JP2539188Z - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】 本考案はＩＣカードドライブ装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 周知の通りＩＣカードドライブ装置は、ＩＣカードが挿入される収容ケースと
、上記ＩＣカード収容ケース内に挿入されたＩＣカードの複数の導体が接続され
る複数の導電性接点を有する電気コネクタより成る。而も上記ＩＣカード収容ケ
ースはＩＣカードが、そこへ挿入されたり、そこから外脱されたりする為に、Ｉ
Ｃカードの挿入、外脱の為のガイド手段をもっている。 【０００３】 そこで従来のＩＣカード収容ケースをみてみると、実開昭６２−１４７０１９
、実開昭６３−４０８６、実開平２−３８６５３にみられる如く合成樹脂にて箱
状に成型し、箱状の前面を開口させ、その開口から内部にＩＣカードを挿入する
構造となっている。 【０００４】 【考案が解決しようとする課題】 上記従来技術によると次の課題がある。 即ちＩＣカードの小形化、薄形化に伴いＩＣカードドライブ装置及びそれを構成
するＩＣカード収容ケースも小形化、薄形化が要求される所であるが、合成樹脂
成型品であると、必要強度を満たした上で小形化、薄形化するのに一定の限度が
あるものであった。 又、ＩＣカードの電気シールドを図る上で合成樹脂製収容ケース上に別部材とし ての金属片を設けるので製造工数も大となる所であった。 特に合成樹脂製なので成型金型が必要な上、組立工数も大となるものであった。 【０００５】 【目的】 従って本考案の目的とする所は、より小形化、薄形化が可能なＩＣカード収容
ケースをもつＩＣカードドライブ装置を提供するにある。又ＩＣカードのシール
ドを図る上で特別の他の部材を用いる必要のない手段を提供するにある。加えて
、一枚の金属板から型打ちし、折曲げるだけでＩＣカードのガイド手段を形成で
き、組立工数が少なく、その結果生産コストの低廉化を図ることのできる手段を
提供するにある。 【０００６】 【課題を解決する為の手段】 上記目的を達成する為に本考案は次の技術的手段を有する。 即ち実施例に対応する添付図面の符号を用いてこれを説明すると、本考案の特徴
とする所は、ベース部材１２に複数の導電性接点３６を有する電気コネクタと、
上記電気コネクタのベース部材１２の導電性接点３６の上方に位置し、ＩＣカー
ド１６が挿入されるＩＣカード収容ケース１４とを有し、上記ＩＣカード収容ケ
ース１４内にＩＣカード１６を挿入して、このＩＣカード収容ケース１４を下方
の電気コネクタに対して閉じることにより、ＩＣカード１６の複数の導体を電気
コネクタの複数の導電性接点３６の各々に接続し、而も上記ＩＣカード収容ケー
ス１４は、薄い平坦な本体４４と、この薄い平坦な本体４４に形成されたＩＣカ
ード１６の左右側面１６ｍ，１６ｎをガイドするガイド手段及び挿入されたＩＣ
カード１６の先端縁１６ａが当接する後部フランジ５４が備えられているＩＣカ
ードドライブ装置に於いて； 上記ＩＣカード収容ケース１４の左右のガイド手段５２各々は、ＩＣカード収容
ケース１４本体を形成する一枚の金属板を型打ちして形成される左右各々の打抜
片５２’を、上記ＩＣカード１６の左右側面各々１６ｍ，１６ｎを案内保持する
形状に上記薄い平坦な本体４４から上方向へ折曲げ形成した垂直面５２ａと、上
記薄い平坦な本体４４に対して水平となる水平面５２ｂより成ると共に上記後部 フランジ５４は、ＩＣカード収容ケース１４本体を形成する一枚の金属板と型打
ちして形成される打抜片５４’を上記ＩＣカード１６の先端縁１６ａを受入れる
形状に上記薄い平坦な本体４４から、上方向へ折曲げ形成した垂直面５４ａと、
上記薄い平坦な本体４４に対して水平となる水平面５４ｂより成り、而も上記左
右のガイド手段５２と後部フランジ５４で囲まれた薄い平坦な本体４４の部分に
は、ＩＣカード１６の複数の導体が上記導電性接点３６に対して接する為の開口
