JP2538746Y2 - 熱電対の先端構造 - Google Patents

熱電対の先端構造

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JP2538746Y2
JP2538746Y2 JP182192U JP182192U JP2538746Y2 JP 2538746 Y2 JP2538746 Y2 JP 2538746Y2 JP 182192 U JP182192 U JP 182192U JP 182192 U JP182192 U JP 182192U JP 2538746 Y2 JP2538746 Y2 JP 2538746Y2
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sheath
tantalum
magnesia
thermocouple
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堪丈 立山
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高温測定用のシース型
熱電対の先端構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シース型熱電対は、先端が閉塞された鞘
(シース)の内部に、銅:コンスタンタン,アルメル:
クロメル等の素線を収容して構成されている。これら素
線は、シース内部にて先端同志が接合されており、その
接合部のゼーベック効果によって温度が検出されるよう
になっている。このようなシース型熱電対においては、
そのシースが金属性の場合、シース内部に絶縁材を充填
し、素線がシース内面に接触しないようにする必要があ
る。
【0003】本考案者は、上記シースに耐熱金属(タン
タル)を用いると共に、素線に高温用のもの(タングス
テン レニウム5%:タングステン レニウム26% )を用
いて高温測定用のシース型熱電対を開発することを思い
付いた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ここで、現在市販され
ている汎用のタンタル製シースは、両端が開口された筒
状シース内部に絶縁材としてマグネシア(酸化マグネシ
ウム)が充填されて構成されている。このマグネシアの
融点(2800℃)は、シースの材料であるタンタルの融点
(2996℃)よりも低い。
【0005】よって、シースの一端を閉塞すべくその開
口部を溶接閉塞しようとすると、シースの材料であるタ
ンタル(融点2996℃)が溶融する際にマグネシア(融点
2800℃)が昇華してしまい、シース先端内部が空洞にな
ってしまうという問題が生じた。つまり、シース先端の
溶接閉塞時、マグネシアが昇華してその昇華ガスによっ
て溶融したシース先端のタンタルが吹き飛ばされてしま
う。この結果、シース先端部のシールが不可能となる。
【0006】以上の事情を考慮して創案された本考案の
目的は、シース先端を溶接閉塞する際にシース内部の絶
縁材が昇華することはなく、シース先端内部が空洞にな
らない熱電対の先端構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、タンタルからなる筒状のシース内部に絶縁
材としてマグネシアが充填されたシース型熱電対におい
て、シース内部先端の二本の素線の接合点近傍のマグネ
シアを取り除き、代わりにボロンナイトライドを充填し
た後、シース開口部を溶接によって閉塞して構成されて
いる。
【0008】
【作用】上記構成によれば、シース内部先端のマグネシ
アを取り除き、代わりにマグネシアよりもタンタルより
も融点の高いボロンナイトライドを充填するようにした
ので、シース先端の開口部を溶接しても(即ちタンタル
を溶融させても)ボロンナイトライドが昇華することは
ない。この結果、シース先端内部が空洞になることはな
い。
【0009】
【実施例】以下に本考案の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0010】図1(c) は、熱電対1の先端構造を示す側
断面図である。図示するように、この熱電対1は、タン
タル(Ta)からなる筒状のシース2内部に、二本の素線3
a,3b(タングステン レニウム5%:タングステン
レニウム26% )が長手方向に沿って収容されている。こ
れら素線3a,3b(W-Re5%:W-Re26%)は、その先端部
が接合(接合部4)されており、シース2内部に充填さ
れた絶縁材(後述するボロンナイトライド5とマグネシ
ア6)によって、シース2内面に接触しないように支持
されている。
【0011】上記絶縁材5,6は、素線3a,3b先端
の近傍部にあってはボロンナイトライド(BN)5が用いら
れ、それ以外に部分にあってはマグネシア(MgO) 6が用
いられている。また、筒状シース2先端の開口部7に
は、シース2と同じ材質の即ちタンタル製の蓋材8が溶
接によって取り付けられている。
【0012】このシース型熱電対1は、図1(a),(b) の
工程を経て製造される。
【0013】まず、図1(a) に示すように、市販されて
