JP2538886Y2 - ゴルフ練習場用集球装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はゴルフ練習場用集球装置に関する。

（従来技術） ゴルフ練習場は地上に作られているのが一般である
が、特殊のゴルフ練習場としては池等貯水場の周縁部か
らボールを貯水場に向かって打ち放って水面に落下させ
るゴルフ練習場、すなわち貯水場が大部分を占めるゴル
フ練習場がある。

（考案が解決しようとする課題） ところで、後者のゴルフ練習場は使用されていない貯
水場を有効に利用し、または貯水場をより有効に利用す
る点では好ましいものであるが、打ち放たれて水面に落
下した多数のゴルフボールを回収するのに極めて多くの
労力が必要であり、かかる問題を解決しないかぎり決し
て運営上好ましいゴルフ練習場とは言えない。

従って、本考案の目的はかかる問題を解決して、遊休
の貯水場をゴルフ練習場として有効に利用し、または貯
水場をより高度に利用し得るようにすることにある。

（課題を解決するための手段） 本考案はゴルフ練習場用集球装置に関し、池等貯水場
の水面上に浮かび同貯水場の前後方向または左右方向に
連続的または断続的に延びる浮力部材と、同浮力部材上
に載置されて同浮力部材に沿って延び断面Ｕ字状を呈し
て上方に開口する溝部を形成する溝形成部材と、一端縁
部を同溝形成部材の各側開口縁部に沿って連結されると
ともに他端縁部を前記貯水場の各側周縁部に立設した支
柱に支持されて上下方向に移動可能に張設された少なく
とも一対の集球ネットと、前記浮力部材に連結されて同
浮力部材を所定の部位に静置させる固定部材を備えてい
ることを特徴とするものである。

（考案の作用・効果） かかる構成のゴルフ練習場用集球装置においては、少
なくとも一対の集球ネットが水面上、水中または空中に
張設されているため、貯水場に向かって打ち放たれた多
数のゴルフボールは各集球ネットの上にあり、これらの
集球ネットの他端縁部を上方へ移動させれば各集球ネッ
トはその一端縁部を支点として上方傾斜する。このた
め、集球ネット上のゴルフボールは集球ネット上にすく
い上げられるとともに、浮力部材上の溝形成部材が形成
する溝部内に集められ、これらのゴルフボールは適宜の
手段で回収することができる。

従って、当該集球装置によればゴルフボールの回収が
極めて容易であり、遊休の池等貯水場を従来に比較して
極めて有効にまたは高度に利用することができる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明するに、
第１図および第２図には本考案に係る集球装置を備えた
ゴルフ練習場が示されている。当該ゴルフ練習場は溜池
Ｐが大部分を占めていて、同溜池Ｐの前側にフィールド
Ｆが位置しかつ同フィールドＦの前側に多数の打席Ｈが
形成されている。かかるゴルフ練習場においては、溜池
ＰおよびフィールドＦの外周縁部に多数の支柱11が立設
されていて、各支柱11には防球ネット12が上下方向に張
設されている。

しかして、集球装置20は第１図〜第５図に示すように
浮力部材21、溝形成部材22、一対の集球ネット23,24お
よび固定部材25を備えているとともに、昇降駆動機構で
ある昇降滑車26およびウインチ27を備えている。

浮力部材21は、長方体の発泡スチロール21aを断面コ
字状の金属製のジョイントカバー21bにて接合してなる
長尺のもので、溜池Ｐの略中央部にて浮かんで前後方向
に延びている。溝形成部材22は上方に開口する断面Ｕ字
状で所定長さの金属製のＵ字溝部22aを長さ方向に多数
接合したもので、同溝部22aの外側下部に固着された左
右一対のアーム部22b、同溝部22aの外側上部に固定され
た左右一対の接続用ナット22c、および同溝部22aの開口
縁部に固着された門型の支持アーム部22dを備えてい
る。かかる溝部22aは長さ方向に互いに接合されてい
て、浮力部材21の中央部に載置されて同浮力部材21に沿
って延びている。固定部材25は金属製の固定ワイヤ25a
とコンクリート製のアンカー25bとからなり、固定ワイ
ヤ25aはアンカー25bと溝形成部材22のアーム部22bとに
連結されていて、同溝形成部材22を介して浮力部材21を
静置している。