６３が設けられていることを 特徴とするＩＣカードドライブ装置である。 【０００７】 【作用】 上記構成によると、ＩＣカード収容ケース１４の左右各々のガイド手段５２及
び後部フランジ５４は一枚の金属板を型打ちした左右各々の型抜き片５２’，５
４’を、薄い平坦な本体４４から上方向へ折曲げて垂直面５２ａ，５４ａとした
部分と、薄い平坦な本体４４に対して水平となる水平面５２ｂ，５４ｂとより成
る。 従ってこのガイド手段５２によって、ＩＣカード１６が挿入、外脱の際スムース
に案内される。所で金属板より成るので小型化、薄型化が可能となると共に、Ｉ
Ｃカードのシールドの為の別部材としての金属片を要しない。特に一枚の金属板
を型打ちして折曲げて左右にガイド手段及び後部フランジを形成するので、組立
工数も少であり、コストを低廉化しやすい。 【０００８】 【実施例】 次に図面を参照しながら本考案の実施例を説明する。まず図１は、本考案の概
念を具体化したＩＣカードドライブ装置を符号１０で示す。これは極めて簡単な
構造であり、基本構成部品は２つしかない。つまり、符号１２で示すベース部材
と、このベース部材１２に対して上方に位置する符号１４で示すＩＣカード収容
ケースである。以下にさらに詳しく述べるように、図１は、ＩＣカード１６をＩ
Ｃカード収容ケース１４に矢印Ａの方向に差し込もうとしている状態を示す。Ｉ
Ｃカードは従来または既知の構造の小型ＩＣカードであり、その底部に端子配列
を含む（図１には図示せず）。 【０００９】 次に、図２を図１と関連付けて説明する。ベース部材１２は、隆起部２０を含
む平坦な基部１８を有する。基部１８の後部には、１対の後方に突き出た谷部２
２とフック部２４とを有するヒンジ手段がある。基部１８の前方にはラッチフラ
ンジ２６が突き出ており、ラッチショルダ２８を構成する。基部１８の下側には
、たとえばプリント印刷板の適切な取付穴に取り付けるための複数の取付ペグ３
０が垂下している。最後に、符号３６で示される複数の接点をベース部材１２に
取り付けるために、複数のスロット３２および複数の貫通穴３４が設けられてお
り、後でさらに詳しく説明するが、これによって接点３６の一部分が、図１およ
び図２から分かるようにベース部材の上面に露出する。 【００１０】 ベース部材は、谷部２２、フック部２４、ラッチフランジ２６、および取付ペ
グ３６をはじめとする上述のすべての要素を含め、プラスチック等の誘電材料で
一体的に成形された単独のコンポーネントから成る。 【００１１】 図４および図５を図１および図２と関連させながら説明する。図４はベース部
材の底面図であり、図５は、図１の線５−５におけるベース部材の断面図である
。これらの図は、ベース部材の接点３６の構成および取付状態を最もよく示して
いる。各接点３６は、一端が足３６ｂで終わるほぼ水平の支柱３６ａを含む。接
点は、弾性またはばね用支柱３６ｃが水平支柱３６ａの上部で逆向きに折曲げら
れた状態に形成し、これによって弾性支柱がベース部材の上部表面から上に突き
出し、その上面に露出する。各接点３６は、ベース部材のそれぞれの穴３４に圧
入した取付フランジまたはボス部３６ｄによってベース部材に取り付けられる。
図５に示すベース部材は、取付ペグ３０をプリント配線板の適切な取付穴に挿入
することによってプリント配線板４０に取り付けられた状態である。接点３６が
ベース部材１２内部に正しく取り付けられ、ベース部材が図５に示すように印刷
配線板４０に取り付けられると、接点の足３６ｂは、プリント配線板の上面の適
切な回路トレースと表面接触した状態に維持される。 【００１２】 次に、図３を図１と関連付けながら説明する。ＩＣカード収容ケース１４は、
薄板金を型打ちして、作成したワンピースコンポーネントである。即ちＩＣカー
ド収容ケース１４は、薄い平坦な本体４４、本体の後部から突き出たガイド舌４
６、本体の横方向に伸長した後部スロット４８、本体の前部に配置したラッチア
ーム５０、本体の上面より少し持ち上がった状態で空間を置いて配置するように
形成された１対のＩＣカードガイド手段５２、および同様の後部フランジ５４よ
