変速軸よ
    り遠い位置でクランクケースに植設したクランク軸と平
    行な軸に保持された入力部材の回転運動を同じ軸に保持
    された出力部材のこの軸上の直線運動に変えるカム式の
    変換機構と、前記変速レバーが固定された変速軸の回動
    を前記入力部材に伝える平歯車機構と、前記変速用クラ
    ッチのカバーに側面視変速用クラッチの径内で支持され
    両端がそれぞれ前記出力部材と変速用クラッチのプレッ
    シャプレートとに係接するレバーと備え、前記変換機構
    は、前記変速用クラッチの径方向の外側で変速用クラッ
    チの厚さの幅内に配設されていることを特徴とする車輌
    用変速装置。
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