JP2537828B2 - 光コネクタ用セラミック体の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、光コネクタ用セラミック体の製造方法に関
するものである。

「従来の技術および発明が解決しようとする問題点」 従来から、光コネクタ用フエルールやキャピラリのセ
ラミック体に孔を設けるには、押出し成形でセンターピ
ンによりセラミック成形物のセンター孔を連続成形した
り、またはドライプレスでコアピンによりプレス成形し
たりしている。しかし、セラミック体に例えば125μmm
程度の細径で長さ10mm程度の長孔を穿設しようとした
ら、プレス成形では不可能である。

「発明が解決しようとする手段」 そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、セラミック体
に細径で長い孔を穿設可能とすべく、焼失線状体を用
い、その焼失線状体を埋設するようにセラミック原料を
供給して、セラミック体を焼成し、同時に線状体を焼失
させて微細長孔を設けるものである。

「作用」 焼失線状体を埋設したセラミック体を焼成し、線状体
の焼失した箇所に微細長孔ができる。

「実施例」 まず、第１図に示すように、ナイロンやテトロンなど
の焼失線状体１に張力をかける。次に、第２図に示すよ
うに、アルミナ、ジルコニア、フォルステライトなどの
セラミック２の原料を前記焼失線状体１を埋設するよう
に供給する。セラミックの原料は粉体あるいは泥漿であ
る。粉末の場合は加圧成形をする。次に、第３図に示す
ように、焼失線状体１を埋設したセラミック２を焼成す
る。

すると、線状体１が焼失するとセラミック２に微細長
孔３が貫設される。

具体例１ 焼失線状体として直径150μｍのメタアクリル樹脂フ
ァイバー、セラミックとしてアルミナを用いた。メタア
クリルの焼失温度約400℃、アルミナの焼成温度約1600
℃である。

具体例２ 焼失線状体として直径320μｍのナイロン糸、セラミッ
クとしてジルコニアを用いた。ナイロンの焼失温度約30
0℃、ジルコニアの焼成温度約1500℃である。

なお、筒状に限らず、角状体、円柱体の内部に三叉ま
たは十字方向に交わる微小孔を内設することもでき、こ
のような微細孔を持ったセラミック体は光コネクタ用の
フエルールやキャピラリなどに好適に使用できる。

「発明の効果」 本発明は、上記のように、有機質の焼失線状体を埋設
したセラミック体を焼成してセラミック体に微細長孔を
設けるので、セラミック体に微細長孔を確実に設けるこ
とができる。また、本発明は、線状体を焼失させて微細
長孔を設けるので、長孔の内径面、仕上がり精度がよく
表面状態が良好で、後加工工数が低減する。さらに、本
発明は、焼失線状体を張設してそこにセラミック体を供
給するので、セラミック体外周面と微細長孔との同心度
が良好であり、後加工工数の低減ができる。さらに、本
発明は、焼失線状体を張設して、線状体をセラミック体
に埋設して焼失させて孔を設けるので、従来のコアピン
を用いた金型によるインジェクションやドライプレス成
形時には、できなかった微細孔の長さを長くできる。微
細長孔ができるようになったことにより微細径の光ファ
イバの保持が安定的にでき、コネクタ性能の向上ができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本発明の製造方法の工程を示す図であっ
て、第１図は焼失線状体を張設する工程を示す図、第２
図は焼失線状体をセラミック原料で埋設するようにセラ
ミック原料を供給する工程を示す図、第３図は焼失線状
体を埋設したセラミックを焼成し微細長孔を設けた状態
を示す図である。 １……焼失線状体 ２……セラミック ３……微細長孔

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】有機質の焼失線状体を張設する工程と、張
   設した焼失線状体を埋設するようにセラミック原料を柱
   状に成形する工程と、焼失線状体を埋設したセラミック
   体の焼成に伴って、焼失線状体を焼失することにより微
   細長孔を形成する工程とよりなる光コネクタ用セラミッ
   ク体の製造方法。