り成る。上記ＩＣカードガイド手段５２と後部フランジ５４は全部、本体の中央
方向に突き出ており、矢印Ｂで示すように、本体４４の上面とＩＣカードガイド
手段５２、後部フランジ５４の下面との間にＩＣカード１６のレセプタクル手段
を構成する。上記左右のＩＣカードガイド手段５２の各々について詳述すると、
一枚の金属板を型打ちすると、三方が切り欠かれ打抜片５２’が形成される。こ
の各打抜片５２’を先ず電気コネクタのベース部材１２の導電性接点３６側に対
して反対方向となる方向即ち、本体４４に対して上方向へ折曲げて、垂直面５２
ａとし、更に水平に曲げ水平面５２ｂとする。これによってＩＣカード１６は本
体４４と水平面５２ｂの間にはさまれ、且つＩＣカード左右側面１６ｍ，１６ｎ
が垂直面５２ａにガイドされる。そして上記後部フランジ５４について詳述する
と、上記後部フランジ５４は、ＩＣカード収容ケース１４本体を形成する一枚の
金属板を型打ちして形成される打抜片５４’を、上記ＩＣカード１６の先端縁１
６ａを受け入れる形状に、上記電気コネクタのベース部材１２の導電性接点３６
側に対して反対方向となる方向即ち、本体４４に対して上方向へ折曲げて垂直面
５４ａとし、更に水平に曲げた水平面５４ｂより成る。 そして、これら左右のガイド手段５２と、後部フランジ５４で囲まれた薄い平坦
な本体４４の部分には、ＩＣカード１６の複数の導体が上記導電性接点３６に対
して接する為の開口６３が設けられているものである。 【００１３】 ＩＣカード収容ケース１４をベース部材１２に組み立てるときは、ＩＣカード
収容ケース１４をベース部材１２より後方に突き出すようにした状態でＩＣカー
ド収容ケース１４の後縁部５６をベース部材１２の谷部２２の谷面５８（図２）
に着座させる。次に、ＩＣカード収容ケース１４を矢印Ｃ（図１）の方向に前方 に旋回させると、ベース部１２のフック部２４の遠端２４ａがＩＣカード収容ケ
ース１４のスロット４８に入り込み、ＩＣカード収容ケース１４がフック部に捕
捉される。ベース部材１２に対するＩＣカード収容ケース１４の横方向の位置決
めは、ベース部材１２の後方に開いた凹部６０（図２）内にガイド舌４６を置く
ことによって容易に達成される。ガイド舌４６の縁が突起６２の片側と接触する
ことにより、ＩＣカード収容ケース１４は図１に示すプリロード位置に維持され
る。 【００１４】 図１に示すようにベース部材１２に取り付けたＩＣカード収容ケース１４は、
ＩＣカード１６のキャリアとなり、収容ケース１４自体がＩＣカード１６の移動
媒体となるので、手動操作によってベース部材１２のレセプタクルにカード１６
を入れる必要がない。オペレータは、ＩＣカード１６の端子配列に触れる可能性
を排除するためにＩＣカード１６の縁部をつかみ、図１に示すプリロード位置に
あるＩＣカード収容ケース１４のガイド手段５２の間の下部に、カード１６を矢
印Ａの方向に、ＩＣカード１６の先端縁１６ａが収容ケース１４の後部フランジ
５４の下に着座するまで差し込むだけである。 【００１５】 ガイド舌４６を突起６１の上に乗せるために必要な力をＩＣカード収容ケース
１４に掛けた後ＩＣカード収容ケース１４とそれに受容されたＩＣカード１６は
、オペレータがそれ以上ＩＣカード１６に触れることなく、図１に矢印Ｄで示す
ように、下向きにベース部材１２の上面に対して閉じることができる。完全に閉
じると、ＩＣカード１６の下側にある端子配列が、いくつかの接点３６の弾性支
柱３６ｃと係合する。弾性支柱はばねになっており、伸縮可能であるので、端子
と接点間の確実な接触を維持することができる。完全に閉じると、ＩＣカード収
容ケース１４の正面部のラッチアーム５０が、ベース部材１２のラッチフランジ
２６のショルダ２８の後部に嵌まり、収容ケースは完全に閉じた状態に固定され
、ＩＣカードの端子配列は接点３６に確実に成端される。ラッチアームは図に示
すように片持式であり、その弾性により、ＩＣカード収容ケース１４はベース部
材１２のフック部２４にしっかりと係合される。カバーを開け、ＩＣカードをベ