各集球ネット23,24は溜池Ｐの前後方向の長さより若
干長い長さを有し、各一端縁部が溝形成部材22の支持ア
ーム部22dを通して接続用ナット22cに接続され、かつ各
他端縁部がガイドワイヤ13aを通して支柱11の上端部に
固定されている。また、各集球ネット23,24はその中間
部にて連結ワイヤ13bを介して昇降滑車26に連結されて
いる。同滑車26は支柱11に上下方向に張設されたガイド
ワイヤ13cに上下方向へ移動可能に組付けられていると
ともに、ウインチ27に巻回された連結ワイヤ27aに連結
されている。連結ワイヤ27aはウインチ27にて巻取りお
よび巻戻しされる。

なお、溝形成部材22の溝部22aは後方から前方に僅か
に下方傾斜しており、フィールドＦに設けた集球溝14に
連結されている。かかる集球溝14はフィールドＦの側部
に設けた集球ピット15に連結されていて、集球溝14内の
ゴルフボールは同溝14の傾斜および／または水流の作用
により集球ピット15に集まる。

かかる構成の集球装置20においては、各集球ネット2
3,24が水面上に張設されているため、溜池Ｐに向かって
打ち放たれた多数のゴルフボールＢは各集球ネット23,2
4の上にある。従って、ウインチ27を駆動して連結ワイ
ヤ27aを巻取れば、昇降滑車26が上昇して各集球ネット2
3,24の中間部を上方へ移動させ、各集球ネット23,24を
その一端縁部を支点として上方傾斜させる。このため、
集球ネット23,24上のゴルフボールＢは集球ネット23,24
上にすくい上げられるとともに、浮力部材21上の溝形成
部材22の溝部22a内に集められ、これらのゴルフボール
Ｂは集球溝14を経て集球ピット15に集合し、ここで回収
される。なお、第２図における符号Ｉは溜池に浮かぶ島
を模した浮き部材である。

従って、当該集球装置20によればゴルフボールの回収
が極めて容易であり、遊休の溜池等貯水場を従来に比較
して極めて有効にまたは高度に利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る集球装置を備えたゴルフ練習場の
概略平面図、第２図は同ゴルフ練習場における第１図の
矢印II-II線方向に見た部分拡大正面図、第３図は同集
球装置の部分拡大平面図、第４図は同集球装置における
第３図に示す部分の側面図、第５図は第３図の矢印Ｖ−
Ｖ線方向の拡大断面図である。 符号の説明 11……支柱、12……防球ネット、13a,13c……ガイドワ
イヤ、20……集球装置、21……浮力部材、22……溝形成
部材、22a……溝部、23,24……集球ネット、25……固定
部材、26……昇降滑車、27……ウインチ、Ｐ……溜池、
Ｆ……フィールド。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ゴルフ練習場の大部分を占める池等貯水場
   の水面上に浮かび同貯水場の前後方向または左右方向に
   連続的または断続的に延びる浮力部材と、同浮力部材上
   に載置されて同浮力部材に沿って延び断面Ｕ字状を呈し
   て上方に開口する溝部を形成する溝形成部材と、一端縁
   部を同溝形成部材の各側開口縁部に沿って連結されると
   ともに他端縁部を前記貯水場の各側周縁部に立設した支
   柱に支持されて上下方向に移動可能に張設された少なく
   とも一対の集球ネットと、前記浮力部材に連結されて同
   浮力部材を所定の部位に静置させる固定部材とを備えて
   なるゴルフ練習場用集球装置。