いる汎用のタンタル製シース2を用意する。汎用タンタ
ル製シース2は、両端が開口された筒状のタンタル製シ
ース2内部に、上記素線3a,3bおよび絶縁材として
のマグネシア6が充填されて構成されている。このマグ
ネシア6の融点(2800℃)は、シース2の材料であるタ
ンタルの融点(2996℃)よりも低い。
【0014】次に、図1(b) に示すように、シース2内
部先端のマグネシア6を掻き出すことによって取り除
き、露出した素線3a,3b(W-Re5%:W-Re26%)の先端
同志をアルゴン溶接によって接合(接合部4)する。溶
接接合後、接合部4の健全性をチェックすべく素線3
a,3bの他端3x,3yにテスターを当て、接合部4
の導通チェックを行う。
【0015】次に、図1(c) に示すように、シース2内
部先端のマグネシア6を取り除いた部分に、代わりにボ
ロンナイトライド5を充填する。このボロンナイトライ
ド5の融点(3130℃)は、マグネシア6の融点(2800
℃)よりもタンタル(部材2,8)の融点(2996℃)よ
りも高い。このボロンナイトライド5は、粉体・粒体状
のものが用いられる。
【0016】その後、シース2先端の開口部7に蓋材8
をあてがって、蓋材8と開口部7との周囲を溶接し、シ
ース先端開口部7を閉塞する。なお、上記蓋材8を用い
ることなく、シース先端の開口部7を直接溶融して閉塞
してもよい。
【0017】この溶融・溶接の際、シース2および蓋材
8の材料であるタンタルを溶融させることになるが、タ
ンタル(融点2996℃)よりもボロンナイトライド5(融
点3130℃)の方が融点が高いので、タンタル即ちシース
2および蓋材8を溶融させてもボロンナイトライド6が
溶融することはなく、健全に溶接を行うことができる。
つまり、シース2先端を溶接閉塞する際に、シース2内
部先端の絶縁材(ボロンナイトライド5)が昇華するこ
とはなく、シース2先端内部が空洞にならない。
【0018】シース2先端に充填されたボロンナイトラ
イド5は、伝熱性がよいので、シース2先端に加わった
熱を速やかに素線3a,3bの接合部4に伝熱する。よ
って、感度のよい高温測定用シース型熱電対が達成され
る。
【0019】なお、シース2内の素線接合部4から離れ
たところに充填されるマグネシア6(融点2800℃)はタ
ンタル((部材2,8)融点2996℃)よりも融点が低い
が、溶接箇所から離れているのでそれ程高温にはなら
ず、溶融・昇華することはない。
【0020】このように製造された高温測定用シース型
熱電対1は、例えば図2に示すように高温加熱容器9の
内の温度を計測するために用いられる。この加熱容器9
は、タンタル製の外筒10内にタンタル製の内筒11が
設けられ、この内筒11内にアルミナ製のルツボ12が
設けられて構成されている。各ルツボ12内は溶融され
る試料(図示せず)が収容されている。この容器9は、
試料の無重力状態での試料の溶融再結晶を研究すべく、
ロケット等によって宇宙空間に打ち上げられ、無重力状
態で加熱されてルツボ12内の試料が溶融される。
【0021】上記高温加熱容器9には、その底面から蓋
材方向に、上記高温測定用シース型熱電対1を挿入する
ための挿入筒13が設けられている。この挿入筒13内
に図1(c) の示す高温測定用シース型熱電対1を挿入
し、スライド移動させることにより、容器1内の温度分
布が得られる。
【0022】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、シ
ース先端の開口部を溶接閉塞する際にシース内部の絶縁
材が昇華することはなく、もってシース内部先端に空気
断熱層が形成されることはなく、感度のよい高温測定用
の熱電対が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す熱電対の先端構造を説
明するための側断面図であり、(a),(b),(c) はそれぞれ
製造工程を示す図である。
【図2】上記熱電対の一使用例を示す容器および熱電対
の側断面図である。
【符号の説明】
1 シース型熱電対 2 シース 3a,3b 素線 4 接合点としての接合部 5 ボロンナイトライド 6 マグネシア 7 開口部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタルからなる筒状のシース内部に絶
    縁材としてマグネシアが充填されたシース型熱電対にお
    いて、シース内部先端の二本の素線の接合点近傍のマグ
    ネシアを取り除き、代わりにボロンナイトライドを充填
    した後、シース開口部を溶接によって閉塞してなる熱電
    対の先端構造。
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JP2007187654A (ja) * 2005-12-15 2007-07-26 Yamari Sangyo Kk シース熱電対およびその製造方法
JP2008261686A (ja) * 2007-04-11 2008-10-30 Yamari Sangyo Kk 二重シース型熱電対及びその製造方法

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