ー ス部材１２および接点３６から離すときは、オペレータがラッチアーム５０をラ
ッチフランジ２６のショルダ２８の下部から外すだけである。そうするとコネク
タが開き、これによりＩＣカード１６を取り外すことができるようになり、これ
らの操作はすべて、オペレータがＩＣカードの縁部を触れるだけで実行すること
ができる。 【００１６】 【効果】 以上詳述した如く本考案によれば、ＩＣカード収容ケースを金属板にて形成で
きるので、薄形化、小形化が可能であり、而もＩＣカードの電気シールドの為に
特別の付加部材を要せず、加えてＩＣカードガイド手段も金属板を型打ちし、折
曲げるだけでよいので組立工数が少なく製造しやすい利点をもつものである。

【図面の簡単な説明】 【図１】 本考案の概念を具体化するＩＣカードドライブ装置の斜視図であり、併せてＩ
Ｃカードを示した図である。 【図２】 ＩＣカードドライブ装置のベース部材の斜視図であり、ベース部材の接点がそ
の上部に露出している。 【図３】 ＩＣカード収容ケースの斜視図である。 【図４】 ベース部材の底面図である。 【図５】 図１の線５−５における縦断面図である。 【符号の説明】 １０ ＩＣカードドライブ装置 １２ ベース部材 １４ ＩＣカード収容ケース １６ ＩＣカード ３６ 接点 ４０ プリント配線板 ５２ ＩＣカードガイド手段 ５４ 後部フランジ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ベース部材１２に複数の導電性接点３６を有する電気コネクタ
   と、上記電気コネクタのベース部材１２の導電性接点３６の上方に位置し、ＩＣ
   カード１６が挿入されるＩＣカード収容ケース１４とを有し、上記ＩＣカード収
   容ケース１４内にＩＣカード１６を挿入して、このＩＣカード収容ケース１４を
   下方の電気コネクタに対して閉じることにより、ＩＣカード１６の複数の導体を
   電気コネクタの複数の導電性接点３６の各々に接続し、而も上記ＩＣカード収容
   ケース１４は、薄い平坦な本体４４と、この薄い平坦な本体４４に形成されたＩ
   Ｃカード１６の左右側面１６ｍ，１６ｎをガイドするガイド手段及び挿入された
   ＩＣカード１６の先端縁１６ａが当接する後部フランジ５４が備えられているＩ
   Ｃカードドライブ装置に於いて； 上記ＩＣカード収容ケース１４の左右のガイド手段５２各々は、ＩＣカード収容
   ケース１４本体を形成する一枚の金属板を型打ちして形成される左右各々の打抜
   片５２’を、上記ＩＣカード１６の左右側面各々１６ｍ，１６ｎを案内保持する
   形状に上記薄い平坦な本体４４から上方向へ折曲げ形成した垂直面５２ａと、上
   記薄い平坦な本体４４に対して水平となる水平面５２ｂより成ると共に上記後部
   フランジ５４は、ＩＣカード収容ケース１４本体を形成する一枚の金属板と型打
   ちして形成される打抜片５４’を上記ＩＣカード１６の先端縁１６ａを受入れる
   形状に上記薄い平坦な本体４４から、上方向へ折曲げ形成した垂直面５４ａと、
   上記薄い平坦な本体４４に対して水平となる水平面５４ｂより成り、而も上記左
   右のガイド手段５２と後部フランジ５４で囲まれた薄い平坦な本体４４の部分に
   は、ＩＣカード１６の複数の導体が上記導電性接点３６に対して接する為の開口
   ６３が設けられていることを特徴とするＩＣカードドライブ装置。 【請求項２】 上記ＩＣカード収容ケース１４は後端の所がベース部材１２の
   後端に対して回転可能に軸支され、上記ＩＣカード収容ケース１４をベース部材
   １２に対して開いた状態でこのＩＣカード収容ケース１４内にＩＣカード１６ を挿入した後に、このＩＣカード収容ケース１４をＩＣカード１６と共に上記ベ
   ース部材１２に対して閉じることによりＩＣカード１６の複数の導体と電気コネ
   クタの導電性接点３６が互いに接続するように上記電気コネクタの導電性接点３
   ６が上記ベース部材１２に設けられていることを特徴とする請求項１記載のＩＣ
   カードドライブ装置。