JP2538169Y2 - 液晶フィルタの指向方向調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、車両に搭載したCRT等の表示装置に装着
し、該表示装置の指向方向を制御する液晶フィルタの指
向方向調整装置に関する。

［従来の技術］ 従来、この種の技術では特開昭61−215139号公報に示
すように、機械式のフィルタによって表示装置の指向方
向を制御していた。該フィルタは、走行中に於いて表示
装置でテレビ放送を受像する場合、安全走行上、該テレ
ビ画面を運転者に見えないよう目隠しを行い、かつ助手
席側からは見えるよう、表示装置の指向性をもたせるも
のである。

これに対し、近時、透過光の指向方向の電気的に制御
することが可能な液晶フィルタが開発されており、この
液晶フィルタを上記機械式フィルタに代えて使用するこ
とが考えられる。

この液晶フィルタは電気的制御が可能なため、表示装
置の使用状況等に応じて自動制御することが出来るとい
った長所を有している。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記液晶フィルタを車両に搭載した表
示装置に装着する場合、次の問題点が有る。

すなわち、表示装置を例えば車両の計器盤の中央部に
配置する場合、運転席や助手席の乗員は、上記表示装置
を斜めから見ることと成る。そのため、シートの位置を
例えば前後にスライドさせたとき、乗員のアイポイント
がシート位置に応じて変化し、液晶フィルタの効果が最
大に発揮し得る位置からアイポイントが逸れることが有
った。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、上記問題点に対処するもので、シートの位
置に応じて液晶フィルタの指向方向を最適に調整するこ
とを目的としたものである。そして、該目的を達成すべ
く、矩形波を出力する発振回路と、 該発揮回路の出力信号に応じて透過光の指向方向を制
御する液晶フィルタと、 シートの設定位置に応じた信号を出力するシート位置検
出手段と、 該シート位置検出手段の出力信号に対応した電圧を前
記液晶フィルタに印加する電圧可変手段と、 を具備したことを特徴とする液晶フィルタの指向方向調
整装置を提供する。

［作用］ 上記各手段を具備した本考案に係る液晶フィルタの指
向方向調整装置は次のように作用する。すなわち、車両
の乗員がシート位置を好みの位置にスライドさせると、
シート位置検出手段はシートの設定位置に応じた信号を
後段の電圧可変手段に出力する。電圧可変手段は、上記
シート位置検出手段から出力信号を受けると、該出力信
号に対応した電圧を発生し、液晶フィルタに印加する。

液晶は、周知のごとく印加電圧に応じて液晶分子が電
界方向に整列し、光の偏光面を変える。すなわち、液晶
フィルタは電圧可変手段の印加電圧に応じて指向方向が
変化する。

［第１実施例］ 第１図は本考案の第１実施例を示す電気的回路図、第
２図は第１図に示すものの作動を説明する説明図、第３
図は第１図に示す液晶フィルタの特性図である。

先ず、第１図及び第２図に基づき構成を説明する。

同図に於いて、１は矩形波を出力する発振回路、２は
該発振回路１の出力信号に応じて透過光の指向方向を制
御する液晶フィルタ、 ３は、シート４の設定位置に応じた信号を出力するシ
ート位置検出手段、 ５は該シート位置検出手段３の出力信号に対応した電
圧を前記液晶フィルタ２に印加する電圧可変手段であ
る。

また、６は前記発振回路１の出力によって液晶フィル
タ２を駆動する駆動部、７は車両の計器盤近傍に設けた
CRT等から成る表示部、８はキースイッチ、９は直流電
源である。

詳述すると、前記シート位置検出手段３は、該実施例
の場合ポテンショメータで構成しており、例えばシート
４のスライド位置をモータ等のアクチュエータで移動さ
せるいわゆるパワーシートシステムに構成したシート４
のスライド位置検出用ポテンショメータを流用するとよ
い。

また前記電圧可変手段５は、変換部51、入力抵抗52及
び出力抵抗53〜56で構成している。該変換部51は、シー
ト位置検出手段３から入力した電圧レベルを一旦ディジ
タル信号に変換し、更に該ディジタル信号に対応した電
圧レベルに変更するものであり、ロジック回路やマイコ
ン等で構成している。また前記駆動部６は、FET61,62で
構成している。

次に、作動を説明するにあたっては第３図を説明す
る。

第３図に示す特性図の横軸は、液晶フィルタ２に対し
て正面の角度θを０°としたときの、乗員のアイポイン
トＰの成す角度θをθ_A，θ_B及びθ_Cで示す。また縦軸
は、印加電圧をE_a，E_b及びE_cとしたときの液晶フィルタ
２の透過率を示す。

先ずシート４が第２図に実線で示す位置にあるとす
る。このとき、アイポイントＰの角度θはθ_Bであり、
電圧可変手段５が液晶フィルタ２に対して電圧E_bを印加
することにより、第３図に示すごとく透過率が最低すな
わち表示部７が見えなく成り、フィルタ効果が最大に発
揮できる。

次に、シート４を第２図に一点鎖線で示す前方位置に
移動すると、アイポイントＰの角度θはθ_Aと成る。こ
のときシート４の移動によりシート位置検出手段３の抵
抗値が変わり、電圧可変手段５は対応した電圧E_aを液晶
フィルタ２に印加し、アイポイントＰに於ける透過率を
最低にする。電圧可変手段５は、シート４を第２図に二
点鎖線で示す後方位置に移動した場合も同様に、シート
位置検出手段３の出力信号に対応した電圧E_cを液晶フィ
ルタ２に印加する。

以上、要するに電圧可変手段５は、シート４を前後に
移動してもアイポイントＰに於いて液晶フィルタ２の透
過率が常に最低と成るよう、液晶フィルタ２に対する印
加電圧を制御している。

［第２実施例］ 第４図は本考案の第２実施例を示す電気回路図であ
る。

該第２実施例は電圧可変手段10をバッファアンプで構
成したものである。他の構成は、前記第１実施例と同じ
であり、説明を省略する。

上記電圧可変手段10は、オペアンプ101、ツェナダイ
オード102及び抵抗103〜106で構成している。ちなみ
に、抵抗104及び105によって増幅率を設定しており、シ
ート位置検出手段３から入力する電圧レベルを所望のレ
ベルに変換している。

該第２実施例は、前記第１実施例と同じ作動を有し、
説明は省略する。

尚、第１実施例及び第２実施例では、電圧可変手段を
特定の回路で構成したが、シート位置検出手段の出力電
圧をそのまま液晶フィルタに印加することができるので
あれば、接続線を用いてシート位置検出手段と液晶フィ
ルタを接続すればよい。この場合、上記接続線が電圧可
変手段の役割をする。

［考案の効果］ 本考案は、叙上の構成作用により、車両のシートの位
置に応じて液晶フィルタの指向方向を最適に調整するこ
とができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す電気回路図、第２図
は第１図に示すものの作動を説明する説明図、第３図は
第１図に示す液晶フィルタの特性図である。 第４図は本考案の第２実施例を示す電気回路図である。 １……発振回路、２……液晶フィルタ、３……シート位
置検出手段、5,10……電圧可変手段。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形波を出力する発振回路と、 該発振回路の出力信号に応じて透過光の指向方向を制御
   する液晶フィルタと、 シートの設定位置に応じた信号を出力するシート位置検
   出手段と、 該シート位置検出手段の出力信号に対応した電圧を前記
   液晶フィルタに印加する電圧可変手段と、 を具備したことを特徴とする液晶フィルタの指向方向調
   整装置。